★対象:国際文化学科4年生(平成20年度以前入学生)
★テキスト:なし(授業用のハンドアウト)
★授業の目標:言語学(英語学)と他分野の接点で発達した研究分野を中心として、言語に関する知識と視点を広く習得すること
★授業の内容:残念ながら、今年度は開講していません。
★対象:国際文化学科3・4年生
★テキスト:なし(授業用のハンドアウト)
★授業の目標:言語学(英語学)と他分野の接点で発達した研究分野を中心として、言語に関する知識と視点を広く習得すること
★授業の内容:
授業で扱う分野 | 具体的な内容 | |
第 1 回 | 本科目の説明 言語の起源 |
<言語の起源> ●言語の起源に関する諸説(神授説、発明説(キンコン説、ワンワン説、ヘン・フン説、よいこらしょ説、口・身振り源泉説、生理学的適応説)) ●進化理論(進化とは何か、3つの進化理論(自然選択適応理論、前適応理論、スパンドレル理論)) ●ヒトの進化(ヒトの進化の過程、チンパンジーは人間言語を習得できるか(S. Pinkerの主張)、脳の進化(脳化指数)) ●言語の発達に関する諸説 ●原始言語に関する諸説 ●前適応理論に基づいた言語の起源説(池内(2010)) |
第 2 回 | 社会言語学(1) | ●方言学(地域方言、社会方言、人種方言、個人方言、方言と共通語と標準語の関係、言語地理学、言語または変種の区別方法について(相互理解可能性、方言の連続体)、等語線) ●言語の接触と変化(リンガ・フランカ、ピジン、クレオール、脱クレオール) ●方言以外の社会的変種(仲間内言葉、スラング、忌み言葉) |
第 3 回 | 社会言語学(2) | ●言語とジェンダー(絶対男性語/女性語、相対男性語/女性語、英語における女性語の特徴、英語における言語的性差別) ●ことばの使い分け(精密コードと限定コード、アメリカ英語における5つのコード、コードの切り替え、言語使用域、ダイグロシア) ●ことばと国家(2(多)言語併用、言語計画と言語政策、複言語主義) ●ことばと文化(サピア=ウォーフの仮説(言語相対仮説)) ●言語消滅と言語の再生 ●ことばと権力(批判的談話分析) ●新しい社会言語学(社会ネットワーク理論、community of practice、適応理論) |
第 4 回 | 神経言語学 | ●骨相学 ●脳科学の研究法 ●局在説と遍在説 ●ニューロンの構造 ●脳の基本構造(大脳、小脳、脳幹) ●大脳の機能からみた3部分(感覚統合脳、周縁脳、表出脳) ●優位半球の大脳皮質における大まかな機能局在(シルヴィウス裂溝、ウェルニッケ野、ブローカ野、角回、縁上回) ●左脳大脳皮質の細かい機能局在 ●脳とことば(ウェルニッケ野、ブローカ野、文字心象、第1言語獲得、第2言語習得、文学作品の理解) ●言語遺伝子(FOXP2) ●失語症 ●脳の機能と記憶(中間期記憶、長期記憶) |
第 5 回 | 心理言語学 | ●神経言語学との区別(実在物と構成概念) ●心理言語学が扱うトピック(母国語習得過程、記憶、情報処理過程) ●単語認知(心的辞書(単語認知に影響を与える要因)、心的辞書の構成に関するモデル(意味素性モデル、プロトタイプ理論、ネットワーク説)、心的辞書における単語の認知に関するモデル(検索モデル、照合モデル、ロゴジェン・モデル、コホート・モデル、、相互作用的活性化モデル(サーキット・モデル))、情報処理法の種類(順次検索モデル、カスケード・モデル、並列分散処理) |
第 6 回 | ●卒業論文中間発表への参加 | |
第 7 回 | コーパス言語学 | ●イントロダクション(コーパス言語学発展の軌跡(伝統的コーパス、R. Quirkによる英語語法調査、Brown Corpus、N. Chomskyによるコーパス言語学批判、1990年代初頭における爆発的発展(BNC、Bank
of English、Helsinki Corpus、Frown Corpus、FLOB Corpus、ICE、International Corpus
of Learner English))、コーパスの種類(汎用コーパス、モニター・コーパス、特殊コーパス、話し言葉コーパス、通時コーパス)、コーパス言語学における言語観(記述文法、規範文法、生成文法における内観)) ●コーパスに関する基礎知識(テキスト情報付与、言語情報付与、コンコーダンス、コロケーション) ●コーパスを使った研究例の紹介(単語の頻度研究、コロケーション研究、コリゲーション研究、英語教育学研究・第2言語習得論研究、社会言語学研究、法言語学研究) |
