★対象:県立広島大学人間文化学部国際文化学科3年生
★テキスト:なし(授業用のハンドアウト)
★授業の目標:いわゆる言語学(英語学)を中心として、言語に関する知識と視点を広く習得すること
★授業の内容:
授業で扱う分野 | 具体的な内容 | |
第 1 回 | イントロダクション 音声学 音韻論 |
<音声学> ●主な3つの下位分野(調音音声学、音響音声学、聴覚音声学) ●音声器官 ●有声音と無声音 ●母音と子音 <音韻論> ●基本的概念(音素、異音、最小対立、相補分布、自由音素、音節、子音結合) ●音変化(連結、同化) ●超分節音素(強勢、連接、音の高さ、音調) ●言語のリズム(強勢拍、音節拍、モーラ拍) ●音と意味の関係(オノマトペ、音的シンボリズム) ●頭韻(日英語での違い) |
第 2 回 | 文字論 形態論 語彙論 |
<文字論> ●記号から文字へ(古代文明で使われていた記号) ●文字の出現に関する理論(トークン理論、判じ絵原理) ●文字の分類(絵文字、表意文字、表音文字、表語文字、顔文字) ●アルファベットの起源 ●日本語の文字体系の起源 <形態論> ●形態素(自由形態素(語彙的形態素、機能的形態素)、拘束形態素(派生形態素、屈折形態素)、クランベリー形態素) ●異形態 ●語形成(派生(語基、接辞(接頭辞、接尾辞、接中辞))、合成、造語、借用、混成、省略、逆成、異分析、転換、頭文字語) <語彙論> ●goの過去形はなぜwentか ●couldの"l"はどこから来たか ●mustに過去形がないのはなぜか |
第 3 回 | 統語論(1) | ●規範文法と記述文法 ●伝統文法(H. Sweetの科学文法、O. Jespersenの3階級説、C. T. Onionsの5文型、R. Quirkの7文型、H. E. Palmerの27文型、A. S. Hornbyの25文型) ●アメリカ構造主義言語学での統語論(直接構成素分析、C. C. Friesの形式類) ●Z. S. Harrisの変形文法 ●(変形)生成文法(生得主義、言語能力と言語運用、I言語とE言語、モジュール性、普遍文法、原理とパラメータ、理想的な話し手と聞き手、句構造規則、c統御、下位範疇化フレーム、移動規則、D構造とS構造、深層構造と表層構造、変形、生成文法の理論的変遷、Xバー理論、α移動) |
第 4 回 | 統語論(2) | ●機能的統語論(機能的文構成、基本概念(主題と題述、主題・対照・総記・中立叙述、新情報と旧情報、焦点、文末焦点の原則)) ●認知主義統語論(認知文法(記号的文法観、使用依拠モデル)、構文文法(構文)、認知文法と構文文法の違い) |
第 5 回 | 意味論(1) | ●意味の定義(指示理論、観念説、刺激・反応説、用法説) ●伝統的な意味論(ヨーロッパ構造主義言語学(シニフィアン、シニフィエ、他の記号との差異としての意味)、Ogden & Richardsによる意味の三角形、Fregeによる指示と意義の区別、アメリカ構造主義言語学における刺激・反応説、論理実証主義言語哲学(ウィーン学派)による真理条件意味論、ドイツ意味論学派による場の理論、解釈意味論、生成意味論、概念意味論) ●意味の構成(Ogden & RichadsおよびFregeによる意義と指示対象の区別、HjelmslevおよびBarthesによる外延と内包の区別、Leechによる伝達的価値という観点からの7種類の意味の分類) ●意味の構成についての理論(意味素性、成分分析、選択制限、前提) ●類似的意味関係(同義関係、上下関係、反義関係(相補的反義、段階的反義、関係的反義)) ●共起的意味関係とイディオム ●曖昧性(多義性、同綴同音異義語、異綴同音異義語、同綴異音異義語) ●意味の推移(意味の拡大(一般化)、意味の縮小(特殊化)) ●意味の転化(転化、悪化、良化) |
第 6 回 | 意味論(2) | ●選択体系機能文法(選択体系機能文法が確立するまでの流れ(B. Malinowskiによる文化のコンテクストと状況のコンテクスト、J. R.
Firthなどロンドン学派による「状況」の精緻化)、基本概念(節(主語と定性)、テクスト、選択体系、階層化)、言語使用域(活動領域、役割関係、伝達様式、ジャンル)、言語のメタ機能(観念構成的機能、対人的機能、テクスト形成的機能)) ●認知意味論(認知意味論の前提、認知意味論1:プロトタイプ理論(古典的集合理論、L. Wittgensteinによる家族的類似性、L. Zadehによるファジー集合理論、Berlin & Kayによる英語色彩語の研究、Roschによるbirdを構成する成員の研究、分析例)、認知意味論2:イメージスキーマ、認知意味論3:概念メタファー、認知意味論4:融合理論) |
第 7 回 | 語用論(1) | ●文字通りの意味と含意 ●語用論が確立する前の語用論に関する動き(C. Morrisの記号論) ●語用論確立の背景(論理実証主義哲学による真理条件意味論、L. Wittgensteinによる言語ゲーム論) ●J. L. Austinによる発話行為の研究(事実確認文と行為遂行文、発話行為(発語行為、発語内行為、発語媒介行為)、遂行動詞の下位分類(陳述表現的、指示的、行為拘束的、態度表明的、宣告命名的)、Habermasによる分類) ●R. Montagueによるpragmaticsという用語の復活 ●J. R. Searleによる間接発話行為論(命題的内容と発語内の効力、直接発話行為と間接発話行為、適切性条件(命題内容条件、事前条件、誠実性条件、本質条件)、発話行為の分類) ●H. P. Griceによる協調の原理(言われることと意味されること、含意(論理的含意、慣習的含意、会話の含意)、協調の原理、会話の公理(量の公理、質の公理、関連性の公理、様式の公理)、公理の遵守、公理の非遵守(公理の無視、公理の違反、公理の遵守不能、公理からの離脱、公理の保留)) ●新グライス学派による会話の公理の整理(HornによるQ原理・R原理、LevinsonによるQ原理・I原理・M原理) |
第 8 回 | 語用論(2) | ●関連性理論(コード・モデル(メッセージ・モデル)、関連性(認知効果、処理労力)、関連性の原則(認知原則、伝達原則、最良の関連性)、表意、推意、弱い推意、関連性理論に基づいた分析例) ●ポライトネス理論(フェイス(積極的フェイス、消極的フェイス)、フェイスを脅かす行為(支配力、距離、負担の大きさ)、フェイスを脅かす行為を行なうに際しての方略(オン・レコード、積極的ポライトネス、消極的ポライトネス、オフレコード・ポライトネス)) ●丁寧さの原則(丁寧さの原則を守るための行動指針(気配り、気前のよさ、是認、控え目、同意、同情) ●中間言語語用論(中間言語、語用論的転移) ●最新の語用論(新グライス学派、語彙語用論、歴史語用論) ●インポライトネス理論(オン・レコード・インポライトネス、積極的インポライトネス、消極的インポライトネス、皮肉や見せかけのポライトネス、ポライトネスの差し控え、その他のインポライトネス) |
第 9 回 | 談話分析 | ●テクストと談話 ●Zellig S. Harrisによる談話分析の始まり ●テクスト言語学(テクスト性(結束性、整合性、意図性、容認可能性、情報性、場面適合性、間テクスト性)) ●テクスト文法 ●テクスト理論 ●談話文法(談話標識) ●会話分析(ターン(ターン交替、隣接ペア)、プレファレンス、修復の連鎖) ●相互行為分析(ムーブ、フロア) ●ジャンル分析(体験談の構造(要約、状況設定、行為連鎖、評価、帰結、終幕)) ●批判的談話分析(批判的言語学、談話−歴史アプローチなど) |
第10 回 | 英語史(1) | ●英語史の時代区分 ●英語とはどのような言語か(19世紀比較言語学による推定(印欧語族、印欧祖語)、ゲルマン語派(形容詞(強変化と弱変化)、動詞(時制(現在形と過去形)、強変化と弱変化)、語幹の第1音節に強勢アクセント、規則的な子音推移(グリムの法則(第一次ゲルマン語子音推移)、ヴェルネルの法則))) ●古英語期の年代史(ケルト語話者であったブリトン人、ローマ帝国による支配、アングロ・サクソン人による侵略("England"、"English"の語源)、ローマ教会からのアウグスティヌスの派遣(宗教会議)、アングロ・サクソン7王国の建国、Kentの隆盛、Northumbriaの隆盛、Merciaの隆盛、Wessexによる7王国の統一、デーン人の侵略開始、アルフレッド王によるエディングトンの戦いでのWessexの勝利、デーン法地帯、アゼルスタン王によるデーン法地帯の奪還、デーン王朝の成立、Wessex王家の復興) ●古英語の特徴(方言、文字(ルーン文字、古英語期のローマ文字)、借入語(本来語、ケルト語からの借入語、ラテン語からの借入語、古ノルド語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、語順)、古英語の記録文書) ●古英詩の特徴(行間休止、頭韻、ケニング) |
第11 回 | 英語史(2) | ●中期英語期の年代史(ノルマン人の征服、プランタジネット朝の成立、ジョン王によるノルマンディーの喪失、百年戦争、ペストの大流行、ばら戦争、チューダー朝の成立) ●中期英語期の英語の動向(ノルマン人の征服によるフランス語と英語に2言語併用社会の成立、ノルマンディーの喪失を契機とした上流階級への英語の浸透、百年戦争とペストの大流行による人口減少に伴った英語の地位の回復、英語で書かれた文学作品、キャクストンの活版印刷による活字文化の始まり) ●中期英語の特徴(方言(ロンドン方言の台頭)、発音と文字(屈折語尾におけるあいまい母音の普及、新しい文字の導入、新しい綴り字の組み合わせの出現)、借入語(フランス語からの借入語、ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、本来語と借入語の共存)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、不定冠詞aの成立と異分析)) ●中期英語の体験(Geoffrey ChaucerのThe Canterbury Talesの "General Prologue"から) ●近代英語期の英語の動向(初期近代英語(ルネッサンス、シェイクスピア、欽定訳聖書、大航海時代を契機とした英語の多言語との接触、アメリカ英語への分岐)、後期近代英語(日刊紙・定期刊行物・散文作品の出現による読者層の拡大、英語の標準化(規範文法、英語辞書の出版)、産業革命による方言の差異の縮小と標準語の普及)) ●近代英語の特徴(文字と発音(大母音推移、語尾(e)の消失、子音の変化、発音と綴りの不一致の出現)、借入語(ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、フランス語からの借入語、イタリア語からの借入語、スペイン語からの借入語、ドイツ語からの借入語、オランダ語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、人称代名詞の変化の変遷)) ●初期近代英語の体験(Sir Philip SidneyのThe Countesse of Pembrokes Arcadiaから) ●後期近代英語の体験(Jane AustenのMansfield Parkから) |
第12 回 | 英語史(3) | ●語形論(曜日名、月名) ●アメリカ英語(発音、綴り、語彙、文法) ●アルファベットの発達(文字の系統図、文字の名称、書体の発達、セリフ、アンパサンド) ●綴り字改革運動(フォノティピー、グロシック、ローミック(精密ローミック、簡易ローミック)、ニュー・スペリング、ショー・アルファベット、初期指導用アルファベット) ●新しい英語史(文法化) ●これからの英語(Great Compliment Shift) |
第13 回 | 言語学史(1) | ●古代ギリシャの言語研究(自然説と人為説、語源学、整合説と不規則説、文法の独立(Platoによる2品詞分類、Aristotleによる3品詞分類、ストア派による5品詞分類と格・時制の発見、Dionysius
Thraxによる8品詞分類、Apollpniusによる主語と動詞の一致・依存関係・従属・他動詞などの発見)、文献学の発達と正用法の確立) ●古代ローマの言語研究(Varroによる古代ギリシャの言語研究成果のラテン語への応用、Priscianによるラテン語の実用主義的な品詞分類) ●中世の言語研究(スコラ哲学による思弁的文法) ●ルネッサンス期及びそれ以降の言語研究(国語の意識の確立、言語変化に関する考えの変化(「堕落」から「変化」へ)、経験主義と合理主義、デカルト派言語学(Gottfried W. Leibnitzによる人工語の作成、ポール・ロワイヤル学派)、言語起源説(Jean Jacques Rousseauによる言語起源説、Johann Gottfried von Herderによる言語起源説)) ●19世紀比較言語学(古代インドの言語研究への注目(Paniniによるベーダ・サンスクリット語の研究)、Rasmus Raskの功績、Jakob Grimmの功績(グリムの法則)、Franz Boppの功績、Angust Schleicherの功績(言語樹枝説、語族、印欧祖語、再構法、言語の形態的分類(孤立語、膠着語、屈折語)、Charles Darwinの進化論の影響、Freidrich Hegelの弁証法の影響)、Wilhelm von Humboldtの功績(エルゴン、エネルゲイア)、Karl Vernerの功績(ヴェルネルの法則)、Georg CurtiusとKarl Brugmannの対立、青年文法家(類推と言語借用による音韻法則の例外排除)、Hermann Paulの功績、言語地理学(樹枝説と波状説、方言地図、等語線、新言語学派)) |
第14 回 | 言語学史(2) | ●構造主義言語学の基本的考え方/Ferdinand de Saussureの考え(言葉と物の関係、共時態と通時態、ランガージュ(ラングとパロール)とエクリチュール、系列的関係と連辞的関係、シーニュ(シニフィアンとシニフィエ)、差異の体系としての言語体系) ●ジュネーヴ学派(C. Ballyによる個人的文体論、A. Sechehayeによる組織されたパロール) ●フランス学派 ●プラーグ学派(N. S. Trubetzkoyによる音韻論の確立、K. Bühlerによるオルガノン・モデル、J. Mukarovskÿによる美的機能の提案、R. Jakobsonによる6言語機能モデル、V. Mathesiusによる英文法研究、S. Karcevskijによるシニフィアンとシニフィエの関係の曖昧性の提案、1928年発表の「テーゼ」、共時態と通時態の統合) ●コペンハーゲン学派(L. Hjelmslevによる言理学) ●ロンドン学派(イギリス文体論、新ファース学派、選択体系機能文法) ●スラブ学派(J. Baudouin de Courtenayの功績、N. J. Marrによるヤペテ言語学・マール主義、J. V. Stalinによる介入、ソ連の言語学の発展(心理言語学、機械翻訳、数理言語学)) ●ドイツでの言語学(フィロロジーの伝統、文体論、ドイツ意味論学派) |
第15 回 | 言語学史(3) | ●アメリカ構造主義言語学の特徴(実証主義、意味論の排除、刺激反応説、直接構成素分析、行動主義心理学に基づいた言語習得論、オーディオリンガル教授法) ●サピア=ウォーフの仮説 ●新ブルームフィールド学派 ●新ブルームフィールド学派に対する新たな潮流(成層文法、タグミーミックス、変形文法) ●生成文法(生得主義、プラトンの問題、普遍文法、言語能力と言語運用、デカルト派言語学) ●認知言語学(用法依拠モデル、記号的文法観、プロトタイプ理論) ●現在の言語学の状況 ●日本の言語学の状況 |
★対象:県立広島大学人間文化学部国際文化学科3年生
★テキスト:なし(授業用のハンドアウト)
★授業の目標:いわゆる言語学(英語学)を中心として、言語に関する知識と視点を広く習得すること
★授業の内容:
授業で扱う分野 | 具体的な内容 | |
第 1 回 | イントロダクション 音声学 音韻論 |
<音声学> ●主な3つの下位分野(調音音声学、音響音声学、聴覚音声学) ●音声器官 ●有声音と無声音 ●母音と子音 <音韻論> ●基本的概念(音素、異音、最小対立、相補分布、自由音素、音節、子音結合) ●音変化(連結、同化) ●超分節音素(強勢、連接、音の高さ、音調) ●言語のリズム(強勢拍、音節拍、モーラ拍) ●音と意味の関係(オノマトペ、音的シンボリズム) ●頭韻(日英語での違い) |
第 2 回 | 文字論 形態論 語彙論 |
<文字論> ●記号から文字へ(古代文明で使われていた記号) ●文字の出現に関する理論(トークン理論、判じ絵原理) ●文字の分類(絵文字、表意文字、表音文字、表語文字、顔文字) ●アルファベットの起源 ●日本語の文字体系の起源 <形態論> ●形態素(自由形態素(語彙的形態素、機能的形態素)、拘束形態素(派生形態素、屈折形態素)、クランベリー形態素) ●異形態 ●語形成(派生(語基、接辞(接頭辞、接尾辞、接中辞))、合成、造語、借用、混成、省略、逆成、異分析、転換、頭文字語) <語彙論> ●goの過去形はなぜwentか ●couldの"l"はどこから来たか ●mustに過去形がないのはなぜか |
第 3 回 | 統語論(1) | ●規範文法と記述文法 ●伝統文法(H. Sweetの科学文法、O. Jespersenの3階級説、C. T. Onionsの5文型、R. Quirkの7文型、H. E. Palmerの27文型、A. S. Hornbyの25文型) ●アメリカ構造主義言語学での統語論(直接構成素分析、C. C. Friesの形式類) ●Z. S. Harrisの変形文法 ●(変形)生成文法(生得主義、言語能力と言語運用、I言語とE言語、モジュール性、普遍文法、原理とパラメータ、理想的な話し手と聞き手、句構造規則、c統御、下位範疇化フレーム、移動規則、D構造とS構造、深層構造と表層構造、変形、生成文法の理論的変遷、Xバー理論、α移動) |
第 4 回 | 統語論(2) | ●機能的統語論(機能的文構成、基本概念(主題と題述、主題・対照・総記・中立叙述、新情報と旧情報、焦点、文末焦点の原則)) ●認知主義統語論(認知文法(記号的文法観、使用依拠モデル)、構文文法(構文)、認知文法と構文文法の違い) |
第 5 回 | 意味論(1) | ●意味の定義(指示理論、観念説、刺激・反応説、用法説) ●伝統的な意味論(ヨーロッパ構造主義言語学(シニフィアン、シニフィエ、他の記号との差異としての意味)、Ogden & Richardsによる意味の三角形、Fregeによる指示と意義の区別、アメリカ構造主義言語学における刺激・反応説、論理実証主義言語哲学(ウィーン学派)による真理条件意味論、ドイツ意味論学派による場の理論、解釈意味論、生成意味論、概念意味論) ●意味の構成(Ogden & RichadsおよびFregeによる意義と指示対象の区別、HjelmslevおよびBarthesによる外延と内包の区別、Leechによる伝達的価値という観点からの7種類の意味の分類) ●意味の構成についての理論(意味素性、成分分析、選択制限、前提) ●類似的意味関係(同義関係、上下関係、反義関係(相補的反義、段階的反義、関係的反義)) ●共起的意味関係とイディオム ●曖昧性(多義性、同綴同音異義語、異綴同音異義語、同綴異音異義語) ●意味の推移(意味の拡大(一般化)、意味の縮小(特殊化)) ●意味の転化(転化、悪化、良化) |
第 6 回 | 意味論(2) | ●選択体系機能文法(選択体系機能文法が確立するまでの流れ(B. Malinowskiによる文化のコンテクストと状況のコンテクスト、J. R.
