単純パーセプトロンの結合荷重(パラメータ)を推定するための学習アルゴリズ ムとしていくつかの方法が提案されているが、Rosenblattらの方法は、ネット ワークにあるパターンを分類させてみて間違っていたら結合荷重を修正する誤 り訂正型の方法であった。しかし、この学習規則は、線形分離可能でない場合、 すなわち、誤識別 0 にする線形識別関数が存在しない場合には、誤り訂正の 手続きを無限に繰り返しても解に到達できない可能性がある。また、学習を途 中で打ち切った場合に得られるパラメータが最適であるという保証がない。
これに対して、出力ユニットの入出力関数として線形関数を用い、ネッ トワークの出力と教師信号と平均2乗誤差を最小にするような結合荷重を推定 する場合には、平均2乗誤差の意味で最適なパラメータを求めることができる。
今、 個の学習用のデータを
とする。
ここで、
が入力ベクトルで、その入力ベクトルに対する望みの出
力(教師信号)が である。この時、この学習用のデータに対する2乗誤
差は、
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Widrow-Hoffの学習規則では、最急降下法を用いて逐次近似によりパラメータ を推定するが、最適な解を行列計算により陽に求めることも可能である。
今、学習用データの入力ベクトルを並べた
次元の行列を
とし、教師信号を並べた
次元のベクトルを
とする。これらを用い
ると2乗誤差は、
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入出力関数としてロジスティック関数を用い、最尤法によりパラメータを推定 する場合には、ロジスティック回帰と呼ばれる手法と等価となる。この場合に は、ロジスティック回帰のためのパラメータ推定アルゴリズムとして知られて いるフィッシャーのスコアリングアルゴリズムを学習に利用することも可能で ある。