"ただいま読書中"(近況一言報告)1998年6月

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1998.06.30
『子供の大科学』(串間努)購入。この本、去年の10月に出てたらしいんだけど、気付かなかった。不覚。僕らの世代のノスタルジーをくすぐる品々が満載。学研の「マイキット」とかトランシーバとか「地球ゴマ」とか。「マイキット」や「電子ブロック」は、いま見てもかっこ良いよなあ。
『「坊ちゃん」の時代』(関川夏央&谷口ジロー)購入。


1998.06.29
『噂の真相』別冊『日本の文化人』、学研「最新科学論シリーズ」の『科学「大仮説」』購入。
『CUTiE Comic』は月刊誌として創刊だそうです。桜沢エリカ、安野モヨコ、南Q太、魚喃キリコ、冬野さほ、なんて、いかにもな執筆陣をとりそろえて。とりあえずご祝儀で買いました。他に、吉田秋生『YASHA』4巻を購入。


1998.06.28
読みかけの本を4冊片付ける。『今西進化論批判の旅』、『哲学の道場』、『爆笑問題のピープル』、『夢魔の四つの扉』。
夕方、食材を買いに行ったついでに、『もののけ姫』のLDを買う。
前回は見逃したのだが、今夜は忘れず、NHKスペシャル「海」を観る。深海の動物たちの映像が素晴しい。オタマボヤの巣づくりやコウモリダコの映像に感動する。何に分類されるのかよく分からない動物(なんかロケットのような形をしたやつ)もいて、興味深い。なかでも特に面白かったのは長い長いクダクラゲの映像。こいつらはヒドロ虫類の群体性のクラゲなんだけど、長く列をなして連なった群体の各個虫が、その位置に応じて分業し、あたかも1つの個体であるかのようにふるまう。もし個虫の個体性がさらに失われていけば、これはもう「体節」だよね。
まったくの余談だけど、単細胞の生物から多細胞動物がどのようにして進化してきたのか、という問題について、大きくいって2つの説がある。1つはヘッケルなどが考えた単細胞生物の群体から多細胞生物が生じてきた、という説(ボルボックスのような祖先を想像すれば良い)。もう1つはハッジらが考えた多核の単細胞生物から多細胞生物が生じてきた、という説(多核の原生生物であるオパリナのような祖先を想像すれば良い)。これとのアナロジーで、多細胞生物に見られる繰り返し構造、たとえば体節のような構造がどのように出来てきたか考えると、1つの生物の体が分節化していったという(ハッジ的)考え方以外にも、クダクラゲ的な群体が個体性を失って繰り返し構造が出来てきたという(ヘッケル的)考え方も有り得るよね。まあどっちかに賭けろと言われたら、僕は「分節化」の方に賭けるけど :-)。
いま書いたのはいいかげんな話だけど、ちゃんとした参考文献は『動物の起源論』(西村三郎)と『科学』1997年9月号の和田君の論文『動物の繰り返し構造の進化』ということで。興味のある方はそちらをどうぞ。


1998.06.27
デビルマンBOX『ARK』、結局予約してしまった。
NHK人間大学のテキスト『宇宙を空想してきた人々』(野田昌宏)購入。
大学でフリー・マーケットが開かれていたので、冷やかしにいく。チョコボールの「おもちゃのかんづめ」に1000円という値段がついていて、迷ったんだけど、結局買わず。100円で売っていたタイのカレーペーストを3種類ほど買った。


1998.06.26
ご多分に漏れずサッカーワールドカップ・日本対ジャマイカの試合を観戦。結果は2対1でジャマイカの勝ち。でも、2点取られた時はもうダメかと思ったけど、1点取り返してさらにもう1点を追う、という展開はなかなかに手に汗握る追撃戦という感じで、試合のプロセスとしてはけっこう面白かった。日本のチャンスも結構あったし、見せ場もあった。勝つことが全て、という考え方もあるが、僕としてはつまらない勝ち試合よりは面白い負け試合の方を観たい。(もちろん面白い勝ち試合が一番良いんだけど。)そういう意味で、世界の強豪相手に「面白いゲーム」を展開するには、日本はまだまだ力不足なわけだから、もっと強くなって欲しい、とは思う。強くなって、(結果として勝っても負けても良いから)何十年も語り継がれるようなゲームを見せてほしい。


