"ただいま読書中"(近況一言報告)
1998年12月
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1998.12.31
- 初売りの新聞広告を眺めていたら、「どこよりも早く、31日から初売を始めています」とかいう広告があって、笑った。恐るべし、仙台の初売り。
- 午後、蒲生の干潟に鳥を見にいく。風が強く、寒い。いちばん良く見えたのはハマシギ。あとは遠目にサギ(種不明)が見えた。
- 僕の実家がある多賀城の隣に塩竈という街がある。ここは良い漁港で、寿司屋がたくさんある(どうでも良いが「寿司屋の密度日本一」らしい)。そのせいかどうか、実家では大晦日には蕎麦ならぬ寿司を食うという習慣があり、今年もあっちゃんの知り合いの旨い寿司屋で握ってもらった寿司で年越しをする。
- 実家のマックで麻雀をやっていると、すぐ横のテレビで「紅白歌合戦」をやっていたので、見るとはなしに聞いていた。出演者の人選や選曲がどうこうという話もあるが、歌の部分はまあ良いとしましょう。西条秀樹の「傷だらけのローラ」には思わず口元がゆるんでしまったことも白状しましょう。しかし「紅」がどうとか「白」がどうとかいう「合戦」部分のつまらなさ加減というのは、ほんと、どうにかならないのか。つまらないを通り越して苦痛(観なけりゃいいんだけどね)。正味の話、あれを楽しんでいる人が一体どれだけいるの?
- 初日の出を見に行こうということになったので、早々に休むことにする。
1998.12.30
- 30、31日の分は、年が開けてから更新しています。
- 昨夜は岡山で友達と飲んで(「岩手川」という店。岩手にこういう名前の酒があるけど、なにか関係があるのかな?「銀河高原ビール」も置いてあったが、種類は1種類のみ)、岡山に泊まる。
- 『ソリトンの悪魔』を読了。
- 朝、(駐車場が混むと予想されたため)早めに岡山空港へ行き、年賀状をポストに入れ、朝食兼昼食をとった後、仙台行きの便に乗る。僕は飛行機から地上を見るのが好きで、国内線の飛行時間くらいなら飛んでいる間中見ていても飽きないのだけど、今回は雲が多くてちょっと残念。
- 仙台空港についたら、小雪がちらついていた。
- 仙台駅前のジュンク堂をのぞいたり、エスパル(駅隣のビル)で買い物(ハヤカワから出た『山椒魚戦争』の新訳を購入)したりしているうちに夕方になったので、仙石線で多賀城へ。
- 家に帰ると、あっちゃんがブリをおろしていた。あっちゃんというのは僕の妹の夫(7月に結婚)で、職業は板前さん。刺身とかま焼きを美味しくいただいた。あっちゃんに付き合って、ビールと一ノ蔵をしこたま飲んで、エタノール沈没。
1998.12.29
- シークエンス(註:DNAの配列を決める実験)が無事(でもないけど一応)終わったので、休みに入ります。正月は実家(宮城県多賀城市)に帰省。この日記(?)は来年も続けるつもりなので、広島に戻ったら更新します。
- 一年間、いろいろお世話になりました。よいお年を>All。
1998.12.28
- 今日シークエンスをして、明日結果を見たら、今年の実験は終わり(のはず)。
- 近所の研究室の卒業生でカナダの大学院に行った子が一時帰国して立ち寄ってくれて、お土産にお菓子をもらう。彼女は最近、向こうでの指導教官を変えたので、前のボスの話などを少し聞いたりする。どこも大変みたい。
1998.12.27
- 年賀状をデザインする。
- プリントアウトしながら『ダイターン3』を観る。
- このまえ録画しておいた『ミツバチのささやき』を観る。みるのは4回目くらい。誰もが言うことだけど、この映画でのアナ・トレントの可愛らしさは奇跡的。スペインの乾いた風景も良い。
- 『ソリトンの悪魔』を400ページほど読む。『二重螺旋の悪魔』の方が(ばかばかしくて笑えて)好みだけど、こちらも十分面白い。
1998.12.26
- 大掃除。
- 研究室の学生さんたちが、借りていたマンガを返しに来て、別のマンガを借りていく。今までにのべで40册くらい貸してあげてると思うのだけど、人気が高かったのは魚喃キリコ(とくに『ハルチン』)。あとは人によって好みが分かれるみたいだけど、南Q太とか岡崎京子あたりかな。
- 『ダイターン3』のLDを数話分観る。
1998.12.25
- 田中啓文『水霊 ミズチ』購入。
- 生協ではずっと見つからなかった『インタヴューズ』(クリストファー・シルヴェスター編)を今日ようやく見つけて、Iの「マルクスからヒトラーまで」を購入。
- 『広辞苑第4版』のCD-ROM版を購入。iMacにインストール。
- 明日は研究室の大掃除。
1998.12.24
