件名 2021年 冬期休暇中の健康管理について

今日は、半年ぶりの記事更新にもかかわらず、不快なる記事になるかもしれないので、そう思ったら、途中で読むのを止めていただければと思っております。

そういう人もいるいらっしゃると思うので、先に挨拶だけしておきます。

良いお年をお迎えください。

ではこれから、先日、私の身の上に起こったことを白状します。



今年のクリスマスイブは金曜日だった。

大学の公式仕事納は28日に設定されているんだけれども、年内に消化しないと、なかったことにされてしまう振替休日が二日もあったことから、27日と28日をそれに充ててしまった。

ということで、24日が個人的な仕事納。

25日から始まる、少し早めの冬期休暇を前に、

「マトリックスを見よう!」

とか

「釣りに行こう!」

とか期待を無限大に膨らませながら、24日に研究室を後にした。

「グッバイ研究室。また別の年を素晴らしい形で迎えたまえ」

なぁんてうそぶきながら。休暇を前に浮かれていた。

24日はクリスマスイブなので、我が家庭では外食をすることにしたのだが、その内容がゴージャスすぎていた。

初めて食べる食材はなかったものの、

「ここ1年は食べてないんじゃないの?」

的なものが次から次えと運ばれてきて、その都度、歓声を上げながらおいしくいただいた。

いただいたんだけど、実はその日は午後から体調が悪くなっていて、全部を平らげることができなかった。おいしいんだけど、ちょいちょい残しながら、食事を進めた。

食事を残すということは、過去にない。出せれたものは全部食べる派。まぁ、わざわざ書く必要がないくらい普通なことだと思うけど。

で、家に帰ったのは夜9時半。

体のだるさを感じた私は、ピーナッツを貪り食って、コカ・コーラで流し込み、頭痛薬を2錠飲んで床に就いた。

リビングから、家族のクリスマスの談笑が聞こえる……

夜中の2時半だった。

腹痛で目覚める。

トイレに行く。

トイレにつくと、予想外のことが立て続けに起こり始める。

体の内と外の区別がつかない症状が現れたのだ。

体の外で起こっていることなんて、家の中にいる限りそんなに注意を払わなくていいのに、深々と体に突き刺さる。

時計が秒を刻む音が、耳からだけでなく、体の至る所から浸透してくる。誰か時計を止めてくれ!

トイレから見えるところにはハムスターがいるんだけど、予想外の時間に起きてきた私を大歓迎して、髭を動かしたり、柵を噛んだり、なめたり行動が忙しない。

その動きひとつが刺激的に体に浸透し、脳が処理できない。ハムちゃん、動きを止めて、床についてくれ。

そもそも、まぶしい。目を開けていられない。

体の中でも異常が進んでいる。

脂汗が止まらない。

空気が吸い込めない。

地面が盛大に揺れ続ける。

気が付くと、体中を掻きむしる私。

何で掻いているんだ? 

掻き始めてから初めて、体中がかゆいことに気が付く。

もしかすると、体中に発疹とか出ていたかもしれないけれども、外界の情報を遮断するため、目をつむっていた、と言うか開けられないので、確認はできていない。

気が付いたら、トイレの前で倒れていたらしい。

そんな様子に、妻が気が付いてくれた。クリスマスイブの晩には、しなければならない仕事が残っているから、そのために子どもたちが寝付くのを待っていたらしい。さすが、親。私と違うぞ!

様子を確認する妻に、

「息が吸えない」

とだけ言うと、私のみぞおちの辺りをさすりながら、

「ゆっくりと息を深く吸って、ここまで空気で膨らまして」

と深呼吸を指示しながら、同時に上の娘に

「救急車を呼べ」

と指示を出しているらしい。

私は、ぎこちなく深呼吸を(できる範囲で)しながら、

「病院に行ける。何とかしてもらえる。」

と安心した。ここまでが残っている記憶。

妻と深呼吸を続けていると、救急隊がやってきたらしく、次に記憶が戻るのは救急車の中。

救急隊が耳元で何度も、私の名前や年齢を聞くもんだから、うるさくてしょうがない。

そんな中聞こえてきたのが、

「血圧、40切っています」

と言う声。

測定間違いでないか確認する声。

体調の悪さを数値エビデンスで示されて、うろたえる私。

ほどなくして、広大病院に搬送された。

先生たちは大したもので、いくつかの注射だけで、私の血圧を200オーバーまで上昇させた。

何とか会話ができる。

どれくらい処置されていたかわからないが、気が付くと、国際基督教大学みたいな名前の病棟に運ばれていた。

朝の5時半だった。

医師から

「ご家族がここに入れるのは、今だけですけど、何か伝えることはありますか?」

と言われた。よく見ると、病室には妻がいた。

怒っているようには見えなかった。

ただ、疲れ果てているようだった。

「これだけ迷惑をかけたのだから、後で怒られる案件だな」、と悟りながら、妻にお礼を申し上げた。

冬期休暇はこうして、ロケットスタートで開けることになった。

まだまだ続く。

アディオス

2021年12月30日