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1.ベルワラ(Beruwala)【カルタラ地区(KALUTARA)】

1) 漁港の様子−ベルワラ漁港(Beruwala Fishery Harbor)
インド洋に浮かぶスリランカでは、水産業が基幹産業のひとつです。津波は国と地方経済の根幹を傷つけましたが、中でも水産インフラの破壊は想像を絶するものがあります。


写真1:ベルワラ漁港の賑わい

スリランカのカツオ・マグロ漁業の中心地、ベルワラでは津波被害により1億6,000万ルピー以上の損失が出ました。中国政府の支援が入り、インフラを中心に復興が進んでいます。ドナー各国やNGOからボートの支給があり、漁業への新規参入者が増えたようです。


写真2:漁業公社の月別収入表
この漁港を管理している漁業公社(Ceylon Fishery Harbours Corporation, CFHC)の収入源である船着き料金も増大しました。

2) ベルワラの水揚げ場(Fish Landing Centres)

写真3:ベルワラのビーチに並ぶ新しい漁船
ベルワラでは、延縄漁業や浮き魚を対象とした漁業がさかんで、カツオ・ツナ類をとっています。津波によってボートをなくした漁民も多くいます。水揚げ場には新しいボート( 写真:船外機付き漁船)が並んでいましたが、漁民に十分に支給されてないのが現状です。漁民でない人へもボートが渡り、ボートの売買が行われています。

3) 現地NGOのサポートと生計復興−ヌガガハランドゥ村(Nugagahaland Village)

写真4:NGOが建設した被災者用の住宅

写真5:住宅の室内(リビング)
被災後、寺院で9ヶ月間生活していた18世帯を対象に、スリランカ国内のNGO(Sirilak Sahana Sewa Foundation)から新しい土地と家が提供されていました。電気、水道、道路も整備され、室内には部屋が2つと風呂、トイレも完備されていました。ただし、漁民にとっては海から遠くなり、毎日浜に通うのは不便です。

4) 生計復興へ向けたNGOのマイクロファイナンス

写真6:服飾店の店内(手作りされた洋服)

写真7:マイクロファイナンスの手帳

被災した住民には、政府から5000ルピーが4ヶ月間支給されます。住民の中には、NGOによるマイクロファイナンスの支援を受けて、服飾や干し魚、ランチボックス、菓子などを作り、スモールビジネスを展開している組織や女性グループもありました。ボートや漁具購入のための資金源に充てる漁民もいます。


5) 未だ復興に遠い被災者キャンプ

写真8:身体障害者と老人があつまるキャンプ
一方、政府からの給付金も届かず、家も失ったままの住民の姿もありました。政党の援助を受けていますが、地域によって(支援するNGOによって)住民の生活レベルに相当な差があることが浮き彫りになりました。

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