Firthなどロンドン学派による「状況」の精緻化)、基本概念(節(主語と定性)、テクスト、選択体系、階層化)、言語使用域(活動領域、役割関係、伝達様式、ジャンル)、言語のメタ機能(観念構成的機能、対人的機能、テクスト形成的機能)) ●認知意味論(認知意味論の前提、認知意味論1:プロトタイプ理論(古典的集合理論、L. Wittgensteinによる家族的類似性、L. Zadehによるファジー集合理論、Berlin & Kayによる英語色彩語の研究、Roschによるbirdを構成する成員の研究、分析例)、認知意味論2:イメージスキーマ、認知意味論3:概念メタファー、認知意味論4:融合理論) |
第 7 回 | 語用論(1) | ●文字通りの意味と含意 ●語用論が確立する前の語用論に関する動き(C. Morrisの記号論) ●語用論確立の背景(論理実証主義哲学による真理条件意味論、L. Wittgensteinによる言語ゲーム論) ●J. L. Austinによる発話行為の研究(事実確認文と行為遂行文、発話行為(発語行為、発語内行為、発語媒介行為)、遂行動詞の下位分類(陳述表現的、指示的、行為拘束的、態度表明的、宣告命名的)、Habermasによる分類) ●R. Montagueによるpragmaticsという用語の復活 ●J. R. Searleによる間接発話行為論(命題的内容と発語内の効力、直接発話行為と間接発話行為、適切性条件(命題内容条件、事前条件、誠実性条件、本質条件)、発話行為の分類) ●H. P. Griceによる協調の原理(言われることと意味されること、含意(論理的含意、慣習的含意、会話の含意)、協調の原理、会話の公理(量の公理、質の公理、関連性の公理、様式の公理)、公理の遵守、公理の非遵守(公理の無視、公理の違反、公理の遵守不能、公理からの離脱、公理の保留)) ●新グライス学派による会話の公理の整理(HornによるQ原理・R原理、LevinsonによるQ原理・I原理・M原理) |
第 8 回 | 語用論(2) | ●関連性理論(コード・モデル(メッセージ・モデル)、関連性(認知効果、処理労力)、関連性の原則(認知原則、伝達原則、最良の関連性)、表意、推意、弱い推意、関連性理論に基づいた分析例) ●ポライトネス理論(フェイス(積極的フェイス、消極的フェイス)、フェイスを脅かす行為(支配力、距離、負担の大きさ)、フェイスを脅かす行為を行なうに際しての方略(オン・レコード、積極的ポライトネス、消極的ポライトネス、オフレコード・ポライトネス)) ●丁寧さの原則(丁寧さの原則を守るための行動指針(気配り、気前のよさ、是認、控え目、同意、同情) ●中間言語語用論(中間言語、語用論的転移) ●最新の語用論(新グライス学派、語彙語用論、歴史語用論) ●インポライトネス理論(オン・レコード・インポライトネス、積極的インポライトネス、消極的インポライトネス、皮肉や見せかけのポライトネス、ポライトネスの差し控え、その他のインポライトネス) |
第 9 回 | 談話分析 | ●テクストと談話 ●Zellig S. Harrisによる談話分析の始まり ●テクスト言語学(テクスト性(結束性、整合性、意図性、容認可能性、情報性、場面適合性、間テクスト性)) ●テクスト文法 ●テクスト理論 ●談話文法(談話標識) ●会話分析(ターン(ターン交替、隣接ペア)、プレファレンス、修復の連鎖) ●相互行為分析(ムーブ、フロア) ●ジャンル分析(体験談の構造(要約、状況設定、行為連鎖、評価、帰結、終幕)) ●批判的談話分析(批判的言語学、談話−歴史アプローチなど) |
第10 回 | 英語史(1) | ●英語史の時代区分 ●英語とはどのような言語か(19世紀比較言語学による推定(印欧語族、印欧祖語)、ゲルマン語派(形容詞(強変化と弱変化)、動詞(時制(現在形と過去形)、強変化と弱変化)、語幹の第1音節に強勢アクセント、規則的な子音推移(グリムの法則(第一次ゲルマン語子音推移)、ヴェルネルの法則))) ●古英語期の年代史(ケルト語話者であったブリトン人、ローマ帝国による支配、アングロ・サクソン人による侵略("England"、"English"の語源)、ローマ教会からのアウグスティヌスの派遣(宗教会議)、アングロ・サクソン7王国の建国、Kentの隆盛、Northumbriaの隆盛、Merciaの隆盛、Wessexによる7王国の統一、デーン人の侵略開始、アルフレッド王によるエディングトンの戦いでのWessexの勝利、デーン法地帯、アゼルスタン王によるデーン法地帯の奪還、デーン王朝の成立、Wessex王家の復興) ●古英語の特徴(方言、文字(ルーン文字、古英語期のローマ文字)、借入語(本来語、ケルト語からの借入語、ラテン語からの借入語、古ノルド語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、語順)、古英語の記録文書) ●古英詩の特徴(行間休止、頭韻、ケニング) |
第11 回 | 英語史(2) | ●中期英語期の年代史(ノルマン人の征服、プランタジネット朝の成立、ジョン王によるノルマンディーの喪失、百年戦争、ペストの大流行、ばら戦争、チューダー朝の成立) ●中期英語期の英語の動向(ノルマン人の征服によるフランス語と英語に2言語併用社会の成立、ノルマンディーの喪失を契機とした上流階級への英語の浸透、百年戦争とペストの大流行による人口減少に伴った英語の地位の回復、英語で書かれた文学作品、キャクストンの活版印刷による活字文化の始まり) ●中期英語の特徴(方言(ロンドン方言の台頭)、発音と文字(屈折語尾におけるあいまい母音の普及、新しい文字の導入、新しい綴り字の組み合わせの出現)、借入語(フランス語からの借入語、ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、本来語と借入語の共存)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、不定冠詞aの成立と異分析)) ●中期英語の体験(Geoffrey ChaucerのThe Canterbury Talesの "General Prologue"から) ●近代英語期の英語の動向(初期近代英語(ルネッサンス、シェイクスピア、欽定訳聖書、大航海時代を契機とした英語の多言語との接触、アメリカ英語への分岐)、後期近代英語(日刊紙・定期刊行物・散文作品の出現による読者層の拡大、英語の標準化(規範文法、英語辞書の出版)、産業革命による方言の差異の縮小と標準語の普及)) ●近代英語の特徴(文字と発音(大母音推移、語尾(e)の消失、子音の変化、発音と綴りの不一致の出現)、借入語(ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、フランス語からの借入語、イタリア語からの借入語、スペイン語からの借入語、ドイツ語からの借入語、オランダ語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、人称代名詞の変化の変遷)) ●初期近代英語の体験(Sir Philip SidneyのThe Countesse of Pembrokes Arcadiaから) ●後期近代英語の体験(Jane AustenのMansfield Parkから) |
第12 回 | 英語史(3) | ●語形論(曜日名、月名) ●アメリカ英語(発音、綴り、語彙、文法) ●アルファベットの発達(文字の系統図、文字の名称、書体の発達、セリフ、アンパサンド) ●綴り字改革運動(フォノティピー、グロシック、ローミック(精密ローミック、簡易ローミック)、ニュー・スペリング、ショー・アルファベット、初期指導用アルファベット) ●新しい英語史(文法化) ●これからの英語(Great Compliment Shift) |
第13 回 | 言語学史(1) | ●古代ギリシャの言語研究(自然説と人為説、語源学、整合説と不規則説、文法の独立(Platoによる2品詞分類、Aristotleによる3品詞分類、ストア派による5品詞分類と格・時制の発見、Dionysius
Thraxによる8品詞分類、Apollpniusによる主語と動詞の一致・依存関係・従属・他動詞などの発見)、文献学の発達と正用法の確立) ●古代ローマの言語研究(Varroによる古代ギリシャの言語研究成果のラテン語への応用、Priscianによるラテン語の実用主義的な品詞分類) ●中世の言語研究(スコラ哲学による思弁的文法) ●ルネッサンス期及びそれ以降の言語研究(国語の意識の確立、言語変化に関する考えの変化(「堕落」から「変化」へ)、経験主義と合理主義、デカルト派言語学(Gottfried W. Leibnitzによる人工語の作成、ポール・ロワイヤル学派)、言語起源説(Jean Jacques Rousseauによる言語起源説、Johann Gottfried von Herderによる言語起源説)) ●19世紀比較言語学(古代インドの言語研究への注目(Paniniによるベーダ・サンスクリット語の研究)、Rasmus Raskの功績、Jakob Grimmの功績(グリムの法則)、Franz Boppの功績、Angust Schleicherの功績(言語樹枝説、語族、印欧祖語、再構法、言語の形態的分類(孤立語、膠着語、屈折語)、Charles Darwinの進化論の影響、Freidrich Hegelの弁証法の影響)、Wilhelm von Humboldtの功績(エルゴン、エネルゲイア)、Karl Vernerの功績(ヴェルネルの法則)、Georg CurtiusとKarl Brugmannの対立、青年文法家(類推と言語借用による音韻法則の例外排除)、Hermann Paulの功績、言語地理学(樹枝説と波状説、方言地図、等語線、新言語学派)) |
第14 回 | 言語学史(2) | ●構造主義言語学の基本的考え方/Ferdinand de Saussureの考え(言葉と物の関係、共時態と通時態、ランガージュ(ラングとパロール)とエクリチュール、系列的関係と連辞的関係、シーニュ(シニフィアンとシニフィエ)、差異の体系としての言語体系) ●ジュネーヴ学派(C. Ballyによる個人的文体論、A. Sechehayeによる組織されたパロール) ●フランス学派 ●プラーグ学派(N. S. Trubetzkoyによる音韻論の確立、K. Bühlerによるオルガノン・モデル、J. Mukarovskÿによる美的機能の提案、R. Jakobsonによる6言語機能モデル、V. Mathesiusによる英文法研究、S. Karcevskijによるシニフィアンとシニフィエの関係の曖昧性の提案、1928年発表の「テーゼ」、共時態と通時態の統合) ●コペンハーゲン学派(L. Hjelmslevによる言理学) ●ロンドン学派(イギリス文体論、新ファース学派、選択体系機能文法) ●スラブ学派(J. Baudouin de Courtenayの功績、N. J. Marrによるヤペテ言語学・マール主義、J. V. Stalinによる介入、ソ連の言語学の発展(心理言語学、機械翻訳、数理言語学)) ●ドイツでの言語学(フィロロジーの伝統、文体論、ドイツ意味論学派) |
第15 回 | 言語学史(3) | ●アメリカ構造主義言語学の特徴(実証主義、意味論の排除、刺激反応説、直接構成素分析、行動主義心理学に基づいた言語習得論、オーディオリンガル教授法) ●サピア=ウォーフの仮説 ●新ブルームフィールド学派 ●新ブルームフィールド学派に対する新たな潮流(成層文法、タグミーミックス、変形文法) ●生成文法(生得主義、プラトンの問題、普遍文法、言語能力と言語運用、デカルト派言語学) ●認知言語学(用法依拠モデル、記号的文法観、プロトタイプ理論) ●現在の言語学の状況 ●日本の言語学の状況 |
★対象:県立広島大学人間文化学部国際文化学科3年生
★テキスト:なし(授業用のハンドアウト)
★授業の目標:いわゆる言語学(英語学)を中心として、言語に関する知識と視点を広く習得すること
★授業の内容:
授業で扱う分野 | 具体的な内容 | |
第 1 回 | イントロダクション 音声学 音韻論 |
<音声学> ●主な3つの下位分野(調音音声学、音響音声学、聴覚音声学) ●音声器官 ●有声音と無声音 ●母音と子音 <音韻論> ●基本的概念(音素、異音、最小対立、相補分布、自由音素、音節、子音結合) ●音変化(連結、同化) ●超分節音素(強勢、連接、音の高さ、音調) ●言語のリズム(強勢拍、音節拍、モーラ拍) ●音と意味の関係(オノマトペ、音的シンボリズム) ●頭韻(日英語での違い) |
第 2 回 | 文字論 形態論 語彙論 |
<文字論> ●記号から文字へ(古代文明で使われていた記号) ●文字の出現に関する理論(トークン理論、判じ絵原理) ●文字の分類(絵文字、表意文字、表音文字、表語文字、顔文字) ●アルファベットの起源 ●日本語の文字体系の起源 <形態論> ●形態素(自由形態素(語彙的形態素、機能的形態素)、拘束形態素(派生形態素、屈折形態素)、クランベリー形態素) ●異形態 ●語形成(派生(語基、接辞(接頭辞、接尾辞、接中辞))、合成、造語、借用、混成、省略、逆成、異分析、転換、頭文字語) <語彙論> ●goの過去形はなぜwentか ●couldの"l"はどこから来たか ●mustに過去形がないのはなぜか |
第 3 回 | 統語論(1) | ●規範文法と記述文法 ●伝統文法(H. Sweetの科学文法、O. Jespersenの3階級説、C. T. Onionsの5文型、R. Quirkの7文型、H. E. Palmerの27文型、A. S. Hornbyの25文型) ●アメリカ構造主義言語学での統語論(直接構成素分析、C. C. Friesの形式類) ●Z. S. Harrisの変形文法 ●(変形)生成文法(生得主義、言語能力と言語運用、I言語とE言語、モジュール性、普遍文法、原理とパラメータ、理想的な話し手と聞き手、句構造規則、c統御、下位範疇化フレーム、移動規則、D構造とS構造、深層構造と表層構造、変形、生成文法の理論的変遷、Xバー理論、α移動) |
第 4 回 | 統語論(2) | ●機能的統語論(機能的文構成、基本概念(主題と題述、主題・対照・総記・中立叙述、新情報と旧情報、焦点、文末焦点の原則)) ●認知主義統語論(認知文法(記号的文法観、使用依拠モデル)、構文文法(構文)、認知文法と構文文法の違い) |
第 5 回 | 意味論(1) | ●意味の定義(指示理論、観念説、刺激・反応説、用法説) ●伝統的な意味論(ヨーロッパ構造主義言語学(シニフィアン、シニフィエ、他の記号との差異としての意味)、Ogden & Richardsによる意味の三角形、Fregeによる指示と意義の区別、アメリカ構造主義言語学における刺激・反応説、論理実証主義言語哲学(ウィーン学派)による真理条件意味論、ドイツ意味論学派による場の理論、解釈意味論、生成意味論、概念意味論) ●意味の構成(Ogden & RichadsおよびFregeによる意義と指示対象の区別、HjelmslevおよびBarthesによる外延と内包の区別、Leechによる伝達的価値という観点からの7種類の意味の分類) ●意味の構成についての理論(意味素性、成分分析、選択制限、前提) ●類似的意味関係(同義関係、上下関係、反義関係(相補的反義、段階的反義、関係的反義)) ●共起的意味関係とイディオム ●曖昧性(多義性、同綴同音異義語、異綴同音異義語、同綴異音異義語) ●意味の推移(意味の拡大(一般化)、意味の縮小(特殊化)) ●意味の転化(転化、悪化、良化) |
第 6 回 | 意味論(2) | ●選択体系機能文法(選択体系機能文法が確立するまでの流れ(B. Malinowskiによる文化のコンテクストと状況のコンテクスト、J. R.
