主成分分析は、上記のように情報の圧縮という観点では有効な手法であるが、各 データがどのクラスに属しているかの情報は利用しておらず、識別のための固有 空間を構成する手法としては必ずしもよい手法ではない。一方、判別分析は、同 一クラス内のデータはなるべく近くなり、逆にクラス間のデータはなるべく離れ るような線形写像を構成する手法であり、固有顔を構成する場合にも有効である [101]。
今、画像の集合 には、 個のクラス のどのクラスに属しているかの情報が与 えられているとする。
判別分析では、画像
に対するスコア(固有空間での表現)を、
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判別分析の場合には、2枚の画像 と に対する主成分ス コア間の距離 は、多クラスの分布間の平均マハラ ノビス汎距離 と密接に関係していることが知られ ている[78]。つまり、判別分析の場合には、平均クラス内分散の逆 で重み付けた画像間の距離を近似的に計算していることに対応 する。
判別分析を用いた固有顔に関しては、Swets等[101]が主成分分析を用 いた場合との比較実験を行ない、判別分析を用いた方法の優位性を示している。