広島大学PHiX装置

受け継がれる装置、切り拓く未来。

〜小型トカマク装置「PHiX」広島大学にて再起動へ〜

PHiXプロジェクトについて

広島大学 先進理工系科学研究科では、東京科学大学(旧:東京工業大学)より譲渡された小型トカマク装置PHiX(Plasma with Helical Fields Initiative eXperiments)の再稼働に向けたプロジェクトを推進しています

 本装置は、サドルコイルを用いてステラレータ磁場を印加することで、プラズマの不安定性を制御し、「安定な高楕円度プラズマ放電」の実証を目指す画期的な実験装置です

 PHiX装置の概要

PHiXは、コンパクトながら高度な磁気配位制御が可能な小型トカマク装置です

パラメータ数値
大半径33cm
小半径9cm
楕円度1.8
最大トロイダル磁場0.3T
プラズマ電流5kA
放電時間20ms以下(目標5ms)

現在の取り組み:精密な解体とデジタル化

現在、広島大学内での移設・再稼働に向けて、以下の工程を完遂・進行しています。

  • 徹底的な解体と記録:装置を完全に解体し、真空容器、トロイダル・ポロイダル・OH各コイル、支持構造体の寸法や配線・配管の接続状態を詳細に記録しました
  • コイル診断:再組立後の動作保証のため、各コイルの自己インダクタンスや抵抗値を測定し、現状の健全性を確認しています
  • 3DCADによるモデル再構築:三次元CADを用いて、装置全体のデジタルモデルを作成。配線・配管の取り回しや干渉を事前に可視化することで、再組立時の再現性と保守性を飛躍的に高める基盤を整えています

今後のロードマップ

私たちは、単なる装置の移設に留まらず、広島大学における核融合研究の新たな拠点を構築します。

  1. 移転:現在の実験棟から、より本格的な実験が可能な「放射線総合実験棟」へ順次移送
  2. 再組立・通電試験:3DCADモデルに基づき精密に組み立て、各電源系の安全な動作を確認
  3. 初期プラズマ生成実験:広島大学での初放電を実現し、ヘリカル磁場を用いた高楕円度プラズマ制御の新たな知見を創出します

研究チームより 装置の完全解体からデジタルモデルの構築を経て、PHiXは今、広島で新しい産声を上げようとしています。高度な磁場制御によるプラズマの安定化、その基盤を私たちは構築しています