上記のしきい値選定のための評価基準を比較するために、乱数を用いて生成したヒス トグラムに対するしきい値選定実験を行った。
図3.1 は、パラメータ,
,
,
,
, および
で生成したヒストグラ
ムである。このヒストグラムに対して、しきい値
,
, および
は、
すべて、同じであった。各クラスの画素数が同じで、分散も等しいヒストグラムに対
しては、3つの基準は同等の結果を与えることを示している。従って、この場合には、
パラメータ数が少ないという意味で大津の方法が最も良い方法である。
図3.2 は、パラメータ,
,
,
,
, および
で生成したヒストグラ
ムである。この例では、分散は同じであるが、
が極端に異なる。この場合には、
大津のしきい値
はバイアスを持つことがわかる。一方、
および
は、妥当なしきい値を選択している。従って、この場合には Kittler らの方法より
もパラメータ数の少ない
が最も良い方法であるといえる。
図 3.3 は、パラメータ,
,
,
,
, および
で生成したヒストグラム
である。この例では、分散も画素数も極端に異なる。この場合には、Kittler らのし
きい値
のみが妥当である。これは、
や
では、仮定が満足されな
いためである。