1998.06.25
岩波ブックレット『知を創造する―新世紀の大学とは―』(佐藤文隆編)購入。


1998.06.24
岩波新書の新刊『味と香りの話』。味覚、嗅覚の生理学の最近の話題も含まれていて、面白そう。
『VOW10』は相変わらずVOW。
『鳩よ!』7月号は「ドラえもん」特集。瀬名秀明氏がドラえもんを熱く語っている。
『文理シナジーの発想』、半分までざっと読んだけど、つまらない。


1998.06.23
近田春夫『考えるヒット』。歌謡曲や「Jポップ」の分析。Bonnie PinkUAEllieと合わせて「3人娘」かあ。うーむ(^^;。
ちくま新書の新刊『哲学の道場』(中島義道)。ここのところ、永井均か中島義道かっていうくらい、すごい勢いで著作を出している気がする。新書で出してくれるのは有難い。
丸善ライブラリーの新刊『文理シナジーの発想』(高辻正基)。文系と理系の総合、ということなら、もう何十年も前から言われている(うちの総合科学部も創立20年以上だし)。より具体的に、どういう形で共同作業をしていくか、ということが問題。この本はそこのところをきちんと提案しているだろうか?(まだ読んでいない。)
講談社現代新書の新刊『哲学の最前線』(冨田恭彦)。この方も最近たくさん本を出しているね。ぱらぱらめくると、「柏木達彦」で見た名前が散見される。まずは『秋物語』を読んでしまわないと。
『WIRED』8月号を見たら、明和電機が「Dr.中松」と異色対談している(^^;。
さあ、帰ってスガシカオのニューアルバムを聴こう!


1998.06.22
夜たまたまテレビを観てたら、NHKのETV特集で性自認の話をしていた。森岡正博が案内役。出演者の話は面白かったが、森岡ページによれば、もっとディープな話もあったが放送されなかったのだとか。惜しい。


1998.06.21
Iさん宅で赤ちゃんと遊んだりしながら午前中を過ごし、午後からは岡山の街で買い物。
買ったマンガ:森川ジョージ『はじめの一歩』43巻、曽田正人『め組の大吾』13巻、北埼拓『なぎさMe公認』10巻、福本伸行『アカギ』6、7巻。いしいひさいち『新・忍者無芸帖』、あと、高口里純が一枚かんでる、何かよく分からない『ルパン三世』
買った本:「異形コレクション」の『ラブ・フリーク』『悪魔の発明』


1998.06.20
『美術手帖』7月号、特集「動物とアート」購入。表紙のブタのスライス(笑)がイカしてる。

1ヵ月半ぶりに岡山へ行く。春までは毎週のように通っていたから、これだけ間が開くとずいぶん久しぶりのような気がする。
岡山には色々と思い出(というには現在進行形だけど)があって、すでに僕のホームタウンの1つだと思っている。
ちなみに僕の文字どおりの故郷は宮城県多賀城市周辺(仙台、塩釜など)。ここで生まれて子供時代をすごした。
第二の故郷は古川市周辺(宮城県北)。小学5年から高校時代のいわゆる思春期をすごした(人生の恥の半分ぐらいはここでかいていると思われる)。
第三が京都で、大学、大学院の9年間を過ごした。京都は学生が生活するのには、ほんと、良い街だった。もう1回大学生をやるとしたら(やりたくないけど)やっぱり京都が良いな。
それほど長くいたわけではないが(それでもトータルしたら1年は超えると思うが)、とても愛着がある土地が、院生時代に実験に通っていた青森、特に浅虫。ここで実験をし、色んな生き物を見、色んな人と会って話をしたことで、今の僕があると思っている。
第五に西条(東広島市)。いま住んでいる土地だ。西条は酒どころという他にはとりたてて特色のある土地ではないが(酒があれば十分という話もあるが)、研究室まで歩いて2000歩(ほんとにほぼきっちり2000歩だった)の職住一致の今の生活はなかなか快適だ。
そして第六が岡山。岡山には住んだことはなく、週末に通うだけだったけど、けっこうあちこち遊びまわって、広島の街よりはずっと親しんでいる。現在は以前ほど頻繁に行き来してないけど、今回のようにご無沙汰していると、行きたくなってくる。僕のつれあいは岡山生まれで、岡山を悪し様に言うことが多いけど、僕はけっこう好きである。

