"ただいま読書中"(近況一言報告)1998年1月

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1998.01.31
石ノ森章太郎氏が亡くなりました。
子供のころ読んだ『サイボーグ009』や『人造人間キカイダー』、そして石ノ森原作の様々なTV番組は、僕の人格形成に確実に影響を与えています。
『仮面ライダーBlack』を最後に、近年の氏の作品はフォローしていませんでしたが、つい半月程前、『変身忍者嵐』をたまたま見つけて読んだのがきっかけで、石ノ森氏の古い作品を何作か読み、あらためてその話の面白さ、テーマの深さ、絵の上手さに驚かされました。特にその映画的な躍動感にあふれた絵とコマ割りに、氏の天才を感じました。
たくさんの感動を与えてくれた石ノ森氏に感謝しつつ、ご冥福をお祈りします。

鈴木光司の『ループ』の評判が(特にSF方面で)非常に良いので、これは読まねばなるまいと思い、手始めに実はまだ読んでいなかった『リング』を昨夜から今朝にかけて読みました。寝るのを忘れるほど(寝たけど)面白くて一気に読んだのですが、これが「怖い」という評価はよく分かりません。怖いですか、これ?刻々と迫り来るタイムリミットに向けて、謎を追いかけていく、というアイリッシュ風のサスペンスにあふれていて、最後にはちゃんとどんでん返しもあり、非常に良くできた娯楽小説だとは思うけど、怖くはないなあ、僕的には。
そういえば世間的には怖いと評判だった『パラサイト・イヴ』も、どこが怖いのかよく分からなかった。強いて言えば学会発表で大学院生が突然、訳のわからないことをしゃべり始める、というシーンは怖かったかな。実際にあんなことがあったら、怖いだろうなあ、ミトコンドリアが関係しているかどうかは(笑)別にしても。
まあ良い、次は『らせん』だ。


1998.01.30
『比較サベツ論』(柴谷篤弘)、『発情装置』(上野千鶴子)を購入。
『リュウの道』(石ノ森章太郎)を読了。テーマは深く、物語は壮大。これは石ノ森における『火の鳥』ですね。絵もすばらしい。

1998.01.29
昨日購入した本:『思考と行動における言語 第四版』(S・I・ハヤカワ)、『北京大学三カ国カルチャーショック』(近藤大介)。他に生協インターネット・ショッピングで数冊注文しました。
『現代思想の冒険者たち』の『クーン』(野家啓一)を読了。『ボディ・ソシアル』を読みはじめました。


1998.01.27
昨日の夜はスーパーボウルを観ていたので、本は読めず。最後まで勝敗が分からない、面白い試合で、満足でした。ブロンコスのRunning BackのDavis はすごかったなあ。
生協では講談社『現代思想の冒険者たち』から『ウィトゲンシュタイン』『アドルノ』を購入。他には『カオスと知的情報処理』(奈良重俊ら)と、情報理論関係の教科書を2冊ほど。奈良先生はうちの学部の先生で、しばらく前に口演を聞いたら面白かったので、買いました。
『さよならダーウィニズム』読了。感想は表のページに書きました。


1998.01.26
今日はスーパーボウルの日なんですが、朝から試験監督をしないといけないので(T_T)、生中継を観ることはできませんでした。第一クォーター、ブロンコスが同点にしたところで出勤。今日は早く帰ってビデオで観よう。
広島大学生協の書籍雑誌の2割引セールでは、とりあえず、『サブカルチャー神話解体』(宮台真司ら)、『ワードマップ・フェミニズム』(江原由美子ら)、『言語を生み出す本能』(スティーブン・ピンカー)、『ボディ・ソシアル』(アンソニー・シノット)、といったところを買いました。注文でも2割引きになるそうなので、色々考えているところです。

