今回の話も、落ちがない。ただただ、初詣に行ったという話がつづられている。覚悟して読みたまえ。
2022年が明けた。
私は、去年から恒例にすることにした 、広島最強のパワースポットに初詣に当然の如く行くことにした。
初詣には今年も娘を誘ったが、前日までは
「今年は私も広島最強のパワースポットに行く!」
と息まいていたのに、当日になると海田市までの距離にビビったのか、
「私は勉強をする必要があるがためにいけない」
と、架空の勉強話を理由にドタキャンされた。
で、広島最強のパワースポット(と私が勝手に思い込んでいて、他の人は誰も思っていない)、海田市に一人で向かった。
海田市の駅前を歩いていると、まんじゅうを大事そうに抱えた地元の大男が、
「あんた、ここの人?」
と、いぶかしげに声をかけてくる。不審者扱いだ!
一応
「あけましておめでとうございます」
と、次節の挨拶をして、「私は怪しいものでもなんでもないですよぉ」というアピールをしながら、
「いや、市内から初詣に来ました」
と言うと、海田市にわざわざ初詣に来る輩などほとんどいない事実と、地元の人さえ海田市にパワースポットがあることに気が付いていない現状のため、さらに怪しさあふれる表情で、
「わざわざ? こんな? ところ? まで……?」
と言った後に、
「じゃあ、ふじゃもんじさんに?」
と聞いてきた。「ふじゃもんじさん」とは言っていなかったかもしれないが、そのように聞こえたような気がした。
もちろん私は「ふじゃもんじさん」など存じ上げないのであるが、男がさも、あたりまえのように「ふじゃもんじさん」と言うもんだから、きっとこの辺りでは有名なお寺さんなんだろう。
で、私には「ふじゃもんじさん?」と聞き返す根性はないので、
「はぁ」
と、どうとでも取れる返事をした。
やがて分かれ道になって、私は右の方に、男はまっすぐ進んだのだが、たぶん「ふじゃもんじさん」は右手にあったのだろう。男は疑ることなく去っていった。
で、いくつかの神社を超えて、私が一人、パワースポットとすがっている場所にたどり着き、初もうでた。
去年同様、私以外の誰も参拝者はいなかった。
で、おみくじのアクティビティを行い、「大吉」を引き当てた。
神様からのありがたいお言葉には、去年ほどのインパクト はなかったが。
ただ、去年同様「謙虚にならないとアカン」と書いてあったので、謙虚になったふりだけをここに書いておこうかと思う。
「大吉引いたって、どうせ、所詮私ごときなんで」
アディオス