電脳的生活
- 電子メールで連絡のとれるわたしめは、結構うれしいお誘いをもらうことが多い。
- 「明日は、雲月山。行く?」
- 花の金曜日にこんなメールをもらったら
- 「行くー!」
- とハイテンションで答えるしかないでしょう。
9:30 ちょうど開店「安気(あんき)」
- 戸河内I.C.を下りて少し走ると、手作りパンの店がある。
- 焼きたてのりんごパンは絶品!!!
- を、店の前で食べる。
- 雲月山は遠いぞ・・・・・・。
10:55 空は青いし、空気はうまいし
- 展望台の下の駐車場に車を止めると、トイレはきれいだけれども
- 登山出口(?)に近くて、登山口にちょっと遠くなる。
- 「登りも帰りも一緒じゃないの?」
- と出口から登りかけたけど
- 「やはり、花を見る順序ってものが・・・・」
- とこだわりの人の意見に当然のごとく負けて、
- 雲がほとんどない青空と、すすきに覆われたなだらかな山肌を左手に眺めつつ
- アスファルトの道を登山口へ向かった。
- 葉がミントそっくりなやまはっかや、
- 秋の花にしてはやけにポップな黄色の花を咲かせた
- (春の色のような明るさを感じるのはわたしだけだろうか?)
- あきのきりんそうが日当たりのいい道に沿って咲いていた。
- 登り始めるとすぐに息が上がる。ああ、体力不足・・・。
- せんぶりやうめばちそうが
- 「見て見て!!」と言わんばかりに道のほとりに咲いている。
- 君たちは、なんて元気なんだ。
12:00 県境の尾根に到着
- 島根県との県境になっている山の尾根まで登ってしまうと
- すっとするような冷えた風が吹いていた。
- 疲れが飛んでいくようだ。
- 強風と雪のせいで、島根県側に植林してあるからまつが
- 音で表すと「ぐおお」
- と、どの木も伸びたい方向とは違う向きに不本意そうに傾いていた。
- ベンチもあるし、昼も近いし、
- いきなり、パンやらビールやらでてきて、小休憩が始まった。
- やっぱり、雲月山は遠いらしい。
目の前にまた険しいのぼり道
- 左に行くと山の脇を迂回する道、まっすぐ行くとひと山越える。
- 「そりゃ、当然まっすぐです。」
- ひとりだったら、どっちを選んだかなあ、と考えつつ歩く。
- たぶん、迂回しただろうなあ。
- 細い道を覆うように、すすきが伸びているので、
- 日光を求めて、道にはみ出すようにして育っているりんどうがちょっとかわいそう。
- 視界を遮るほど伸びたすすきを掻き分けながら歩くのは
- 何年ぶりだろうか。
12:35 雲月山頂上(911.8m)
- ご主人は写真、奥さんは写生をしていらっしゃる夫婦らしき人たちと
- ほとんど同時に頂上に着いた。
- 山の上で「あれがナントカ山で・・・。」
- という会話を交わすのって、楽しいだろうな、と思うと、結構うらやましい。
- 「あれが阿武隈川で・・・」と故郷の川や山を恋人と楽しもうとした智恵子の気持ちは
- 詩に封じ込められてしまったんだよなあ
- と必要もなく文学的になる。(人によっては現実逃避とも呼ぶ。)
なかなか帰路につけません
- 写真で言うと、右側の山のさらに右にある山から
- 登り始めて、左はしが雲月山の山頂になるので
- 遠く感じるけど、歩くと意外と短時間で十分楽しめる。
- さらに、「なぎなたこうじゅうの群生があるはず。」
- で、登山出口で待っていてくれた車に乗り込み登山口まで逆走。
- そこから歩いて島根県境を越えた。
- そこは、紫のなぎなたこうじゅうとピンクのみぞそばが
- これでもかっ!!!というくらいに咲き誇っていた。
- 「ほんじゃあ、そろそろ帰ろうか。」
- と広島県側に向かって歩きながら、振り返ると
- 紫とピンクに霞んだ道は、どこまでも続いているような気がした。
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