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LiCl -

LiCl Counter

LiCl は、エタノールによく溶ける。核酸を沈殿させるときに加える塩として LiCl を使うこともある。高濃度の LiCl は、RNAを選択的に沈殿させるのにも使われる。

RNAの LiCl沈殿は、6M LiCl をサンプルの 1/2 から等量加え最終濃度を 2M〜3M にして行われる。私は 0.6 volume 加えている。普通その後氷上に置くと書いてあるが、-20度に置いても問題ないようである。その状態で一晩放置する。遠心してRNAを回収する。多めのエタノールでリンスして乾燥し純水に溶解する。

LiCl沈殿の前にエタノール、イソプロパノールで沈殿させ、少なめの容量の純水に溶かしておくと、効率よくLiCl沈殿ができる。わたしは30〜50μLの純水に溶かしてからLiCl沈殿を行っている。もちろんその前に十分にタンパク質をフェノール抽出などで取り除いておかなければならない。タンパク質などがあると、LiClを加えたとたんに白く濁る。この濁り方(粉末的な重たい沈殿になる)はRNAが沈殿(ボルテックスすると溶液全体が均一に濁り、その後沈殿がしだいに大きくなり下の方に沈んでくる)したときの濁り方と全く違うので区別できる。LiCl沈殿はフェノールやクロロホルムを取り除く効果もある(吸光度の260/280比率が高くなる)ようなので、抽出手順の最後の方でやるのがよいようである。リアルタイムPCRを行ったときに値が安定する効果があるような気もする。