分子細胞情報学セミナー
◎平成30年2月22日(木) 17:00~18:30 総合研究棟7F 共同セミナー室(701号室)
「浸透圧ストレス応答を担うシグナル伝達分子の同定と解析
〜ゲノムワイドsiRNAスクリーニングによるシグナル伝達分子の網羅的探索〜」
名黒 功 先生
(東京大学大学院薬学系研究科 細胞情報学教室 准教授)
【要旨】
浸透圧ストレスに対する細胞の応答は、トランスポーターなどを介したイオンの流出入を制御し体積変化を調節する急性のものと、遺伝子発現を介して細胞を浸透圧に馴化させる慢性的なものが知られている。我々は、これまでにASK3というキナーゼが急性の浸透圧応答を制御することを明らかにし、このキナーゼの浸透圧依存的な活性変化の分子メカニズムについて、ゲノムワイドsiRNAスクリーニングを利用して解析してきた。本発表ではこの解析とともに、浸透圧依存的な遺伝子発現を担う転写因子NFAT5の制御機構に関するスクリーニング例も提示し、ゲノムワイドsiRNAスクリーニングの結果から新たに明らかになった浸透圧ストレス応答関連分子について紹介する。