しし座流星群 1999年11月17日(水)

 

2、3日前の新聞で、しし座流星群予測が掲載されていたので

今年もしし座流星群見物にチャレンジ。

今年は念入りにしし座流星群星関係のホームページを熟読し、

ホームページで見かけた「星を見るコツ」も踏まえた計画を立てた。

ちなみに、「コツ」とは

「誰かが見えたと話していた場所や、星がきれいに見えた場所を

思い出して行ってみる。」

 

<去年の苦い経験>

去年は朝4時起床の計画を立てて寝過ごしたので、

今年は早起きをしないで済む方法を考えた。

しし座流星群が見られる時間帯の最初の方(夜11時ごろ)から空を見る。

つまり、夜更かしをして、眠たくなったらあきらめてぐっすり寝るという

軟弱な作戦だ。

 

<場所選び>

去年の話(又聞き、噂も含んでいるが・・・・)によると山沿いよりも海側の方が

見えた人が多かった。

海沿いで、周囲が暗くて、東側がひらけているっていうと

やはり、自然観察の穴場「宇品」あたりで決まりでしょう。

 

<同じ目的の車>

ふと我にかえると、夜の11時に宇品をうろうろしている自分が悲しいが、

そんなことには負けない。

しかし、意外と宇品は明るい。

高層マンションも多くて、空が隠れてしまっている。

おまけに、プリンスホテルはド派手で、大きくて、星を見るにはじゃまだ。

場所選びに失敗か?と思いつつも

とにかく元宇品の灯台方面へと向かった。

山の中なので、自動車に乗っていても不気味さ倍増。

バックミラーは、見ない。

暴走族でも出会ったらうれしいかも・・・と思う。

灯台手前に、東側が見晴らせる場所を見つけるが、すでに白いワゴンが止まっている。

「不法駐車か?」と思いつつ脇を通りぬけると、車の中の人は

東の空をじっと見ている。

どうも、同じ目的らしい・・・。

見ず知らずの人と車を並べて待つのもなんだかおっかないので

そこは諦めて別の場所に移動。

元宇品小学校に入っていくと、割と東側がひらけている。

周囲の建物の外灯が点いているが、それが初心者には心強い。

「おー、ここ、ここ。」

やっと観察ポイント決定。

すでに11時を過ぎている。

 

<観察開始>

東側はなんとなく星が見えているが、時々雲が動いているのも見える。

月は、見渡しても見えないが、どうも左側の背後にあるらしい。

横になって空を見ているのがいいらしいので、

横にもなってみた。

星は同じ強さでずーっと光っているのだと思っていたが

じっと見ていると光はゆらゆらと不規則にゆれていた。

半球状の夜空が地面に覆い被さっているように見えてくる。

地面は動かないで、空が動いていると考えるほうが、感覚として分かりやすい。

(「私を中心に世界は回っている。」と言うせりふもあることだし。)

セーター、フリース、風を遮る薄手のジャンバーを着込んで、厚着をした気になっていたが

外気はかなり冷たい。

コンクリートの上に毛布を敷いて座っていると、お尻からも冷えてくる。

「車が東に向いているんだから、車の中から見ても一緒だよね。」

と理由をつけて、10分も経たないうちに、車内へ退却。

 

<ケータイは何を呼んだのか?>

11時23分、携帯電話が鳴った。

「もしもし、今どこやー。」

鷹野橋から青崎にある自宅へ自転車で帰宅途中(酔っ払いになっているってことだが)の

K野さんからの電話だった。

夜空の様子を伝えるのに、車をでて

「ちょっと、曇ってきたんですよ。」

と言った瞬間

北東の空に「むにゅーっ」という感じで光の線が延びてきた。

「あー!!!!流れ星じゃー!!!!」

と大興奮して叫ぶと

「まてまてー、建物の影で見えーん!」

と電話の向うで叫んだ。

その後、しばらく無言。必死で自転車をこいだらしい・・・。

光の線は、5センチくらいの長さまでむにゅーっと伸びて、しばらくそのまま光っていたが

ふっと消えてしまった。

「残念じゃのー。」

としきりに残念がって、K野さんからの電話は切れた。

その直後、急に雲が広がり、星はまったく見えなくなってしまった。

あの電話が、どっちかを呼んだんじゃろうか?

すでに11時30分になろうとしていた。

家に帰るのに早くて30分はかかるので、今から帰っても寝るのは真夜中だ。

まあ、今回はこれくらいにしておこうかと、帰路についた。



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