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数量化法の非線形への拡張

一般に、多変量データ解析手法で扱われるデータは、その性質によって2つに分類し て考えられている。''重さ''や''長さ''などのようにその測定値が全て数値で表され るデータは量的データと呼ばれている。一方、アンケートの結果得られる''性別''や'' 職業''に関するデータのように数値では表せないようなものを質的データと呼んでい る。数量化法は質的データを扱うための手法として林[40]により開発さ れた一連の多変量データ解析手法である。数量化法では、質的データを分析目的にとっ て合理的な何らかの基準によって数量で表現する。数量化法によってデータを数量で 表すと、従来の量的データを扱う多変量データ解析法の考え方が利用できるので、デー タの解析に取って都合がよくなる。数量化法は、分析目的によって、数量化1類、数 量化2類、数量化3類、数量化4類の4つの手法に分類できる。

数量化法ではデータの背後の確率として離散分布を仮定できるため、数量化法の非線 形への拡張は、連続データに対する多変量データ解析法を非線形へ拡張する場合に比 べて多少簡単になる。ここでは、まず、数量化法を非線形に拡張し、各手法がデータ の持つ確率的な構造をどのように抽出しているのかについて考察する。それは、一般 の多変量データ解析法を非線形に拡張し、統一的な考察をする際の準備としても重要 である。



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Takio Kurita 平成14年7月3日