"ただいま読書中"(近況一言報告)1998年7月

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1998.07.31
『権力構造としての<人口問題>―女と男のエンパワーメントのために―』(ラッペ&シュアマン)、『パブリック・セックス―挑発するラディカルな性―』(パット・カリフィア)購入。
マンガでは、少し前から探していたけど見つからなかった『コミックマスターJ』1巻(余湖裕輝&田畑由秋)を見つけて購入。マンガ界の『ブラックジャック』みたいな話なんだけど、馬鹿馬鹿しくて結構おもしろい。『こどもの体温』(よしながふみ)は初めて読む作家。話は読めるが、絵はいま一つ僕の好みではない。『超時空戦艦まほろば』1巻(松本零士)は、まあ、松本零士だなあというマンガ。2巻も出ているが…、気が向いたら買います。他に『無限の住人』8巻(沙村広明)を購入。


1998.07.30
ということで、妹が北海道で結婚式をするというので、5日ほど北海道に行ってきました。下は単なる備忘録。旅の感想を一言だけ言うと「小樽水族館の“海獣公園”は良かった」。ちなみに持って行った本は『虎よ、虎よ!』でしたが、ほとんど読み進みませんでした。
『現代思想』8月号を購入し、金森修「サイエンス・ウォーズ」の続きを読む。他に『格闘技を知的に観る方法』(中山健児)、『砂ぼうず』3巻(うすね正俊)、『蒼天航路』13巻(李学仁&王欣太)を購入。


1998.07.29
ホテル→(富良野バスターミナル)→札幌駅バスターミナル→札幌駅地下(地ビール購入)→駅地下で食事(ホタテ+カニ+イクラ丼)→千歳空港(地ビール、チーズ購入。食:ジャガイモアイスクリーム、飲:夕張メロンジュース)→広島空港。


1998.07.28
ホテル→美瑛→パッチワークの丘(?)→妹の結婚式→食事(牛)→富良野チーズ工房(チーズ、バター購入)→ニングルテラス→ホテル(食事)→富良野へそまつり→ホテル。


1998.07.27
ホテル→札幌駅(駅地下でタコスを食う)→二条市場(土産もの購入:カニ+トウモロコシ)→札幌駅バスターミナル→富良野バスターミナル→富良野駅→ホテル(会食)。


1998.07.26
ホテル→大通り公園(食:焼トウモロコシ、ジャガイモ)→札幌駅→小樽駅→小樽水族館(アザラシ、トドに餌をやる:Good!。食:ニシン焼、ホタテ焼)→小樽の街(からくり博物館:Good!、飲:地ビール)→札幌駅→居酒屋(食:カニ、姫タラ、コマイ、ツブ、ホタテ、ホヤ(たぶんアカボヤ)、タラなど)→ホテル。


1998.07.25
広島空港→千歳空港→札幌駅→ホテル(すすきの)→札幌駅(食:カニ、イクラ)→雪印パーラー(食:アイスクリーム)→大通り公園(食:トウモロコシ:基本)→二条市場(土産もの視察)→狸小路(映画鑑賞:タイタニック)→居酒屋(食:ホッケ、アナゴその他)→ホテル。


1998.07.24
『複雑系の進化的シナリオ』(金子邦彦&池上高志)、ようやくうちの生協にも並んでいたので購入。
明日から北海道(札幌〜富良野)。


1998.07.23
本屋で、最近のコミカライズ本復刊ブームにのって出版されたらしい、松本めぐむ『鋼鉄ジーグ』『大空魔竜ガイキング』を見つける。松本めぐむと言っても知らない人が多いと思うけど(僕も知らなかった)、尾瀬あきらの昔のペンネームだということです。とりあえず『ガイキング』だけ買ってきました。(けっこう好きだったのだ、子供の頃>ガイキング。)他に、山本英夫『殺し屋1』1巻を購入。


