ただいま読書中(近況一言報告)
2001年09月
- このページを運営しているMacintosh LC475(hiko475.ias.hiroshima-u.ac.jp)が、かなりやばそうな状況です。
アクセスできなくなった時は、こちらを御覧下さい。
2001.09.30
- 同居人とともに、朝の飛行機で羽田へ。テロの影響なのかどうか、乗客は少ない。新宿へ出て、やはり結婚式に出席する友達夫妻と紀伊国屋で待ち合わせ。アート系の売り場をふらふらと眺めて、『笑うシネマ』購入。昼飯はカレーを食って、少し時間があったので渋谷で買い物。中古CD『歌の引力実験室』(チャカと昆虫採集)、中古DVD『スリーピー・ホロウ』、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』、『ナイト・オン・ザ・プラネット』を購入。
- 友達の結婚式は目黒の教会で。彼はクリスチャンなのだ。厳粛な雰囲気の中、滞りなく式が終わり、みなで写真を撮ったりしつつパーティーの会場へ。渋谷にあるレストランなんだけど、ちょっとした庭があって、大きな樹が植えられている。残念ながら雨天だったので庭には出られなかったが、とても雰囲気のいい店だ。料理もワインも美味しく、変な賑やかしもない落ち着いたパーティで、楽しめた。まあ新郎新婦とも30代も半ばをすぎれば、これくらい落ち着いて趣味の良いパーティが似つかわしいと思う。
- 20時すぎにパーティもお開きになり、遠方からの客にはホテル(ニューオータニ)に部屋をとってくれていたので、皆でそちらへ向かう。寝るにはまだ早かったので、ホテルのバーで久しぶりにあった友達らといろいろと話をする。そのうち新郎新婦もやってきて、歓談。
2001.09.29
- この期に及んでまだ学会用の実験をしていたりする。最近読んだDNAの塩基配列データと、これも最近だした制限酵素地図のデータを眺めていたら、どうしてもこの実験が必要だと思えてきたので。まあうまくいけば3日で終わる実験なので、たぶん間に合うでしょう。これが間に合わなくても発表はできるが。
- とか言いつつ、明日、明後日は東京に行く。友達の結婚式と披露宴出席のため。
2001.09.28
- 同居人が関係しているボランティア関連のお知らせ。ドメスティック・バイオレンス(DV)防止法の施行にあわせて10月10日(前後)に「全国一斉DV一日電話相談」が行われます。相談先の一覧はこちら。
- 開講準備の雑用と、動物学会の準備。忙しい。
- 『ぎりぎり合格への論文マニュアル』(山内志朗)購入。
2001.09.27
- 来週から後期の授業が始まるので準備のための雑用をいろいろ。
- 広島大学教育学部の助教授が強制猥褻容疑で逮捕。しかしこれも氷山の一角だろう。たとえば同じ教育学部でも、もっとひどい事例があるらしいと聞いた。直接に知っているわけではないので詳細は不明だが。
- 『ケロロ軍曹』購入。
2001.09.26
- シークエンス。これで学会で話すデータが大体そろう(と良いなあ…)。
- いや、たとえこれが失敗しても話す内容はありますが。
2001.09.25
- 名古屋大の堀先生が集中講義に来てくださって、夕方からはセミナー。メダカのトランスポゾンTol2のお話。自分の研究にも役立ちそうな話が聴けて満足。夜は堀先生を囲んで10人ほどで飲みに行った。
2001.09.24
- DVD『仁義なき戦い』を観る。まあ面白いんだけど、DVDでシリーズ全部そろえると金がかかりすぎるので、中古のLDを探してみることにする。それなら1本千円くらいで買えるだろう。
- 『アラビアのロレンス』の続きを観る。
2001.09.23
