"ただいま読書中"(近況一言報告)1998年2月

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1998.02.28
『銀河英雄伝説』9巻(道原かつみ&田中芳樹)、パーム23巻『愛でなくIX』(伸たまき)を買いました。ほくほく。どちらもなかなか新刊が出ないからなあ。新刊を読む頃には前の話を忘れかけているので、思い出しながら読まないといけないという。まあそういうマンガはたくさんあるし、続いているだけ良いとも言えますが。
マンガと言えば、毎日新聞社から『みんなのマンガ ’98コミックランキング』というムックが出てました。30人ほどの「選考委員」でランキングやってるんですが、1位は『ドラゴン・ヘッド』。このマンガ、まあ面白いとは思うけど、『漂流教室』の迫力には負けるよなあ。2位が『不機嫌亭漱石』と『MONSTER』。『MONSTER』あたりが2位か(いや別につまらなくはないですが)と思うと、やっぱり今はマンガ不作なのかな、と思ってしまいます。あと、いろんな人が自分の好きなマンガをあげているコーナーがあって、菅直人が『男一匹ガキ大将』と『沈黙の艦隊』をあげていたのには笑いました。支持者の方々を不安にさせませんかねー?
『<性>のミステリー』(伏見憲明)を読了しました。感想はそのうち。


1998.02.26
というわけで、講談社ブルーバックス『生物は重力が進化させた』(西原克成)を読みました。他にしばらく前から読んでいた『竜の卵』(ロバート・L・フォワード)をようやく読了。感想は表のページに書きました。「重力進化論」の後に『竜の卵』を読了、というのも図ったわけではないけど、面白い組み合わせですね。
今は『<性>のミステリー』を読んでいるところ。そうそう、『比較サベツ論』(柴谷篤弘)も読まなきゃ。
鈴木光司の『楽園』を購入。


1998.02.25
新曜社のワードマップ『現代フランス哲学』(久米博)、『<性>のミステリー』(伏見憲明)、冬目景『黒鉄』3巻、高河ゆん『妖精事件』3巻を購入。
昨夜、科学MLなどで話題になった「重力進化論」の西原克成氏がNHKの「面白研究人生」に出演していました。「進化」したサメ(^-^)が出てきてびっくり。『生物は重力が進化させた』は一応(話のたねになるかと思って)買ってあるんですが、やっぱり読むべきかな。
くらもちふさこの『おばけたんご』を読みました。『天然コケッコー』で「おっ」と思って以来、くらもちふさこのわりと近年の作品をちょっとづつ読んでいます。昔はそうも思わなかったけど、最近のこの人の絵、良いですね。


1998.02.23
週末に『ボディ・ソシアル』(アンソニー・シノット)、『発情装置』(上野千鶴子)を読了。上野氏の本はゲイ・スタディーズの人たちとの議論を書いた部分が特に興味深く読めました。
土曜日、近所の本屋で西原理恵子『ぼくんち』3巻、曽田正人『め組の大吾』11巻を購入。日曜日は大きな本屋でカード『エンダーのゲーム』、大原まり子『タイム・リーパー』、小谷真理ら編の『サイボーグ・フェミニズム』、今市子『百鬼夜行抄』2巻、近所の本屋でこの巻だけ切れていた曽田正人『シャカリキ!』7巻を購入しました。
あと、秘密ですけど、エヴァンゲリオンのGENESIS0:11のLDを買いました。ああ、いまさらEVA…


1998.02.20
啓文社の『キャンパス・セクシュアル・ハラスメント―調査・分析・対策』(渡辺和子・女性学教育ネットワーク編著)を購入。この本、あまり一般書店で販売していないという話を聞いていたのですが、広島大の生協には(1冊だけですが)置いてありました。ほんとは僕の分を頼んで名古屋から買ってきてもらったはずなのですが、それが岡山方面で他の方に売れてしまったそうなので、更めて買いました。
他に藤田和日郎『からくりサーカス』2巻と、『広告批評』2月号に宮崎駿と養老孟司の「もののけ姫」対談が載っているのに気付いて購入。宮崎×養老とはなかなか面白そうな企画ですね、まだ読んでないけど。この号には岩井俊二×加藤典洋というのも載っています。