1998.07.22
『塗仏の宴―宴の始末―』が出るのは8月末らしい。じゃあ『宴の支度』はもう少しゆっくり読もうかな。
榊原史保美『やおい幻論』読了。いや驚いた。途中までは何てことないなと思いつつ読んでいたのだが、中盤からいきなり、「やおい」的嗜好の背後にあるのはFTMトランスセクシャル(肉体的には女性だが性自認は男性であるというギャップ(肉体的性への違和感)をもつ人)、ことにFTMトランスセクシャル・ゲイ(FTMトランスセクシャルであり、かつ、性愛の対象として同性(すなわち男性)を指向する人)である、という議論が展開されるのだ。うーむ、これが本当だとしたら、僕の「やおい」観は大幅な変更を迫られるなあ。著者にはすまないが、この本の内容だけでは到底納得しがたい。著者自身が「やおい」的なものを求めたのが、FTMトランスセクシャル・ゲイという精神のありかたに根ざしている、という個人的事情までは理解できるが、それを他の「やおい」愛好者たちにまで敷衍するには、それなりの論証が必要でしょうね。
『TALKING LOFT』vol.1購入。


1998.07.21
そろそろ続きがでるかなあ、と期待しつつ、読みかけだった、京極夏彦『塗仏の宴―宴の支度―』を読み進める。現在、4分の3ほど。


1998.07.20
海の日。朝寝をして昼前から活動開始。
楽庵という喫茶店で美味しいコーヒーフロートを飲んでから、万歩書店(古本屋)で本を物色。小山ゆう『おーい竜馬』の続き、とりみき『犬家の人々』、島本和彦『仮面ボクサー』などを買う。
夕方、電車で広島へ帰る。車中で『紅一点論』を読了。


1998.07.19
というわけで、昨夜は友達夫妻と岡山市内の夏期限定ドイツビア・ホールに行って、ビールを大量に飲み、美味しいソーセージやジャガイモ料理その他をたらふくいただきました。アコーディオンの生演奏付き。楽しかった。
夜はそのまま友達夫妻宅に泊めてもらって、日曜は昼から丸善へ。あのすばらしい『妊娠小説』の斎藤美奈子氏の新刊『紅一点論』を購入。副題は「アニメ・特撮・伝記のヒロイン像」。他に『百鬼夜行抄』の今市子の初期作品集『懐かしい花の思い出』を購入。
その後は、友人宅に猫をいらまかしに行ったり、CD屋で買い物をしたり。買ったCDは山下久美子の"SMILE"とサヨコの"peep"。どちらもしばらく前に出たけど買っていなかったもの。
『数奇にして模型』(森博嗣)を読了。


1998.07.18
水分を大量に摂取してアルコールとその分解産物を希釈しながら「発生懇話会」2日目に参加。今夜は岡山に行って、友達とドイツのビールを飲む予定なのだが、さて…。
生協でカヒミ・カリィの新譜"K.K.K.K.K."を見つけたので購入。いま聴いているんだけど、期待以上に良い。今までで一番良いかも。


1998.07.17
「九州・山口地区発生懇話会」という会が毎年夏に集まりをもっているのだが、今回(第18回)は広島で行われることになり、はじめてこれに参加してきた。広島大学は発生関連の研究者がわりとたくさんいるので、参加人数も例年よりかなり多かったらしい。午後から研究発表、夜は宴会。2次会は理学部の会議室を借りて11時頃まで。遠方組が門限があるので宿に引き取ったあと、飲み足りないらしいうちの学生さんたちに引きずられるようにして居酒屋で3次会。結局2時ころまで飲んでいたかな。(よく覚えていない。)


1998.07.15
『大航海』8月号・特集:チョムスキー再考購入。


1998.07.14
昨日、晩ご飯を食べるときにテレビをつけたら、NHKで高橋竹山の番組をやっていた。僕は竹山のCDは1枚きりしか持っていないけど、何カ月に一度か聴きたくなるので、この1枚を何度も繰り返し聴いている。生まれてこのかた聴いた音楽の99%は欧米風の音楽だし、三味線のことなんか何も知らないんだけど、なにかこう自分の身体の奥に共鳴する部分があるような感じがするんだよね。こういう感覚って、どこから来たものなんだろう?


