件名 シンポジウムでの講演について(2)

さて、研究集会。足をつりながら行った基調講演だけが私の仕事ではなかった。

その後、1時間10分のパネルディスカッションのパネラーも大事なお仕事……1時間10分って、結構長いなぁ。

で、パネルディスカッションなんだけど、確かにプログラムにはパネルディスカッションが70分間もあることが書かれているものの、そして、たぶん、私もパネラーの一人だとは覚悟していたけど、明示的に「あなた、パネラーね」とは言われていなかったもので、「もしかしたら、パネラーは私ではないかも」、と少しは期待していたんだけれども、現実は冷酷で、やはり私もパネラーだった。

で、その席順なんだけど、私の右が隠岐先生、左が同志社大学の山田先生だった。

このバッティングオーダーで、パネルディスカッションが始まったんだけど、始まってびっくり!両隣の先生の回答が、秀逸!

的確な答えを、端的に、次々と回答される両隣。
「ああ、賢いなぁ」
という回答から、
「その質問に、そういう風に答えちゃうの!?」
という回答まで……圧倒され、アッという間に劣等感の波にさらわれてしまった。開始10分もたっていない頃に。

「このまま、あと1時間この状態ならば、精神が持たんがな」

とブルーになっていたのもつかの間、なんということでしょう。そのうちに、両隣の回答が心地よくなり、

「はぁ、その質問には、そういう風に答えることができるんですねぇ! 私にはまったくその引き出しはないなぁ」

とか、

「そうそう、それは今まで私がうすぼんやりと考えていたこと!よくぞ言葉にしてくれました!おかげで、長年、心に挟まっていた違和感がきれいに拭えされました!スッキリ!」

みたいに聞こえてくるではないでしょうか! 仕舞には快感を覚えるほど……

まるで、ライブで達人の演奏を聴いているがごときの陶酔感!
……まさか、シンポジウムのステージの上で、ハイになれるとは思ってみなかった。

いわば、プレゼンターズハイ。

ああ、本当に、貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございます。願わくは、いつかは私も両隣の先生方のような、賢く、誰かを陶酔させるような受け答えができるようになりたいんだけれども。

アディオス

2019年12月30日