1998.02.19
昨日から『記号学の基礎理論』(ジョン・ディーリー)を読み始めました。まだ3章の途中ですが、テーマはなかなか面白そう。でも文章が読みにくい…。
岩井俊二の『ウォーレスの人魚』を購入。岩井俊二の映画は『Love Letter』とか『スワロウテイル』とか、結構好きなのですが、さて小説はどうでしょう。生物SFということで期待しているのですが。


1998.02.18
公私ともに色々あって、気分的にあまり本が読めない状態が続いています。卒論発表会が終わったから「公」の方は少し落ち着くかな。
日曜日に岡山の丸善で『ループ』(鈴木光司)を入手し、読み終えました。評判通りの面白さでした。『リング』〜『らせん』の流れと同様に、前作で描いた世界をいともあっさりと破壊して新しい世界に作り替えてみせてくれます。しかもその破壊度は『らせん』以上。『らせん』がカエルのmetamorphosisだとしたら『ループ』はウニのmetamorphosis並みです(ってそんなたとえが通じるんか?)。『らせん』を「ホラーからSFへのmetamorphosis」として読もうとすれば、確かに様々な破綻がありました。(それを深刻な傷と感じさせないところがエンターテイメント作家、鈴木光司のすごさなのですが。)しかし『ループ』ではそれらの破綻さえもが見事に解決されています。これを読むことで『リング』や『らせん』に感じられた違和感は、傷どころかむしろ「周到な伏線」として理解されることになります。この連作の構成は素晴しいですね。


1998.02.13
『戦闘妖精・雪風』(神林長平)を読了。これって『S-Fマガジン』でこの前やってた「オールタイムベストSF日本編」では、えーっと、12位になっているんですね。そうですか、これが12位。いや、人の好みはそれぞれですから…。


1998.02.12
修論発表会が終わってくれて一安心。まだ卒論発表会が残っていますが。
いまさらですが曽田正人の『シャカリキ!』をぼちぼち(1巻/日くらいのペースで)読んでいます(初読)。いいですねー、熱血少年マンガ。『め組の大吾』も良いですけど。

1998.02.11
なんか、うちの近辺では『ループ』がぜんぜん見当たらない。入荷しないのか、売れちゃってるのか。別に急ぎはしないので良いですけど。
今、読んでいる本は『ボディ・ソシアル』『発情装置』『戦闘妖精・雪風』、どれも半分ぐらいまで読んだところです。


1998.02.09
風邪からはほぼ回復したのですが、まだ咳が残っています。実験中に咳がでると集中力がとぎれてイヤですね。
『SCIaS』の新しい号に『科学の終焉』の書評がのっていました。少し前に出た『日経サイエンス』にも森山さんの書評が載っていましたね。『SCIaS』の評者(友清裕昭氏)はホーガンの論旨を紹介したあと、「しかし、本書に紹介されている多数の科学者の多様な発言から『科学に終焉はない』という逆の結論を引き出すこともまた、可能だと思える」と書いています。これには僕も同感です。僕も「科学が終わる」というホーガンの主張には反対ですが、そのようなホーガンの「偏向」が科学者から面白い反応を引き出す呼び水として機能していたと思います。それらの科学者の言葉を読んでどう考えるかは読者の自由なわけで、考える材料をたくさん与えてくれたという点であの本は(僕にとって)良い本でした。


1998.02.07
風邪をひいて寝込んでいました。風邪で倒れるのは久しぶりだったのですが、何もしないで部屋にいると、一日の長いこと長いこと。気が遠くなりそうでした。
休んでいる間、『現代思想としての環境問題』(佐倉統)、『ブレイン・ヴァレー』(瀬名秀明)を読了、他に、清原なつの『花図鑑2』『人造人間キカイダー』、石川賢『魔獣戦線』など、マンガをいくつか読みました。
今日は大学に出てきて、生協に注文しておいた本を受け取りました。『記号論入門』(ウンベルト・エコ)、『精神発生と科学史』(ピアジェ&ガルシア)、どちらも20%引きセールのときに注文した本です。