Firthなどロンドン学派による「状況」の精緻化)、基本概念(節(主語と定性)、テクスト、選択体系、階層化)、言語使用域(活動領域、役割関係、伝達様式、ジャンル)、言語のメタ機能(観念構成的機能、対人的機能、テクスト形成的機能)) ●認知意味論(認知意味論の前提、認知意味論1:プロトタイプ理論(古典的集合理論、L. Wittgensteinによる家族的類似性、L. Zadehによるファジー集合理論、Berlin & Kayによる英語色彩語の研究、Roschによるbirdを構成する成員の研究、分析例)、認知意味論2:イメージスキーマ、認知意味論3:概念メタファー、認知意味論4:融合理論) |
第 7 回 | 語用論(1) | ●文字通りの意味と含意 ●語用論が確立する前の語用論に関する動き(C. Morrisの記号論) ●語用論確立の背景(論理実証主義哲学による真理条件意味論、L. Wittgensteinによる言語ゲーム論) ●J. L. Austinによる発話行為の研究(事実確認文と行為遂行文、発話行為(発語行為、発語内行為、発語媒介行為)、遂行動詞の下位分類(陳述表現的、指示的、行為拘束的、態度表明的、宣告命名的)、Habermasによる分類) ●R. Montagueによるpragmaticsという用語の復活 ●J. R. Searleによる間接発話行為論(命題的内容と発語内の効力、直接発話行為と間接発話行為、適切性条件(命題内容条件、事前条件、誠実性条件、本質条件)、発話行為の分類) ●H. P. Griceによる協調の原理(言われることと意味されること、含意(論理的含意、慣習的含意、会話の含意)、協調の原理、会話の公理(量の公理、質の公理、関連性の公理、様式の公理)、公理の遵守、公理の非遵守(公理の無視、公理の違反、公理の遵守不能、公理からの離脱、公理の保留)) ●新グライス学派による会話の公理の整理(HornによるQ原理・R原理、LevinsonによるQ原理・I原理・M原理) |
第 8 回 | 語用論(2) | ●関連性理論(コード・モデル(メッセージ・モデル)、関連性(認知効果、処理労力)、関連性の原則(認知原則、伝達原則、最良の関連性)、表意、推意、弱い推意、関連性理論に基づいた分析例) ●ポライトネス理論(フェイス(積極的フェイス、消極的フェイス)、フェイスを脅かす行為(支配力、距離、負担の大きさ)、フェイスを脅かす行為を行なうに際しての方略(オン・レコード、積極的ポライトネス、消極的ポライトネス、オフレコード・ポライトネス)) ●丁寧さの原則(丁寧さの原則を守るための行動指針(気配り、気前のよさ、是認、控え目、同意、同情) ●中間言語語用論(中間言語、語用論的転移) ●最新の語用論(新グライス学派、語彙語用論、歴史語用論) ●インポライトネス理論(オン・レコード・インポライトネス、積極的インポライトネス、消極的インポライトネス、皮肉や見せかけのポライトネス、ポライトネスの差し控え、その他のインポライトネス) |
第 9 回 | 談話分析 | ●テクストと談話 ●Zellig S. Harrisによる談話分析の始まり ●テクスト言語学(テクスト性(結束性、整合性、意図性、容認可能性、情報性、場面適合性、間テクスト性)) ●テクスト文法 ●テクスト理論 ●談話文法(談話標識) ●会話分析(ターン(ターン交替、隣接ペア)、プレファレンス、修復の連鎖) ●相互行為分析(ムーブ、フロア) ●ジャンル分析(体験談の構造(要約、状況設定、行為連鎖、評価、帰結、終幕)) ●批判的談話分析(批判的言語学、談話−歴史アプローチなど) |
第10 回 | 英語史(1) | ●英語史の時代区分 ●英語とはどのような言語か(19世紀比較言語学による推定(印欧語族、印欧祖語)、ゲルマン語派(形容詞(強変化と弱変化)、動詞(時制(現在形と過去形)、強変化と弱変化)、語幹の第1音節に強勢アクセント、規則的な子音推移(グリムの法則(第一次ゲルマン語子音推移)、ヴェルネルの法則))) ●古英語期の年代史(ケルト語話者であったブリトン人、ローマ帝国による支配、アングロ・サクソン人による侵略("England"、"English"の語源)、ローマ教会からのアウグスティヌスの派遣(宗教会議)、アングロ・サクソン7王国の建国、Kentの隆盛、Northumbriaの隆盛、Merciaの隆盛、Wessexによる7王国の統一、デーン人の侵略開始、アルフレッド王によるエディングトンの戦いでのWessexの勝利、デーン法地帯、アゼルスタン王によるデーン法地帯の奪還、デーン王朝の成立、Wessex王家の復興) ●古英語の特徴(方言、文字(ルーン文字、古英語期のローマ文字)、借入語(本来語、ケルト語からの借入語、ラテン語からの借入語、古ノルド語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、語順)、古英語の記録文書) ●古英詩の特徴(行間休止、頭韻、ケニング) |
第11 回 | 英語史(2) | ●中期英語期の年代史(ノルマン人の征服、プランタジネット朝の成立、ジョン王によるノルマンディーの喪失、百年戦争、ペストの大流行、ばら戦争、チューダー朝の成立) ●中期英語期の英語の動向(ノルマン人の征服によるフランス語と英語に2言語併用社会の成立、ノルマンディーの喪失を契機とした上流階級への英語の浸透、百年戦争とペストの大流行による人口減少に伴った英語の地位の回復、英語で書かれた文学作品、キャクストンの活版印刷による活字文化の始まり) ●中期英語の特徴(方言(ロンドン方言の台頭)、発音と文字(屈折語尾におけるあいまい母音の普及、新しい文字の導入、新しい綴り字の組み合わせの出現)、借入語(フランス語からの借入語、ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、本来語と借入語の共存)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、不定冠詞aの成立と異分析)) ●中期英語の体験(Geoffrey ChaucerのThe Canterbury Talesの "General Prologue"から) ●近代英語期の英語の動向(初期近代英語(ルネッサンス、シェイクスピア、欽定訳聖書、大航海時代を契機とした英語の多言語との接触、アメリカ英語への分岐)、後期近代英語(日刊紙・定期刊行物・散文作品の出現による読者層の拡大、英語の標準化(規範文法、英語辞書の出版)、産業革命による方言の差異の縮小と標準語の普及)) ●近代英語の特徴(文字と発音(大母音推移、語尾(e)の消失、子音の変化、発音と綴りの不一致の出現)、借入語(ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、フランス語からの借入語、イタリア語からの借入語、スペイン語からの借入語、ドイツ語からの借入語、オランダ語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、人称代名詞の変化の変遷)) ●初期近代英語の体験(Sir Philip SidneyのThe Countesse of Pembrokes Arcadiaから) ●後期近代英語の体験(Jane AustenのMansfield Parkから) |
第12 回 | 英語史(3) | ●語形論(曜日名、月名) ●アメリカ英語(発音、綴り、語彙、文法) ●アルファベットの発達(文字の系統図、文字の名称、書体の発達、セリフ、アンパサンド) ●綴り字改革運動(フォノティピー、グロシック、ローミック(精密ローミック、簡易ローミック)、ニュー・スペリング、ショー・アルファベット、初期指導用アルファベット) ●新しい英語史(文法化) ●これからの英語(Great Compliment Shift) |
第13 回 | 言語学史(1) | ●古代ギリシャの言語研究(自然説と人為説、語源学、整合説と不規則説、文法の独立(Platoによる2品詞分類、Aristotleによる3品詞分類、ストア派による5品詞分類と格・時制の発見、Dionysius
Thraxによる8品詞分類、Apollpniusによる主語と動詞の一致・依存関係・従属・他動詞などの発見)、文献学の発達と正用法の確立) ●古代ローマの言語研究(Varroによる古代ギリシャの言語研究成果のラテン語への応用、Priscianによるラテン語の実用主義的な品詞分類) ●中世の言語研究(スコラ哲学による思弁的文法) ●ルネッサンス期及びそれ以降の言語研究(国語の意識の確立、言語変化に関する考えの変化(「堕落」から「変化」へ)、経験主義と合理主義、デカルト派言語学(Gottfried W. Leibnitzによる人工語の作成、ポール・ロワイヤル学派)、言語起源説(Jean Jacques Rousseauによる言語起源説、Johann Gottfried von Herderによる言語起源説)) ●19世紀比較言語学(古代インドの言語研究への注目(Paniniによるベーダ・サンスクリット語の研究)、Rasmus Raskの功績、Jakob Grimmの功績(グリムの法則)、Franz Boppの功績、Angust Schleicherの功績(言語樹枝説、語族、印欧祖語、再構法、言語の形態的分類(孤立語、膠着語、屈折語)、Charles Darwinの進化論の影響、Freidrich Hegelの弁証法の影響)、Wilhelm von Humboldtの功績(エルゴン、エネルゲイア)、Karl Vernerの功績(ヴェルネルの法則)、Georg CurtiusとKarl Brugmannの対立、青年文法家(類推と言語借用による音韻法則の例外排除)、Hermann Paulの功績、言語地理学(樹枝説と波状説、方言地図、等語線、新言語学派)) |
第14 回 | 言語学史(2) | ●構造主義言語学の基本的考え方/Ferdinand de Saussureの考え(言葉と物の関係、共時態と通時態、ランガージュ(ラングとパロール)とエクリチュール、系列的関係と連辞的関係、シーニュ(シニフィアンとシニフィエ)、差異の体系としての言語体系) ●ジュネーヴ学派(C. Ballyによる個人的文体論、A. Sechehayeによる組織されたパロール) ●フランス学派 ●プラーグ学派(N. S. Trubetzkoyによる音韻論の確立、K. Bühlerによるオルガノン・モデル、J. Mukarovskÿによる美的機能の提案、R. Jakobsonによる6言語機能モデル、V. Mathesiusによる英文法研究、S. Karcevskijによるシニフィアンとシニフィエの関係の曖昧性の提案、1928年発表の「テーゼ」、共時態と通時態の統合) ●コペンハーゲン学派(L. Hjelmslevによる言理学) ●ロンドン学派(イギリス文体論、新ファース学派、選択体系機能文法) ●スラブ学派(J. Baudouin de Courtenayの功績、N. J. Marrによるヤペテ言語学・マール主義、J. V. Stalinによる介入、ソ連の言語学の発展(心理言語学、機械翻訳、数理言語学)) ●ドイツでの言語学(フィロロジーの伝統、文体論、ドイツ意味論学派) |
第15 回 | 言語学史(3) | ●アメリカ構造主義言語学の特徴(実証主義、意味論の排除、刺激反応説、直接構成素分析、行動主義心理学に基づいた言語習得論、オーディオリンガル教授法) ●サピア=ウォーフの仮説 ●新ブルームフィールド学派 ●新ブルームフィールド学派に対する新たな潮流(成層文法、タグミーミックス、変形文法) ●生成文法(生得主義、プラトンの問題、普遍文法、言語能力と言語運用、デカルト派言語学) ●認知言語学(用法依拠モデル、記号的文法観、プロトタイプ理論) ●現在の言語学の状況 ●日本の言語学の状況 |
★対象:県立広島大学人間文化学部国際文化学科3年生
★テキスト:なし(授業用のハンドアウト)
★授業の目標:いわゆる言語学(英語学)を中心として、言語に関する知識と視点を広く習得すること
★授業の内容:
授業で扱う分野 | 具体的な内容 | |
第 1 回 | イントロダクション 音声学 音韻論 |
<音声学> ●主な3つの下位分野(調音音声学、音響音声学、聴覚音声学) ●音声器官 ●有声音と無声音 ●母音と子音 <音韻論> ●基本的概念(音素、異音、最小対立、相補分布、自由音素、音節、子音結合) ●音変化(連結、同化) ●超分節音素(強勢、連接、音の高さ、音調) ●言語のリズム(強勢拍、音節拍、モーラ拍) ●音と意味の関係(オノマトペ、音的シンボリズム) ●頭韻(日英語での違い) |
第 2 回 | 文字論 形態論 語彙論 |
<文字論> ●記号から文字へ(古代文明で使われていた記号) ●文字の出現に関する理論(トークン理論、判じ絵原理) ●文字の分類(絵文字、表意文字、表音文字、表語文字、顔文字) ●アルファベットの起源 ●日本語の文字体系の起源 <形態論> ●形態素(自由形態素(語彙的形態素、機能的形態素)、拘束形態素(派生形態素、屈折形態素)、クランベリー形態素) ●異形態 ●語形成(派生(語基、接辞(接頭辞、接尾辞、接中辞))、合成、造語、借用、混成、省略、逆成、異分析、転換、頭文字語) <語彙論> ●goの過去形はなぜwentか ●couldの"l"はどこから来たか ●mustに過去形がないのはなぜか |
第 3 回 | 統語論(1) | ●規範文法と記述文法 ●伝統文法(H. Sweetの科学文法、O. Jespersenの3階級説、C. T. Onionsの5文型、R. Quirkの7文型、H. E. Palmerの27文型、A. S. Hornbyの25文型) ●アメリカ構造主義言語学での統語論(直接構成素分析、C. C. Friesの形式類) ●Z. S. Harrisの変形文法 ●(変形)生成文法(生得主義、言語能力と言語運用、I言語とE言語、モジュール性、普遍文法、原理とパラメータ、理想的な話し手と聞き手、句構造規則、c統御、下位範疇化フレーム、移動規則、D構造とS構造、深層構造と表層構造、変形、生成文法の理論的変遷、Xバー理論、α移動) |
第 4 回 | 統語論(2) | ●機能的統語論(機能的文構成、基本概念(主題と題述、主題・対照・総記・中立叙述、新情報と旧情報、焦点、文末焦点の原則)) ●認知主義統語論(認知文法(記号的文法観、使用依拠モデル)、構文文法(構文)、認知文法と構文文法の違い) |
第 5 回 | 意味論(1) | ●意味の定義(指示理論、観念説、刺激・反応説、用法説) ●伝統的な意味論(ヨーロッパ構造主義言語学(シニフィアン、シニフィエ、他の記号との差異としての意味)、Ogden & Richardsによる意味の三角形、Fregeによる指示と意義の区別、アメリカ構造主義言語学における刺激・反応説、論理実証主義言語哲学(ウィーン学派)による真理条件意味論、ドイツ意味論学派による場の理論、解釈意味論、生成意味論、概念意味論) ●意味の構成(Ogden & RichadsおよびFregeによる意義と指示対象の区別、HjelmslevおよびBarthesによる外延と内包の区別、Leechによる伝達的価値という観点からの7種類の意味の分類) ●意味の構成についての理論(意味素性、成分分析、選択制限、前提) ●類似的意味関係(同義関係、上下関係、反義関係(相補的反義、段階的反義、関係的反義)) ●共起的意味関係とイディオム ●曖昧性(多義性、同綴同音異義語、異綴同音異義語、同綴異音異義語) ●意味の推移(意味の拡大(一般化)、意味の縮小(特殊化)) ●意味の転化(転化、悪化、良化) |
第 6 回 | 意味論(2) | ●選択体系機能文法(選択体系機能文法が確立するまでの流れ(B. Malinowskiによる文化のコンテクストと状況のコンテクスト、J. R.
Firthなどロンドン学派による「状況」の精緻化)、基本概念(節(主語と定性)、テクスト、選択体系、階層化)、言語使用域(活動領域、役割関係、伝達様式、ジャンル)、言語のメタ機能(観念構成的機能、対人的機能、テクスト形成的機能)) ●認知意味論(認知意味論の前提、認知意味論1:プロトタイプ理論(古典的集合理論、L. Wittgensteinによる家族的類似性、L. Zadehによるファジー集合理論、Berlin & Kayによる英語色彩語の研究、Roschによるbirdを構成する成員の研究、分析例)、認知意味論2:イメージスキーマ、認知意味論3:概念メタファー、認知意味論4:融合理論) |
第 7 回 | 語用論(1) | ●文字通りの意味と含意 ●語用論が確立する前の語用論に関する動き(C. Morrisの記号論) ●語用論確立の背景(論理実証主義哲学による真理条件意味論、L. Wittgensteinによる言語ゲーム論) ●J. L. Austinによる発話行為の研究(事実確認文と行為遂行文、発話行為(発語行為、発語内行為、発語媒介行為)、遂行動詞の下位分類(陳述表現的、指示的、行為拘束的、態度表明的、宣告命名的)、Habermasによる分類) ●R. Montagueによるpragmaticsという用語の復活 ●J. R. Searleによる間接発話行為論(命題的内容と発語内の効力、直接発話行為と間接発話行為、適切性条件(命題内容条件、事前条件、誠実性条件、本質条件)、発話行為の分類) ●H. P. Griceによる協調の原理(言われることと意味されること、含意(論理的含意、慣習的含意、会話の含意)、協調の原理、会話の公理(量の公理、質の公理、関連性の公理、様式の公理)、公理の遵守、公理の非遵守(公理の無視、公理の違反、公理の遵守不能、公理からの離脱、公理の保留)) ●新グライス学派による会話の公理の整理(HornによるQ原理・R原理、LevinsonによるQ原理・I原理・M原理) |
第 8 回 | 語用論(2) | ●関連性理論(コード・モデル(メッセージ・モデル)、関連性(認知効果、処理労力)、関連性の原則(認知原則、伝達原則、最良の関連性)、表意、推意、弱い推意、関連性理論に基づいた分析例) ●ポライトネス理論(フェイス(積極的フェイス、消極的フェイス)、フェイスを脅かす行為(支配力、距離、負担の大きさ)、フェイスを脅かす行為を行なうに際しての方略(オン・レコード、積極的ポライトネス、消極的ポライトネス、オフレコード・ポライトネス)) ●丁寧さの原則(丁寧さの原則を守るための行動指針(気配り、気前のよさ、是認、控え目、同意、同情) ●中間言語語用論(中間言語、語用論的転移) ●最新の語用論(新グライス学派、語彙語用論、歴史語用論) ●インポライトネス理論(オン・レコード・インポライトネス、積極的インポライトネス、消極的インポライトネス、皮肉や見せかけのポライトネス、ポライトネスの差し控え、その他のインポライトネス) |
第 9 回 | 談話分析 | ●テクストと談話 ●Zellig S. Harrisによる談話分析の始まり ●テクスト言語学(テクスト性(結束性、整合性、意図性、容認可能性、情報性、場面適合性、間テクスト性)) ●テクスト文法 ●テクスト理論 ●談話文法(談話標識) ●会話分析(ターン(ターン交替、隣接ペア)、プレファレンス、修復の連鎖) ●相互行為分析(ムーブ、フロア) ●ジャンル分析(体験談の構造(要約、状況設定、行為連鎖、評価、帰結、終幕)) ●批判的談話分析(批判的言語学、談話−歴史アプローチなど) |
第10 回 | 英語史(1) | ●英語史の時代区分 ●英語とはどのような言語か(19世紀比較言語学による推定(印欧語族、印欧祖語)、ゲルマン語派(形容詞(強変化と弱変化)、動詞(時制(現在形と過去形)、強変化と弱変化)、語幹の第1音節に強勢アクセント、規則的な子音推移(グリムの法則(第一次ゲルマン語子音推移)、ヴェルネルの法則))) ●古英語期の年代史(ケルト語話者であったブリトン人、ローマ帝国による支配、アングロ・サクソン人による侵略("England"、"English"の語源)、ローマ教会からのアウグスティヌスの派遣(宗教会議)、アングロ・サクソン7王国の建国、Kentの隆盛、Northumbriaの隆盛、Merciaの隆盛、Wessexによる7王国の統一、デーン人の侵略開始、アルフレッド王によるエディングトンの戦いでのWessexの勝利、デーン法地帯、アゼルスタン王によるデーン法地帯の奪還、デーン王朝の成立、Wessex王家の復興) ●古英語の特徴(方言、文字(ルーン文字、古英語期のローマ文字)、借入語(本来語、ケルト語からの借入語、ラテン語からの借入語、古ノルド語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、語順)、古英語の記録文書) ●古英詩の特徴(行間休止、頭韻、ケニング) |
第11 回 | 英語史(2) | ●中期英語期の年代史(ノルマン人の征服、プランタジネット朝の成立、ジョン王によるノルマンディーの喪失、百年戦争、ペストの大流行、ばら戦争、チューダー朝の成立) ●中期英語期の英語の動向(ノルマン人の征服によるフランス語と英語に2言語併用社会の成立、ノルマンディーの喪失を契機とした上流階級への英語の浸透、百年戦争とペストの大流行による人口減少に伴った英語の地位の回復、英語で書かれた文学作品、キャクストンの活版印刷による活字文化の始まり) ●中期英語の特徴(方言(ロンドン方言の台頭)、発音と文字(屈折語尾におけるあいまい母音の普及、新しい文字の導入、新しい綴り字の組み合わせの出現)、借入語(フランス語からの借入語、ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、本来語と借入語の共存)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、不定冠詞aの成立と異分析)) ●中期英語の体験(Geoffrey ChaucerのThe Canterbury Talesの "General Prologue"から) ●近代英語期の英語の動向(初期近代英語(ルネッサンス、シェイクスピア、欽定訳聖書、大航海時代を契機とした英語の多言語との接触、アメリカ英語への分岐)、後期近代英語(日刊紙・定期刊行物・散文作品の出現による読者層の拡大、英語の標準化(規範文法、英語辞書の出版)、産業革命による方言の差異の縮小と標準語の普及)) ●近代英語の特徴(文字と発音(大母音推移、語尾(e)の消失、子音の変化、発音と綴りの不一致の出現)、借入語(ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、フランス語からの借入語、イタリア語からの借入語、スペイン語からの借入語、ドイツ語からの借入語、オランダ語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、人称代名詞の変化の変遷)) ●初期近代英語の体験(Sir Philip SidneyのThe Countesse of Pembrokes Arcadiaから) ●後期近代英語の体験(Jane AustenのMansfield Parkから) |
第12 回 | 英語史(3) | ●語形論(曜日名、月名) ●アメリカ英語(発音、綴り、語彙、文法) ●アルファベットの発達(文字の系統図、文字の名称、書体の発達、セリフ、アンパサンド) ●綴り字改革運動(フォノティピー、グロシック、ローミック(精密ローミック、簡易ローミック)、ニュー・スペリング、ショー・アルファベット、初期指導用アルファベット) ●新しい英語史(文法化) ●これからの英語(Great Compliment Shift) |