1998.07.13
選挙結果は皆さんご存じの通りだけど、毎日新聞の選挙特集を読んでいたら、『「想像もつかない風が…」惨敗に沈む自民党本部』という記事の中に、
こうした中、党幹部からは「投票率を上げたらだめなんだ。行きたくない人間を投票所に行かせたら自民党に入れるはずないじゃないか」と、投票率アップにヤツ当たりする声も。
なんていうのがあって、笑ってしまった。大馬鹿。いやしくも政権党の「幹部」のレベルがこれですか。
今後は、躍進した民主党、共産党の行動が注目されますね。共産党は「野党共闘に意欲」と報じられているけど、民主党の側はどうなんでしょうか。「共産党とは一緒にやれない」とか言い出す人が、いそうな気がするんですが。


1998.07.12
引っ越して投票所が遠くなった。今まで住んだ所ではどこも歩いて数分だったのに。途中に長い坂がある(っていうか投票所までずーっと坂道)のも大儀。おまけに農協の建物だか何だか知らないけど、自民党のポスターとか貼ってあるし。
昼からは広島市内にマンガなどを買い出しに行く。
買ったマンガは以下のとおり。
『急戦法まことスペシャル』(小杉あや&青木光恵)。青木光恵が将棋マンガ?と思ったが、中味はちゃんと青木光恵風。『四年生』(木尾士目)。悪くないが、淡々としていて、画面が動かない会話シチュエーションが多いので、読むのに時間がかかる。『池上遼一近代日本文学名作選』。池上遼一作家生活30年記念だそうです。収録作は『地獄変』ほか。(実は僕は池上遼一の絵が結構好きだったりする。)『大同人物語』1巻(平野耕太)。同人誌界におけるサークル間闘争を描いた(笑)妙な作品。君ら服装が変だぞ。あと髪形も。他に『栞と紙魚子の生首事件』(諸星大二郎)『ケントの方舟』1巻(毛利甚八&魚戸おさむ)、『A・BOY』1巻(越川晴雄)、『ひみつの階段』1巻(紺野キタ)、『痛々しいラヴ』(魚喃キリコ)など。
雑誌では『別冊ぱふ コミック・ファン 吉田秋生特集』『コミック・ボックス』8月号「特集・20世紀の少女まんが」を購入。子供のころ、僕にとって「少女マンガ」とは『キャンディ・キャンディ』や『いらかの波』だったんだけど、十代半ばに出会った作品が、僕の少女マンガ観をがらりと変えてしまった。たとえば山岸涼子『日出処の天子』や森川久美『南京路に花吹雪』、萩尾望都『メッシュ』、そして吉田秋生の『カリフォルニア物語』のような作品だ。ということで僕にとっては吉田秋生の代表作は『BANANA FISH』(←好きだけど)よりも、いまだに『カリフォルニア物語』なんだよね。作品としてどちらが優れているとかいうことより、読んだタイミングというのが大きいんだけど。『カリフォルニア物語』後期の吉田秋生の絵は、ほんと、かっこ良かった。特に男性の肉体(笑)。乏しい小遣いはたいて画集買っちゃったもんなあ。『コミック・ファン』は他に『Comic GON!』編集長インタビューとか南Q太インタビューなど、薄いわりにけっこう読むところあり。『コミック・ボックス』の方は特集も良いが、巻末のマンガ(加藤洋之+後藤啓介)が良かった。主人公の名が「獺橋天子(かわうそばしてんこ)」(笑)。センス良いなあ。
小説では、またしても西条では買えなかった『数奇にして模型』(森博嗣)を購入。
レコード屋をのぞいて、明和電機の『NAKI 26のナンセンス=マシーン』を買う。ビデオは西条でも見つけたんだけど、LDの方が欲しかったので買ってなかったのでした。ついでにEVANGELIONのGENESIS0:12を買いました。あと、試聴コーナーで聴いた、今ちょっと名前思い出せないグループのCDを1枚購入。
夜は選挙速報をみながら、マンガ数冊と『赤い激流』を読了。


1998.07.11
『海の味』読了。感想はこちら


1998.07.10
『海の味』(山下欣二)。まだ半分までしか読んでいないけど、むちゃくちゃ面白い。著者は宮島水族館の副館長さんで、イソギンチャクとかユムシとかシャミセンガイとかヒザラガイとかヒトデとか、まあそういった海産(一部淡水産も含む)動物を食べたという話を延々書き綴っている。そうですか。食べましたか。やはり。ヒトデを。
いや、でも、まじで、ヒザラガイが「アワビに負けない」くらい美味しいのなら、今度の臨海実習の時に食べてみようかなぁ、と思った。
グイン・サーガ61巻『赤い激流』(栗本薫)購入。


1998.07.08
『エンダーのゲーム』(オースン・スコット・カード)読了。半分まで読んだ時点では「面白く読めるが、すごい!という感じはまだない」と書いたけど、最後の数十ページは思いもよらなかった方向にどんどん話が進んでいって、どうなることかと思っていたら、ラストは美しくきまる。いやあ傑作です。完全にやられてしまいました。
『複雑系入門』読了。