1998.02.03
昨夜は『らせん』を読了しました。『リング』は物語後半の盛り上がりが圧倒的でしたが、『らせん』は前半から中盤にかけて、『リング』で描かれた物語ががらがらと崩れ去って、新しい相貌に描き直されていく過程がスリリング。ホラーからSFへのメタモルフォーゼをミステリィの味付けで読ませてくれたという感じです。『ループ』はまだ入手していないのですが、早く読みたいという気持ちと、読んでしまうのが惜しいという気持ちが拮抗してます。
小山ゆう『あずみ』10巻を読む。家康を討つことに成功して、もはや戦う目的がなくなったあずみだが、敵は容赦なく刺客をさしむけてくる。刺客との戦いの繰り返しで話を続けていくことはできるだろうけど、やはり物語の中心になる大きな流れが欲しい。この巻ではまだその流れがどうなるのかは不明です。
桜多吾作『グレートマジンガー』3、4巻読了。主人公たちは敵の計略によって日本全体を敵にまわしてしまい、自衛隊と戦ったり、強盗を働いたり、挙句の果てにミサイルを奪うためにアメリカに乗り込んで米軍と戦ってしまったりするという、スゴイ展開。最後は必然性がよくわからないまま兜博士は特攻をかけるし、主人公は敵を道連れに自爆しちゃうし。話は完全に破綻してるけど、パワーはありますね。


1998.02.02
土曜日、岡山行の電車で『ブレイン・ヴァレー』(瀬名秀明)の上巻を読みました。『パラサイト・イヴ』に劣らず専門用語続出で、これがヒットするんだから、日本のエンターテイメント読者は教養水準が高いというか、がまん強いというか、大したものだと感心しました。(何に感心しているのやら。)
日曜日、「タイタニック」でも観に行こうか、ということで街に行ったら、何か昨日はたまたま「映画の日」だったらしく、映画館には長い行列が。とてもじゃないけど観られそうもないので、映画はとりやめ。古本屋に行くことにしました。
岡山には「万歩書店」という古本・古雑誌・骨董のチェーン店があります。最近は古本屋のチェーン店も増えていますが、ここはそういった並みの店とは一味違っていて、気に入っています。けっこう広めの店内に棚が迷路のようにぎゅうぎゅうに並んでいて、火事か地震になったら生きて出られないだろうなと思わせる作りなのですが、マンガも専門書も品揃えが良く、何時間いても飽きない店です。
昨日は東岡山店に行ってマンガ本などを漁っていたのですが、たまたま懐かしの『リュウ』に連載されていた、石ノ森章太郎の『幻魔大戦』(値札は1冊三百円でした)を見つけたので、他のマンガと一緒にレジへ持っていきました。ところが店員の言うことには、「石ノ森章太郎の本は今値段の付け替えをしている。この本も高くなる予定なので、今は売れない」とのこと。まあ一応既読の本だし、強い思い入れがある作品でもないし、店員と揉めてまで欲しいとも思わなかったので、引き下がりました。なにか人の死に乗じた商売しているようで、嫌な感じがしましたが、古書市場というのはそういうものなのでしょうか。作家が死んだからって、どの位、値段が上がるものなんでしょうね?『リュウ』のコミックスなんて、そんなにレアなものではないと思うのだけど。
今朝は電車で『らせん』(鈴木光司)を半分まで読みました。いやー最高です。面白すぎます。
法政大学出版局『記号学の基礎理論』(ジョン・デイリー)を購入。まだ前書きと目次をぱらぱら眺めただけですが、「物理記号過程」「植物記号過程」「動物記号過程」というような語を見ると、どうやら自然現象の中にある「記号過程」について(も)書かれた本らしいです。

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