湯の鶴温泉では、ヨモギ団子とよばれる饅頭が売られていた。
どこはかとなく違和感が……
よく見ると、ヨモギ団子が葉で飾られている。団子が葉で飾れること自体はいいんだけど、問題は飾りの葉。あまり見たことのない葉で包まれていた。これが違和感の出所。
饅頭を包む葉は、典型的には桜餅のサクラの葉であり、柏餅のカシワの葉。広島では柏餅はサンキライの葉で包まれていることが普通で、鹿児島ではサンキライをカカランと呼ぶこともあり、カカランの葉で包む饅頭もある。
で、見慣れない葉で包まれていたこのヨモギ団子。この脈の入り方は、ツバキ科かハイノキ科。きっと、ヤブツバキの葉にちがいない。
と思いながら、団子を買うときに葉のことを聞いてみると、
「この辺りではトゲトゲの葉でくるむことも多いけど、ツバキでも普通に包みます」
とのこと。トゲトゲの葉はサンキライのことでしょう。
そうか。ツバキで饅頭を包む文化があるのか。
「この辺りって」ときくと、湯出(湯の鶴温泉の周辺)らしい。この文化、どこまで地域的な広がりがあるのだろう?
アディオス