さて、昨日は久しぶりに広島市内に行って、マンガを買い込んできました。
高橋葉介『学校怪談8』。個々の話は昔の方が怖くて面白かっったけど、この巻は夢幻紳士の魔実也くん(怪奇バージョン)がゲスト出演してるのがうれしい。
今市子『百鬼夜行抄1』。読みたいと思いつつ1巻が見当たらなかったので読んでいなかったマンガ。カラス天狗をはじめとした妖魔たちが愛らしくてGood。
永井豪&石川賢『ゲッターロボ1』。2巻が見つからず、1巻だけ読みましたが、さすが永井&石川コンビ。バイオレンス炸裂してます。そこまでやらんでも、とも思うんだけど、まあこれが持ち味ということか。
桜多吾作『グレートマジンガー2』。絵がねー、石川賢くらい上手だと、もっと読ませるんだろうけど。ストーリーは死の商人がグレートマジンガーを量産し、娘に非難されると「日本の経済のため」と大義名分を語るという、「おや、そう来ますか」という展開。
他には『人造人間キカイダー』(全6巻)を中抜けで4冊。こういう名作を昔のままできちんと出し続けている秋田書店は偉いよね。あと『リュウの道』の4、5巻を買いました。これらはまだ読んでません。
買っておいた『原始少年リュウ』(文庫版全2巻)と『番長惑星』(同3巻)を読了。『番長惑星』って、最初のパラレルワールドの設定とか、すごく魅力的なんですよね。我々の世界と同じようで少し違う、悪夢的な世界、というのはウルトラセブンの「第四惑星の悪夢」とかNHKの「少年ドラマシリーズ」のSF作品のいくつかと共通するテイストを持っていて、子供心にずしんとくるものがあったと思います。でも後半になると、そのせっかくの設定が単なる「解決されるべき謎」でしかなくなって、舞台設定として面白く機能しなくなってしまう。それが不満でした。
グイン・サーガ59巻『覇王の道』を読了して、日曜日はおしまい。


1998.01.24
グイン・サーガ59巻『覇王の道』は今朝入手できました。表紙は…えっと、ヴァレリウスですか、これ?ちょっと男前すぎるような気が…>末弥版ヴァレリウス。次は外伝『鬼面の塔』が3月、本編『ガルムの報酬』が4月ですか。ここのところハイペースですね、ほくほく。末弥効果でしょうか。
広島大学生協では26日から28日まで書籍雑誌の2割引(!)セールをやるそうなので、高価な本はそれまで買い控えです。何を買おうかなー、と今から目星をつけているところ。
よしもとよしともの手に入りにくい古い作品と単行本になっていない新作を集めた『Greatest Hits+3』を読みました。『日刊吉本良明』は持っているんだけど、「東京防衛軍」を読むのは初めて。新旧並べて読むと、昔の作品のほうが面白いなあ、とか思ってしまうのが、ちょっとアレです。
夜、NHKの「未来潮流」に、『進化論の挑戦』の佐倉統さんが「遺伝子」というテーマで出演。『パラサイト・イヴ』の瀬名秀明氏、『Selfish Gene』のドーキンス、『眠れる遺伝子進化論』の四方哲也氏などにインタビューするという構成で70分。『パラサイト・イヴ』を映画の映像を使ってとりあげたことには不満を感じました。「遺伝子=怪しい」というイメージを助長するだけでは?それにあの話って、「ミトコンドリア遺伝子」じゃなくて「ミトコンドリア」が反乱する話だと思うんだけど。四方さんに対しては佐倉さんがダーウィニストの立場でもっと突っ込んでくれるかなと思ったけど、それがなくて残念。あと、最後にアポトーシスの話があったんだけど、アポトーシスを我々が普通にイメージする個体の「死」とどれくらい関係づけて考えて良いのかというのは、いつも疑問に思います。この「死」という言葉とか、四方さんのインタビューで出てきた「競争」という言葉とか、科学で使われる語に日常語のイメージをそのままくっつけて議論して、果たして良いものかどうか。気になります。と、気になるところは多々あれど、森山さんも日記で書いていたように、本でしか知らない人がどういう人か分かるのが、収穫でしょうか。佐倉さんと瀬名さんは想像通りだったなあ(^^)。


