今日は、半年ぶりの記事更新にもかかわらず、不快なる記事になるかもしれないので、そう思ったら、途中で読むのを止めていただければと思っております。
そういう人もいるいらっしゃると思うので、先に挨拶だけしておきます。
良いお年をお迎えください。
ではこれから、先日、私の身の上に起こったことを白状します。
今年のクリスマスイブは金曜日だった。
大学の公式仕事納は28日に設定されているんだけれども、年内に消化しないと、なかったことにされてしまう振替休日が二日もあったことから、27日と28日をそれに充ててしまった。
ということで、24日が個人的な仕事納。
25日から始まる、少し早めの冬期休暇を前に、
「マトリックスを見よう!」
とか
「釣りに行こう!」
とか期待を無限大に膨らませながら、24日に研究室を後にした。
「グッバイ研究室。また別の年を素晴らしい形で迎えたまえ」
なぁんてうそぶきながら。休暇を前に浮かれていた。
24日はクリスマスイブなので、我が家庭では外食をすることにしたのだが、その内容がゴージャスすぎていた。
初めて食べる食材はなかったものの、
「ここ1年は食べてないんじゃないの?」
的なものが次から次えと運ばれてきて、その都度、歓声を上げながらおいしくいただいた。
いただいたんだけど、実はその日は午後から体調が悪くなっていて、全部を平らげることができなかった。おいしいんだけど、ちょいちょい残しながら、食事を進めた。
食事を残すということは、過去にない。出せれたものは全部食べる派。まぁ、わざわざ書く必要がないくらい普通なことだと思うけど。
で、家に帰ったのは夜9時半。
体のだるさを感じた私は、ピーナッツを貪り食って、コカ・コーラで流し込み、頭痛薬を2錠飲んで床に就いた。
リビングから、家族のクリスマスの談笑が聞こえる……
夜中の2時半だった。
腹痛で目覚める。
トイレに行く。
トイレにつくと、予想外のことが立て続けに起こり始める。
体の内と外の区別がつかない症状が現れたのだ。
体の外で起こっていることなんて、家の中にいる限りそんなに注意を払わなくていいのに、深々と体に突き刺さる。
時計が秒を刻む音が、耳からだけでなく、体の至る所から浸透してくる。誰か時計を止めてくれ!
トイレから見えるところにはハムスターがいるんだけど、予想外の時間に起きてきた私を大歓迎して、髭を動かしたり、柵を噛んだり、なめたり行動が忙しない。
その動きひとつが刺激的に体に浸透し、脳が処理できない。ハムちゃん、動きを止めて、床についてくれ。
そもそも、まぶしい。目を開けていられない。
体の中でも異常が進んでいる。
脂汗が止まらない。
空気が吸い込めない。
地面が盛大に揺れ続ける。
気が付くと、体中を掻きむしる私。
何で掻いているんだ?
掻き始めてから初めて、体中がかゆいことに気が付く。
もしかすると、体中に発疹とか出ていたかもしれないけれども、外界の情報を遮断するため、目をつむっていた、と言うか開けられないので、確認はできていない。
気が付いたら、トイレの前で倒れていたらしい。
そんな様子に、妻が気が付いてくれた。クリスマスイブの晩には、しなければならない仕事が残っているから、そのために子どもたちが寝付くのを待っていたらしい。さすが、親。私と違うぞ!
様子を確認する妻に、
「息が吸えない」
とだけ言うと、私のみぞおちの辺りをさすりながら、
「ゆっくりと息を深く吸って、ここまで空気で膨らまして」
と深呼吸を指示しながら、同時に上の娘に
「救急車を呼べ」
と指示を出しているらしい。
私は、ぎこちなく深呼吸を(できる範囲で)しながら、
「病院に行ける。何とかしてもらえる。」
と安心した。ここまでが残っている記憶。
妻と深呼吸を続けていると、救急隊がやってきたらしく、次に記憶が戻るのは救急車の中。
救急隊が耳元で何度も、私の名前や年齢を聞くもんだから、うるさくてしょうがない。
そんな中聞こえてきたのが、
「血圧、40切っています」
と言う声。
測定間違いでないか確認する声。
体調の悪さを数値エビデンスで示されて、うろたえる私。
ほどなくして、広大病院に搬送された。
先生たちは大したもので、いくつかの注射だけで、私の血圧を200オーバーまで上昇させた。
何とか会話ができる。
どれくらい処置されていたかわからないが、気が付くと、国際基督教大学みたいな名前の病棟に運ばれていた。
朝の5時半だった。
医師から
「ご家族がここに入れるのは、今だけですけど、何か伝えることはありますか?」
と言われた。よく見ると、病室には妻がいた。
怒っているようには見えなかった。
ただ、疲れ果てているようだった。
「これだけ迷惑をかけたのだから、後で怒られる案件だな」、と悟りながら、妻にお礼を申し上げた。
冬期休暇はこうして、ロケットスタートで開けることになった。
まだまだ続く。
アディオス