- エレクターのワイヤーシェルフ、テレビ、そしてClip-On 515が次々と配達される。幅900mm、奥行450mm、高さ1900mmのエレクターを組む。エレクターの色は銀にするか黒にするか迷ったのだけど、黒にして正解だった。落ち着きがあって、カッコ良い。銀だとキラキラして、たぶん目ざわりだったと思う。AV機器を棚に乗せて、配線。今まではS端子を使っていなかった(そもそもテレビにS端子がついていなかった)のだが、今回はS端子接続をするのでケーブルが数本足りない。近所のベスト電器で買ってくる。テレビやClip-Onの使い方も勉強しつつ、半日掛かりでセットアップが終わった。
- DVD『ジョーズ』を観る。サメ大迫力。いまならバシバシCGを使うんだろうけど、ローテクノロジーでも十分迫力のある映画が撮れることを証明している。
- DVD『アラビアのロレンス』を観はじめたんだけど、あまりの長さに途中で中断。
2001.09.22
- 前から欲しかったSONYのHard Disk Video Recorderを購入した。Clip-On 515。大学の近くの電機屋で、税込み10万。DeoDeoで買えば13万だから、まあお買い得か。冬はNFLや学生フットボールをよく観るので生活が番組の時間に左右されがちになるのだけど、Clip-Onを使えば番組の方を生活にあわせる事ができると期待している。
2001.09.21
2001.09.20
- 『知のミネラルウォーター』(ネイチャー・ジャパン編)、AERA増刊『新「世界戦争」が始まった』購入。
2001.09.19
- 『超ジャズ入門』(中山康樹)、『からくりサーカス』19(藤田和日郎)購入。
- BSで『サタデー・ナイト・フィーバー』をやっていたのでついつい観てしまった。社会現象にもなった映画だけど、あのダンスは当時は純粋にカッコ良かったのかな? いま見ると結構ダサいんだけど、でもそのダサさがイカしてる、という感じ。そういえば『パルプ・フィクション』でトラボルタが踊ったダンスも、ダサくてかつカッコ良かったよね。
2001.09.18
- あと2週間ほどで後期の授業が始まるので、いろいろと忙しくなってくる。
2001.09.17
- 別冊COMIC BOX『千と千尋の神隠し 千尋の大冒険』、ユリイカ臨時増刊『宮崎駿「千と千尋の神隠し」の世界』購入。
2001.09.16
- うちのテレビは7年ぐらい前に買った21型で、機能も最低限しかついていない安物だ。以前はテレビなんてあんまり観ないしこれで十分と思っていたのだが、最近DVDをよく観るようになって、やはりもう少し大きくて画質の良いテレビが欲しくなってきた。で、いろいろ調べて、部屋の広さから考えて28型ワイドか29型4:3のどちらか、端子は将来性も考えてD3端子2系統以上、予算は10万円くらいで候補を絞った。ここ3週間ぐらい、カタログ集めて電器屋に行って値段と画質を見てああでもないこうでもないと迷っていたのだけど、広島はやはり家電の値段が高くて、価格comでは10万円以下の商品でも平気で12万以上の値が付いていたりするので、なかなかふんぎりがつかない。結局、近所のベスト電器の安売りセール品で、SONYのプログレッシブワイドTV、KV-28DX550が約11万、商品券で9千円のキャッシュバックということだったので、これを買うことにした。最初は同系統の29型4:3テレビ、KV-29DX550にしようかと思ったのだけど、DVDを観るのが中心ならワイドの方が良いかと考えた。値段もほぼ同じで、KV-28DX550の方が割安感もあったし。配達は来週の日曜日。これを乗せるためのエレクターも通販で注文した。
- ビデオ『2つの頭脳をもつ男』を観る。スティーブ・マーティン主演。笑った。手術室で「猫が邪魔!」とか、手術帽にウサギ耳とか、マンションの怪しい部屋とか、ごちゃごちゃ詰め込まれた小ネタがツボにはまった。