- 森博嗣と瀬名秀明の対談が載っているというので、『IN・POCKET』の12月号を買って読む。「落とさないのがオチだと思っている」「既存の型じゃない、別のものを書きたいと思っている」「理系の人は小説の約束事をキャンセルできる」という森氏の言葉に、なるほどと思う。森氏の短編やショート・ショートはまさにこれだよね。さらに森氏の「一部のミステリィ・マニアは決まったものを求めていて意外なものを求めていない」という言葉に対して、瀬名氏が「SFファンも、そういうところがあるのかもしれない。現実認識が揺らぐのが面白いと言いながらも、そのゆらぎ方に一定の法則性がないとSFじゃないと思ってしまう」と返している。当然、『パラサイト・イヴ』がSFファン(の一部)から「あれはSFじゃない」と言われたことを念頭においているのだろう。瀬名氏のこだわりが垣間見えて面白い。
まあ実際のところ、いま面白い(かつ売れている)のはそういうジャンルの定型小説よりも、「SF」とか「ホラー」とか「本格ミステリ」とか「ファンタジー」とかいう既製の型を越えるような小説なわけで(ファンタジーノベルズ大賞とかホラー大賞なんかの受賞作はそういうのが多いよね)、「SFじゃない」とかいう話をきいても、僕なんかは「そうですか?」ぐらいにしか感じない。「面白いかつまらないか」には興味があるけど。
そういえば「日本SF新人賞」というのが始まるらしいけど、どういう小説が入賞するのか、そういう意味では楽しみではある。
- 文庫になった『黒い家』(貴志祐介)購入。
1998.12.23
- 中筋のフタバ図書で買い物。『TALKING LOFT』vol.2、『ポーの一族』『秋日子かく語りき』『pink』特集の『マンガ夜話』vol.2。オバタカズユキ『だから女は大変だ』は30歳前後の「フツウの女性」たちへのインタヴュー。グインサーガの新刊とホーガンの『造物主の掟』の続編は発売が1月に延期になったらしい。
- マンガは新刊を中心に。『ゆらゆら』(南Q太)、『小人たちが騒ぐので』(川原泉)、『運び屋ケン』2巻(深谷陽)、『やもめスケッチ』1巻(入江紀子)、『イーグル』3巻(かわぐちかいじ)、『エロイカより愛をこめて』24巻(青池保子)、永野のりこを2冊『電波オデッセイ』3巻と『ちいさなのんちゃん』。
- 年賀状の素材集を買う。というか、豊富なウサギのイラストは年賀状に限らずいろいろ使えそうでうれしい。良いよね、うさぎ。
- ソフマップでプリンタ(ALPS)のインクカセットを買う。
- DeoDeoで『ダイターン3』のLDメモリアルボックスpart2を購入。生協に注文したら「入荷しない」と言われて、探していたのだ。いざとなったら帰省先(仙台の近く)から帰る途中に秋葉原に寄って買って帰ろうかと思っていたのだが、これで一安心。
- 大学に戻って実験。というか明日の実験が明日中に終わるように準備をする。
1998.12.22
- 『あずみ』13巻(小山ゆう)、『地雷震』16巻(高橋ツトム)、『東京大学物語』24巻(江川達也)購入。
- テキヤの話に興味があったので『新・ヤクザという生き方』(朝倉喬司ほか)を購入。PHP新書から池田清彦の新刊『科学とオカルト』が出ていたので購入。
- 理学部の生物関係の若いスタッフの皆さんと飲み会。7時から10人くらいで飲みはじめ、途中増えたり減ったりしながら、結局3次会の居酒屋(酔虎伝)が閉まる2時まで飲んでいたのが7人。初めて会った人たちが多かったけど、なかなか楽しかった。
1998.12.21
- 『ヒトはいつから人間になったか』(リチャード・リーキー)購入。遺伝研の野田さんの裏掲示板でやってる遊びの参考書として。
- 岩波文庫からアリストテレスの『動物誌』上巻が出ていたので購入。ぱらぱらと眺めてみただけでも、アリストテレスの博学ぶりと観察力に驚かされる。
1998.12.20
- 朝起きて、甲子園ボウルのビデオを観る。去年の関学VS法政もすごい試合だったけど、今年も最後まで結果の見えない好ゲーム。立命館が良いドライブをしていて、観ていて気持ち良かった。法政のファンはストレスがたまったと思うけど。
- 前に買って放置していた『ブギーポップは笑わない』(上遠野浩平)を読了。雰囲気は好みだけど、これだけのキャラクターたちをこの紙幅で書くと、さすがに各キャラクターの書き込みは不足しているように感じてしまう。まあ、シリーズということなので、これから書き込まれていくのかも。次に期待。
1998.12.19
- 忘年会。学生さんたちがおでんと寄せ鍋とキムチ鍋を用意してくれて、先生方からは良いお酒も提供されて、楽しく飲んでいるうちに6時間。大学で飲むと時間がすぐ過ぎてしまう。
- 今日は甲子園ボウルの日だ。
1998.12.18
- 文庫化された『ソリトンの悪魔』(梅原克文)購入。
- 文春新書『戦争学』(松村劭)購入。
- 『YASHA 夜叉』5巻(吉田秋生)、『銀河英雄伝説』10巻(田中芳樹/道原かつみ)、『羊のうた』3巻(冬目景)、『天上天下』2巻(大暮維人)購入。
1998.12.17
- 生命系の忘年会があった。