1998.07.07
放送大学テキスト『対称性の数学―文様の幾何と群論―』(高橋礼司)。「群論」と「形」が結び付くあたりの話で、面白そう。放送大学って面白そうな講義が結構あるんだよね。PerfecTV!でも視聴できるからちょっと視てみようかなあ。…と思って番組表見たら、この講義はラジオ放送やった。いや、ラジオ放送でも聴けるんですけどね。しかし、ラジオで幾何の講義をするのか…(^-^;。
宮台真司と上野千鶴子の対談を読むために『論座』8月号を買う。上野氏は宮台氏の活動を非常に気にしているみたいだけど、宮台氏の方はどうなんでしょう。
『入門・職業とジェンダー―これからの女と男の働き方―』(岡村清子・亀田温子編)。女性と職業に関する諸問題を解説している。統計的資料も豊富で参考になる。
新潮文庫『アポロ13号 奇跡の生還』(ヘンリー・クーパーJr.)。アポロ13号の話はNHKで放送した番組や映画『アポロ13』で観たけど、やっぱり感動的だよね。この本、前に出た単行本を古本で買ったような気がするんだけど、確認せずに買っちゃいました。まあ「のぞみ」も無事飛んだことだし、あと、ほら七夕だし。宇宙!っていう気分なんで。


1998.07.06
京大の柳田充弘博士の『生命科学者になるための10か条』、岡田斗司夫『世紀の大怪獣!!オカダ―岡田斗司夫のお蔵出し―』、ちまた(の一部)で話題の『やおい幻論』(榊原史保美)を購入。
今週はセミナーの発表に当たっているので紹介する論文を物色。半年くらい前の"Cell"に載った、"Avian hairy Gene Expression Identifies a Molecular Clock Linked to Vertebrate Segmentation and Somitegenesis"(Palmeirim et. al.)
という論文を中心に紹介することにする。ショウジョウバエの体節形成に働いているペアルール遺伝子の一つであるhairyの相同遺伝子cDNAをニワトリで単離して発現を調べたところ、体節形成のタイミングに同調した周期的な発現が見られた、という話。体節という空間的な周期性と、発生における"Molecular Clock"のリズムを結び付けるような話で、とてもエキサイティングだ。


1998.07.05
午前中は友達が習っている生け花教室の展示会に行って花を観る。午後からは牛窓臨海実験所に行ってマイクロ・インジェクションのセッティングなどの相談に乗る。夜は久しぶりにタイ料理レストランに行って食事。久しぶりに色々と動き回った休日だった。
『カイジ』8巻(福本伸行)、 『王道の狗』 1巻(安彦良和)購入。


1998.07.04
電車の中で『エンダーのゲーム』(カード)を半分ぐらいまで読む。面白く読めるが、すごい!という感じはまだない。


1998.07.03
ものすごく久しぶりに「最近読んだ本」のページを更新。7月からはこちらのファイルになります(まだ中味はありませんが)。


1998.07.02
『複雑系入門』を読んでいるんだけど、歌い文句通り「わかりやすい」です。全体の見取図として、よくできていると思います。
『遠藤浩輝短編集1』というのを買ってみたら、なかなか良かった。他に斎藤岬&菊池秀行『退魔針』6巻、森秀樹『ムカデ戦旗』3巻を購入。


1998.07.01
『現代思想』7月号。特集「自己決定権―私とは何か―」。特集も良いが、特別掲載として載っている金森修『サイエンス・ウォーズ』が良い。「Sokal事件」およびそれを一部として含む「Science Wars」に関する論文だ。今月号ではポール・グロスとノーマン・レヴィットの著作『高次の迷信 Higher Superstition』に関する論考が中心で、ソーカル事件そのものについては、次号以降で扱われるらしい。この『Higher Superstition』がひきがねとなって『ソーシアル・テクスト』の「Science Wars」特集が組まれ、その中の一論文としてアラン・ソーカルの例の論文が掲載されて「Sokal事件」に至るというのが一連の「Science Wars」の経緯だ。ソーカル事件については黒木さん「ある物理学者とポストモダン知識人達の対決」を参照。『パリティ』の7月号の平川秀幸・村上陽一郎の記事も読まねば。
岩波ジュニア新書『近代日本の戦争』(色川大吉)購入。


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