- T-joyのレイトショーで『千と千尋の神隠し』を観てきた。素晴らしい。それなりに期待して観に行ったのだが、期待以上の出来だった。何よりもまず、息をのむような美しい絵に圧倒される。トンネルの向こうに広がる野原、無人の屋台村、アジア的な絢爛豪華さに溢れた油屋の建築、異形の神々たち、広がる海、どこへ続くか分からない1本の線路と、ごとごと走る列車。初めて見るような、それでいてどこかで見たような、不思議なイメージが次々と現れ、目を休める暇がない。それらのイメージが絡まりあって、本当にどこかに存在していそうなリアリティをもった別世界が見事に構成されている。ストーリーにも無駄がなく、観ていて弛れるところがない。千尋、ハク、釜爺、リン、湯婆婆、カオナシなどのキャラクターも魅力的。千尋はいわゆる宮崎的美少女ではないが、観ているうちに、実は宮崎駿のヒロインの中で最も魅力的なキャラクターなのではと思えてくるほどだった。神々や油屋の従業員たちの姿形や性格づけも面白い。いや本当に、非の打ちどころが見つからない。ラストが物足りないという意見もあるようだけど、あれはあれで十分でしょう。とにかくアニメーションによって語られる物語としては、ほぼ完璧の出来だと思う。僕的には宮崎駿の最高傑作と言いたい。
- 『恋愛ディストーション』2(犬上すくね)購入。
2001.09.15
- 近々、テレビを新しく買い替える予定なので、それに合わせて部屋の模様替えをした。本棚を2本移動したら、汗まみれになった。
- 昼過ぎに大学に行って、iMacにシステムを入れなおして修復。
- DVD『アラビアのロレンス』を購入。本当のT.E.ロレンスという人がどういう人物なのかは良く知らないのだけど、客観的には、現在に至るアラブの悲劇の原因を作った、イギリス帝国主義の尖兵という歴史的役割を果たしたことになるのでしょうね。本人の意図がどこにあったのかはともかくとして。映画は良い映画だったという記憶があるのだけど、いま観たらどういう感想をもつだろうか。
- LD『レナードの朝』を観る。オリバー・サックス原作で実話に基づいている。素晴らしい。臨床の経験のない(ミミズの神経の研究をしていたという)学者肌の医師セイヤーが、就職した病院で出会った原因不明、治療法も不明の脳障害の患者たち。彼らは何十年も意識を失っており、他の医師たちはサジを投げていたが、セイヤーは彼らの障害の特徴を調べ、新しい薬物治療を試み、彼らに「朝」を取り戻そうと努力する。
臨床の場にいても「研究者」の目で患者たちを見て、障害の奥にある原因を発見しようとするセイヤーの姿勢に、まずは引きつけられる。それが実際に功を奏して、患者たちが次々と目ざめていくくだりも感動的だ。その後の展開は、たぶん誰もが(ネタばれ)『アルジャーノン』を思い出すと思うんだけど、ラストは悲劇であるにもかかわらず、後味の悪さがほとんどなく、むしろ爽やかな印象を残してくれる。全編に漂うユーモアも効果的で、感動を盛り上げてくれる。傑作。
2001.09.14
- 『人生カチカチ山』(松田洋子)購入。
- iMacのHDにノートンユーティリティをかけたら、かえって調子が悪くなってしまった。鬱だ。
2001.09.13
- ずいぶん長い間更新していなかった。日記じゃなくて月記? 夏休みの宿題みたい。
- 夏休みなのに(だから?)次から次といろんな事があって仕事は忙しいし、なんか常に追い立てられているような感じで、買った本や観た映画とかはメモしてあったんだけど、文章にする余裕がなかった。
2001.09.12
- 最近あまりテレビのニュースをみていなくて、昨夜もDVDをちょっと観て、本を読みながら小島麻由美のCDを聴いて、開幕したNFL(アメフトね)をCSで観て、という具合にマターリと過ごし、今朝も、どうせ関東地方の台風の話しかしてないだろう関係ないやと思ってニュースを観ずに出勤したら、この大事件。