総合科学部の学部教育システムは複雑で、現在、文系、理系あわせて8つの「コース」に別れている。そのなかに「物質生命科学コース」と「生体行動科学コース」というのがあって、「物質生命科学コース」には物理、化学、生物などの分野が、「生体行動科学コース」には生物、心理、健康、などの分野が含まれる。両コースの中で生命科学関連の講義・実習・研究に関係している教官、学生、院生がおおまかに言って「生命系」に含まれるが、必ずしも制度上の厳密な区分があるわけではない。そういう半公式的な位置にあるグループなんだけど、学部・大学院教育の実質上は強いまとまりがある。これだけでも十分わかりにくいが、さらにこれとは別に教養的教育(昔で言う一般教育)を担うグループとして「生物系」「化学系」といったようなまとまりがあり、「物質生命科学コース」「生体行動科学コース」「自然環境コース」の教官(の一部)がここに所属している。というわけで、たとえば僕なら「物質生命科学コース」「生命系」「生物系」にそれぞれ所属しているわけだ(ちなみにこれらとは別に「講座」という枠組みもあって、僕は「情報行動基礎研究」という大講座に所属していることになっている)。何が言いたいかというと、そういうわけで年末は、色んな枠組みでの忘年会とか飲み会が多い、という話なのでした。今年は「生物系」の忘年会はなかったけど、土曜日は周りの3研究室合同の忘年会で、来週は理学部の方の若い先生たちとの忘年会というのがあるのだ。
1998.12.16
- 今日も学生実習。
- 群ようこ&西原理恵子の『鳥頭対談』購入。群ようこは別にどうでも良いんだけど、サイバラの身の上話とかは面白そうだったので。
- 宮台真司『これが答だ!』購入。しかし中味はともかくとして、あの写真はキモチワルイなあ。
- 『カサブランカ革命 ―百合小説の誘惑―』購入。大原まりこ、ひかわ玲子など女性作家による短編小説集なんだけど、『ハンサム・ウーマン』に引き続き、明智抄が小説を書いている。表紙は道原かつみ。
- 小島麻由美のマキシシングル『真夜中のパーティー』を買う。
- 夜に『鳥頭対談』を読了。やっぱり群ようこってどこが面白いのかよくわからない。
1998.12.15
1998.12.14
- 『このミステリーがすごい!』99年版購入。唐沢なをきのマンガ目当て。
- 『Quick Japan』22号購入。
- 『め組の大吾』15巻(曽田正人)購入。相変わらず熱くて良い。
- 石坂啓『アイ’ムホーム』上巻を買う。考えてみると石坂啓を買って読むのって、ものすごく久しぶりのような気がするなあ。もしかして『エルフ』以来か(笑)?雑誌で読んだり借りて読んだりはしているんだけど。
- 桐野夏生『顔に降りかかる雨』購入。
1998.12.13
- 広島市内に買い物に行く。東急ハンズで温度計、湿度計、気圧計のついた「気象計」を購入。他にカーミットのカレンダーや月の満ち欠けカレンダーなどを買う。
1998.12.12
- カウボーイ・ビバップの録画に失敗。いま使ってるビデオデッキはBSチューナ内蔵型なんだけど、電源を入れてすぐだとBSがうまく映らないことがあって、何度か悔しい思いをしている。そろそろ買い替えるべきなのかな……。
1998.12.11
- 『人生の教科書 [よのなか]』(藤原和博、宮台真司)購入。
- 夜、学生さんたちに誘われて居酒屋で飲む。
1998.12.10
- 『はちみつバイブレーション』(北原みのり)読了。
- ちくま文庫『平行植物』(レオ・レオーニ)購入。
- グドウィンの本が面白い。
- さしたる理由はないのに、何となく追い立てられるような落ち着かない気分。師走だから?というのも紋切型で。
1998.12.09
- 細々と読んでいたエルドリッジの『ウルトラ・ダーウィニストたちへ ―古生物学者から見た進化論―』をようやく読了。種選別に関する議論などは面白く、参考になるのだけど、論争としての面白さ(興奮度?)は今一つかな、という気がする。著者の言う「ウルトラ・ダーウィニスト」と「ナチュラリスト」の対立は、当事者にとってはとても重要な論点だというのは理解できるが、進化をめぐる研究・方法論・見解の全体の広がりの中でいえば、それほど大きな対立ではないように思えるので。
- というわけで、エルドリッジの本にもちょっとだけ登場したグドウィンの"How the Leopard Changed Its Spots"の邦訳を読みはじめる。
- 『動画王』vol.7購入。「キャラクターデザイン特集」ということで、インタビュー中心の誌面。大塚康生、九里一平、杉野昭夫、安彦良和、高田明美、などなど。九里氏が語るタツノコの歴史、安彦氏の「ヤマト」やサンライズの話など、それなりに面白い。
1998.12.08
- 『サイアス』の月刊化第一号(1月号)が出ていたので買ったが、しかし、あの最悪なセンスの表紙は一体なに?