岡山へ行く電車の中で、先週古本屋で買った『今西進化論批判の旅』(L・B・ホールステッド)を読む。今西進化論に関してよりも、その周辺の「京都エリート」に関する分析や、その対極にいる井尻正二を始めとする地団研に関する分析などが、非常に面白い。
さて、今回、岡山に行ったのは、来月から外国留学に行くIさん一家の壮行会(?)のため。Iさんたちの行きつけの喫茶店のマスターが手打ちパスタをふるまってくれるというイベントがあって、それによんでいただいた。パスタはトマトソースとクリームソースの2種類で、大変おいしかった。いつか自分でも打ってみたいものだ。同席した何人かの方と知り合いになって、漫画家(イラストレータ?)の卵のSさんからは「現代少女」というFREE PAPERをいただいた。ありがとう。


1998.06.19
今日も実習。
『複雑系入門』(井庭崇、福原義久)購入。著者は慶応の修士の学生だそうです。
夜、たまたまテレビ(BS)をつけたら、BOφWYのライブを放送していた。なつかしい。久しぶりに聴きたくなった。最近ベスト盤がでたんだっけ?買おうかなあ。


1998.06.18
3年生の実習、3回目。
馳星周の原作を山本貴嗣がマンガ化した『不夜城』購入。僕のイメージでは健一はあんなに格好良くないし、小蓮はあんなに可愛らしくないんだけどな。
『曽田正人作品集 Fire and Forget』購入。表題作は『め組の大吾』の原形らしい。


1998.06.17
生協で大学出版会の出版物15%引きフェアをやっていたので、東海大学出版会の『貝のミラクル』(奥谷喬司編著)を購入。
『動画王』vol5は「メカデザイン特集」。大河原邦男とカトキハジメのロングインタビュー、スタジオぬえ、他。


1998.06.16
小島麻由美の3rdアルバム『さよならセシル』を購入。待望のニュー・アルバム。小島の手によるジャケットの絵も、あいかわらずイカしてる。家に帰ってじっくり聴こう。ほくほく。
今月は買いたいCDが多いな。スガシカオのニュー・アルバムもでるし。
『笑えるコンピュータ』(デイヴ・バリー)購入。


1998.06.15
グイン・サーガ外伝『夢魔の四つの扉』(栗本薫)、異形コレクションV『水妖』(井上雅彦監修)、『鯖』(貞奴)を購入。『鯖』はあのサダヤッコさんの日記(?)を本にしたもの。ネット上で読むのとは感じが違うなあ。


1998.06.14
『柏木達彦』を読んだり、マンガを読んだりしつつ、のんびり過ごす。
夜はサッカーのワールドカップ「日本対アルゼンチン」をテレビ観戦。僕はサッカーよりはラグビー、ラグビーよりはアメリカンフットボールの方が好きなんだけど、ワールドカップとなると、やっぱりうれしがって観てしまうのは根がミーハーなのか。このゲームはなかなか面白かった。


1998.06.13
マンガ購入:『アガペイズ』(山田玲司)2巻、『プラスチック解体高校』(日本橋ヨヲコ)2巻。『プラスチック解体高校』は打ち切り?人気なかったのかな?面白いのに。『アガペイズ』は1巻は面白いと思ったけど、2巻はいま一つ。


1998.06.12
3年生の実習、2日目。
柏木達彦シリーズの3冊目『科学哲学者柏木達彦の秋物語』(冨田恭彦)が生協に入荷していたので購入。


1998.06.11
1、2年生の実習(唾腺染色体)が午前中に終わったが、午後からはすぐに3年生の実習が始まる。こちらはカエルの発生の観察と、胚からのRNA抽出。
生命科学グループの新2年生歓迎会があった。盛会。会場で3時間くらい飲んで、そのあと研究室で飲み直し。12時頃まで飲んでいたかな。


1998.06.10
『情報の論理数学入門』をほぼ通読。あとPrologというプログラミング言語の章が残っているんだけど、ここはまあいいや。
途中で放りなげていたRaffの"The Shape of Life"を再び読み始める。


1998.06.09
今週も学生実習。
ちょっと前に買っておいた『力学のききどころ』(和田純夫)を読み始める。この本の特徴は「ラグランジュ方程式」を多用していることらしく、その宣伝文句にひかれて買ったのだった。力学は『ファインマン物理学』のI巻を一応読んだんだけど、これには「ラグランジュ方程式」は出てこなかったんだよね。