第13 回 | 言語学史(1) | ●古代ギリシャの言語研究(自然説と人為説、語源学、整合説と不規則説、文法の独立(Platoによる2品詞分類、Aristotleによる3品詞分類、ストア派による5品詞分類と格・時制の発見、Dionysius
Thraxによる8品詞分類、Apollpniusによる主語と動詞の一致・依存関係・従属・他動詞などの発見)、文献学の発達と正用法の確立) ●古代ローマの言語研究(Varroによる古代ギリシャの言語研究成果のラテン語への応用、Priscianによるラテン語の実用主義的な品詞分類) ●中世の言語研究(スコラ哲学による思弁的文法) ●ルネッサンス期及びそれ以降の言語研究(国語の意識の確立、言語変化に関する考えの変化(「堕落」から「変化」へ)、経験主義と合理主義、デカルト派言語学(Gottfried W. Leibnitzによる人工語の作成、ポール・ロワイヤル学派)、言語起源説(Jean Jacques Rousseauによる言語起源説、Johann Gottfried von Herderによる言語起源説)) ●19世紀比較言語学(古代インドの言語研究への注目(Paniniによるベーダ・サンスクリット語の研究)、Rasmus Raskの功績、Jakob Grimmの功績(グリムの法則)、Franz Boppの功績、Angust Schleicherの功績(言語樹枝説、語族、印欧祖語、再構法、言語の形態的分類(孤立語、膠着語、屈折語)、Charles Darwinの進化論の影響、Freidrich Hegelの弁証法の影響)、Wilhelm von Humboldtの功績(エルゴン、エネルゲイア)、Karl Vernerの功績(ヴェルネルの法則)、Georg CurtiusとKarl Brugmannの対立、青年文法家(類推と言語借用による音韻法則の例外排除)、Hermann Paulの功績、言語地理学(樹枝説と波状説、方言地図、等語線、新言語学派)) |
第14 回 | 言語学史(2) | ●構造主義言語学の基本的考え方/Ferdinand de Saussureの考え(言葉と物の関係、共時態と通時態、ランガージュ(ラングとパロール)とエクリチュール、系列的関係と連辞的関係、シーニュ(シニフィアンとシニフィエ)、差異の体系としての言語体系) ●ジュネーヴ学派(C. Ballyによる個人的文体論、A. Sechehayeによる組織されたパロール) ●フランス学派 ●プラーグ学派(N. S. Trubetzkoyによる音韻論の確立、K. Bühlerによるオルガノン・モデル、J. Mukarovskÿによる美的機能の提案、R. Jakobsonによる6言語機能モデル、V. Mathesiusによる英文法研究、S. Karcevskijによるシニフィアンとシニフィエの関係の曖昧性の提案、1928年発表の「テーゼ」、共時態と通時態の統合) ●コペンハーゲン学派(L. Hjelmslevによる言理学) ●ロンドン学派(イギリス文体論、新ファース学派、選択体系機能文法) ●スラブ学派(J. Baudouin de Courtenayの功績、N. J. Marrによるヤペテ言語学・マール主義、J. V. Stalinによる介入、ソ連の言語学の発展(心理言語学、機械翻訳、数理言語学)) ●ドイツでの言語学(フィロロジーの伝統、文体論、ドイツ意味論学派) |
第15 回 | 言語学史(3) | ●アメリカ構造主義言語学の特徴(実証主義、意味論の排除、刺激反応説、直接構成素分析、行動主義心理学に基づいた言語習得論、オーディオリンガル教授法) ●サピア=ウォーフの仮説 ●新ブルームフィールド学派 ●新ブルームフィールド学派に対する新たな潮流(成層文法、タグミーミックス、変形文法) ●生成文法(生得主義、プラトンの問題、普遍文法、言語能力と言語運用、デカルト派言語学) ●認知言語学(用法依拠モデル、記号的文法観、プロトタイプ理論) ●現在の言語学の状況 ●日本の言語学の状況 |
★対象:県立広島大学人間文化学部国際文化学科3年生
★テキスト:なし(授業用のハンドアウト)
★授業の目標:いわゆる言語学(英語学)を中心として、言語に関する知識と視点を広く習得すること
★授業の内容:
授業で扱う分野 | 具体的な内容 | |
第 1 回 | イントロダクション 音声学 音韻論 |
<音声学> ●主な3つの下位分野(調音音声学、音響音声学、聴覚音声学) ●音声器官 ●有声音と無声音 ●母音と子音 <音韻論> ●基本的概念(音素、異音、最小対立、相補分布、自由音素、音節、子音結合) ●音変化(連結、同化) ●超分節音素(強勢、連接、音の高さ、音調) ●言語のリズム(強勢拍、音節拍、モーラ拍) ●音と意味の関係(オノマトペ、音的シンボリズム) ●頭韻(日英語での違い) |
第 2 回 | 文字論 形態論 語彙論 |
<文字論> ●記号から文字へ(古代文明で使われていた記号) ●文字の出現に関する理論(トークン理論、判じ絵原理) ●文字の分類(絵文字、表意文字、表音文字、表語文字、顔文字) ●アルファベットの起源 ●日本語の文字体系の起源 <形態論> ●形態素(自由形態素(語彙的形態素、機能的形態素)、拘束形態素(派生形態素、屈折形態素)、クランベリー形態素) ●異形態 ●語形成(派生(語基、接辞(接頭辞、接尾辞、接中辞))、合成、造語、借用、混成、省略、逆成、異分析、転換、頭文字語) <語彙論> ●goの過去形はなぜwentか ●couldの"l"はどこから来たか ●mustに過去形がないのはなぜか |
第 3 回 | 統語論(1) | ●規範文法と記述文法 ●伝統文法(H. Sweetの科学文法、O. Jespersenの3階級説、C. T. Onionsの5文型、R. Quirkの7文型、H. E. Palmerの27文型、A. S. Hornbyの25文型) ●アメリカ構造主義言語学での統語論(直接構成素分析、C. C. Friesの形式類) ●Z. S. Harrisの変形文法 ●(変形)生成文法(生得主義、言語能力と言語運用、I言語とE言語、モジュール性、普遍文法、原理とパラメータ、理想的な話し手と聞き手、句構造規則、c統御、下位範疇化フレーム、移動規則、D構造とS構造、深層構造と表層構造、変形、生成文法の理論的変遷、Xバー理論、α移動) |
第 4 回 | 統語論(2) | ●機能的統語論(機能的文構成、基本概念(主題と題述、主題・対照・総記・中立叙述、新情報と旧情報、焦点、文末焦点の原則)) ●認知主義統語論(認知文法(記号的文法観、使用依拠モデル)、構文文法(構文)、認知文法と構文文法の違い) |
第 5 回 | 意味論(1) | ●意味の定義(指示理論、観念説、刺激・反応説、用法説) ●伝統的な意味論(ヨーロッパ構造主義言語学(シニフィアン、シニフィエ、他の記号との差異としての意味)、Ogden & Richardsによる意味の三角形、Fregeによる指示と意義の区別、アメリカ構造主義言語学における刺激・反応説、論理実証主義言語哲学(ウィーン学派)による真理条件意味論、ドイツ意味論学派による場の理論、解釈意味論、生成意味論、概念意味論) ●意味の構成(Ogden & RichadsおよびFregeによる意義と指示対象の区別、HjelmslevおよびBarthesによる外延と内包の区別、Leechによる伝達的価値という観点からの7種類の意味の分類) ●意味の構成についての理論(意味素性、成分分析、選択制限、前提) ●類似的意味関係(同義関係、上下関係、反義関係(相補的反義、段階的反義、関係的反義)) ●共起的意味関係とイディオム ●曖昧性(多義性、同綴同音異義語、異綴同音異義語、同綴異音異義語) ●意味の推移(意味の拡大(一般化)、意味の縮小(特殊化)) ●意味の転化(転化、悪化、良化) |
第 6 回 | 意味論(2) | ●選択体系機能文法(選択体系機能文法が確立するまでの流れ(B. Malinowskiによる文化のコンテクストと状況のコンテクスト、J. R.
Firthなどロンドン学派による「状況」の精緻化)、基本概念(節(主語と定性)、テクスト、選択体系、階層化)、言語使用域(活動領域、役割関係、伝達様式、ジャンル)、言語のメタ機能(観念構成的機能、対人的機能、テクスト形成的機能)) ●認知意味論(認知意味論の前提、認知意味論1:プロトタイプ理論(古典的集合理論、L. Wittgensteinによる家族的類似性、L. Zadehによるファジー集合理論、Berlin & Kayによる英語色彩語の研究、Roschによるbirdを構成する成員の研究、分析例)、認知意味論2:イメージスキーマ、認知意味論3:概念メタファー、認知意味論4:融合理論) |
第 7 回 | 語用論(1) | ●文字通りの意味と含意 ●語用論が確立する前の語用論に関する動き(C. Morrisの記号論) ●語用論確立の背景(論理実証主義哲学による真理条件意味論、L. Wittgensteinによる言語ゲーム論) ●J. L. Austinによる発話行為の研究(事実確認文と行為遂行文、発話行為(発語行為、発語内行為、発語媒介行為)、遂行動詞の下位分類(陳述表現的、指示的、行為拘束的、態度表明的、宣告命名的)、Habermasによる分類) ●R. Montagueによるpragmaticsという用語の復活 ●J. R. Searleによる間接発話行為論(命題的内容と発語内の効力、直接発話行為と間接発話行為、適切性条件(命題内容条件、事前条件、誠実性条件、本質条件)、発話行為の分類) ●H. P. Griceによる協調の原理(言われることと意味されること、含意(論理的含意、慣習的含意、会話の含意)、協調の原理、会話の公理(量の公理、質の公理、関連性の公理、様式の公理)、公理の遵守、公理の非遵守(公理の無視、公理の違反、公理の遵守不能、公理からの離脱、公理の保留)) ●新グライス学派による会話の公理の整理(HornによるQ原理・R原理、LevinsonによるQ原理・I原理・M原理) |
第 8 回 | 語用論(2) | ●関連性理論(コード・モデル(メッセージ・モデル)、関連性(認知効果、処理労力)、関連性の原則(認知原則、伝達原則、最良の関連性)、表意、推意、弱い推意、関連性理論に基づいた分析例) ●ポライトネス理論(フェイス(積極的フェイス、消極的フェイス)、フェイスを脅かす行為(支配力、距離、負担の大きさ)、フェイスを脅かす行為を行なうに際しての方略(オン・レコード、積極的ポライトネス、消極的ポライトネス、オフレコード・ポライトネス)) ●丁寧さの原則(丁寧さの原則を守るための行動指針(気配り、気前のよさ、是認、控え目、同意、同情) ●中間言語語用論(中間言語、語用論的転移) ●最新の語用論(新グライス学派、語彙語用論、歴史語用論) ●インポライトネス理論(オン・レコード・インポライトネス、積極的インポライトネス、消極的インポライトネス、皮肉や見せかけのポライトネス、ポライトネスの差し控え、その他のインポライトネス) |
第 9 回 | 談話分析 | ●テクストと談話 ●Zellig S. Harrisによる談話分析の始まり ●テクスト言語学(テクスト性(結束性、整合性、意図性、容認可能性、情報性、場面適合性、間テクスト性)) ●テクスト文法 ●テクスト理論 ●談話文法(談話標識) ●会話分析(ターン(ターン交替、隣接ペア)、プレファレンス、修復の連鎖) ●相互行為分析(ムーブ、フロア) ●ジャンル分析(体験談の構造(要約、状況設定、行為連鎖、評価、帰結、終幕)) ●批判的談話分析(批判的言語学、談話−歴史アプローチなど) |
第10 回 | 英語史(1) | ●英語史の時代区分 ●英語とはどのような言語か(19世紀比較言語学による推定(印欧語族、印欧祖語)、ゲルマン語派(形容詞(強変化と弱変化)、動詞(時制(現在形と過去形)、強変化と弱変化)、語幹の第1音節に強勢アクセント、規則的な子音推移(グリムの法則(第一次ゲルマン語子音推移)、ヴェルネルの法則))) ●古英語期の年代史(ケルト語話者であったブリトン人、ローマ帝国による支配、アングロ・サクソン人による侵略("England"、"English"の語源)、ローマ教会からのアウグスティヌスの派遣(宗教会議)、アングロ・サクソン7王国の建国、Kentの隆盛、Northumbriaの隆盛、Merciaの隆盛、Wessexによる7王国の統一、デーン人の侵略開始、アルフレッド王によるエディングトンの戦いでのWessexの勝利、デーン法地帯、アゼルスタン王によるデーン法地帯の奪還、デーン王朝の成立、Wessex王家の復興) ●古英語の特徴(方言、文字(ルーン文字、古英語期のローマ文字)、借入語(本来語、ケルト語からの借入語、ラテン語からの借入語、古ノルド語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、語順)、古英語の記録文書) ●古英詩の特徴(行間休止、頭韻、ケニング) |
第11 回 | 英語史(2) | ●中期英語期の年代史(ノルマン人の征服、プランタジネット朝の成立、ジョン王によるノルマンディーの喪失、百年戦争、ペストの大流行、ばら戦争、チューダー朝の成立) ●中期英語期の英語の動向(ノルマン人の征服によるフランス語と英語に2言語併用社会の成立、ノルマンディーの喪失を契機とした上流階級への英語の浸透、百年戦争とペストの大流行による人口減少に伴った英語の地位の回復、英語で書かれた文学作品、キャクストンの活版印刷による活字文化の始まり) ●中期英語の特徴(方言(ロンドン方言の台頭)、発音と文字(屈折語尾におけるあいまい母音の普及、新しい文字の導入、新しい綴り字の組み合わせの出現)、借入語(フランス語からの借入語、ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、本来語と借入語の共存)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、不定冠詞aの成立と異分析)) ●中期英語の体験(Geoffrey ChaucerのThe Canterbury Talesの "General Prologue"から) ●近代英語期の英語の動向(初期近代英語(ルネッサンス、シェイクスピア、欽定訳聖書、大航海時代を契機とした英語の多言語との接触、アメリカ英語への分岐)、後期近代英語(日刊紙・定期刊行物・散文作品の出現による読者層の拡大、英語の標準化(規範文法、英語辞書の出版)、産業革命による方言の差異の縮小と標準語の普及)) ●近代英語の特徴(文字と発音(大母音推移、語尾(e)の消失、子音の変化、発音と綴りの不一致の出現)、借入語(ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、フランス語からの借入語、イタリア語からの借入語、スペイン語からの借入語、ドイツ語からの借入語、オランダ語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、人称代名詞の変化の変遷)) ●初期近代英語の体験(Sir Philip SidneyのThe Countesse of Pembrokes Arcadiaから) ●後期近代英語の体験(Jane AustenのMansfield Parkから) |
第12 回 | 英語史(3) | ●語形論(曜日名、月名) ●アメリカ英語(発音、綴り、語彙、文法) ●アルファベットの発達(文字の系統図、文字の名称、書体の発達、セリフ、アンパサンド) ●綴り字改革運動(フォノティピー、グロシック、ローミック(精密ローミック、簡易ローミック)、ニュー・スペリング、ショー・アルファベット、初期指導用アルファベット) ●新しい英語史(文法化) ●これからの英語(Great Compliment Shift) |
第13 回 | 言語学史(1) | ●古代ギリシャの言語研究(自然説と人為説、語源学、整合説と不規則説、文法の独立(Platoによる2品詞分類、Aristotleによる3品詞分類、ストア派による5品詞分類と格・時制の発見、Dionysius
Thraxによる8品詞分類、Apollpniusによる主語と動詞の一致・依存関係・従属・他動詞などの発見)、文献学の発達と正用法の確立) ●古代ローマの言語研究(Varroによる古代ギリシャの言語研究成果のラテン語への応用、Priscianによるラテン語の実用主義的な品詞分類) ●中世の言語研究(スコラ哲学による思弁的文法) ●ルネッサンス期及びそれ以降の言語研究(国語の意識の確立、言語変化に関する考えの変化(「堕落」から「変化」へ)、経験主義と合理主義、デカルト派言語学(Gottfried W. Leibnitzによる人工語の作成、ポール・ロワイヤル学派)、言語起源説(Jean Jacques Rousseauによる言語起源説、Johann Gottfried von Herderによる言語起源説)) ●19世紀比較言語学(古代インドの言語研究への注目(Paniniによるベーダ・サンスクリット語の研究)、Rasmus Raskの功績、Jakob Grimmの功績(グリムの法則)、Franz Boppの功績、Angust Schleicherの功績(言語樹枝説、語族、印欧祖語、再構法、言語の形態的分類(孤立語、膠着語、屈折語)、Charles Darwinの進化論の影響、Freidrich Hegelの弁証法の影響)、Wilhelm von Humboldtの功績(エルゴン、エネルゲイア)、Karl Vernerの功績(ヴェルネルの法則)、Georg CurtiusとKarl Brugmannの対立、青年文法家(類推と言語借用による音韻法則の例外排除)、Hermann Paulの功績、言語地理学(樹枝説と波状説、方言地図、等語線、新言語学派)) |
第14 回 | 言語学史(2) | ●構造主義言語学の基本的考え方/Ferdinand de Saussureの考え(言葉と物の関係、共時態と通時態、ランガージュ(ラングとパロール)とエクリチュール、系列的関係と連辞的関係、シーニュ(シニフィアンとシニフィエ)、差異の体系としての言語体系) ●ジュネーヴ学派(C. Ballyによる個人的文体論、A. Sechehayeによる組織されたパロール) ●フランス学派 ●プラーグ学派(N. S. Trubetzkoyによる音韻論の確立、K. Bühlerによるオルガノン・モデル、J. Mukarovskÿによる美的機能の提案、R. Jakobsonによる6言語機能モデル、V. Mathesiusによる英文法研究、S. Karcevskijによるシニフィアンとシニフィエの関係の曖昧性の提案、1928年発表の「テーゼ」、共時態と通時態の統合) ●コペンハーゲン学派(L. Hjelmslevによる言理学) ●ロンドン学派(イギリス文体論、新ファース学派、選択体系機能文法) ●スラブ学派(J. Baudouin de Courtenayの功績、N. J. Marrによるヤペテ言語学・マール主義、J. V. Stalinによる介入、ソ連の言語学の発展(心理言語学、機械翻訳、数理言語学)) ●ドイツでの言語学(フィロロジーの伝統、文体論、ドイツ意味論学派) |
第15 回 | 言語学史(3) | ●アメリカ構造主義言語学の特徴(実証主義、意味論の排除、刺激反応説、直接構成素分析、行動主義心理学に基づいた言語習得論、オーディオリンガル教授法) ●サピア=ウォーフの仮説 ●新ブルームフィールド学派 ●新ブルームフィールド学派に対する新たな潮流(成層文法、タグミーミックス、変形文法) ●生成文法(生得主義、プラトンの問題、普遍文法、言語能力と言語運用、デカルト派言語学) ●認知言語学(用法依拠モデル、記号的文法観、プロトタイプ理論) ●現在の言語学の状況 ●日本の言語学の状況 |
★対象:国際文化学科3年生
★テキスト:なし(授業用のハンドアウト)
★授業の目標:いわゆる言語学(英語学)を中心として、言語に関する知識と視点を広く習得すること
★授業の内容:
授業で扱う分野 | 具体的な内容 | |
第 1 回 | イントロダクション 音声学 音韻論 |
<音声学> ●主な3つの下位分野(調音音声学、音響音声学、聴覚音声学) ●音声器官 ●有声音と無声音 ●母音と子音 <音韻論> ●基本的概念(音素、異音、最小対立、相補分布、自由音素、音節、子音結合) ●音変化(連結、同化) ●超分節音素(強勢、連接、音の高さ、音調) ●言語のリズム(強勢拍、音節拍、モーラ拍) ●音と意味の関係(オノマトペ、音的シンボリズム) ●頭韻(日英語での違い) |
第 2 回 | 文字論 形態論 語彙論 |
<文字論> ●記号から文字へ(古代文明で使われていた記号) ●文字の出現に関する理論(トークン理論、判じ絵原理) ●文字の分類(絵文字、表意文字、表音文字、表語文字、顔文字) ●アルファベットの起源 ●日本語の文字体系の起源 <形態論> ●形態素(自由形態素(語彙的形態素、機能的形態素)、拘束形態素(派生形態素、屈折形態素)、クランベリー形態素) ●異形態 ●語形成(派生(語基、接辞(接頭辞、接尾辞、接中辞))、合成、造語、借用、混成、省略、逆成、異分析、転換、頭文字語) <語彙論> ●goの過去形はなぜwentか ●couldの"l"はどこから来たか ●mustに過去形がないのはなぜか |
第 3 回 | 統語論(1) | ●規範文法と記述文法 ●伝統文法(H. Sweetの科学文法、O. Jespersenの3階級説、C. T. Onionsの5文型、R. Quirkの7文型、H. E. Palmerの27文型、A. S. Hornbyの25文型) ●アメリカ構造主義言語学での統語論(直接構成素分析、C. C. Friesの形式類) ●Z. S. Harrisの変形文法 ●(変形)生成文法(生得主義、言語能力と言語運用、I言語とE言語、モジュール性、普遍文法、原理とパラメータ、理想的な話し手と聞き手、句構造規則、c統御、下位範疇化フレーム、移動規則、D構造とS構造、深層構造と表層構造、変形、生成文法の理論的変遷、Xバー理論、α移動) |
第 4 回 | 統語論(2) | ●機能的統語論(機能的文構成、基本概念(主題と題述、主題・対照・総記・中立叙述、新情報と旧情報、焦点、文末焦点の原則)) ●認知主義統語論(認知文法(記号的文法観、使用依拠モデル)、構文文法(構文)、認知文法と構文文法の違い) |
第 5 回 | 意味論(1) | ●意味の定義(指示理論、観念説、刺激・反応説、用法説) ●伝統的な意味論(ヨーロッパ構造主義言語学(シニフィアン、シニフィエ、他の記号との差異としての意味)、Ogden & Richardsによる意味の三角形、Fregeによる指示と意義の区別、アメリカ構造主義言語学における刺激・反応説、論理実証主義言語哲学(ウィーン学派)による真理条件意味論、ドイツ意味論学派による場の理論、解釈意味論、生成意味論、概念意味論) ●意味の構成(Ogden & RichadsおよびFregeによる意義と指示対象の区別、HjelmslevおよびBarthesによる外延と内包の区別、Leechによる伝達的価値という観点からの7種類の意味の分類) ●意味の構成についての理論(意味素性、成分分析、選択制限、前提) ●類似的意味関係(同義関係、上下関係、反義関係(相補的反義、段階的反義、関係的反義)) ●共起的意味関係とイディオム ●曖昧性(多義性、同綴同音異義語、異綴同音異義語、同綴異音異義語) ●意味の推移(意味の拡大(一般化)、意味の縮小(特殊化)) ●意味の転化(転化、悪化、良化) |
第 6 回 | 意味論(2) | ●選択体系機能文法(選択体系機能文法が確立するまでの流れ(B. Malinowskiによる文化のコンテクストと状況のコンテクスト、J. R.
