2000年1月9日(日) 定例観察会で広島大学の環境問題について考えた

 

 

『あ はっぴい にゅう いやー』

事務局長の掛け声(?)で始まったミレニアムな自然観察会。今年も、いろいろ面白いことがありそうだ。

今月の観察会はビギナーには楽しい(つまり、達人は満足できない)野鳥観察スポット「大沢田池」と

広島大学東広島キャンパス内のため池。

 

ヒシクイ

 ヒシの実を食べる、普通はかなり神経質な鳥らしいが、大沢田池では、なぜかガチョウに混じって人からパ

ンをもらっている。

 「う〜ん。あれは「野鳥」かどうかわからん・・・・。」

 周りのオナガガモやヒドリガモと比べるとちょっとでかくて、クチバシの先の鮮やかな黄色が遠くからでも

目立っている。

 オナガガモは名前の通り尾が長い。

 長くないオナガガモもいたが、幼鳥らしいとのことだった。長くて下向きにクリンと丸まっている尾がかわ

いい。

 

キャンパス

 西条キャンパス日記でも書いたけど、東広島キャンパスにはいくつものため池があり、そこは知る人ぞ知る

野鳥観察スポットである。特に、今の季節は世界的に数が減少している(らしい。観察会で始めて知った。)

ヨシガモが渡ってきている。ヨシガモは、ナポレオンハットと呼ばれている緑にも光の加減で紫にも見える頭

の部分がきれいな鳥だ。

 

広島大学の自然

 このことからも分かるけど、大きくて無愛想な建物が乱立している外観からは想像できないほど広島大学

周辺の自然は豊かだ。

 「大学が移転して来んかったらもっと自然が残っとったじゃろう。」

と言う人もいるが、まあ、もう移転しているんだから、次を考えよう。

しかし、毎日パソコンがうなり、プリンターがフル稼働している事務室にいるとふと「これも自然破壊か?」

と思うことがある。

 自然からちょっと話題が離れるけど、ネットワークが張り巡らされたキャンパス内で仕事をする限りには

やはり、めざすのはIT革命

 使い捨て文化からの脱出を図るためにも、ネットワークで繋がったコンピュータの利点をフルに生かせる

仕事の流れに変えていかなければ人間も森林も危ないと、真剣に思う。

 このごろのコンピュータって想像以上に進化している。

文書をスキャナで画像にして保存できて、さらに、画像のはずなのにその文書の内容まで文字検索できるとか・・・・。

でも、一番大事な事が、「どこに何を整理しておくか?」っていう私の一番苦手とする永遠の命題に戻ってしまうところが

悲しい・・・。検索方法がどんなに進化しても、コンピュータがどんなに性能が上がっても

結局のところ肝心なのはそこだとしみじみ思う今日この頃。

 

それで、広島大学について考える

 広島大学はフェニックスで象徴されるように、原爆の苦しみを味わい、根こそぎ破壊された焼け野原から

甦ったが故にどこよりも「平和」を強く願う大学だ。

 「平和」といえば「共生」。「共生」といえば、やはり「自然との共生」が究極のテーマになる。

 キャンパスにやっと残っている自然から、年々入れ替わる学生たちがいつまでも何かを学べるよう絶やさず

に守っていくのは、何十年と広島大学にいる教職員の負う重い役目のひとつではないかと思う。

 いくら情報化社会とはいえ、やはり人が文化を生み育てていくもとにあるのは自然を感じる心だと思うし,

コンピューターグラフィックスに感動しても、木や鳥の美しさが見えない人の言うことは信じることはできない。

自然に触れるってことはバーチャルな世界とはまったく異質な世界の気配を感じることじゃないかと思う。

 せっかくこんな広島大学で4年間を過ごすのなら、自然の力を肌で感じて欲しいなあと願う。

 ということで、月に1回のゴミ拾いの日を楽しみに待っていたりして・・・・。

 

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