ここでは、輪郭形状に自然な変動が加えられている例として、木の葉を取り上 げ、その変動によって距離 、 、 あるいは がどのように変化するか調べた。以下では、実験に用いた数種類の葉の 中で、比較的変動の大きかったプラタナス(図7.9)とサワラ(図 7.10)に対する結果を示す。ここで、各葉の輪郭点数 は と し、モデルの次数 は とした。
図7.11に示された葉を基準にし、図7.9の各葉との 距離を求めた。各距離ごとに距離の小さい順に並べたものを図 7.12 (a) から (d) に示す。図7.12 から、最も距 離の小さい葉として、距離 で基準の葉が選ばれている。これは、同じ輪 郭点列に対しては、距離は となることから明らかである。さらに、どの 距離も2、3番目までに検索された葉は同じである。また、距離 、 および では、4番目の葉も同じである。2番目に距離の 小さい葉は、基準の葉とかなり良く似ていることがわかる。また。4番目の葉 まで、比較的似た葉が選ばれているといえる。プラタナスの葉の切れ込みが徐々 に明白になり、さらに葉の幅が広くなっていく順としては、 が主観 的な順序に最も近いように思われる。
同様に、図7.13の葉を基準にし、図7.10の各葉に対 する距離を求めた。距離の小さい順に並べたものを図7.14 (a) から (d) に示す。プラタナスの場合と同様に、最も距離の小さい葉としては、 距離 で基準の葉そのものが選ばれており、2、3番目の葉は、どの距離 でも同じである。また、2番目まではかなり良く似ている。葉の切れ込みが明 白な順としては、ここでも が主観的な順序に最も近いように思わ れる。