広島大学ヘリアック装置

理論を実践へ、情熱を未来のエネルギーへ。

広島大学ヘリアック装置、始動。

フュージョンエネルギー(核融合)の早期実現が待たれる今、次世代を担う技術者の育成と、複雑な物理過程の深い理解がこれまで以上に求められています。広島大学工学部第一類流体工学研究室核融合・プラズマ科学グループでは、東北大学で活躍した「ヘリアック装置」を移設・再稼働させるプロジェクトを開始しました。学生たちが自ら設計・製作に携わり、ゼロから実験室を立ち上げたこの装置は、いま広島の地で新たな物語を歩み始めました。

【本プロジェクトの目的】

1. 実践的なR&D人材の育成(ハンズオン教育)

核融合分野の発展には、理論だけでなく、装置の立ち上げやメンテナンスといった実地経験(R&D)を積んだ人材が不可欠です。本プロジェクトでは、学生が主体となって装置の整備、電源系の構築、計測器の開発を行うことで、現場に強いエキスパートを育成します

2. 核融合プラズマの素過程理解

大型装置では困難な「高空間・時間分解能」での計測を、小型装置ならではの柔軟性を活かして実施します。多種イオンプラズマの輸送(不純物や中性粒子輸送など)の理解を深めるため、長時間放電による精密な実験を進めています

 

【装置の特徴・技術的挑戦】

  • ヘリアック磁場配位への挑戦 東北大学から受け継いだ装置をベースに、広島大学では「定常直流電源」への移行や「定常マグネトロン」による加熱方式への変更を計画。より安定したプラズマ閉じ込め実験を目指しています
  • 学生主体のエンジニアリング 実験室の床改修から始まり、給電系の整備(アルミブスバーの導入予定)、真空排気系やガス供給系の構築まで、学生たちの手によって進められました

  • 高度な計測技術の開発 プラズマ電子密度を測定するための「ミリ波干渉計」や「可視ドップラー分光器」など、最先端の計測機器も同時並行で自社開発しています

【最新の成果】

2025年11月27日、ファーストプラズマ生成に成功! 中心導体への通電により、アルゴン(Ar)プラズマの放電を確認しました。現在はポロイダル磁場のみの放電ですが、電子密度 ne ~ 2 × 1018 [m -3] のプラズマ生成を達成しています

ファーストプラズマの動画

【今後の展望】

現在はキャパシタバンクの完成を急いでおり、近日中に「ヘリアック磁場配位」による閉じ込め実験を開始する予定です。リチウムイオンキャパシタやスーパーキャパシタの活用も検討しており、さらなる長時間放電の実現に向けて研究を加速させていきます

"The new story has only just begun!"

私たちは、この装置を通じて世界のエネルギー問題解決に貢献する人材を輩出し続けます 。