第 8 回 | 言語哲学 | ●言語学と言語哲学 ●言語が哲学の研究対象となる理由(認識論的転回、言語論的転回) ●指示理論(J. S. Millの固有名に関する議論、G. Fregeによる意味と指示対象の分離、B. Russellによる記述の理論(確定記述)、J. R. Searleによるクラスター説) ●発話行為論(H. P. Griceによる協調の原理(協調の原理、会話の含意、会話の公理(量の公理、質の公理、関連性の公理、様式の公理)、公理の遵守、公理の非遵守(公理の無視、公理の違反、公理の遵守不能、公理からの離脱、公理の保留))) ●理解を巡る議論(W. V. O. Quineの根本的翻訳、D. Davidsonの根本的解釈(好意の原則、全体論)、R. Rortyによる解釈学的転回の議論) |
第 9 回 | レトリック(修辞学) | ●レトリックの歴史(レトリックの誕生と発展、プラトンによるレトリック批判、イソクラテスによる教養主義、アリストテレスによるレトリックの大成、中世におけるレトリックと神学の関連性、基礎教養科目としてのレトリック、書く技術としてのレトリック、近代におけるレトリックの消滅、現代におけるレトリックの復活) ●古典レトリック(弁論術としてのレトリックを構成する5部門(発想、配置、修辞、記憶、発表)、ウェルギリウスの輪) ●3つの文彩と人間の認知活動の関係(文彩と転義、提喩、換喩、隠喩(奇想、擬人法、概念メタファー)) ●文彩の分類(伝統的な分類、野内(2002)による分類) ●提喩系列の文彩(トートロジー、反復法(畳語法、首句反復、結句反復、前辞反復、交差配語法)、迂言法(ケニング)、音喩、引喩) ●換喩系列の文彩(列挙法、漸層法(漸降法、急落法)、婉曲語法、転移修飾語句) ●隠喩系列の文彩(直喩、皮肉法、対照法、撞着語法、逆説法、誇張法、緩叙法、類比、くびき語法) ●その他の文彩(省略法、黙説法、中断法、連結辞多用と連結辞省略、配置法、挿入法、暗示的看過法、呼びかけ法、問答法、設疑法、予弁法、疑惑法、訂正法) ●寓話とたとえ話 |
第10 回 | 非言語的コミュニケーション 記号論 言葉遊び 言語人類学 |
<非言語的コミュニケーション> ●非言語的コミュニケーションで使用される情報(パラ言語学(パラ言語)、動作学(語彙的しぐさ、例示的しぐさ、感情表出動作、発話調整動作、副次的記号表現)、近接学(密接距離、個人的距離、社会距離、公衆距離)、時間学) <記号論> ●記号論の基本(記号論と記号学、徴候学、de Saussureの記号観(シーニュ(シニフィアン、シニフィエ))、Peirceによる記号観(イコン、インデックス、シンボル)、動物の「言葉」と人間の言葉(恣意性、分節性(二重分節性)、生産性、転位性、文化的伝承、Hocketによる人間言語のデザイン特徴)) <言葉遊び> ●様々な言葉遊び(アナグラム、回文、字なぞ、年代表示銘、かばん語、判じ絵、カリグラム、魔方陣) <言語人類学> ●コミュニケーション・モデル(コード・モデル/メッセージ・モデル、R. Jakobsonによる6言語機能モデル、出来事モデル) |
第11 回 | 文学理論(1) |
●文学批評史の大まかな流れ(歴史主義的批評(古典主義、ロマン主義)、構造主義(モダニズム、アヴァンギャルド)、ポスト構造主義(ポストモダニズム)、文化的アプローチ、読みのアプローチ) ●文学性の諸相(詩神ミューズ、文学性を言語的技巧・機能・テクスト内の構造とみるアプローチ、文学性を社会的コードとみるアプローチ、文学性を言語記号の本来の姿とみるアプローチ、文学性を読者により付与されるものとみるアプローチ、文学性を人間の無意識の表出と見るアプローチ、文学性を歴史・文化・イデオロギーに帰すアプローチ) ●Ferdinand de Saussureに端を発する構造主義(言葉と物の関係、共時態と通時態、ランガージュ(ラングとパロール)とエクリチュール、系列的関係と連辞的関係、シーニュ(シニフィアンとシニフィエ)、差異の体系としての言語体系) ●ロシア・フォルマリズム(文学性、詩的言語、異化作用、逸脱、社会主義リアリズム) ●実践批評(精読) ●新批評(意図の誤謬、感情の誤謬) ●プラーグ学派(チェコ構造主義、前景化、詩的機能、平行性の原理、優位性) ●詩的機能の研究史(L. Jakubinsky (1917)、R. Jakobson (1921)、K. Bühler (1934)のオルガノン・モデル、J. Mukarovsky (1938)、R. Jakobson (1960)による言語の6機能モデル、D. Hymes (1968)、M. A. K. Halliday (1970)、K. R. Popper (1972)、G. N. Leech (1983)、Widdowson (2008)) |
第12 回 | 文学理論(2) | ●構造主義の功績(ストーリー(スーゼット、イストワール)とプロット(ファブラ、ナラシオン、ディスクール)、V. Proppによる昔話の形態学、C.
