計算数理A演習第14・15回

第14・15回

期末レポート

次の問題のいずれかを選び、提出せよ。なお、それぞれ最大となる点数が異なるので、注意すること。両方提出した場合は、点数の高い方を採用する。

これまでのレポート問題とあわせて総合的に判断しますので、とにかく出すようにしてください。


問題1(最大20点)

次の初期値境界値問題を数値的に解き、アニメーションを作成せよ。

(1)   \begin{eqnarray*} &&\dfrac{\partial^2 u}{\partial t^2}=4\dfrac{\partial^2 u}{\partial x^2}~~(0<x<1, t>0)\\ &&u(0,t)=u(1,t), \dfrac{\partial u(0,t)}{\partial x}=\dfrac{\partial u(1,t)}{\partial x}~~(t>0)\\ &&u(x,0)=\cos(4\pi x)+\sin(2\pi x)~~(0<x<1)\\ &&\frac{\partial u(x,0)}{\partial t}=\left\{\begin{array}{l} 1~~\text{if }0.3<x<0.7\\ 0~~\text{otherwise} \end{array} \right. \end{eqnarray*}

問題1の注意事項

  • 空間刻み幅h=0.01とする
  • シミュレーション終了時刻T=10とする
  • 時刻0.01ごとに描画し、時刻tをグラフに記載すること
  • グラフの横軸・縦軸を記載すること
  • グラフのタイトルに学生番号を記載すること
  • アニメーションにuの空間方向の平均値である\bar{u}(t)=\int_0^1u(x,t)dxを次のいずれかの方法で記載すること
    • 値を文字列として描画(時刻と同様の方法)
    • グラフとして、[0,1]の範囲で点線で描画(x軸に平行な線が動く)
  • プログラムの先頭に学生番号氏名を記載すること

問題2(最大40点)

拡散方程式、反応拡散方程式、連結バネ系、波動方程式について、様々な応用研究がなされている。各自どのようなものがあるか調べたり、自分自身で現象を考え、プログラムを書け。モデルの説明や予測・背景と、そこから得られる結果を考察し結論を述べ、PDFファイルにまとめよ(目安として最小1ページから最大4ページ程度)。

問題2の例

  • Gray–Scott 方程式について
  • タンパク質のモデルについて(簡単な系)
  • 暖房設置時の温度勾配について
  • 波動方程式による津波の表現
    などなど

採点基準

  • プログラムは正しくかつわかりやすく書けているか
  • PDFファイルは読みやすく工夫しているか
  • 現象への着眼点や考察のユニークさ
  • 対象やその背景について、文献などを適切に引用して調べているか
  • 結果について図やデータを交え、客観的かつ科学的に考察ができているか

問題2の注意事項

  •  計算コストに関する難易度(たとえば計算に3日かかるなど)は採点には影響しません。
  • 対象が複雑な場合は簡略化しても構いません(当然パソコンのスペックによっては無理なものもありますので)。
  • 参考にしたホームページや論文・書籍などは必ず正しく引用すること。
  • 助言をくれた人、手伝ってもらった人には謝辞を書くこと。
  • グループワークのように共同で書いても構いませんが、どこを担当したのか明記すること(論文でいうと、coauthorがいる場合はAuthor Contributionを書く、ということ)。
    また、PDFファイルは同じものを、プログラムはそれぞれが作成したものをアップロードすること。
    ただしグループワークの場合は、人数が多ければ多いほど高いクオリティを要求します。
  • 余裕がある人は、短い論文を書く気持ちで、「背景」「モデル」「結果」「結論と議論」の4部構成で書いてみてください。実際に過去の論文などをGoogle ScholarやCiNiiなどで調べてみると雰囲気がわかります。

提出期限・方法

2025年6月8日(日) 23:59(日本時間)までに、

  • PDFファイル(問題1のみの場合は不要)
  • レポート作成に使用した拡散方程式・反応拡散方程式・連結バネ系・波動方程式の(いずれか、または、複数の)数値解法を含むプログラム

moodleから提出


最終成績について

最終成績は、

  • 小レポート:各20点×3
  • 期末レポート:最大20点 or 40点

の合計で決まります。
moodle上では、各小レポートの点数は100点満点換算、期末レポートは40点満点で記載しています。
90点以上は秀、80点以上は優、70点以上は良、60点以上は可、60点未満は不可とし、小レポートも期末レポートも1度も提出されていないものについては欠席とします。

Department of Mathematical and Life Sciences, Graduate School of Integrated Sciences for Life, Hiroshima University