1998.06.08
買った本:山川出版の「世界史リブレット」『ジェントルマンと科学』(大野誠)、『巨大ロボット誕生』(鹿野司)、『爆笑問題のピープル』


1998.06.07
買ったマンガ:浦沢直樹『MONSTER』9巻(ちょっとだれてる気がする)、入江紀子『タッグ』1巻(プロレスもの、じゃなくてやっぱり恋愛ものだった)、市東亮子『D-ZONE』2巻(どんな話だっけ)、樹なつみ『八雲立つ』9巻(あ、8巻読んでない)、菊地秀行&斎藤岬『退魔針』5巻(菊地っぽい)、『アカギ』4、5巻(麻雀知らなくても面白い)。
古本屋では『おーい!竜馬』6-10巻、清原なつの『空の色 水の青』など。
松本零士ファンのつれあいがOVAの『クイーン・エメラルダス』vol.1のLDを買ったので一緒に観た。エメラルダスはそれなりに格好良い。ただ、クイーン・エメラルダス号の動きにCGが使われているんだけど、なんか質感とか動きが変。春の999の映画でも同じように感じたんだけど、こういう風にCG使うくらいなら、ベタなセル・アニメで動かしてくれた方が良いなあ、と思う。あと井上真樹夫がハーロックをやっているんだけど、台詞が1言2言しかないんだよね。残念。
『踏みはずす美術史』を読了。


1998.06.06
たまには変わったネタを。下のリングは工房NAOで作ってもらったものです。ほかにカエルのピンも持っているけど、これもグッドデザイン。タツノオトシゴやクワガタのアクセサリーもあるので、アニマル系アクセサリーが好きな人は行ってみよう。





1998.06.05
科学MLおよびEVOLVEで紹介された阿部さん『科学』書評バトルについての感想を読む。fj.sci.bioでの「構造主義生物学」論争にも触れている。なつかしいなあ(と言っても3年前なんだけどね。)ちょっと前にEVOLVEでもこれに関連した一連の議論があって、これもなかなか興味深かった。
「反ダーウィニスト」の池田氏も、進化の「ある側面」を理解するのにダーウィニズムが有効であることは認めているんだよね。でもそれは進化の「すべて」ではない。別のある側面を理解するためには、今までダーウィニズム陣営が鍛え上げてきた方法論は役にたたないこともある。無理やり適用すれば、間違った認識に導くことだってある。池田氏の批判はそういうことを言っているのだと思う。
自然の切り取り方は一つじゃないし、切り取る道具も一つじゃない。目的に合わせて適切な道具を使おう。道具が無いなら皆で考えて作ろう、と。これは当り前のことだと思う。それを何もかも「ダーウィニズム」の中にとりこんでしまわないと気が済まない(佐倉氏の書評はそう読めるんだけど)というのは、「主流派」の傲慢じゃないのかな?


1998.06.04
CSで『ねらわれた学園』(1997年版)の4〜6話を観る。SFじゃなくてホラーの作りだよね、これ。6話の夜の学校のシーンとか、けっこう怖かった。良くできてる。でも高見沢さんはちょっとイメージちがう。


1998.06.03
『ウーマン・ライフ ―ジェンダーはいかにして形成されるか―』(バーニス・ロット)という分厚い本を購入。巻末の文献リストが圧巻。
小山ゆう『あずみ』11巻。新キャラクターとして、「道々の輩」に心を寄せる武家の次男坊の青年というのが出てきて、面白い展開になりそうな予感。
石ノ森章太郎の『新・変身忍者嵐』。『希望の友』バージョンを大都社が出したもの。しかしこの唐突な落ちは一体?伏線ゼロやんか。ほかに『東京大学物語』(江川達也)、吉田秋生、秋里和国、渡辺多恵子などの短編を収録した「あすか」編集のアンソロジー『PLATINUM BOYS』などを購入。
古本屋では小山ゆう『おーい!竜馬』の3巻から5巻。今さらだけど、はまってしまいそう。他に唐沢なをき、とり・みき、中川いさみ、岡崎京子を各1冊づつ。


1998.06.02
今週も学生実習。ユスリカの幼虫(アカムシ)を使って唾腺染色体を見る実験。実習の間はずっと教室を歩き回っているので、足が疲れる。実は昨日から歩数計(どんな歩数計かは秘密 :-) )をつけているんだけど、今日は軽く1万歩をこえてしまった。
『砂ぼうず』2巻購入。


1998.06.01
『現代思想』6月号。先月のエブリン・フォックス・ケラーのインタビューの続きが載っていたので買う。でも他にはあまり読むところがない。一度に載せてほしかった>青土社。
『ニュースの裏には「科学」がいっぱい』(中野不二男)購入。

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