なぞの多い牛田山を行く!!!

1998年12月23日(水)


いつもメールから始まる
先月の終わりから今月にかけて,「牛田山へ行った。」と同じ人から
2回もメールをもらった。
1ヶ月の間に2回も登らせる魅力があるのか?!
と気になったので登ってみることにした。
なんと人の影響を受けやすい性格・・・・・。

登山口の選択
「ふるさとの山歩き」を読んで,自動車で牛田旭を目指したけど
車を置くスペースがないのと登山口が分からないので断念して,
神田山荘へ向かった。
コンビニの弁当が「早く食べてくれー。」と泣いていたので
登山口のコンクリートの階段に座って大芝水門あたりを眺めながら
食べた。
そろそろ2時近くになっているので,頂上まで行けるかちょっと心配。

落ち葉と葉の違い
足元には,茶色く乾燥している落ち葉がたくさん落ちているけど,
ほとんど踏みつけられてないので,葉の形の違いがよく分かる。
落ち葉っていうと黄葉や紅葉についつい目が向きがちだけど
こうやって見ていると,茶色い葉も表面がツヤツヤしていて
結構きれいだ。
落ち葉の中にコナラ(ブナ科)がかなり混ざっている。
名前が分からないと地面に落ちている葉っぱは全部「落ち葉」。
名前が分かる葉は,「落ち葉」とは別物。と思う。(人って現金。)
木も同じで,コンクリートの階段を登りながら,雑木林の中から見つけ出した
りょうぶ(リョウブ科),やしゃぶし(カバノキ科),ケヤキ(ニレ科)など
木肌や木に残っている実や落ちている葉で名前が分かる木は
雑木林とは別の「木」のような気がする。

山道は楽しいぞ
この山では「ここって,山の上だよねえ。」と一瞬自分を疑いそうなくらい
自分んちの庭で和んでいるように見える人たちに何人も出会った。
「こんにちはー。」ととりあえずあいさつだけして足早に通過。
おじゃまします,の方がいいのだろうか?
神田山の頂上を越えると,歩きやすい山道が続く。
歩きやすいように土がいれてあるようにも見えるけど
人がひとりで一杯になるくらいの幅なので
「山の中」気分が味わえる。ツボを押さえた道だなあ・・・・。

今日は一人なので
なんだかんだ言って,じつは,私の植物の知識は大変少ない。
いつもあーだこーだと書いているのは,よく知っている人にくっついて
解説と名前をメモしながら歩いているから。
それでも,道に沿って生えているこうやぼうき(キク科コウヤボウキ属)
なら花が咲いていなくても分かる。
綿毛(正確にはそう果と呼ぶらしい)がぽよぽよとついている。
同じキク科のせいかせんぼんやりの閉鎖花に似た色と形だ。
茶色い綿毛と花の色が残っているようなピンクの綿毛とあった。
冬の山では,常緑の木はよく目立つ。
かくれみの(ウコギ科)は,若い葉は3裂(葉の先が3つに分かれている。)
しているのに,成長と共に裂け目の部分が浅くなって,最後には消えてしまい
普通の葉になる奇妙な木なので,割と早くから
見分けられるようになった木。これも結構目につく。

デルタの街
唐突に木の間から「牛田山」と書いてある看板が出現し,山頂に到着。
もうちょっと歩きたかった。
小屋があったり,畑があったりして
やっぱり,いつもの頂上の景色とちょっと違う。
しかし,目の前の広島市内の景色はすごいものだった。
「デルタ」って,こういうものかー。
と実感できる。
「デルタ」という言葉を習ったのは小学生だったと思うけど,そのときに
この川と川の間の三角州にビルがぎっちり建っている街の姿を見たら,
教科書読むよりよく分かっただろうに,と思う。
社会が好きになったかもしれない・・・・。

帰り道で
「ありゃ,こっちに戻ったんね。」
と行きですれ違ったおじいさんが残念そうに言った。
「こっちに車があるので・・・。」
と思わず言い訳口調。
「小学校の方へおりりゃあ,眺めがええよ。」
とまた山頂の方へ向かって行ってしまった。
やっぱり,なんだか不思議な山だ。
いろんなルートがあるし,いろんな目的の人が遊んでいるみたいだ。
それで,今度はこしあぶら(ウコギ科)の芽を摘みに春に来よう
と思った。
せっかくなので,車は家においといて,小学校側の眺めのいいルート
ってやつを楽しんでみよう。
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