件名 野外調査心得 水俣(7)

昔、山下清という画伯がいて、線路を見つけては、その上を歩いて移動することを生業にしていたらしい。

まぁ、テレビで見た「裸の大将」の受け売りだから、事実とは違っているかもしれない。もし間違っていたとしても許してほしい。

で、山下画伯の逸話が示す通り、線路には人を引き付ける力があり、引き付けられた人は線路上を歩いてしまうものらしい。今の時代、線路の上を歩くことはコンプライアンス上無理だろうが……

で、調査地の森林を歩いていると、山の中に謎の線路が出現。山の中に線路!?

どうやら1988年まで走っていて、今は廃線となった山野線の跡らしい。

で、線路のこっち側の先は、トンネルに続いていた。ここにトンネルがあるということは、調査地の下を汽車が走っていた時代があったのか……

それから、トンネルと逆のほうに向かってこの線路跡の上を、山下清気取りでひたすら歩いたんだけど、1000mくらい進んだところで、

「このまま水俣まで行ってしまうかもしれない(水俣までは20kmくらい)」

とはっと気が付き、踵を返して森に戻ることにした。

線路跡は、廃線から30年以上たつのに驚くほどきれいに残っていた。

アディオス

2020年12月22日