- どのような組織の犯行かはまだ分からないが、いかなる理由があろうと、一般市民を標的にした無差別テロは許せない。
- たとえば第二次世界大戦で日本は他国を侵略し、多くの人々を殺し傷つけた。その罪は明白であり、その行為について裁きを受け、それぞれの罪に応じて責任をとるのは当然のことと考える。しかしそのことがアメリカによる広島、長崎への原爆投下を正当化することはないと僕は考える。それと同様に、たとえばイスラエルという国がパレスチナ人に対して行使してきた暴力は許せないと思うし、イスラエルを支援してきたアメリカの罪も重いと思うが、しかしそのことが一般市民を殺戮する無差別テロを正当化することはないと考える。さらに言えばアメリカが今回の犯人を特定し、「報復」を行う場合にも、犯人以外の一般人を巻き込むような形で報復を行うことを正当化することはできないと考える。国が行ってきた行為について、その国民はそれぞれ何がしかの責任はあるとは思うが、それは死をもって償わねばならないような責任ではないはずだ。
- テレビのニュースでは今回のテロを喜ぶパレスチナ人たちの映像が流されている。パレスチナ人にもいろいろいるわけで、このようなテロは許せないと考えている者もいるはずだが(たとえばアラファトはテロを非難したと伝えられる)、マスコミで「テロを喜ぶパレスチナ人」の映像が流されることで、パレスチナ人、イスラム教徒に対するある種のイメージが我々の頭の中に形作られる。
- 市民が生活している場所が「戦場」になる。中東や東欧をはじめ、今でもそういう事態が世界のそこかしこで続いていて、アメリカ合衆国も、そこに政治的軍事的に介入を続けている。アメリカ国民は、そのことに対してどのような当事者意識をもっていたのか。銃弾と砲弾の下で暮らしている人たちについて、どれほどの想像力を持っていたのか。今回、不幸にして自分たちの国が「戦場」になるという体験をし、これによってアメリカ国民の意識はどのように変化するのだろうか。
- なんて事をいろいろ考えた。とにかく今は、泥沼の報復合戦にならないことを願う。
2001.09.11
- 小島麻由美のニューアルバム『My name is blue』購入。
- 『誰も知らない防衛庁』(佐島直子)購入。
2001.09.10
- bk1から届いた本。『マジシャン誕生』(小林恵子)。たしか黒木掲示板で、黒木さんが薦めていた本。
2001.09.09
- 劇団四季の『オペラ座の怪人』広島公演を観に行く。岡山在住の友人夫妻が観に行きたがっていたので、同居人がチケットをとって、4人で行った。ミュージカルを観るのなんて数年ぶりだけど、なかなか楽しかった。とくに休憩後の仮面舞踏会のシーンが絢爛豪華で、見ごたえがあった。個人的な好みを言うと、もう少しダンスのシーンが多ければなお良かったんだけど。
- で、その友達が広島の中古CD屋に寄りたいというので付き合って、結局自分もいろいろ買い込んでしまう。DVDが『MONTY PYTHON FLYING CIRCUS』の4巻、『女と女と井戸の中』、『JAWS』、『CUBE』。CDがサンディーの『JOGET TO THE BEAT』、『ピクチャーズ』、『ワールド・リミックス』、サンディー&サンセッツの『THE SUNSETZ IN THE '90s THE BOMB THE BASS REMIX』。LDが『アサシン』、『レナードの朝』。中古のLDはほんとに安くなっていて、普通の映画なら980円くらい、ちょっと傷があると300円以下で売っている。昔のLDの値段からすると夢のようだ。LDのジャケットって結構好きだし。まあ音は最近のDVDには敵わないだろうけど。それからVHSでスティーブ・マーチンの『2つの頭脳をもつ男』を見つけて、これも購入。これってDVD出てないよね?