Firthなどロンドン学派による「状況」の精緻化)、基本概念(節(主語と定性)、テクスト、選択体系、階層化)、言語使用域(活動領域、役割関係、伝達様式、ジャンル)、言語のメタ機能(観念構成的機能、対人的機能、テクスト形成的機能)) ●認知意味論(認知意味論の前提、認知意味論1:プロトタイプ理論(古典的集合理論、L. Wittgensteinによる家族的類似性、L. Zadehによるファジー集合理論、Berlin & Kayによる英語色彩語の研究、Roschによるbirdを構成する成員の研究、分析例)、認知意味論2:イメージスキーマ、認知意味論3:概念メタファー、認知意味論4:融合理論) |
第 7 回 | 語用論(1) | ●文字通りの意味と含意 ●語用論が確立する前の語用論に関する動き(C. Morrisの記号論) ●語用論確立の背景(論理実証主義哲学による真理条件意味論、L. Wittgensteinによる言語ゲーム論) ●J. L. Austinによる発話行為の研究(事実確認文と行為遂行文、発話行為(発語行為、発語内行為、発語媒介行為)、遂行動詞の下位分類(陳述表現的、指示的、行為拘束的、態度表明的、宣告命名的)、Habermasによる分類) ●R. Montagueによるpragmaticsという用語の復活 ●J. R. Searleによる間接発話行為論(命題的内容と発語内の効力、直接発話行為と間接発話行為、適切性条件(命題内容条件、事前条件、誠実性条件、本質条件)、発話行為の分類) ●H. P. Griceによる協調の原理(言われることと意味されること、含意(論理的含意、慣習的含意、会話の含意)、協調の原理、会話の公理(量の公理、質の公理、関連性の公理、様式の公理)、公理の遵守、公理の非遵守(公理の無視、公理の違反、公理の遵守不能、公理からの離脱、公理の保留)) ●新グライス学派による会話の公理の整理(HornによるQ原理・R原理、LevinsonによるQ原理・I原理・M原理) |
第 8 回 | 語用論(2) | ●関連性理論(コード・モデル(メッセージ・モデル)、関連性(認知効果、処理労力)、関連性の原則(認知原則、伝達原則、最良の関連性)、表意、推意、弱い推意、関連性理論に基づいた分析例) ●ポライトネス理論(フェイス(積極的フェイス、消極的フェイス)、フェイスを脅かす行為(支配力、距離、負担の大きさ)、フェイスを脅かす行為を行なうに際しての方略(オン・レコード、積極的ポライトネス、消極的ポライトネス、オフレコード・ポライトネス)) ●丁寧さの原則(丁寧さの原則を守るための行動指針(気配り、気前のよさ、是認、控え目、同意、同情) ●中間言語語用論(中間言語、語用論的転移) ●最新の語用論(新グライス学派、語彙語用論、歴史語用論) ●インポライトネス理論(オン・レコード・インポライトネス、積極的インポライトネス、消極的インポライトネス、皮肉や見せかけのポライトネス、ポライトネスの差し控え、その他のインポライトネス) |
第 9 回 | 談話分析 | ●テクストと談話 ●Zellig S. Harrisによる談話分析の始まり ●テクスト言語学(テクスト性(結束性、整合性、意図性、容認可能性、情報性、場面適合性、間テクスト性)) ●テクスト文法 ●テクスト理論 ●談話文法(談話標識) ●会話分析(ターン(ターン交替、隣接ペア)、プレファレンス、修復の連鎖) ●相互行為分析(ムーブ、フロア) ●ジャンル分析(体験談の構造(要約、状況設定、行為連鎖、評価、帰結、終幕)) ●批判的談話分析(批判的言語学、談話−歴史アプローチなど) |
第10 回 | 英語史(1) | ●英語史の時代区分 ●英語とはどのような言語か(19世紀比較言語学による推定(印欧語族、印欧祖語)、ゲルマン語派(形容詞(強変化と弱変化)、動詞(時制(現在形と過去形)、強変化と弱変化)、語幹の第1音節に強勢アクセント、規則的な子音推移(グリムの法則(第一次ゲルマン語子音推移)、ヴェルネルの法則))) ●古英語期の年代史(ケルト語話者であったブリトン人、ローマ帝国による支配、アングロ・サクソン人による侵略("England"、"English"の語源)、ローマ教会からのアウグスティヌスの派遣(宗教会議)、アングロ・サクソン7王国の建国、Kentの隆盛、Northumbriaの隆盛、Merciaの隆盛、Wessexによる7王国の統一、デーン人の侵略開始、アルフレッド王によるエディングトンの戦いでのWessexの勝利、デーン法地帯、アゼルスタン王によるデーン法地帯の奪還、デーン王朝の成立、Wessex王家の復興) ●古英語の特徴(方言、文字(ルーン文字、古英語期のローマ文字)、借入語(本来語、ケルト語からの借入語、ラテン語からの借入語、古ノルド語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、語順)、古英語の記録文書) ●古英詩の特徴(行間休止、頭韻、ケニング) |
第11 回 | 英語史(2) | ●中期英語期の年代史(ノルマン人の征服、プランタジネット朝の成立、ジョン王によるノルマンディーの喪失、百年戦争、ペストの大流行、ばら戦争、チューダー朝の成立) ●中期英語期の英語の動向(ノルマン人の征服によるフランス語と英語に2言語併用社会の成立、ノルマンディーの喪失を契機とした上流階級への英語の浸透、百年戦争とペストの大流行による人口減少に伴った英語の地位の回復、英語で書かれた文学作品、キャクストンの活版印刷による活字文化の始まり) ●中期英語の特徴(方言(ロンドン方言の台頭)、発音と文字(屈折語尾におけるあいまい母音の普及、新しい文字の導入、新しい綴り字の組み合わせの出現)、借入語(フランス語からの借入語、ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、本来語と借入語の共存)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、不定冠詞aの成立と異分析)) ●中期英語の体験(Geoffrey ChaucerのThe Canterbury Talesの "General Prologue"から) ●近代英語期の英語の動向(初期近代英語(ルネッサンス、シェイクスピア、欽定訳聖書、大航海時代を契機とした英語の多言語との接触、アメリカ英語への分岐)、後期近代英語(日刊紙・定期刊行物・散文作品の出現による読者層の拡大、英語の標準化(規範文法、英語辞書の出版)、産業革命による方言の差異の縮小と標準語の普及)) ●近代英語の特徴(文字と発音(大母音推移、語尾(e)の消失、子音の変化、発音と綴りの不一致の出現)、借入語(ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、フランス語からの借入語、イタリア語からの借入語、スペイン語からの借入語、ドイツ語からの借入語、オランダ語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、人称代名詞の変化の変遷)) ●初期近代英語の体験(Sir Philip SidneyのThe Countesse of Pembrokes Arcadiaから) ●後期近代英語の体験(Jane AustenのMansfield Parkから) |
第12 回 | 英語史(3) | ●語形論(曜日名、月名) ●アメリカ英語(発音、綴り、語彙、文法) ●アルファベットの発達(文字の系統図、文字の名称、書体の発達、セリフ、アンパサンド) ●綴り字改革運動(フォノティピー、グロシック、ローミック(精密ローミック、簡易ローミック)、ニュー・スペリング、ショー・アルファベット、初期指導用アルファベット) ●新しい英語史(文法化) ●これからの英語(Great Compliment Shift) |
第13 回 | 言語学史(1) | ●古代ギリシャの言語研究(自然説と人為説、語源学、整合説と不規則説、文法の独立(Platoによる2品詞分類、Aristotleによる3品詞分類、ストア派による5品詞分類と格・時制の発見、Dionysius
Thraxによる8品詞分類、Apollpniusによる主語と動詞の一致・依存関係・従属・他動詞などの発見)、文献学の発達と正用法の確立) ●古代ローマの言語研究(Varroによる古代ギリシャの言語研究成果のラテン語への応用、Priscianによるラテン語の実用主義的な品詞分類) ●中世の言語研究(スコラ哲学による思弁的文法) ●ルネッサンス期及びそれ以降の言語研究(国語の意識の確立、言語変化に関する考えの変化(「堕落」から「変化」へ)、経験主義と合理主義、デカルト派言語学(Gottfried W. Leibnitzによる人工語の作成、ポール・ロワイヤル学派)、言語起源説(Jean Jacques Rousseauによる言語起源説、Johann Gottfried von Herderによる言語起源説)) ●19世紀比較言語学(古代インドの言語研究への注目(Paniniによるベーダ・サンスクリット語の研究)、Rasmus Raskの功績、Jakob Grimmの功績(グリムの法則)、Franz Boppの功績、Angust Schleicherの功績(言語樹枝説、語族、印欧祖語、再構法、言語の形態的分類(孤立語、膠着語、屈折語)、Charles Darwinの進化論の影響、Freidrich Hegelの弁証法の影響)、Wilhelm von Humboldtの功績(エルゴン、エネルゲイア)、Karl Vernerの功績(ヴェルネルの法則)、Georg CurtiusとKarl Brugmannの対立、青年文法家(類推と言語借用による音韻法則の例外排除)、Hermann Paulの功績、言語地理学(樹枝説と波状説、方言地図、等語線、新言語学派)) |
第14 回 | 言語学史(2) | ●構造主義言語学の基本的考え方/Ferdinand de Saussureの考え(言葉と物の関係、共時態と通時態、ランガージュ(ラングとパロール)とエクリチュール、系列的関係と連辞的関係、シーニュ(シニフィアンとシニフィエ)、差異の体系としての言語体系) ●ジュネーヴ学派(C. Ballyによる個人的文体論、A. Sechehayeによる組織されたパロール) ●フランス学派 ●プラーグ学派(N. S. Trubetzkoyによる音韻論の確立、K. Bühlerによるオルガノン・モデル、J. Mukarovskÿによる美的機能の提案、R. Jakobsonによる6言語機能モデル、V. Mathesiusによる英文法研究、S. Karcevskijによるシニフィアンとシニフィエの関係の曖昧性の提案、1928年発表の「テーゼ」、共時態と通時態の統合) ●コペンハーゲン学派(L. Hjelmslevによる言理学) ●ロンドン学派(イギリス文体論、新ファース学派、選択体系機能文法) ●スラブ学派(J. Baudouin de Courtenayの功績、N. J. Marrによるヤペテ言語学・マール主義、J. V. Stalinによる介入、ソ連の言語学の発展(心理言語学、機械翻訳、数理言語学)) ●ドイツでの言語学(フィロロジーの伝統、文体論、ドイツ意味論学派) |
第15 回 | 言語学史(3) | ●アメリカ構造主義言語学の特徴(実証主義、意味論の排除、刺激反応説、直接構成素分析、行動主義心理学に基づいた言語習得論、オーディオリンガル教授法) ●サピア=ウォーフの仮説 ●新ブルームフィールド学派 ●新ブルームフィールド学派に対する新たな潮流(成層文法、タグミーミックス、変形文法) ●生成文法(生得主義、プラトンの問題、普遍文法、言語能力と言語運用、デカルト派言語学) ●認知言語学(用法依拠モデル、記号的文法観、プロトタイプ理論) ●現在の言語学の状況 ●日本の言語学の状況 |
★対象:国際文化学科3年生
★テキスト:なし(授業用のハンドアウト)
★授業の目標:いわゆる言語学(英語学)を中心として、言語に関する知識と視点を広く習得すること
★授業の内容:
授業で扱う分野 | 具体的な内容 | |
第 1 回 | イントロダクション 音声学 音韻論 |
<音声学> ●主な3つの下位分野(調音音声学、音響音声学、聴覚音声学) ●音声器官 ●有声音と無声音 ●母音と子音 <音韻論> ●基本的概念(音素、異音、最小対立、相補分布、自由音素、音節、子音結合) ●音変化(連結、同化) ●超分節音素(強勢、連接、音の高さ、音調) ●言語のリズム(強勢拍、音節拍、モーラ拍) ●音と意味の関係(オノマトペ、音的シンボリズム) ●頭韻(日英語での違い) |
第 2 回 | 文字論 形態論 語彙論 |
<文字論> ●記号から文字へ(古代文明で使われていた記号) ●文字の出現に関する理論(トークン理論、判じ絵原理) ●文字の分類(絵文字、表意文字、表音文字、表語文字、顔文字) ●アルファベットの起源 ●日本語の文字体系の起源 <形態論> ●形態素(自由形態素(語彙的形態素、機能的形態素)、拘束形態素(派生形態素、屈折形態素)、クランベリー形態素) ●異形態 ●語形成(派生(語基、接辞(接頭辞、接尾辞、接中辞))、合成、造語、借用、混成、省略、逆成、異分析、転換、頭文字語) <語彙論> ●goの過去形はなぜwentか ●couldの"l"はどこから来たか ●mustに過去形がないのはなぜか |
第 3 回 | 統語論(1) | ●規範文法と記述文法 ●伝統文法(H. Sweetの科学文法、O. Jespersenの3階級説、C. T. Onionsの5文型、R. Quirkの7文型、H. E. Palmerの27文型、A. S. Hornbyの25文型) ●アメリカ構造主義言語学での統語論(直接構成素分析、C. C. Friesの形式類) ●Z. S. Harrisの変形文法 ●(変形)生成文法(深層構造と表層構造、変形、理想的な話し手と聞き手、生得主義、モジュール性、普遍文法、原理とパラメータ、言語能力と言語運用、I言語とE言語、生成文法の理論的変遷、句構造規則、Xバー理論、α移動) |
第 4 回 | 統語論(2) | ●機能的統語論(機能的文構成、基本概念(主題と題述、主題・対照・総記・中立叙述、新情報と旧情報、焦点、文末焦点の原則)) ●認知主義統語論(認知文法(記号的文法観、使用依拠モデル)、構文文法(構文)、認知文法と構文文法の違い) |
第 5 回 | 意味論(1) | ●意味の定義(指示理論、観念説、刺激・反応説、用法説) ●伝統的な意味論(ヨーロッパ構造主義言語学(シニフィアン、シニフィエ、他の記号との差異としての意味)、Ogden & Richardsによる意味の三角形、Fregeによる指示と意義の区別、アメリカ構造主義言語学における刺激・反応説、論理実証主義言語哲学(ウィーン学派)による真理条件意味論、ドイツ意味論学派による場の理論、生成意味論、解釈意味論) ●意味の構成(Ogden & RichadsおよびFregeによる意義と指示対象の区別、HjelmslevおよびBarthesによる外延と内包の区別、Leechによる伝達的価値という観点からの7種類の意味の分類) ●意味の構成についての理論(意味素性、成分分析、選択制限、前提) ●類似的意味関係(同義関係、上下関係、反義関係(相補的反義、段階的反義、関係的反義)) ●共起的意味関係とイディオム ●曖昧性(多義性、同綴同音異義語、異綴同音異義語、同綴異音異義語) ●意味の推移(意味の拡大(一般化)、意味の縮小(特殊化)) ●意味の転化(転化、悪化、良化) |
第 6 回 | 意味論(2) | ●選択体系機能文法(選択体系機能文法が確立するまでの流れ(B. Malinowskiによる文化のコンテクストと状況のコンテクスト、J. R.