Brémondによる物語の目的論的図式、R. Barthesの功績(指標、デノテーション、コノテーション)、A. J. Greimasによる構造意味論、G.
Genetteによる物語論) ●ポスト構造主義(R. Barthesによる功績(作品からテクストへ、エクリチュール、作者の死、テクストの快楽(快楽と悦楽))、J. Derridaによる功績(差延、脱構築)、J. Kristevaによる功績(間テクスト性)) ●読みとしての文学性(W. Iserの功績、H. R. Jaussによる功績(期待の地平)、S. Fishによる功績(感情文体論、解釈共同体)、文学能力論(J. Cullerによる功績、M. Riffaterreによる功績)、L. M. Rosenblattによる功績(交流モデル、導出的交流、審美的交流)、文学の経験的研究による功績(事実的慣習と美的慣習、単価的慣習と多価的慣習) |
第13 回 | 文体論(1) | ●文体論の成立(F. de Saussureの登場によるフィロロジーの分裂、など) ●初期の文体論(フランス文体論、ロシア・フォルマリズム、プラーグ学派、ドイツ文体論、実践批評、新批評) ●イギリス文体論の発展(1930〜60年代、1960年代、1970年代以降(教育文体論、言語学的文体論、文体論(生成文法を用いた文体論、機能主義的文体論、認知文体論、コーパス文体論)、批判的文体論・新文献学)) ●英語詩の言語(poetic license、逸脱(外的逸脱(determinate deviation、statistical deviation、secondary deviation)、内的逸脱、古語法、詩語、別のレジスターからの借用)、平行性の原理(頭韻、脚韻、韻律)、間テクスト性) ●広告の言語との違い(前景化の一貫性) |
第14 回 | 文体論(2) | ●英語小説の冒頭 ●小説の談話構造 ●語り手(全知の語り手、1人称の語り手、2人称の語り手、信頼できない語り手) ●視点と焦点化(外的焦点化、内的焦点化(固定内的焦点化、不定内的焦点化)) ●心的スタイル ●発話の表出(NV、NRSA、IS、FIS、DS、FDS) ●思考の表出(NRT、NI、NRTA、IT、FIT、DT、FDT) |
第15 回 | 文体論(3) | ●英語小説に見られる構造上の工夫(枠物語、メタフィクション) ●英語戯曲の言語(性格描写(明示的性格描写(自己による表出、他者による表出)、暗示的性格描写(turn-taking、topic control、volume of talk、terms of address、normal non-fluency)、語用論的特徴による性格描写)) |
★対象:国際文化学科2・3・4年生
★テキスト:なし(授業用のハンドアウト)
★授業の目標:言語学(英語学)と他分野の接点で発達した研究分野を中心として、言語に関する知識と視点を広く習得すること
★授業の内容:
授業で扱う分野 | 具体的な内容 | |
第 1 回 | イントロダクション | ●フィロロジーと言語学など |
第 2 回 | 文体論(1) | ●文体論の成立(F. de Saussureの登場によるフィロロジーの分裂、など) ●初期の文体論(フランス文体論、ロシア・フォルマリズム、プラーグ学派、ドイツ文体論、実践批評、新批評) ●イギリス文体論の発展(1930〜60年代、1960年代、1970年代以降(教育文体論、語学的文体論(生成文法を用いた文体論、機能主義的文体論、認知文体論、コーパス文体論))) ●英語詩の言語(逸脱(外的逸脱、内的逸脱)、平行性の原理、間テクスト性) ●広告の言語との違い(前景化の一貫性) |
