リアルタイムPCR装置 LineGene 以前東洋紡が発売していたもの
使用前に電源を入れ安定させてから測定を行う。
必ず同時にレファレンス遺伝子も増幅する。テンプレートの量を変え二連、できれば三連で分析する。2倍薄めるとサイクル数で約1ずれることを確認する。薄めたものを保存するとチューブへの吸着のせいだろうが、値がおかしくなる。そこで面倒だが必ず毎回測定時にサンプルを希釈して、すぐに測定している。ゲルで流して量を見積もるのに比べればずっと信用できる。
希釈の問題については、タカラバイオで「希釈保存用溶液」を売っている。たぶん何かの高分子が入っていて吸着を抑えるのだと思うが、試していない。いまのところ毎回測定時にサンプルを純水で希釈している。 Ethanol precipitation of DNA with linear polyacrylamide as carrier C Gaillard and F Strauss Nucleic Acids Res. 1990 18: 378
GoTaq qPCR master mix という試薬は、色素が改良されている。実際に使ってみたが、確かによく増幅して、シグナルの最大値が高くなる。増幅後の融解曲線がきれいに出やすい。LineGene に相性がよいらしい。この製品を使うようになってから、かなり安定して精度もよくなった。検出器のゲインを下げて、バックグラウンドの値を下げることが出来る(10〜20の間になる)。ゲインをうまく設定しないと、直線性が悪くなる。qPCR master mix は様々なメーカーから発売されている。普通の PCR と比べると検出用の色素が入っているせいで増幅が起きにくいらしい。非特異的増幅が起きる度合いも製品によって変わるかもしれない。いくつかのメーカーのものを比較して自分が使っている機械、プライマーでよい結果が出るものを選ぶことが必要かもしれない。
PCR では、反応液に検出用色素が入ったり、プライマーに蛍光色素がつくと増幅が起きにくいことがある。BIOTAQ という酵素で、増えにくいプライマーセットでもよく増えたことがあった。蛍光プライマーの場合、蛍光が入っていない普通のプライマーを少し混ぜるとよいと書いてある論文があった(TILLING 法の論文)。
プライマーの最適な濃度(よく増幅する範囲で、できるだけ下げる)を決めることが必要なようだった。
1チューブに12μLで反応を行っている。DNA合成の時間は長い方がよい。この機械の場合、検出器の出力は温度によって大きく変化する。変化しすぎである。時間が短いと温度が安定しないうちに検出が始まってしまう。それでは値が不安定になる。測定に時間がかかるといっても、見ているだけなので問題はない。
Sample 2.4 95℃2分→94℃20秒→58℃40秒→72℃1分→melt 2x qPCR Mix (GoTaq) 6 ↑←←←←←←←←↓ Primer Forward 0.25 20pmole / μL 40 cycles reverse 0.25 H2O 3.1 Gain (detector) 68 くらい 試して決める 小さいと不安定 大きすぎると直線性が悪くなる ------------------------------------------------ Total 12 μL
T-02RTC PCR用チューブ (BIO-BIK, イナ・オプティカ)という型番のチューブは「通常のキャップに比べ光の透過率が優れているため、リアルタイムにも使用できます。」と記載されている。これを使うと、値が安定して精度がよくなった。