Firthなどロンドン学派による「状況」の精緻化)、基本概念(節(主語と定性)、テクスト、選択体系、階層化)、言語使用域(活動領域、役割関係、伝達様式、ジャンル)、言語のメタ機能(観念構成的機能、対人的機能、テクスト形成的機能)) ●認知意味論(認知意味論の前提、認知意味論1:プロトタイプ理論(古典的集合理論、L. Wittgensteinによる家族的類似性、L. Zadehによるファジー集合理論、Berlin & Kayによる英語色彩語の研究、Roschによるbirdを構成する成員の研究、分析例)、認知意味論2:イメージスキーマ、認知意味論3:概念メタファー、認知意味論4:融合理論) |
第 7 回 | 語用論(1) | ●文字通りの意味と含意 ●語用論が確立する前の語用論に関する動き(C. Morrisの記号論) ●語用論確立の背景(論理実証主義哲学による真理条件意味論、L. Wittgensteinによる言語ゲーム論) ●J. L. Austinによる発話行為の研究(事実確認文と行為遂行文、発話行為(発語行為、発語内行為、発語媒介行為)、遂行動詞の下位分類(陳述表現的、指示的、行為拘束的、態度表明的、宣告命名的)、Habermasによる分類) ●R. Montagueによるpragmaticsという用語の復活 ●J. R. Searleによる間接発話行為論(命題的内容と発語内の効力、直接発話行為と間接発話行為、適切性条件(命題内容条件、事前条件、誠実性条件、本質条件)、発話行為の分類) ●H. P. Griceによる協調の原理(言われることと意味されること、含意(論理的含意、慣習的含意、会話の含意)、協調の原理、会話の公理(量の公理、質の公理、関連性の公理、様式の公理)、公理の遵守、公理の非遵守(公理の無視、公理の違反、公理の遵守不能、公理からの離脱、公理の保留)) |
第 8 回 | 語用論(2) | ●関連性理論(コード・モデル(メッセージ・モデル)、関連性(認知効果、処理労力)、関連性の原則(認知原則、伝達原則、最良の関連性)、表意、推意、弱い推意、関連性理論に基づいた分析例) ●ポライトネス理論(フェイス(積極的フェイス、消極的フェイス)、フェイスを脅かす行為(支配力、距離、負担の大きさ)、フェイスを脅かす行為を行なうに際しての方略(積極的ポライトネス、消極的ポライトネス、オフレコード・ポライトネス)) ●丁寧さの原則(丁寧さの原則を守るための行動指針(気配り、気前のよさ、是認、控え目、同意、同情) ●中間言語語用論(中間言語、語用論的転移) ●最新の語用論(新グライス学派、語彙語用論、歴史語用論) |
第 9 回 | 談話分析 | ●テクストと談話 ●Zellig S. Harrisによる談話分析の始まり ●テクスト言語学(テクスト性(結束性、整合性、意図性、容認可能性、情報性、場面適合性、間テクスト性)) ●テクスト文法 ●テクスト理論 ●談話文法(談話標識) ●会話分析(ターン(ターン交替、隣接ペア)、プレファレンス、修復の連鎖) ●相互行為分析(ムーブ、フロア) ●ジャンル分析(体験談の構造(要約、状況設定、行為連鎖、評価、帰結、終幕)) ●批判的談話分析(批判的言語学、談話−歴史アプローチなど) |
第10 回 | 英語史(1) | ●英語史の時代区分 ●英語とはどのような言語か(19世紀比較言語学による推定(印欧語族、印欧祖語)、ゲルマン語派(形容詞(強変化と弱変化)、動詞(時制(現在形と過去形)、強変化と弱変化)、語幹の第1音節に強勢アクセント、規則的な子音推移(グリムの法則(第一次ゲルマン語子音推移)、ヴェルネルの法則))) ●古英語期の年代史(ケルト語話者であったブリトン人、ローマ帝国による支配、アングロ・サクソン人による侵略("England"、"English"の語源)、ローマ教会からのアウグスティヌスの派遣(宗教会議)、アングロ・サクソン7王国の建国、Kentの隆盛、Northumbriaの隆盛、Merciaの隆盛、Wessexによる7王国の統一、デーン人の侵略開始、アルフレッド王によるエディングトンの戦いでのWessexの勝利、デーン法地帯、アゼルスタン王によるデーン法地帯の奪還、デーン王朝の成立、Wessex王家の復興) ●古英語の特徴(方言、文字(ルーン文字、古英語期のローマ文字)、借入語(本来語、ケルト語からの借入語、ラテン語からの借入語、古ノルド語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、語順)、古英語の記録文書) ●古英詩の特徴(行間休止、頭韻、ケニング) |
第11 回 | 英語史(2) | ●中期英語期の年代史(ノルマン人の征服、プランタジネット朝の成立、ジョン王によるノルマンディーの喪失、百年戦争、ペストの大流行、ばら戦争、チューダー朝の成立) ●中期英語期の英語の動向(ノルマン人の征服によるフランス語と英語に2言語併用社会の成立、ノルマンディーの喪失を契機とした上流階級への英語の浸透、百年戦争とペストの大流行による人口減少に伴った英語の地位の回復、英語で書かれた文学作品、キャクストンの活版印刷による活字文化の始まり) ●中期英語の特徴(方言(ロンドン方言の台頭)、発音と文字(屈折語尾におけるあいまい母音の普及、新しい文字の導入、新しい綴り字の組み合わせの出現)、借入語(フランス語からの借入語、ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、本来語と借入語の共存)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、不定冠詞aの成立と異分析)) ●中期英語の体験(Geoffrey ChaucerのThe Canterbury Talesの "General Prologue"から) ●近代英語期の英語の動向(初期近代英語(ルネッサンス、シェイクスピア、欽定訳聖書、大航海時代を契機とした英語の多言語との接触、アメリカ英語への分岐)、後期近代英語(日刊紙・定期刊行物・散文作品の出現による読者層の拡大、英語の標準化(規範文法、英語辞書の出版)、産業革命による方言の差異の縮小と標準語の普及)) ●近代英語の特徴(文字と発音(大母音推移、語尾(e)の消失、子音の変化、発音と綴りの不一致の出現)、借入語(ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、フランス語からの借入語、イタリア語からの借入語、スペイン語からの借入語、ドイツ語からの借入語、オランダ語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、人称代名詞の変化の変遷)) ●初期近代英語の体験(Sir Philip SidneyのThe Countesse of Pembrokes Arcadiaから) ●後期近代英語の体験(Jane AustenのMansfield Parkから) |
第12 回 | 英語史(3) | ●語形論(曜日名、月名) ●アメリカ英語(発音、綴り、語彙、文法) ●綴り字改革運動(フォノティピー、グロシック、ローミック(精密ローミック、簡易ローミック)、ニュー・スペリング、ショー・アルファベット、初期指導用アルファベット) ●新しい英語史(文法化) ●これからの英語(Great Compliment Shift) |
第13 回 | 言語学史(1) | ●古代ギリシャの言語研究(自然説と人為説、語源学、整合説と不規則説、文法の独立(Platoによる2品詞分類、Aristotleによる3品詞分類、ストア派による5品詞分類と格・時制の発見、Dionysius
Thraxによる8品詞分類、Apollpniusによる主語と動詞の一致・依存関係・従属・他動詞などの発見)、文献学の発達と正用法の確立) ●古代ローマの言語研究(Varroによる古代ギリシャの言語研究成果のラテン語への応用、Priscianによるラテン語の実用主義的な品詞分類) ●中世の言語研究(スコラ哲学による思弁的文法) ●ルネッサンス期及びそれ以降の言語研究(国語の意識の確立、言語変化に関する考えの変化(「堕落」から「変化」へ)、経験主義と合理主義、デカルト派言語学(Gottfried W. Leibnitzによる人工語の作成、ポール・ロワイヤル学派)、言語起源説(Jean Jacques Rousseauによる言語起源説、Johann Gottfried von Herderによる言語起源説)) ●19世紀比較言語学(古代インドの言語研究への注目(Paniniによるベーダ・サンスクリット語の研究)、Rasmus Raskの功績、Jakob Grimmの功績(グリムの法則)、Franz Boppの功績、Angust Schleicherの功績(言語樹枝説、語族、印欧祖語、再構法、言語の形態的分類(孤立語、膠着語、屈折語)、Charles Darwinの進化論の影響、Freidrich Hegelの弁証法の影響)、Wilhelm von Humboldtの功績(エルゴン、エネルゲイア)、Karl Vernerの功績(ヴェルネルの法則)、Georg CurtiusとKarl Brugmannの対立、青年文法家(類推と言語借用による音韻法則の例外排除)、Hermann Paulの功績、言語地理学(樹枝説と波状説、方言地図、等語線、新言語学派)) |
第14 回 | 言語学史(2) | ●構造主義言語学の基本的考え方/Ferdinand de Saussureの考え(言葉と物の関係、共時態と通時態、ランガージュ(ラングとパロール)とエクリチュール、系列的関係と連辞的関係、シーニュ(シニフィアンとシニフィエ)、差異の体系としての言語体系) ●ジュネーヴ学派(C. Ballyによる個人的文体論、A. Sechehayeによる組織されたパロール) ●フランス学派 ●プラーグ学派(N. S. Trubetzkoyによる音韻論の確立、K. Bühlerによるオルガノン・モデル、J. Mukarovskÿによる美的機能の提案、R. Jakobsonによる6言語機能モデル、V. Mathesiusによる英文法研究、S. Karcevskijによるシニフィアンとシニフィエの関係の曖昧性の提案、1928年発表の「テーゼ」、共時態と通時態の統合) ●コペンハーゲン学派(L. Hjelmslevによる言理学) ●ロンドン学派(イギリス文体論、新ファース学派、選択体系機能文法) ●スラブ学派(J. Baudouin de Courtenayの功績、N. J. Marrによるヤペテ言語学・マール主義、J. V. Stalinによる介入、ソ連の言語学の発展(心理言語学、機械翻訳、数理言語学)) ●ドイツでの言語学(フィロロジーの伝統、文体論、ドイツ意味論学派) |
第15 回 | 言語学史(3) | ●アメリカ構造主義言語学の特徴(実証主義、意味論の排除、刺激反応説、直接構成素分析、行動主義心理学に基づいた言語習得論、オーディオリンガル教授法) ●サピア=ウォーフの仮説 ●新ブルームフィールド学派(成層文法、タグミーミックス、変形文法) ●生成文法(生得主義、プラトンの問題、普遍文法、言語能力と言語運用、デカルト派言語学) ●認知言語学(用法依拠モデル、記号的文法観、プロトタイプ理論) ●現在の言語学の状況 ●日本の言語学の状況 |
★対象:国際文化学科3年生
★テキスト:なし(授業用のハンドアウト)
★授業の目標:いわゆる言語学(英語学)を中心として、言語に関する知識と視点を広く習得すること
★授業の内容:
授業で扱う分野 | 具体的な内容 | |
第 1 回 | イントロダクション 音声学 音韻論 |
<音声学> ●主な3つの下位分野(調音音声学、音響音声学、聴覚音声学) ●音声器官 ●有声音と無声音 ●母音と子音 <音韻論> ●基本的概念(音素、異音、最小対立、相補分布、自由音素、音節、子音結合) ●音変化(連結、同化) ●超分節音素(強勢、連接、音の高さ、音調) ●言語のリズム(強勢拍、音節拍、モーラ拍) ●音と意味の関係(オノマトペ、音的シンボリズム) ●頭韻(日英語での違い) |
第 2 回 | 文字論 形態論 語彙論 |
<文字論> ●記号から文字へ(古代文明で使われていた記号) ●文字の出現に関する理論(トークン理論、判じ絵原理) ●文字の分類(絵文字、表意文字、表音文字、表語文字、顔文字) ●アルファベットの起源 ●日本語の文字体系の起源 <形態論> ●形態素(自由形態素(語彙的形態素、機能的形態素)、拘束形態素(派生形態素、屈折形態素)、クランベリー形態素) ●異形態 ●語形成(派生(語基、接辞(接頭辞、接尾辞、接中辞))、合成、造語、借用、混成、省略、逆成、異分析、転換、頭文字語) <語彙論> ●goの過去形はなぜwentか ●couldの"l"はどこから来たか ●mustに過去形がないのはなぜか |
第 3 回 | 統語論(1) | ●規範文法と記述文法 ●伝統文法(H. Sweetの科学文法、O. Jespersenの3階級説、C. T. Onionsの5文型、R. Quirkの7文型、H. E. Palmerの27文型、A. S. Hornbyの25文型) ●アメリカ構造主義言語学での統語論(直接構成素分析、C. C. Friesの形式類) ●Z. S. Harrisの変形文法 ●(変形)生成文法(深層構造と表層構造、変形、理想的な話し手と聞き手、生得主義、モジュール性、普遍文法、原理とパラメータ、言語能力と言語運用、I言語とE言語、生成文法の理論的変遷、句構造規則、Xバー理論、α移動) |
第 4 回 | 統語論(2) | ●機能的統語論(機能的文構成、基本概念(主題と題述、主題・対照・総記・中立叙述、新情報と旧情報、焦点、文末焦点の原則)) ●認知主義統語論(認知文法(記号的文法観、使用依拠モデル)、構文文法(構文)、認知文法と構文文法の違い) |
第 5 回 | 意味論(1) | ●意味の定義(指示理論、観念説、刺激・反応説、用法説) ●伝統的な意味論(ヨーロッパ構造主義言語学(シニフィアン、シニフィエ、他の記号との差異としての意味)、Ogden & Richardsによる意味の三角形、Fregeによる指示と意義の区別、アメリカ構造主義言語学における刺激・反応説、論理実証主義言語哲学(ウィーン学派)による真理条件意味論、ドイツ意味論学派による場の理論、生成意味論、解釈意味論) ●意味の構成(Ogden & RichadsおよびFregeによる意義と指示対象の区別、HjelmslevおよびBarthesによる外延と内包の区別、Leechによる伝達的価値という観点からの7種類の意味の分類) ●意味の構成についての理論(意味素性、成分分析、選択制限、前提) ●類似的意味関係(同義関係、上下関係、反義関係(相補的反義、段階的反義、関係的反義)) ●共起的意味関係とイディオム ●曖昧性(多義性、同綴同音異義語、異綴同音異義語、同綴異音異義語) ●意味の推移(意味の拡大(一般化)、意味の縮小(特殊化)) ●意味の転化(転化、悪化、良化) |
第 6 回 | 意味論(2) | ●選択体系機能文法(選択体系機能文法が確立するまでの流れ(B. Malinowskiによる文化のコンテクストと状況のコンテクスト、J. R.