第 3 回 | 文体論(2) | ●フィロロジーと文体論 ●詩的機能の研究史(L. Jakubinsky (1917)、R. Jakobson (1921)、K. Bühler (1934)のオルガノンモデル、J. Mukarovsky (1938)、R. Jakobson (1960)による言語の6機能モデル、D. Hymes (1968)、M. A. K. Halliday (1970)、K. R. Popper (1972)、G. N. Leech (1983)) ●物語論 ●英語小説の言語(小説の談話構造、枠物語、語り手(全知の語り手、1人称の語り手、2人称の語り手、信頼できない語り手)、視点と焦点化(外的焦点化、内的焦点化(固定内的焦点化、不定内的焦点化))、心的スタイル、発話の表出(NV、NRSA、IS、FIS、DS、FDS)、思考の表出(NRT、NI、NRTA、IT、FIT、DT、FDT)、メタフィクション) ●英語戯曲の言語(性格描写(明示的性格描写(自己による表出、他者による表出)、暗示的性格描写(turn-taking、topic control、volume of talk、terms of address、normal non-fluency)、語用論的特徴による性格描写)) |
第 4 回 | 社会言語学(1) | ●方言学(地域方言、社会方言、人種方言、個人方言、方言と共通語と標準語の関係、言語地理学、言語または変種の区別方法について(相互理解可能性、方言の連続体)、等語線) ●言語の接触と変化(リンガ・フランカ、ピジン、クレオール、脱クレオール) ●方言以外の社会的変種(仲間内言葉、スラング、忌み言葉) |
第 5 回 | 社会言語学(2) | ●言語とジェンダー(絶対男性語/女性語、相対男性語/女性語、英語における女性語の特徴、英語における言語的性差別) ●ことばの使い分け(精密コードと限定コード、アメリカ英語における5つのコード、コードの切り替え、言語使用域、ダイグロシア) ●ことばと国家(2(多)言語併用、言語計画と言語政策、複言語主義) ●ことばと文化(サピア=ウォーフの仮説(言語相対仮説)) ●言語消滅と言語の再生 ●ことばと権力(批判的談話分析) ●新しい社会言語学(社会ネットワーク理論、community of practice、適応理論) |
第 6 回 | 心理言語学(1) | ●神経言語学との区別(実在物と構成概念) ●母国語の習得過程(言語取得の基礎条件、喃語期(鳩音、喃語、喃語期後半)、一語期(全体句)、二語期、多語期(電報文)、英文法の習得過程(動詞の過去形の習得過程(過剰一般化)、疑問文の習得過程、否定文の習得過程)、意味の習得過程(過剰拡張、中間レベルの語を最初に習得すること、反意語の習得)) ●保育者言葉・母親語(保育者言葉の特徴、肯定的証拠、否定的証拠) ●母国語習得モデル(プラトンの問題、アメリカ構造主義言語学による行動主義心理学に依拠したモデル、生成文法による普遍文法に基づいたモデル、認知言語学による用法基盤モデル) |
第 7 回 | 心理言語学(2) | <記憶> ●記憶の種類(宣言的記憶(意味記憶、エピソード記憶)と手続き記憶、メタ記憶、自伝的記憶、フラッシュバルブ記憶) ●記憶範囲 ●注意 ●文脈効果 ●スキーマ(スクリプト、ゲシュタルト、プロトタイプモデル) ●二重貯蔵モデル(感覚登録器(感覚記憶(エコイックメモリー、アイコニックメモリー))、短期貯蔵庫、長期貯蔵庫) ●処理水準 ●作動記憶(音韻ループ、視空間スケッチパッド、中央実行系) ●忘却(減衰説、干渉説、検索失敗説、抑圧説) <単語認知> ●心的辞書 ●単語認知に影響を与える要因 ●意味素性モデル ●プロトタイプ理論 ●ネットワーク説 ●検索モデル ●ロゴジェン・モデル ●コホート・モデル ●カスケード・モデル ●相互作用的活性化モデル(サーキット・モデル) ●情報処理法の種類(順次検索モデル、並列分散処理) |
第 8 回 | 心理言語学(3) | ●二重経路モデル ●読解処理研究(ボトムアップ・モデル(読みの1秒間モデル)、トップダウン・モデル(心理言語学的推測ゲーム)、相互作用モデル(Rumelhartによる相互作用モデル、相互作用補完モデル、リーダーモデル)) ●心的表象研究(表層的記憶、命題的テキストベース、状況モデル/メンタル・モデル) ●Leveltによる聴解モデル ●Hayes & Flowerによるライティング・モデル |
