分子細胞情報学セミナー

◎平成30年3 月16日(金) 17:00~18:30  総合研究棟7F 共同セミナー室(701号室)

 「睡眠中の記憶固定化メカニズム

  坂口 昌徳 先生
  (筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 准教授)

【要旨】

  睡眠中に記憶が固定化される過程には不明な点が多い。ほ乳類の睡眠はレムとノンレム睡眠に大別され、それぞれ記憶の固定化に違った機能を果たす。例えば、学習時に嗅いだ匂いをその後のノンレム睡眠中に再暴露すると、記憶の固定化が促進される。我々も、恐怖条件付け学習に用いた音を、ノンレム睡眠中に聞かせてみたところ、逆に記憶が減弱した。一方レム睡眠中に、海馬のシータ振動を抑制すると記憶の固定化が障害される。しかし、睡眠中にどの神経回路が記憶固定化に関わっているかは不明である。我々は、成体脳内の海馬で新生するニューロンが、記憶の固定化に必要であることを示した。 今回、新生ニューロンをレム・ノンレム睡眠の時期特異的に、光でリモートコントロール(光遺伝学制御)し、その記憶の固定化における機能を検討した。


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