- 毎日新聞教育取材班『大学に「明日」はあるか』を買って、ほぼ読了。「大学改革」に関連して各地の大学で始まっている試みを紹介している後半部は、それなりに参考になる。
ところで、我々の大学・学部でも現在カリキュラムの「改革」が話し合われているのだけど、いつも感じるのは、教官の側の都合(もう少し品の良い言い方をすれば「学問観」)ばかりで話が進んでいるなあ、という事。学生がどういう興味や意欲をもって大学に入ってきているのかということが、あまり考慮されているように思えない。特にうちのような「総合」をうたう学部では、学生の興味・意欲も多様なはずなのに、それを教員の側で「型にはめ」てしまうような方向で話が進んでいるように思える。教員の意見をまとめるだけでも大変で余裕が無いというのもあるのだろうけど、学生の意欲を信頼できない学生不信(学生は楽をしたがる、学生は流行に流されやすいetc.)にも根深いものがあるのだろう。そういう学生が多いのは事実だとしても、学生がそのように流れてしまうことに関する教員の責任というのも、あるはずなのだけど。
- 『アガペイズ』4巻(山田玲司)、『モザイク』2巻(山口かつみ)購入。
1998.12.07
1998.12.06
- ラグビーの明治VS早稲田の試合をテレビで観る。明治の方がずっと強いのかなと思っていたら、けっこう良い勝負だった。
- アメリカンフットボールの関東大学リーグ決勝は法政が日大に勝ったらしい。ここのところ、甲子園ボウルには法政しか出ていないので、たまには他のチームも観てみたいのだけど。
- 『死神の惑星』1巻(明智抄)、『関係筋』1巻(中川いさみ)を購入。
- つれあいと一緒に『カウボーイ・ビバップ』のサントラと、session#0というLDを買う。
1998.12.05
- the brilliant greenの『the brilliant green』とMy LIttle Loverの『The Waters』を買う。
- グールドの『人間の測りまちがい』増補改訂版が出ていたので購入。例の『ベル・カーブ』に対する批判などが増補されている。
1998.12.04
- サイコドクター風野さんの日記(12月1日)で「お薦めです」と書かれていた『心はどこへ行こうとしているか』を購入。大澤真幸、町澤静夫、香山リカの対談。
- 『BASTARD』(萩原一至)20巻購入。
- セミナーの論文紹介の担当になっていたので、カエルの内胚葉、中胚葉形成に関係するVegTという転写因子の話をする。しかしこの辺の話も調べれば調べるほど複雑になっていくような気がするな。
- 物質生命科学コースの親睦会(飲み会)があったので、出席。醸造研究所から同じ酵母を使用して5種類の水(蒸留水、水道水、灘の水など)から作ったというビールが提供されて、利きビールが行われた。たしかにそれぞれ味は違うのだけど、どれが美味しいかといわれると、よく分からない。ちなみにこのビール、総合科学部の「総合科目」の授業で醸造研究所の方に講義をしに来ていただいた時に、学生さんたちにも利きビールをしてもらい、味を評価してもらったということだ。
- 親睦会の片づけが終わって研究室にいたら、うちの学生さんにPHSで呼び出されて、居酒屋で飲みなおすことに。
- 帰ってカウボーイ・ビバップを観る。
1998.12.03
- 岩波の『新・哲学講義7・自由・権力・ユートピア』(井上達夫ら)を購入。
1998.12.02
- 『ムカデ戦旗』4巻(森秀樹)、『ドウブツマンガ』(しりあがり寿)購入。
1998.12.01
- 『遺伝子発見伝』(R・J・デュボス)購入。DNAが遺伝子の本体であるという発見をした科学者、エイブリーを描いた本。
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