1998.01.23
今月は岩波新書が9冊も出たんですね。とりあえず『日本語ウォッチング』『生命と地球の歴史』を買いました。前者は「方言」の変化に詳しく触れていて、面白そう。
『リュウの道』『原始少年リュウ』のそれぞれ1巻を読みました。石森章太郎って、絵が上手いなーとあらためて感心。絵そのものも、コマ割や構図も。作品にぐいっと引きずり込んで読ませる力をもっていますね。
いま新刊棚を見ていたら、グイン・サーガの新刊『覇王の道』が出ているようです。西条ではまだ見かけていませんが。
『生物系統学』(三中信宏)をようやく読了しました。結局1ヵ月かかったなあ。詳しい感想はそのうち表のページに書きます。
NHK BOOKSから出た新刊『植物のたどってきた道』(西田治文)を見つけて買いました。以前から植物の進化史を分かりやすく書いた本を読みたかったので、好都合。植物のこと全然知らないもんなー。そのうち読みたいと思います。でも『生物系統学』読中にたまった本を、まずある程度、何とかしないと。


1998.01.22
稲葉さんのお薦めで『グレートマジンガー』(桜多吾作、双葉社)を読みました。ただし近所の本屋には2巻が無かった(3、4巻はあった)のでとりあえず1巻のみ。2巻を探しに行かなくては。
『変身忍者嵐』のおかげで石ノ森モード持続中で、『リュウの道』『原始少年リュウ』『番長惑星』(文庫版)のそれぞれ1巻を買いました。こっちはまだ読んでません。
他には、買ったまま未読だった『花図鑑』(清原なつの)1巻を読みました。この人のマンガ、久しぶりに読んだけど、とぼけた味わいが良いですね。


1998.01.20
石ノ森章太郎『変身忍者嵐』(全2巻、大都社)を読みました。主人公が敵の組織と戦っていく中で、…(ネタバレ1)…という何とも救いの無いお話。ラストのオチがちょっと唐突過ぎるけど、悲劇好きの人には良いかも。
石森作品では『サイボーグ009』はもちろんだけど、僕的には『人造人間キカイダー』がすごく印象に残っています。人に道具として作られた「機械」が心をもつとどうなるか、というお話。そういえば、学校の宿題の作文で『キカイダー』のことを書いた覚えがあるな。石森さんはこういう暗いトーンの話が、すごく上手かった。影響を受けた子供も多かったはず。


1998.01.19
17日はセンター試験の監督で疲労こんぱいでした。夜は電車で(時々居眠りしながら)中島義道『カントの人間学』を読了。あまり関係ないけど、『科学の終焉』の著者ホーガンを「芸能レポーター」と言った秀逸な評を思い出しました。この本も、カントが読んだら怒るだろうね、でも面白い。
18日は友達夫婦(新婚)の家でごろごろしながら、友達夫婦が最近はまっているという『サザエさん』を読みました。いしいひさいちもすごいが、長谷川町子もやはりすごい人でした、と再認識。『フジ三太郎』は大嫌いだったけどね。他には『静粛に、天才只今勉強中!』の続きなども読みました(倉田江美じゃなくて倉多江美でしたね、すみません(>16日参照))。
SCIaS最新号では、巻頭に世界各地で起こっているカエルの絶滅、奇形の多発に関する記事が。日本でもしばらく前に、北九州市で奇形ガエルが大量に見つかってニュースになったけど、世界的に同様なカエル問題が起こっているらしい。原因が何なのか、気になります。


1998.01.16
今は『生物系統学』(三中信宏)を苦労して読んでます。面白いけど、なかなか進まない…。他には『ブレイン・ヴァレー』(瀬名秀明)とか、『未来世界の倫理』(グラバー)とか、「現代思想の冒険者たち」の『クーン』(野家啓一)とかを読中(←いしいひさいちのマンガが良い)。同シリーズの『ドゥルーズ』(篠原資明)は挫折しそう…。
昨日はマンガを色々読みました。小山ゆうの『あずみ』(←傑作!)9巻、あとたしかヤングサンデー連載の『アガペイズ』とかいうマンガの単行本を読みました。(これ結構、笑いのツボにはまりました。)あとは島本和彦の『レッド・カード』とか、倉田江美などを、ぱらぱらと。


注意! <ネタばれ・コーナー>
<ネタばれ1>
…疑似的な母殺し、恋人殺し、兄弟殺しを余儀なくされ、最後に敵の首領を倒してみたら、それは実の父だった…
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