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印象からの検索

まず、予備実験として、正準相関分析に用いた学習用の絵画に新たに50枚の絵画を 加えて、合計100枚の絵画からなるデータベースを作成し、各被験者の学習用の5 0枚の絵画に対する印象からの検索を行なった。理想的には、未知の絵画を含む10 0枚のデータベースからでも、その印象を受けた絵画が検索されなければならない。 表9.4 に第1候補として検索された割合と第3候補までに検索された 割合を示す。

表 9.4: 印象からの検索の再現性
  第1候補 第3候補まで
被験者A 80 % 92 %
被験者B 78 % 90 %
被験者C 100 % 100 %
被験者D 88 % 100 %
被験者E 88 % 94 %
被験者の平均 92 % 100 %

ほとんどの絵画に対して、受けた印象からもとの絵画が第1候補として検索されてい る。

図 9.12: 印象語からの検索結果
\begin{figure}\begin{center}
\psfig{file=images/fig-9.12a.eps,width=150mm}\\
(a...
...50mm}\\
(b) 「暖かく、甘美で、柔らかい」(5人の平均)
\end{center}\end{figure}

次に、画像データを200枚にし、3つの印象語をキーとした検索実験を行なった。 検索結果を図9.12に示す。図9.12 (a) は、「クールな」、 「すがすがしい」、「清潔な/新鮮な」という印象語で検索した絵画である。上段の 左側が第1候補として検索された絵画で、右側が第2候補である。下段は、左から第 3候補、第4候補の順番で表示してある。また、画像の名前が大文字ではじまる画像 (MN-ship, Y-sannowa, MN-road, G-sheat)は、学習に用いた画像である。学習用以外 の画像も上位の候補と似た印象を与えるものが検索されている。一方、図 9.12 (b) は、「暖かい」、「甘美な」、「柔らかい」という印象語で検 索した結果である。この場合には、暖色系の色彩の絵画が検索されている。



Takio Kurita 平成14年7月3日