件名 「ある天才画伯の画業展」のおしらせ

かねがね、うちの娘は絵画の天才だと思っておって、先日描いた猫の後頭部なんて、本物と見まごうほどの立体感が表現されちゃっておって、リビングに飾られたその絵を毎日毎日、飽きもせず見入っていたのだが、もう一人天才画伯が近くにおった。

学生部屋には議論用に用意されたホワイトボードがあるのだが、最近は議論がないのかね? 行列式やら微分方程式の代わりに孫悟空などが描かれちゃったりしていたんだけど、昨日学生部屋に入ると、そこには孫悟空の姿はなかった。

じゃあ、数式が復活したのかと言うと、そうではない。

孫悟空の代わり、と言ってはおこがましいのではあるが、そこには私の似顔絵が描かれておった。それはそれは見事な出来栄えで、誰が見ても、私の絵だ! と分かる程。

感心しながら、研究室の誰かが書いたんだから、作者を突き止めようと画策し、

「よもや、青流の所業か?」と彼を問い詰めると、本人はそうではないと、しらを切る。

「しらっこいな」、と思っていたら、部屋の隅の方で不自然な行動をとるオーハータ。 「まさかね」、と思いながら、「怒ってないから正直に言ってごらん」、と言うと、元気よく自分の仕業だと白状してくれた。

オーハータにこうした隠れた才能があるとはね。確かに、今まで披露する機会はなかったね。

天才画伯がここにもおった。

クローバー 美味い!

2022年04月16日