春のはじまりだ!!!

1999年2月28日(日) 総領町
節分
節(せつ)とは,暦でいう二十四節気のこと,
節分とは,二十四節気のひとつ立春の前日のことで,冬の節から春の節に
うつりかわる時のことをいうそうだ。
今年の節分は大雪にみまわれて,さんざんな目にあった人も多いけど
その後は,確かにそれまでと違って突き刺さるような空気の冷たさが
和らいだような気がする。(本当に気のせいかもしれないが・・・。)
冬と春の境目は,他の季節の境目と比べて,一番うれしい。

総領町の自生地
節分を過ぎる頃にテレビで総領町のセツブンソウが咲きはじめたと言っていた。
節分の頃に咲き始めるので「セツブンソウ」の名前のついた白いかわいい花だ。
春の第一弾にするにもってこいだなー,とそわそわしていたところ
やはり,そう思う人は多いらしく「行きましょう。」とお誘いがかかった。
今回は「オガタマノキとあなごめし」の第2弾「セツブンソウと比婆牛」だ!!!
と言うことで,せっちゃん夫婦とお昼前に東広島駅で待ち合わせた。

携帯電話が役に立つ日
この日の企画はもともとはRさん主催だったけど,家庭の事情ってやつで当日の朝中止の
連絡があった。はずだった。
しかし,心はセツブンソウだし,他にすることもないし,ということで,
せっちゃんたちと最初の予定通りに出発しようとした矢先
「えー子にしとるんか?」
とRさんからケータイに連絡が入った。
携帯電話を持っても,ほとんどいつも留守電になっているワタクシは
あまり留守電自体もチェックしない。
というずぼらな本性を見破っているRさんは,中止の連絡を
留守電に入れていたので,ちょっと心配になったらしい。
「今から総領町へ行きます。」
「今,用事が済んだところじゃ。わしも行く。」
結局,総領町で落ち合うことになった。
(素直に取り止めた人がこれ読んだら怒るだろうなあ・・・・・。)

この日のルート
私はてっきり西条インターから山陽道にのれば,庄原は近いと思っていた。
が,中国道まで戻らないと庄原インターには行けない。
そこで国道375号線を双三郡三和町へ向かって北上し,三良坂町から灰塚ダムの底に沈む
灰塚を抜けて総領町へ入るルートを通った。
375号線を外れると結構細い山道が続くので,高速をぶっとばすのと違って楽しい。
運転していないので,窓の外を眺める余裕があってもっと楽しい。
山道の途中には「植物を採取してはいけません。」とカタクリの花の絵が書いてある
看板が立っていたりする。
ってことは,カタクリの自生地があるってことだ。
もっとも,見つけるにはカンと運となにより「長年の経験」というやつがいるらしい。
せっちゃん情報では,イチリンソウなんかも多い場所があるらしい。

灰塚
ダムの底に沈む予定地一帯も,「植物採取禁止」の看板が目に付く。
というのも,家や石碑,庭木にいたるまで,すべて撤去されていて
看板と神社の鳥居のほかに何もないからだ。
川に沿って走っている道路を行くと,所々に橋が架かっていて,なんとなく町の
名残をのこしている。
地面が広がっているだけの不思議な景色を見ているとなんとなく家があったような
地形が残っていたりして,だんだん不気味に思えてくる。
夢で見そうな風景だけど,一人では,絶対迷い込みたくない場所だ。
三良坂町から総領町に入ったところで,本日最初のセツブンソウ自生地をチェック。
が,そこは,日陰で立っていると体が冷えてくるくらいひなたの場所と温度差がある場所で
セツブンソウは影も形もない。
しかし,「植物採取禁止」の看板が・・・・。
ここもダムに沈むので,自生地のすぐ脇にある畑では,おじさんが木材を焼いたり
後片付けに追われていた。
それでも,私達の姿を見つけると「まだ,早かろー。」と声をかけてくれる。
セツブンソウが目的だって,わかるのねー。
ここらの植物は,建設省がよそへ移す手筈になっているらしい。
そーいや,太田川の塩生植物を見たときもそんなことをしていたなあ。

やっとお昼
道の駅リストアステイションに着くと,はらぺこRさんが待っていた。
中止になったけど,やっぱり来たというH田さんたちにもばったりでくわした。
午前中に見て回ったというH田さんによると,神社のところが見頃だけと
リストアステイションから神社に向かって川の右側に広がる自生地は,日陰なので
まだ時期が早いということだった。
帰路についたH田さんたちと分かれて,リストアステイションでとりあえず
お昼ご飯にありついた。

とりあえず見頃から
普通は,リストアステイションから川の右側に沿って歩き,日陰になっている方の
自生地を見てから,そのまま進み橋を渡って神社へ向かう。
しかし,今回は事前情報を得ていたので,「やはり,見頃の方から。」と
迷わず神社へ向かう。
前回も神社の方が,花が大きかったような記憶がある。
遠くからでも「あ,あそこだ。」と分かるくらい人がいる。
せっちゃんはしきりに「セツブンソウが見頃の時期は梅が満開なのに。」
と堅いつぼみの梅を気にしている。
それでも,久々に花を見ると,春が実感できてうれしいもんだ。
セツブンソウ(キンポウゲ科セツブンソウ属)は,白い花びら(正確にはガク片だそうだが)
と,びらびらとくっついている葉の形がかわいい花だ。
そのそばで,ちょっと変わった実を付けている木を見かけた。
コクサギ(ミカン科)だそうだ。
葉のつき方が右,右,左と互生になっている変わった木だ。
「クサギ」の名が示す通り,小枝を折って臭うとなんともいえない臭いがしてくる。

川沿い
神社をでると,鳥が集まっている木を見かけた。
「あ,双眼鏡を車に忘れた!」
と言うと,「なんのために持ってきたんだ。」と非難ごうごう。
鳴声は西条キャンパスで聞いたことがあるし,鳥の名前も確かその時に聞いたような・・・
でも,分からない。
双眼鏡を持ち歩いていたせっちゃんがエナガだと言った。
さらに歩いていると,青い頭で体の真っ黒なカラスのような鳥が飛んでいた。
正体は,クリーニングのハンガーを咥えたカラスだった。
「おー,あの木に巣ができとるー。」
と双眼鏡を覗いてせっちゃんがひとりで喜んでいた。
今度から,双眼鏡は忘れないぞ。

オウレン
次の自生地は,日陰なので花の時期はちょっと遅くなるけど
見頃に行けば広い斜面いっぱいにセツブンソウとオウレンが咲き乱れる
お花畑になる所だ。
しかし,今回は時期がちょっと早い・・・・。
楽しみにしていたオウレンもしばらく探してやっと一株見つけた。
黄色い根はとても苦いらしいが,胃に効く漢方薬になるそうだ。
でも,そんな渋い効能は感じさせない白いかわいい花を咲かせる。
もっとも,センブリでも花はかわいいけど胃腸薬になるっていうし
植物にとって外見と特性はあまり関係ないんだろう。

おまけの(?)比婆牛
夕方,比婆牛の焼き肉に舌鼓をうった。
「牛を,育っている近くで食べるなんで,残酷!!」
と言う人もいるけど
やはり,産地で食べると味も歯ごたえが違う。
結局,食い気に勝てない自分が悲しい・・・・。
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