スラウェシ島で訪れた森の中には天然のサトウヤシ(Arenga pinnata)がたくさん生えていて、農家が天然のサトウヤシから砂糖を生産していた。
砂糖はサトウヤシの花序液から作られる。
砂糖作りを行っていた農家は、5本のサトウヤシから花序液を集めていた。花序液集めには雄花しか利用しない。地上10m位のところにある花序まで、竹の梯子が掛けてある。5本合わせると1日で、多分7リットルくらいは取れていた。雨季になると、この倍くらいとれるという。
高さ10m位の花序まで梯子が掛けてある。梯子を利用して花序にたどり着く。
花序液を集めるタケ筒。これを花序の根元に突き刺して花序液を集める。
とってきた花序液は、森の中にある出作り小屋でそのまま煮詰められる。薪も森から得られるから、材料代はかからない。砂糖が出来上がるまで数時間煮詰める。
山の中に突如現れる出作り小屋。この中で砂糖作りが行われる。
花序液は鍋で煮詰められる。このまま飲んでもかなりおいしい。お汁粉的な味。
攪拌に用いられているタケのザル
煮詰まってくると適当に攪拌する。攪拌のための特別な竹製の籠がある。
この作業の後、さらに30分くらい煮詰めると、鍋を窯の火から離して、余熱でさらに煮詰めていく。この間、すりこ木の棒みたいなので攪拌し続ける。さらに、鍋の横にできる砂糖の結晶は、専用の用具でシロップに戻される。
煮詰め続けるとこんな風になる
煮詰めた花序液を木枠に流し込む。
多分、すりこ木で攪拌した感じで決めていると思うんだけど、ちょうどよく煮詰まったタイミングで、シロップで木の枠に流し込む。木枠に流し込むと、ものの5分くらいで固まっていく。砂糖の出来上がり。固まるとすぐさに木枠から砂糖は取り出される。
羊羹みたいなのが、出来上がった砂糖
出来上がった砂糖をアルトカルプスの葉に包んで出来上がり!
一つの木の枠(羊羹みたいなのが2個できる)で、500円くらい。これが4木枠できるので、1日2000円の収入になる。
砂糖の味は黒砂糖っぽい味がして、めちゃくちゃおいしい!日本に持って帰って おやつに食べよう!
アディオス