Firthなどロンドン学派による「状況」の精緻化)、基本概念(節(主語と定性)、テクスト、選択体系、階層化)、言語使用域(活動領域、役割関係、伝達様式、ジャンル)、言語のメタ機能(観念構成的機能、対人的機能、テクスト形成的機能)) ●認知意味論(認知意味論の前提、認知意味論1:プロトタイプ理論(古典的集合理論、L. Wittgensteinによる家族的類似性、L. Zadehによるファジー集合理論、Berlin & Kayによる英語色彩語の研究、Roschによるbirdを構成する成員の研究、分析例)、認知意味論2:イメージスキーマ、認知意味論3:概念メタファー、認知意味論4:融合理論) |
第 7 回 | 語用論(1) | ●文字通りの意味と含意 ●語用論が確立する前の語用論に関する動き(C. Morrisの記号論) ●語用論確立の背景(論理実証主義哲学による真理条件意味論、L. Wittgensteinによる言語ゲーム論) ●J. L. Austinによる発話行為の研究(事実確認文と行為遂行文、発話行為(発語行為、発語内行為、発語媒介行為)、遂行動詞の下位分類(陳述表現的、指示的、行為拘束的、態度表明的、宣告命名的)、Habermasによる分類) ●R. Montagueによるpragmaticsという用語の復活 ●J. R. Searleによる間接発話行為論(命題的内容と発語内の効力、直接発話行為と間接発話行為、適切性条件(命題内容条件、事前条件、誠実性条件、本質条件)、発話行為の分類) ●H. P. Griceによる協調の原理(言われることと意味されること、含意(論理的含意、慣習的含意、会話の含意)、協調の原理、会話の公理(量の公理、質の公理、関連性の公理、様式の公理)、公理の遵守、公理の非遵守(公理の無視、公理の違反、公理の遵守不能、公理からの離脱、公理の保留)) |
第 8 回 | 語用論(2) | ●関連性理論(コード・モデル(メッセージ・モデル)、関連性(認知効果、処理労力)、関連性の原則(認知原則、伝達原則、最良の関連性)、表意、推意、弱い推意、関連性理論に基づいた分析例) ●ポライトネス理論(フェイス(積極的フェイス、消極的フェイス)、フェイスを脅かす行為(支配力、距離、負担の大きさ)、フェイスを脅かす行為を行なうに際しての方略(積極的ポライトネス、消極的ポライトネス、オフレコード・ポライトネス)) ●丁寧さの原則(丁寧さの原則を守るための行動指針(気配り、気前のよさ、是認、控え目、同意、同情) ●中間言語語用論(中間言語、語用論的転移) ●最新の語用論(新グライス学派、語彙語用論、歴史語用論) |
第 9 回 | 談話分析 | ●テクストと談話 ●Zellig S. Harrisによる談話分析の始まり ●テクスト言語学(テクスト性(結束性、整合性、意図性、容認可能性、情報性、場面適合性、間テクスト性)) ●テクスト文法 ●テクスト理論 ●談話文法(談話標識) ●会話分析(ターン(ターン交替、隣接ペア)、プレファレンス、修復の連鎖) ●相互行為分析(ムーブ、フロア) ●ジャンル分析(体験談の構造(要約、状況設定、行為連鎖、評価、帰結、終幕)) ●批判的談話分析(批判的言語学、談話−歴史アプローチなど) |
第10 回 | 英語史(1) | ●英語史の時代区分 ●英語とはどのような言語か(19世紀比較言語学による推定(印欧語族、印欧祖語)、ゲルマン語派(形容詞(強変化と弱変化)、動詞(時制(現在形と過去形)、強変化と弱変化)、語幹の第1音節に強勢アクセント、規則的な子音推移(グリムの法則(第一次ゲルマン語子音推移)、ヴェルネルの法則))) ●古英語期の年代史(ケルト語話者であったブリトン人、ローマ帝国による支配、アングロ・サクソン人による侵略("England"、"English"の語源)、ローマ教会からのアウグスティヌスの派遣(宗教会議)、アングロ・サクソン7王国の建国、Kentの隆盛、Northumbriaの隆盛、Merciaの隆盛、Wessexによる7王国の統一、デーン人の侵略開始、アルフレッド王によるエディングトンの戦いでのWessexの勝利、デーン法地帯、アゼルスタン王によるデーン法地帯の奪還、デーン王朝の成立、Wessex王家の復興) ●古英語の特徴(方言、文字(ルーン文字、古英語期のローマ文字)、借入語(本来語、ケルト語からの借入語、ラテン語からの借入語、古ノルド語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、語順)、古英語の記録文書) ●古英詩の特徴(行間休止、頭韻、ケニング) |
第11 回 | 英語史(2) | ●中期英語期の年代史(ノルマン人の征服、プランタジネット朝の成立、ジョン王によるノルマンディーの喪失、百年戦争、ペストの大流行、ばら戦争、チューダー朝の成立) ●中期英語期の英語の動向(ノルマン人の征服によるフランス語と英語に2言語併用社会の成立、ノルマンディーの喪失を契機とした上流階級への英語の浸透、百年戦争とペストの大流行による人口減少に伴った英語の地位の回復、英語で書かれた文学作品、キャクストンの活版印刷による活字文化の始まり) ●中期英語の特徴(方言(ロンドン方言の台頭)、発音と文字(屈折語尾におけるあいまい母音の普及、新しい文字の導入、新しい綴り字の組み合わせの出現)、借入語(フランス語からの借入語、ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、本来語と借入語の共存)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、不定冠詞aの成立と異分析)) ●中期英語の体験(Geoffrey ChaucerのThe Canterbury Talesの "General Prologue"から) ●近代英語期の英語の動向(初期近代英語(ルネッサンス、シェイクスピア、欽定訳聖書、大航海時代を契機とした英語の多言語との接触、アメリカ英語への分岐)、後期近代英語(日刊紙・定期刊行物・散文作品の出現による読者層の拡大、英語の標準化(規範文法、英語辞書の出版)、産業革命による方言の差異の縮小と標準語の普及)) ●近代英語の特徴(文字と発音(大母音推移、語尾(e)の消失、子音の変化、発音と綴りの不一致の出現)、借入語(ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、フランス語からの借入語、イタリア語からの借入語、スペイン語からの借入語、ドイツ語からの借入語、オランダ語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、人称代名詞の変化の変遷)) ●初期近代英語の体験(Sir Philip SidneyのThe Countesse of Pembrokes Arcadiaから) ●後期近代英語の体験(Jane AustenのMansfield Parkから) |
第12 回 | 英語史(3) | ●語形論(曜日名、月名) ●アメリカ英語(発音、綴り、語彙、文法) ●綴り字改革運動(フォノティピー、グロシック、ローミック(精密ローミック、簡易ローミック)、ニュー・スペリング、ショー・アルファベット、初期指導用アルファベット) ●新しい英語史(文法化) |
第13 回 | 言語学史(1) | ●古代ギリシャの言語研究(自然説と人為説、語源学、整合説と不規則説、文法の独立(Platoによる2品詞分類、Aristotleによる3品詞分類、ストア派による5品詞分類と格・時制の発見、Dionysius
Thraxによる8品詞分類、Apollpniusによる主語と動詞の一致・依存関係・従属・他動詞などの発見)、文献学の発達と正用法の確立) ●古代ローマの言語研究(Varroによる古代ギリシャの言語研究成果のラテン語への応用、Priscianによるラテン語の実用主義的な品詞分類) ●中世の言語研究(スコラ哲学による思弁的文法) ●ルネッサンス期及びそれ以降の言語研究(国語の意識の確立、言語変化に関する考えの変化(「堕落」から「変化」へ)、経験主義と合理主義、デカルト派言語学(Gottfried W. Leibnitzによる人工語の作成、ポール・ロワイヤル学派)、言語起源説(Jean Jacques Rousseauによる言語起源説、Johann Gottfried von Herderによる言語起源説)) ●19世紀比較言語学(古代インドの言語研究への注目(Paniniによるベーダ・サンスクリット語の研究)、Rasmus Raskの功績、Jakob Grimmの功績(グリムの法則)、Franz Boppの功績、Angust Schleicherの功績(言語樹枝説、語族、印欧祖語、再構法、言語の形態的分類(孤立語、膠着語、屈折語)、Charles Darwinの進化論の影響、Freidrich Hegelの弁証法の影響)、Wilhelm von Humboldtの功績(エルゴン、エネルゲイア)、Karl Vernerの功績(ヴェルネルの法則)、Georg CurtiusとKarl Brugmannの対立、青年文法家(類推と言語借用による音韻法則の例外排除)、Hermann Paulの功績、言語地理学(樹枝説と波状説、方言地図、等語線、新言語学派)) |
第14 回 | 言語学史(2) | ●構造主義言語学の基本的考え方/Ferdinand de Saussureの考え(言葉と物の関係、共時態と通時態、ランガージュ(ラングとパロール)とエクリチュール、系列的関係と連辞的関係、シーニュ(シニフィアンとシニフィエ)、差異の体系としての言語体系) ●ジュネーヴ学派(C. Ballyによる個人的文体論、A. Sechehayeによる組織されたパロール) ●フランス学派 ●プラーグ学派(N. S. Trubetzkoyによる音韻論の確立、K. Bühlerによるオルガノン・モデル、J. Mukarovskÿによる美的機能の提案、R. Jakobsonによる6言語機能モデル、V. Mathesiusによる英文法研究、S. Karcevskijによるシニフィアンとシニフィエの関係の曖昧性の提案、1928年発表の「テーゼ」、共時態と通時態の統合) ●コペンハーゲン学派(L. Hjelmslevによる言理学) ●ロンドン学派(イギリス文体論、新ファース学派、選択体系機能文法) ●スラブ学派(J. Baudouin de Courtenayの功績、N. J. Marrによるヤペテ言語学・マール主義、J. V. Stalinによる介入、ソ連の言語学の発展(心理言語学、機械翻訳、数理言語学)) ●ドイツでの言語学(フィロロジーの伝統、文体論、ドイツ意味論学派) |
第15 回 | 言語学史(3) | ●アメリカ構造主義言語学の特徴(実証主義、意味論の排除、刺激反応説、直接構成素分析、行動主義心理学に基づいた言語習得論、オーディオリンガル教授法) ●サピア=ウォーフの仮説 ●新ブルームフィールド学派(成層文法、タグミーミックス、変形文法) ●生成文法(生得主義、プラトンの問題、普遍文法、言語能力と言語運用、デカルト派言語学) ●認知言語学(用法依拠モデル、記号的文法観、プロトタイプ理論) ●現在の言語学の状況 ●日本の言語学の状況 |
★対象:国際文化学科3年生
★テキスト:なし(授業用のハンドアウト)
★授業の目標:いわゆる言語学(英語学)を中心として、言語に関する知識と視点を広く習得すること
★授業の内容:
授業で扱う分野 | 具体的な内容 | |
第 1 回 | イントロダクション 音声学 音韻論 |
<音声学> ●主な3つの下位分野(調音音声学、音響音声学、聴覚音声学) ●音声器官 ●有声音と無声音 ●母音と子音 <音韻論> ●基本的概念(音素、異音、最小対立、相補分布、自由音素、音節、子音結合) ●音変化(連結、同化) ●超分節音素(強勢、連接、音の高さ、音調) ●言語のリズム(強勢拍、音節拍、モーラ拍) ●音と意味の関係(オノマトペ、音的シンボリズム) ●頭韻(日英語での違い) |
第 2 回 | 文字論 形態論 語彙論 |
<文字論> ●記号から文字へ(古代文明で使われていた記号) ●文字の出現に関する理論(トークン理論、判じ絵原理) ●文字の分類(絵文字、表意文字、表音文字、表語文字、顔文字) ●アルファベットの起源 ●日本語の文字体系の起源 <形態論> ●形態素(自由形態素(語彙的形態素、機能的形態素)、拘束形態素(派生形態素、屈折形態素)、クランベリー形態素) ●異形態 ●語形成(派生(語基、接辞(接頭辞、接尾辞、接中辞))、合成、造語、借用、混成、省略、逆成、異分析、転換、頭文字語) <語彙論> ●goの過去形はなぜwentか ●couldの"l"はどこから来たか ●mustに過去形がないのはなぜか |
第 3 回 | 統語論(1) | ●規範文法と記述文法 ●伝統文法(H. Sweetの科学文法、O. Jespersenの3階級説、C. T. Onionsの5文型、R. Quirkの7文型、H. E. Palmerの27文型、A. S. Hornbyの25文型) ●アメリカ構造主義言語学での統語論(直接構成素分析、C. C. Friesの形式類) ●Z. S. Harrisの変形文法 ●(変形)生成文法(深層構造と表層構造、変形、理想的な話し手と聞き手、生得主義、モジュール性、普遍文法、原理とパラメータ、言語能力と言語運用、I言語とE言語、生成文法の理論的変遷、句構造規則、Xバー理論、α移動) |
第 4 回 | 統語論(2) | ●機能的統語論(機能的文構成、基本概念(主題と題述、主題・対照・総記・中立叙述、新情報と旧情報、焦点、文末焦点の原則)) ●認知主義統語論(認知文法(記号的文法観、使用依拠モデル)、構文文法(構文)、認知文法と構文文法の違い) |
第 5 回 | 意味論(1) | ●意味の定義(指示理論、観念説、刺激・反応説、用法説) ●伝統的な意味論(ヨーロッパ構造主義言語学(シニフィアン、シニフィエ、他の記号との差異としての意味)、Ogden & Richardsによる意味の三角形、Fregeによる指示と意義の区別、アメリカ構造主義言語学における刺激・反応説、論理実証主義言語哲学(ウィーン学派)による真理条件意味論、ドイツ意味論学派による場の理論、生成意味論、解釈意味論) ●意味の構成(Ogden & RichadsおよびFregeによる意義と指示対象の区別、HjelmslevおよびBarthesによる外延と内包の区別、Leechによる伝達的価値という観点からの7種類の意味の分類) ●意味の構成についての理論(意味素性、成分分析、選択制限、前提) ●類似的意味関係(同義関係、上下関係、反義関係(相補的反義、段階的反義、関係的反義)) ●共起的意味関係とイディオム ●曖昧性(多義性、同綴同音異義語、異綴同音異義語、同綴異音異義語) ●意味の推移(意味の拡大(一般化)、意味の縮小(特殊化)) ●意味の転化(転化、悪化、良化) |
第 6 回 | 意味論(2) | ●選択体系機能文法(選択体系機能文法が確立するまでの流れ(B. Malinowskiによる文化のコンテクストと状況のコンテクスト、J. R.
Firthなどロンドン学派による「状況」の精緻化)、基本概念(節(主語と定性)、テクスト、選択体系、階層化)、言語使用域(活動領域、役割関係、伝達様式、ジャンル)、言語のメタ機能(観念構成的機能、対人的機能、テクスト形成的機能)) ●認知意味論(認知意味論の前提、認知意味論1:プロトタイプ理論(古典的集合理論、L. Wittgensteinによる家族的類似性、L. Zadehによるファジー集合理論、Berlin & Kayによる英語色彩語の研究、Roschによるbirdを構成する成員の研究、分析例)、認知意味論2:イメージスキーマ、認知意味論3:概念メタファー、認知意味論4:融合理論) |
第 7 回 | 語用論(1) | ●文字通りの意味と含意 ●語用論が確立する前の語用論に関する動き(C. Morrisの記号論) ●語用論確立の背景(論理実証主義哲学による真理条件意味論、L. Wittgensteinによる言語ゲーム論) ●J. L. Austinによる発話行為の研究(事実確認文と行為遂行文、発話行為(発語行為、発語内行為、発語媒介行為)、遂行動詞の下位分類(陳述表現的、指示的、行為拘束的、態度表明的、宣告命名的)、Habermasによる分類) ●R. Montagueによるpragmaticsという用語の復活 ●J. R. Searleによる間接発話行為論(命題的内容と発語内の効力、直接発話行為と間接発話行為、適切性条件(命題内容条件、事前条件、誠実性条件、本質条件)、発話行為の分類) ●H. P. Griceによる協調の原理(言われることと意味されること、含意(論理的含意、慣習的含意、会話の含意)、協調の原理、会話の公理(量の公理、質の公理、関連性の公理、様式の公理)、公理の遵守、公理の非遵守(公理の無視、公理の違反、公理の遵守不能、公理からの離脱、公理の保留)) |
第 8 回 | 語用論(2) | ●関連性理論(コード・モデル(メッセージ・モデル)、関連性(認知効果、処理労力)、関連性の原則(認知原則、伝達原則、最良の関連性)、表意、推意、弱い推意、関連性理論に基づいた分析例) ●ポライトネス理論(フェイス(積極的フェイス、消極的フェイス)、フェイスを脅かす行為(支配力、距離、負担の大きさ)、フェイスを脅かす行為を行なうに際しての方略(積極的ポライトネス、消極的ポライトネス、オフレコード・ポライトネス)) ●丁寧さの原則(丁寧さの原則を守るための行動指針(気配り、気前のよさ、是認、控え目、同意、同情) ●中間言語語用論(中間言語、語用論的転移) ●最新の語用論(新グライス学派、語彙語用論、歴史語用論) |
第 9 回 | 談話分析 | ●テクストと談話 ●Zellig S. Harrisによる談話分析の始まり ●テクスト言語学(テクスト性(結束性、整合性、意図性、容認可能性、情報性、場面適合性、間テクスト性)) ●テクスト文法 ●テクスト理論 ●談話文法(談話標識) ●会話分析(ターン(ターン交替、隣接ペア)、プレファレンス、修復の連鎖) ●相互行為分析(ムーブ、フロア) ●ジャンル分析(体験談の構造(要約、状況設定、行為連鎖、評価、帰結、終幕)) ●批判的談話分析(批判的言語学、談話−歴史アプローチなど) |
第10 回 | 英語史(1) | ●英語史の時代区分 ●英語とはどのような言語か(19世紀比較言語学による推定(印欧語族、印欧祖語)、ゲルマン語派(形容詞(強変化と弱変化)、動詞(時制(現在形と過去形)、強変化と弱変化)、語幹の第1音節に強勢アクセント、規則的な子音推移(グリムの法則(第一次ゲルマン語子音推移)、ヴェルネルの法則))) ●古英語期の年代史(ケルト語話者であったブリトン人、ローマ帝国による支配、アングロ・サクソン人による侵略("England"、"English"の語源)、ローマ教会からのアウグスティヌスの派遣(宗教会議)、アングロ・サクソン7王国の建国、Kentの隆盛、Northumbriaの隆盛、Merciaの隆盛、Wessexによる7王国の統一、デーン人の侵略開始、アルフレッド王によるエディングトンの戦いでのWessexの勝利、デーン法地帯、アゼルスタン王によるデーン法地帯の奪還、デーン王朝の成立、Wessex王家の復興) ●古英語の特徴(方言、文字(ルーン文字、古英語期のローマ文字)、借入語(本来語、ケルト語からの借入語、ラテン語からの借入語、古ノルド語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、語順)、古英語の記録文書) ●古英詩の特徴(行間休止、頭韻、ケニング) |