第 9 回 | 第2言語習得論(1) | ●第2言語習得論の発展の歴史 ●重要な区別(第2言語と外国語、自然な状況での第2言語習得と形式教授での第2言語習得) ●重要概念(中間言語、インプット、相互作用、アウトプット) ●第1言語の第2言語習得への影響(行動主義心理学による転移の問題(正の転移、負の転移)、対照分析仮説、誤答分析、創造的構築仮説、形態素の習得順序の研究、第1言語の役割の再評価(回避、学習速度、文法の習得順序、過剰産出、学習者による第1言語と第2言語の違いの認識)、中間言語間転移) ●非言語的要因の第2言語習得への影響(社会的距離(結束、支配、結合、囲い込み)、心理的距離(カルチャー・ショック、言語ショック)、年齢(臨界期仮説、複数臨界期仮説)、言語適性(学習スタイル、適性処遇交互作用)、動機づけ(道具的動機づけ、統合的動機づけ)、不安、生物的性と社会的性、個人的要因(外向性と内向性、リスク・テイキング、場依存と場独立)) |
第10 回 | 第2言語習得論(2) | <第2言語習得モデル> ●言語学的モデル1:言語普遍性における有用性の階層 ●言語学的モデル2:生成文法における普遍文法へのアクセス(原理、パラメータ、根本的相違仮説、普遍文法の間接利用、普遍文法の直接利用) ●言語学的モデル3:競合モデル ●心理言語学的モデル1:モニター・モデル(習得・学習仮説(暗示的知識、明示的知識)、モニター仮説、自然順序仮説、インプット仮説(i+1、理解可能なインプット)、情意フィルター仮説) ●心理言語学的モデル2:アウトプット仮説(理解可能なアウトプット、仮説検証、アウトプットの機能、気づき) ●心理言語学的モデル3:多次元モデル ●心理言語学的モデル4:コネクショニスト・モデル ●心理言語学的モデル5:認知的モデル/情報処理理論モデル(言語形式への気づき、インテイク) ●社会文化的モデル1:文化変容モデル ●社会文化的モデル2:社会文化理論(ZPD) <第2言語知識の表象形態> ●インターフェイスの立場と反インターフェイスの立場 ●項目学習と体系学習(再構築) ●U字型発達(過剰一般化) ●可変的言語能力観 <教室での第2言語学習についての研究> ●インプット増強法 ●明示的学習と暗示的学習 ●言語形式の焦点化(focus on forms、focus on meaning、focus on form) |
第11 回 | 神経言語学 | ●局在説と遍在説 ●ニューロンの構造 ●脳の基本的構造(大脳、小脳、脳幹) ●大脳半球の大脳皮質における大まかな機能局在(前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉、ローランド溝、シルヴィウス溝) ●大脳の機能からみた3部分(感覚統合脳、周縁脳、表出脳) ●左脳大脳皮質の細かい機能局在 ●脳とことば(ウェルニッケ野、ブローカ野、文字心象、第1言語獲得、第2言語習得、文学作品の理解) ●失語症 ●脳の機能と記憶(中間期記憶、長期記憶) ●研究法(脳損傷、麻酔、タキストスコープ、両耳分離聴、分離脳、大脳皮質刺激、画像診断技術) |
第12 回 | 言語哲学 | ●言語学と言語哲学 ●言語が哲学の研究対象となる理由(認識論的転回、言語論的転回) ●指示理論(J. S. Millの固有名に関する議論、G. Fregeによる意味と指示対象の分離、B. Russellによる記述の理論(確定記述)、J. R. Searleによるクラスター説) ●発話行為論(論理実証主義による真理条件意味論、J. L. Austinによる発話行為論(事実確認文と行為遂行文、発語行為・発語内行為・発語媒介行為)、J. R. Searleによる間接発話行為論(直接発話行為と間接発話行為、適切性条件(命題内容条件、事前条件、誠実性条件、本質条件))、H. P. Griceによる協調の原理(協調の原理、会話の含意、会話の公理(量の公理、質の公理、関連性の公理、様式の公理)、公理の遵守、公理の非遵守(公理の無視、公理の違反、公理の遵守不能、公理からの離脱、公理の保留))) ●理解を巡る議論(W. V. Quineの根本的翻訳、D. Davidsonの根本的解釈(好意の原則、全体論)、R. Rortyによる解釈学的転回の議論) |
