卒業研究で書くレビューについて


レビューってなに?

 レビューとは、あるテーマについて、 過去の研究を網羅し、まとめ、解説した論文のことです。
 新しい結果について報告する、通常の学術論文とは、異なりますが、 よいレビューは十分に価値のあるものです。 もちろん、レビューに新しい見解やアイディア、結果を織り込めれば、 それはよりよいことです。


注意すべき点

 まず、最低限のことですが、 他人の教科書や論文の丸写しは、絶対にだめです。 その点、講義のレポートとは意味が異なりますので、注意が必要です。 (講義のレポートでも、丸写しはいけませんが、 それよりもはるかに基準が厳しいということです。)
 例えレビューであっても、 提出者は「私が書いた」ということで発表するのですから、 他の人が書いたものの丸写しであれば、うそをついたことになります。 卒業論文で外部に発表しないものであっても、また、部分的な丸写しであっても、 絶対にやってはいけないことです。 仮に、その元の論文を書いた人の承諾があったとしても、同様です。 卒業研究が、研究の端くれ、 あるいは真似事をさせるものだとすれば、 その線は最低限譲れないモラルです。

 それと関係することですが、いくらレビューであっても、必ず一旦、 自分で理解して、 自分の言葉で書かなければいけません。 卒業研究は、ある事柄について、理解を深くするのが目的ですから、 理解せずにレポートを作成しても、全く意味がありません。 申請書や事務手続きの書類のような感覚で、 「ひととおりちゃんと書いてあればよい」という態度で作るのでは いけません。


どのように書くか?

 どのように書くかといっても、抽象的ですが、列挙すれば、
(1) 自分が後で読んで役に立つように書く。
(2) 研究室の異なる、同学年の人々が読んでも理解できるぐらい、 分かりやすく書く。
(3) 同じ研究室に来年配属になる下級生が読んでも理解できるぐらい、 分かりやすく書く。
(4) 複雑な計算も付録につけて、詳しく書く。
といったところでしょうか。ともかく詳しく分かりやすく書くことによって、 根本的なところに立ち返りますから、本当に自分が理解しているのか、 確認することができますし、また、大学院に進学する人にとっては、 後で実際に役に立つかもしれません。



更新日時: 2000年8月11日