- 『あずまんが大王』3(あずまきよひこ)、『RED SHADOW』(加倉井ミサイル)購入。
2001.09.08
- DVD『オースティンパワーズ』を観る。2作めの方が面白い気がする。
2001.09.07
- 『猫を背負って町を出ろ!』(大槻ケンジ)購入。
- 生協に注文していたDVD『仁義なき戦い』が届く。
2001.09.06
- DVD『初恋のきた道』を観る。チャン・ツィイーは奇跡的に可愛く、中国の風景はとても美しいが、それ以外にはあまり観るべきところはない。
2001.09.05
- 『ストーンオーシャン』8(荒木飛呂彦)購入。
- アマゾンから『The Complete Monty Python's Flying Circus All The Words』1、2が届く。
- DVD『メリーに首ったけ』を観る。下らないけど面白い。これで2500円ならお買い得。ファーヴには笑った。
2001.09.04
- アマゾンからDVD『知らなすぎた男』と、Pop-Upの絵本『The Wonderful Wizard of Oz』(Robert Sabuda)が届く。『Cookie Count』っていう素晴らしいPop-Upの絵本(飛び出す絵本ね)があって、とても気に入っているんだけど、Sabudaはその作者。アマゾンで検索したらオズの魔法使いの絵本も出しているというので、注文した。これも非常に凝った作りで、絵本だけど子供にはちょっと与えられない(笑)という、困った絵本。仕掛けは『Cookie Count』以上に手が込んでいて、素晴らしい。
2001.09.03
- 『階層化日本と教育危機』(苅谷剛彦)購入。
- ようやくシークエンスができた。トラブル多すぎ。
2001.09.02
- 同居人と映画版『カウボーイ・ビバップ』を観に行く。まあそれなりに面白いんだけど、テレビ版のいろんな要素を寄せ集めて映画を作りましたという感じで、“映画ならでは”と思えるところはほとんどなかった。冗長なところが多くて、これなら30分番組の前後編で十分だなと思ってしまった。音楽は悪くなかったが、テレビ版の音楽も少し、せめてTank! だけでも使ってくれたらうれしかったんだけど。
- サロンシネマで『チアーズ!』を観る。主人公はハイスクールのチアリーディング部キャプテンの女の子で、内容は明るいスポ根もの。単なる「応援」ではなく、それ自体がスポーツであり芸術でもあるチアリーディングの世界を描いている。ストーリーはきわめて分かりやすい、青春物の王道。音楽と、チアリーダーたちの演技が素晴らしい。
- DVD『オースティンパワーズ』、『ビッグムービー』を中古で購入。
- 『夜刀の神つかい』4(奥瀬サキ&志水アキ)、『雨太』(正木秀尚)、『ゆき子のホウレン草』(フレデリック・ボワレ)購入。
- DVD『ビッグムービー』を観る。スティーブ・マーティンとエディ・マーフィーが共演するコメディ。エディ・マーフィーはともかく、スティーブ・マーティン最高! イヌの演技にも笑った。
2001.09.01
- シーケンサが動かないとどうしようもないので、CentrisのHDをイニシャライズするのも辞さずという覚悟で復旧作業を始める。結局、自宅からごそごそと引っ張り出してきた古いNortonで修復することができて、とりあえず機械は動かせるようになった。しかし今日はゲルも用意していないし泳動はできず。来週に持ち越し。
- 『昴』6(曽田正人)、『アカギ』11(福本伸行)、『不死者あぎと』1(なるしまゆり)購入。
- DVD『ガタカ』を観る。ガタカは“GATTACA”。4つの塩基GATCからなる文字列ですね。冒頭「そう遠くない未来」というテロップが出るんだけど、この「未来」は個人の「遺伝的資質」が血の1滴や髪の毛1本から一瞬にして分析されてしまうような社会。親は産むべき子供を遺伝子によって選別するのが当然とされ、生まれてきた子供の進む道も遺伝的資質によってほとんど決まってしまう。遺伝子差別は「法的には禁止されているが、法は無力だ」というような台詞もある。主人公は、その社会の中で「遺伝的不適格者」として生まれた青年。かれは不適格者には閉ざされている、宇宙飛行士になる夢を実現するため、遺伝的エリートの青年(事故で身体が不自由になっている)の協力で適格者になりすまして飛行士養成学校に通い、自らの夢を実現していく。
実際「そう遠くない未来」にこういう遺伝子選別社会(いくぶん誇張はされてはいるにしても)が来る可能性は十分にあるわけで、極めて現代的なテーマを扱った映画である。遺伝子選別社会のグロテスクさを描き、「遺伝子」に人間の可能性を限定されてたまるか、というメッセージを伝えている。とはいえ説教くさいところは全然なく、緊迫したサスペンス溢れるエンタテイメントとして仕上がっており、楽しんで観ることができる。夢を失った遺伝的エリートの青年と、夢を追う不適格者の青年が対比され、しだいに育まれていくかれらの友情が心をうつ。
ラストに遺伝的エリートの青年は、ある選択をするのだが、個人的にはこの終わり方は納得できなかった。というか、彼がそのような選択に至る心の動きが僕にはどうにも理解し難かった。もういちど観ないといけないかな。
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