第13 回 | コーパス言語学 | ●イントロダクション(コーパス言語学発展の軌跡(伝統的コーパス、R. Quirkによる英語語法調査、Brown Corpus、N. Chomskyによるコーパス言語学批判、1990年代初頭における爆発的発展(BNC、Bank
of English、Helsinki Corpus、Frown Corpus、FLOB Corpus、ICE、International Corpus
of Learner English))、コーパスの種類(汎用コーパス、モニター・コーパス、特殊コーパス、話し言葉コーパス、通時コーパス)、コーパス言語学における言語観(記述文法、規範文法、生成文法における内観)) ●コーパスに関する基礎知識(テキスト情報付与、言語情報付与、コンコーダンス、コロケーション) ●コーパスを使った研究例の紹介(単語の頻度研究、コロケーション研究、コリゲーション研究、英語教育学研究・第2言語習得論研究、社会言語学研究、法言語学研究) |
第14 回 | 文学理論 (言語的アプローチ のみ) |
●古代ギリシアでの動向(詩学(ミメーシス)、弁論術) ●中世詩学(ウェルギリウスの輪、修辞学(転位、転義、思考の彩)) ●文学批評史の大まかな流れ(歴史主義的批評(古典主義、ロマン主義)、構造主義(モダニズム、アヴァンギャルド)、ポスト構造主義(ポストモダニズム)、文化的アプローチ、読みのアプローチ) ●文学性の諸相(詩神ミューズ、文学性を言語的技巧・機能・テクスト内の構造とみるアプローチ、文学性を社会的コードとみるアプローチ、文学性を言語記号の本来の姿とみるアプローチ、文学性を読者により付与されるものとみるアプローチ、文学性を人間の無意識の表出と見るアプローチ、文学性を歴史・文化・イデオロギーに帰すアプローチ) ●Ferdinand de Saussureに端を発する構造主義(言葉と物の関係、共時態と通時態、ランガージュ(ラングとパロール)とエクリチュール、系列的関係と連辞的関係、シーニュ(シニフィアンとシニフィエ)、差異の体系としての言語体系) ●Roman Jakobsonによる平行性の原理 ●構造主義の功績(ストーリー(スーゼット、イストワール)とプロット(ファブラ、ナラシオン、ディスクール)、V. Proppによる昔話の形態学、C. Brémondによる物語の目的論的図式、R. Barthesの功績(指標、デノテーション、コノテーション)、A. J. Greimasによる構造意味論、G. Genetteによる物語論) ●ポスト構造主義(R. Barthesによる功績(作品からテクストへ、エクリチュール、作者の死、テクストの快楽(快楽と悦楽))、J. Derridaによる功績(差延、脱構築)、J. Kristevaによる功績(間テクスト性)) ●読みとしての文学性(W. Iserの功績、H. R. Jaussによる功績(期待の地平)、S. Fishによる功績(感情文体論、解釈共同体)、文学能力論(J. Cullerによる功績、M. Riffaterreによる功績)、L. M. Rosenblattによる功績(交流モデル、導出的交流、審美的交流)、文学の経験的研究による功績(事実的慣習と美的慣習、単価的慣習と多価的慣習)) |
第15 回 | 記号論 言語の起源 |
●記号論(semiotics)と記号学(semiology) ●徴候学 ●de Saussureの記号観(シーニュ(シニフィアン、シニフィエ)) ●Peirceによる記号観(イコン、インデックス、シンボル) ●動物の「言葉」と人間の言葉(恣意性、分節性(二重分節性)、生産性、転位性、文化的伝承、Hocketによる人間言語のデザイン特徴) ●チンパンジーは人間言語を習得できるか(Pinkerの主張) ●言語の起源に関する諸説(神授説、発明説(ワンワン説、キンコン説、ヘン・フン説、よいこらしょ説、口・身振り源泉説、生理学的適応説)) ●ヒトはいつ頃から言語を持っていたか ●原始言語の特徴に関する諸説 |