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広島大学大学院統合生命科学研究科

太田 伸二



1.COSY (1H-1H correlation spectroscopy)
 1H-1H シフト相関スペクトル。直接スピン結合している 1H 同士の相関に関する情報を得る二次元 NMR 測定。
 A 核が B 核とスピン結合し,B 核がさらに C 核とスピン結合している場合に,B 核を介して A 核と C 核間のスピン情報(A-B-C 核間のスピンネットワーク)を観測する方法として,1H-1H リレーCOSY といった変法もある。

 
2.CHCOSY (13C-1H correlation spectroscopy)
 13C-1H シフト相関スペクトル。1本の結合を介して直接結合している 13C と 1H 間の相関に関する情報を,13C 側で検出して得る二次元NMR測定。

 
3.HMQC (heteronuclear multiple quantum coherence)
 1H検出の 1H-13C シフト相関スペクトル。直接結合している 1H と13C 間の相関に関する情報を,1H 側で検出して得る二次元NMR測定。13C-1H COSY よりも感度がよいが,f1 側のポイント数(カラムポイント)が限られるため 13C 側のシグナル分離はよくない。

 
4.HMBC (heteronuclear multiple bond connectivity)
 1H 検出の遠隔 1H-13C 相関スペクトル。2〜3結合を介した 1H と13C 間の遠隔相関に関する情報を,1H 側で検出して得る二次元NMR測定。HMQC 同様,感度がよいが,f1 側のポイント数(カラムポイント)が限られるため 13C 側のシグナル分離はよくない。

 
5.NOESY (nuclear Overhauser enhancement spectroscopy)
 1H-1H 間の空間的な距離に関する情報を得る二次元 NMR 測定。
 分子量が 800 以上の大きな分子の場合には,ROESY (rotating-frame Overhauser enhancement spectroscopy) という手法を使った方が良い結果が得られることが多い。


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