第11 回 | 英語史(2) | ●中期英語期の年代史(ノルマン人の征服、プランタジネット朝の成立、ジョン王によるノルマンディーの喪失、百年戦争、ペストの大流行、ばら戦争、チューダー朝の成立) ●中期英語期の英語の動向(ノルマン人の征服によるフランス語と英語に2言語併用社会の成立、ノルマンディーの喪失を契機とした上流階級への英語の浸透、百年戦争とペストの大流行による人口減少に伴った英語の地位の回復、英語で書かれた文学作品、キャクストンの活版印刷による活字文化の始まり) ●中期英語の特徴(方言(ロンドン方言の台頭)、発音と文字(屈折語尾におけるあいまい母音の普及、新しい文字の導入、新しい綴り字の組み合わせの出現)、借入語(フランス語からの借入語、ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、本来語と借入語の共存)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、不定冠詞aの成立と異分析)) ●中期英語の体験(Geoffrey ChaucerのThe Canterbury Talesの "General Prologue"から) ●近代英語期の英語の動向(初期近代英語(ルネッサンス、シェイクスピア、欽定訳聖書、大航海時代を契機とした英語の多言語との接触、アメリカ英語への分岐)、後期近代英語(日刊紙・定期刊行物・散文作品の出現による読者層の拡大、英語の標準化(規範文法、英語辞書の出版)、産業革命による方言の差異の縮小と標準語の普及)) ●近代英語の特徴(文字と発音(大母音推移、語尾(e)の消失、子音の変化、発音と綴りの不一致の出現)、借入語(ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、フランス語からの借入語、イタリア語からの借入語、スペイン語からの借入語、ドイツ語からの借入語、オランダ語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、人称代名詞の変化の変遷)) ●初期近代英語の体験(Sir Philip SidneyのThe Countesse of Pembrokes Arcadiaから) ●後期近代英語の体験(Jane AustenのMansfield Parkから) |
第12 回 | 英語史(3) | ●語形論(曜日名、月名) ●アメリカ英語(発音、綴り、語彙、文法) ●綴り字改革運動(フォノティピー、グロシック、ローミック(精密ローミック、簡易ローミック)、ニュー・スペリング、ショー・アルファベット、初期指導用アルファベット) ●新しい英語史(文法化) |
第13 回 | 言語学史(1) | ●古代ギリシャの言語研究(自然説と人為説、語源学、整合説と不規則説、文法の独立(Platoによる2品詞分類、Aristotleによる3品詞分類、ストア派による5品詞分類と格・時制の発見、Dionysius
Thraxによる8品詞分類、Apollpniusによる主語と動詞の一致・依存関係・従属・他動詞などの発見)、文献学の発達と正用法の確立) ●古代ローマの言語研究(Varroによる古代ギリシャの言語研究成果のラテン語への応用、Priscianによるラテン語の実用主義的な品詞分類) ●中世の言語研究(スコラ哲学による思弁的文法) ●ルネッサンス期及びそれ以降の言語研究(国語の意識の確立、言語変化に関する考えの変化(「堕落」から「変化」へ)、経験主義と合理主義、デカルト派言語学(Gottfried W. Leibnitzによる人工語の作成、ポール・ロワイヤル学派)、言語起源説(Jean Jacques Rousseauによる言語起源説、Johann Gottfried von Herderによる言語起源説)) ●19世紀比較言語学(古代インドの言語研究への注目(Paniniによるベーダ・サンスクリット語の研究)、Rasmus Raskの功績、Jakob Grimmの功績(グリムの法則)、Franz Boppの功績、Angust Schleicherの功績(言語樹枝説、語族、印欧祖語、再構法、言語の形態的分類(孤立語、膠着語、屈折語)、Charles Darwinの進化論の影響、Freidrich Hegelの弁証法の影響)、Wilhelm von Humboldtの功績(エルゴン、エネルゲイア)、Karl Vernerの功績(ヴェルネルの法則)、Georg CurtiusとKarl Brugmannの対立、青年文法家(類推と言語借用による音韻法則の例外排除)、Hermann Paulの功績、言語地理学(樹枝説と波状説、方言地図、等語線、新言語学派)) |
第14 回 | 言語学史(2) | ●構造主義言語学の基本的考え方/Ferdinand de Saussureの考え(言葉と物の関係、共時態と通時態、ランガージュ(ラングとパロール)とエクリチュール、系列的関係と連辞的関係、シーニュ(シニフィアンとシニフィエ)、差異の体系としての言語体系) ●ジュネーヴ学派(C. Ballyによる個人的文体論、A. Sechehayeによる組織されたパロール) ●フランス学派 ●プラーグ学派(N. S. Trubetzkoyによる音韻論の確立、K. Bühlerによるオルガノン・モデル、J. Mukarovskÿによる美的機能の提案、R. Jakobsonによる6言語機能モデル、V. Mathesiusによる英文法研究、S. Karcevskijによるシニフィアンとシニフィエの関係の曖昧性の提案、1928年発表の「テーゼ」、共時態と通時態の統合) ●コペンハーゲン学派(L. Hjelmslevによる言理学) ●ロンドン学派(イギリス文体論、新ファース学派、選択体系機能文法) ●スラブ学派(J. Baudouin de Courtenayの功績、N. J. Marrによるヤペテ言語学・マール主義、J. V. Stalinによる介入、ソ連の言語学の発展(心理言語学、機械翻訳、数理言語学)) ●ドイツでの言語学(フィロロジーの伝統、文体論、ドイツ意味論学派) |
第15 回 | 言語学史(3) | ●アメリカ構造主義言語学の特徴(実証主義、意味論の排除、刺激反応説、直接構成素分析、行動主義心理学に基づいた言語習得論、オーディオリンガル教授法) ●サピア=ウォーフの仮説 ●新ブルームフィールド学派(成層文法、タグミーミックス、変形文法) ●生成文法(生得主義、プラトンの問題、普遍文法、言語能力と言語運用、デカルト派言語学) ●認知言語学(用法依拠モデル、記号的文法観、プロトタイプ理論) ●現在の言語学の状況 ●日本の言語学の状況 |
★対象:国際文化学科3年生
★テキスト:なし(授業用のハンドアウト)
★授業の目標:いわゆる言語学(英語学)を中心として、言語に関する知識と視点を広く習得すること
★授業の内容:
授業で扱う分野 | 具体的な内容 | |
第 1 回 | イントロダクション 音声学 音韻論 |
<音声学> ●主な3つの下位分野(調音音声学、音響音声学、聴覚音声学) ●音声器官 ●有声音と無声音 ●母音と子音 <音韻論> ●基本的概念(音素、異音、最小対立、相補分布、自由音素、音節、子音結合) ●音変化(連結、同化) ●超分節音素(強勢、連接、音の高さ、音調) ●音と意味の関係(オノマトペ、音的シンボリズム) ●頭韻(日英語での違い) |
第 2 回 | 文字論 形態論 語彙論 |
<文字論> ●記号から文字へ(古代文明で使われていた記号) ●文字の出現に関する理論(トークン理論、判じ絵原理) ●文字の分類(絵文字、表意文字、表音文字、表語文字、顔文字) ●アルファベットの起源 ●日本語の文字体系の起源 <形態論> ●形態素(自由形態素(語彙的形態素、機能的形態素)、拘束形態素(派生形態素、屈折形態素)、クランベリー形態素) ●異形態 ●語形成(派生(語基、接辞(接頭辞、接尾辞、接中辞))、合成、造語、借用、混成、省略、逆成、異分析、転換、頭文字語) <語彙論> ●goの過去形はなぜwentか ●couldの"l"はどこから来たか ●mustに過去形がないのはなぜか |
第 3 回 | 統語論(1) | ●規範文法と記述文法 ●伝統文法(H. Sweetの科学文法、O. Jespersenの3階級説、C. T. Onionsの5文型、R. Quirkの7文型、H. E. Palmerの27文型、A. S. Hornbyの25文型) ●アメリカ構造主義言語学での統語論(直接構成素分析、C. C. Friesの形式類) ●Z. S. Harrisの変形文法 ●(変形)生成文法(深層構造と表層構造、変形、理想的な話し手と聞き手、生得主義、モジュール性、普遍文法、原理とパラメータ、言語能力と言語運用、I言語とE言語、生成文法の理論的変遷、句構造規則、Xバー理論、α移動) |
第 4 回 | 統語論(2) | ●機能的統語論(機能的文構成、基本概念(主題と題述、主題・対照・総記・中立叙述、新情報と旧情報、焦点、文末焦点の原則)) ●認知主義統語論(認知文法(記号的文法観、使用依拠モデル)、構文文法(構文)、認知文法と構文文法の違い) |
第 5 回 | 意味論(1) | ●意味の定義(指示理論、観念説、刺激・反応説、用法説) ●伝統的な意味論(ヨーロッパ構造主義言語学(シニフィアン、シニフィエ、他の記号との差異としての意味)、Ogden & Richardsによる意味の三角形、Fregeによる指示と意義の区別、アメリカ構造主義言語学における刺激・反応説、論理実証主義言語哲学(ウィーン学派)による真理条件意味論、ドイツ意味論学派による場の理論、生成意味論、解釈意味論) ●意味の構成(Ogden & RichadsおよびFregeによる意義と指示対象の区別、HjelmslevおよびBarthesによる外延と内包の区別、Leechによる伝達的価値という観点からの7種類の意味の分類) ●意味の構成についての理論(意味素性、成分分析、選択制限、前提) ●類似的意味関係(同義関係、上下関係、反義関係(相補的反義、段階的反義、関係的反義)) ●共起的意味関係とイディオム ●曖昧性(多義性、同綴同音異義語、異綴同音異義語、同綴異音異義語) ●意味の推移(意味の拡大(一般化)、意味の縮小(特殊化)) ●意味の転化(転化、悪化、良化) |
第 6 回 | 意味論(2) | ●選択体系機能文法(選択体系機能文法が確立するまでの流れ(B. Malinowskiによる文化のコンテクストと状況のコンテクスト、J. R.
Firthなどロンドン学派による「状況」の精緻化)、基本概念(節(主語と定性)、テクスト、選択体系、階層化)、言語使用域(活動領域、役割関係、伝達様式、ジャンル)、言語のメタ機能(観念構成的機能、対人的機能、テクスト形成的機能)) ●認知意味論(認知意味論の前提、認知意味論1:プロトタイプ理論(古典的集合理論、L. Wittgensteinによる家族的類似性、L. Zadehによるファジー集合理論、Berlin & Kayによる英語色彩語の研究、Roschによるbirdを構成する成員の研究、分析例)、認知意味論2:イメージスキーマ、認知意味論3:概念メタファー、認知意味論4:融合理論) |
第 7 回 | 語用論(1) | ●文字通りの意味と含意 ●語用論が確立する前の語用論に関する動き(C. Morrisの記号論) ●語用論確立の背景(論理実証主義哲学による真理条件意味論、L. Wittgensteinによる言語ゲーム論) ●J. L. Austinによる発話行為の研究(事実確認文と行為遂行文、発話行為(発語行為、発語内行為、発語媒介行為)、遂行動詞の下位分類(陳述表現的、指示的、行為拘束的、態度表明的、宣告命名的)、Habermasによる分類) ●R. Montagueによるpragmaticsという用語の復活 ●J. R. Searleによる間接発話行為論(命題的内容と発語内の効力、直接発話行為と間接発話行為、適切性条件(命題内容条件、事前条件、誠実性条件、本質条件)、発話行為の分類) ●H. P. Griceによる協調の原理(言われることと意味されること、含意(論理的含意、慣習的含意、会話の含意)、協調の原理、会話の公理(量の公理、質の公理、関連性の公理、様式の公理)、公理の遵守、公理の非遵守(公理の無視、公理の違反、公理の遵守不能、公理からの離脱、公理の保留)) |
第 8 回 | 語用論(2) | ●関連性理論(コード・モデル(メッセージ・モデル)、関連性(認知効果、処理労力)、関連性の原則(認知原則、伝達原則、最良の関連性)、表意、推意、弱い推意、関連性理論に基づいた分析例) ●ポライトネス理論(フェイス(積極的フェイス、消極的フェイス)、フェイスを脅かす行為(支配力、距離、負担の大きさ)、フェイスを脅かす行為を行なうに際しての方略(積極的ポライトネス、消極的ポライトネス、オフレコード・ポライトネス)) ●丁寧さの原則(丁寧さの原則を守るための行動指針(気配り、気前のよさ、是認、控え目、同意、同情) ●中間言語語用論(中間言語、語用論的転移) ●最新の語用論(新グライス学派、語彙語用論、歴史語用論) |
第 9 回 | 談話分析 | ●テクストと談話 ●Zellig S. Harrisによる談話分析の始まり ●テクスト言語学(テクスト性(結束性、整合性、意図性、容認可能性、情報性、場面適合性、間テクスト性)) ●テクスト文法 ●テクスト理論 ●談話文法(談話標識) ●会話分析(ターン(ターン交替、隣接ペア)、プレファレンス、修復の連鎖) ●相互行為分析(ムーブ、フロア) ●ジャンル分析(体験談の構造(要約、状況設定、行為連鎖、評価、帰結、終幕)) ●批判的談話分析(批判的言語学、談話−歴史アプローチなど) |
第10 回 | 英語史(1) | ●英語史の時代区分 ●英語とはどのような言語か(19世紀比較言語学による推定(印欧語族、印欧祖語)、ゲルマン語派(形容詞(強変化と弱変化)、動詞(時制(現在形と過去形)、強変化と弱変化)、語幹の第1音節に強勢アクセント、規則的な子音推移(グリムの法則(第一次ゲルマン語子音推移)、ヴェルネルの法則))) ●古英語期の年代史(ケルト語話者であったブリトン人、ローマ帝国による支配、アングロ・サクソン人による侵略("England"、"English"の語源)、ローマ教会からのアウグスティヌスの派遣(宗教会議)、アングロ・サクソン7王国の建国、Kentの隆盛、Northumbriaの隆盛、Merciaの隆盛、Wessexによる7王国の統一、デーン人の侵略開始、アルフレッド王によるエディングトンの戦いでのWessexの勝利、デーン法地帯、アゼルスタン王によるデーン法地帯の奪還、デーン王朝の成立、Wessex王家の復興) ●古英語の特徴(方言、文字(ルーン文字、古英語期のローマ文字)、借入語(本来語、ケルト語からの借入語、ラテン語からの借入語、古ノルド語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、語順)、古英語の記録文書) ●古英詩の特徴(行間休止、頭韻、ケニング) |
第11 回 | 英語史(2) | ●中期英語期の年代史(ノルマン人の征服、プランタジネット朝の成立、ジョン王によるノルマンディーの喪失、百年戦争、ペストの大流行、ばら戦争、チューダー朝の成立) ●中期英語期の英語の動向(ノルマン人の征服によるフランス語と英語に2言語併用社会の成立、ノルマンディーの喪失を契機とした上流階級への英語の浸透、百年戦争とペストの大流行による人口減少に伴った英語の地位の回復、英語で書かれた文学作品、キャクストンの活版印刷による活字文化の始まり) ●中期英語の特徴(方言(ロンドン方言の台頭)、発音と文字(屈折語尾におけるあいまい母音の普及、新しい文字の導入、新しい綴り字の組み合わせの出現)、借入語(フランス語からの借入語、ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、本来語と借入語の共存)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、不定冠詞aの成立と異分析)) ●中期英語の体験(Geoffrey ChaucerのThe Canterbury Talesの "General Prologue"から) ●近代英語期の英語の動向(初期近代英語(ルネッサンス、シェイクスピア、欽定訳聖書、大航海時代を契機とした英語の多言語との接触、アメリカ英語への分岐)、後期近代英語(日刊紙・定期刊行物・散文作品の出現による読者層の拡大、英語の標準化(規範文法、英語辞書の出版)、産業革命による方言の差異の縮小と標準語の普及)) ●近代英語の特徴(文字と発音(大母音推移、語尾(e)の消失、子音の変化、発音と綴りの不一致の出現)、借入語(ラテン語からの借入語、ギリシア語からの借入語、フランス語からの借入語、イタリア語からの借入語、スペイン語からの借入語、ドイツ語からの借入語、オランダ語からの借入語)、文法(名詞、形容詞、動詞、冠詞、人称代名詞の変化の変遷)) ●初期近代英語の体験(Sir Philip SidneyのThe Countesse of Pembrokes Arcadiaから) ●後期近代英語の体験(Jane AustenのMansfield Parkから) |
第12 回 | 英語史(3) | ●語形論(曜日名、月名) ●アメリカ英語(発音、綴り、語彙、文法) ●綴り字改革運動(フォノティピー、グロシック、ローミック(精密ローミック、簡易ローミック)、ニュー・スペリング、ショー・アルファベット、初期指導用アルファベット) ●新しい英語史(文法化) |
第13 回 | 言語学史(1) | ●古代ギリシャの言語研究(自然説と人為説、語源学、整合説と不規則説、文法の独立(Platoによる2品詞分類、Aristotleによる3品詞分類、ストア派による5品詞分類と格・時制の発見、Dionysius
Thraxによる8品詞分類、Apollpniusによる主語と動詞の一致・依存関係・従属・他動詞などの発見)、文献学の発達と正用法の確立) ●古代ローマの言語研究(Varroによる古代ギリシャの言語研究成果のラテン語への応用、Priscianによるラテン語の実用主義的な品詞分類) ●中世の言語研究(スコラ哲学による思弁的文法) ●ルネッサンス期及びそれ以降の言語研究(国語の意識の確立、言語変化に関する考えの変化(「堕落」から「変化」へ)、経験主義と合理主義、デカルト派言語学(Gottfried W. Leibnitzによる人工語の作成、ポール・ロワイヤル学派)、言語起源説(Jean Jacques Rousseauによる言語起源説、Johann Gottfried von Herderによる言語起源説)) ●19世紀比較言語学(古代インドの言語研究への注目(Paniniによるベーダ・サンスクリット語の研究)、Rasmus Raskの功績、Jakob Grimmの功績(グリムの法則)、Franz Boppの功績、Angust Schleicherの功績(言語樹枝説、語族、印欧祖語、再構法、言語の形態的分類(孤立語、膠着語、屈折語)、Charles Darwinの進化論の影響、Freidrich Hegelの弁証法の影響)、Wilhelm von Humboldtの功績(エルゴン、エネルゲイア)、Karl Vernerの功績(ヴェルネルの法則)、Georg CurtiusとKarl Brugmannの対立、青年文法家(類推と言語借用による音韻法則の例外排除)、Hermann Paulの功績、言語地理学(樹枝説と波状説、方言地図、等語線、新言語学派)) |
第14 回 | 言語学史(2) | ●構造主義言語学の基本的考え方/Ferdinand de Saussureの考え(言葉と物の関係、共時態と通時態、ランガージュ(ラングとパロール)とエクリチュール、系列的関係と連辞的関係、シーニュ(シニフィアンとシニフィエ)、差異の体系としての言語体系) ●ジュネーヴ学派(C. Ballyによる個人的文体論、A. Sechehayeによる組織されたパロール) ●フランス学派 ●プラーグ学派(N. S. Trubetzkoyによる音韻論の確立、K. Bühlerによるオルガノン・モデル、J. Mukarovskÿによる美的機能の提案、R. Jakobsonによる6言語機能モデル、V. Mathesiusによる英文法研究、S. Karcevskijによるシニフィアンとシニフィエの関係の曖昧性の提案、1928年発表の「テーゼ」、共時態と通時態の統合) ●コペンハーゲン学派(L. Hjelmslevによる言理学) ●ロンドン学派(イギリス文体論、新ファース学派、選択体系機能文法) ●スラブ学派(J. Baudouin de Courtenayの功績、N. J. Marrによるヤペテ言語学・マール主義、J. V. Stalinによる介入、ソ連の言語学の発展(心理言語学、機械翻訳、数理言語学)) ●ドイツでの言語学(フィロロジーの伝統、文体論、ドイツ意味論学派) |
第15 回 | 言語学史(3) | ●アメリカ構造主義言語学の特徴(実証主義、意味論の排除、刺激反応説、直接構成素分析、行動主義心理学に基づいた言語習得論、オーディオリンガル教授法) ●サピア=ウォーフの仮説 ●新ブルームフィールド学派(成層文法、タグミーミックス、変形文法) ●生成文法(生得主義、プラトンの問題、普遍文法、言語能力と言語運用、デカルト派言語学) ●認知言語学(用法依拠モデル、記号的文法観、プロトタイプ理論) ●現在の言語学の状況 ●日本の言語学の状況 |