分子細胞情報学セミナー
◎平成23年4月22日(金) 17:00~18:00
「網膜疾患の病態解明のための分子生物学的アプローチと治療戦略」
原 英彰 教授 (岐阜薬科大学 薬効解析学教室)
【要旨】
糖尿病網膜症及び緑内障は、本邦において患者数がそれぞれ約700万人及び約400万人いる失明原因のトップを占める疾患である。糖尿病網膜症は最近抗体医薬が使われるようになってきたが、まだ十分な治療薬は存在しない。これら網膜疾患の眼科基礎研究は、アルツハイマー病などの中枢神経系疾患の基礎研究と比べて、かなり後れを取っており、研究の進展が求められているアンメットメディカルニーズの高い疾患でもある。我々の研究室は、これら網膜疾患の病態解明とその治療薬開発をテーマの一つとして研究を行っている。本講演会では、これら網膜疾患における分子イメージング研究、網膜血管新生に関する研究並びに網膜細胞障害における小胞体ストレスの役割に関する研究の一端を紹介したい。