西条キャンパスお散歩日記


1999年2月14日(日) 野鳥観察会
冬の終わりは魅力的な植物になかなか出会うことができないので
今年は鳥を楽しむことが多い。
この日は,キャンパスレンジャーというボランティア団体主催の
西条キャンパス野鳥観察会に参加した。
集合場所に行ってみると,自然観察会でもかなり顔の売れている
広島大学職員が何人もいるいる。
オレンジの毛糸の帽子をかぶっているのでRさんに気が付くのに
時間がかかった。
主催者から「今日のルート」の説明を受けた後,長い列になって最初の目的地へ
向かった。
賀茂ケーブルテレビやTSSのカメラマンや取材の記者も混ざっている一団は
50人くらい(正式発表は48人)。
鳥が恐がって逃げるんじゃないかのーと心配になった。
ところが,鳥は「人が割と好きなので,好奇心から人のいる方へ寄ってきて,
飽きたら,去って行きます。」
(誰かのようだ・・・・。)
最初に出会ったのはアオジ(ホオジロ科)。羽の地の色が鮮やかな黄色で,
きれいな鳥だ。
最初の目的地では,お目当ての水鳥は1羽もいなかった。
そのかわり,ガマの茂みには,エナガ(エナガ科)が群れてやってきていて
飛びまわっていた。
「頼むからじっとしといてくれー。」と無理なお願いをしながら
双眼鏡で追いかけていたら,やっぱり気分が悪くなる・・・・・。
ヤマガラ(シジュウカラ科)の鳴声がかなり近くの林から聞こえてきているけど,
姿は誰も見つけることができない。
そこから,川沿いにさかのぼって,キャンパス内にあるもうひとつあるのため池に
向かった。
ツグミ(ヒタキ科)が地面をぴょんぴょん歩き回っている。
背中の茶色い斑点がかわいい。
ホオジロ(ホオジロ科)とミヤマホオジロ(ホオジロ科)が近いところで
木に止まっているのも観察できた。
一緒に歩いているM田さんは,いつもポケットやリュックの中から
図鑑を出しては観察している人なので,時々その図鑑を見せてもらうと
やはり,特徴がよりよく分かる。
鳥はすぐに動いて見えなくなるので,図鑑の重要性が身に沁みた。
以前(1月のキャンパス日記に出てます。)ヨシガモ(ガンカモ科)を見た池だった。
この日も,けっこうヨシガモは泳いでいる。
オシドリと同じ仲間だそうで,この時期はつがいでいることが多いと言われて
オスとメスの数を数えると,ちょうど9羽ずついた。
「おー,ぴったりー。」
(もっとも,この会のまとめでは,10羽ずついたという話だった。???)
結局,会の最後に参加者全員で観察した鳥を確認したところ,10時から12時までの
2時間で,22種の鳥を観察していた。
あとがきとして
参加者はゴミ拾いに協力するよう頼まれた。
自然から楽しませてもらうからには,それなりにお返しをするべきなのか。
無条件に自然が人間を受け入れてくれた時代は終わってしまったのか,と思うと
ちょっと,悲しいイベントでもあった。

1999年2月17日(水) 野鳥観察Part2
この朝,ひさびさにひばりのさえずりを聞いた。
春じゃのー,と思っていたら4月並の暖かさだとか・・・・。
昼休憩はそんな春の陽気に誘われてしまったH田さんと一緒に
またもや野鳥観察に出かけた。
理学部の前に植えてある紅梅の花が咲いていて,うぐいすの代わりに
すずめが止まっている。そのすずめは割と近づいても逃げなかった。
地面ではつぐみがうろうろしている。
なんだか,幸先がいいぞ。
暖かいと,野生の生き物も警戒心が薄らぐのだろうか???
今日は,日曜日とは別のため池へ向かった。
(きっと,これ読んだ人は,西条キャンパスって池ばっかりだと思うだろうなあ。)
ところが,工事のため池の水が抜いてあった。
「おおー,空じゃー。」と二人とも硬直。
せきれいが池の底でやけに楽しそうに鳴いている。
隠れる所もないのに・・・・。
この池に見に来た鳥はずばり「まがも」。
がっかりしながら,池の周囲を歩いていくと,木陰で鳥が動いた。
コンコンとかすかに木をつつく音も聞こえる。
こげらだ。背中の黒いてんてん模様がかわいい。
水の抜いてある池のさらに奥にもうひとつ小さな池があるとH田さんが言うので
さらに歩いて,そこまで行ってみると,まがもが数羽池を横切って茂みに姿を隠した。
「もう,姿みせんかねー。」
と言っていると,目の前の枝に鳥が止まった。
「やまがらじゃ!」とH田さんもちょっと興奮ぎみ。目の輝きがいつもと違うぞ。
しばらくさえずってから,どこかに行ってしまった。
20分の散歩で,8種の鳥を見ることができた。
もう,春だ。

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