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2004年10月


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2004.10.19

一日中、書類を書いていた。今週末が締め切り。


土曜日に買った本。水島朝穂『ベルリン・ヒロシマ通り』。著者の水島先生は総合科学部のもと同僚で(といっても面識はほとんどなかった)、現在は早稲田の法学部。この本、品切れで一般書店では手に入らず、しばらく前から探していたのを、帰宅途中にたまたま覗いたブックオフで見つけた。しかも105円という投げ売りで。まあ僕にとってはラッキーだったが。ヒロシマ通り、というのはベルリンに本当にある通りの名で、僕もベルリンで、雪の降る中わざわざHiroshima Str.を探して歩いたことがある。写真はその時に撮ったもの。日付を見ると2002年10月14日とあるから、ちょうど2年前だ。帰国が迫って、一度ヒロシマ通りには行ってみないと、と同居人と二人で雪の中を出かけていったのだった。寒かったなあ。
ちなみに写真の中央に写っているパンダみたいな像は、ベルリン名物の熊のペイント像。街角のあちこちに様々に趣向をこらしてペイントされた熊の像が立っている、これもその一つだ。


同じブックオフでCDを2枚。小泉今日子『ナツメロ』、Pizzicato Five『PIZZICATO FIVE』。『ナツメロ』は本当にダビングしたカセットテープがすり切れるほど聴いたアルバム。『学園天国』と『アクビ娘』がとくに大好き。最近、フィンガー5のベスト盤を買って『学園天国』や『バンプ天国』を聴いていたら、無性にこのアルバムも聴きたくなったのでした。


昨日はサロンシネマに『ディープ・ブルー』を観に行った。映像は確かに美しかったが、「どこかで見たような」感がつねにつきまとう映画だった。それと、せっかく深海の珍しい生物を映しているのに、名前も、どんな生物なのかも、何も解説がないのは不親切じゃないかと思った。


『ディープ・ブルー』のあとは紙屋町で昼飯を食べて、午後からは広島ビッグアーチにサンフレッチェ対ガンバの試合を観に行った。秋晴れの気持ちのよい空の下、アウェイ側の、人がまばらな自由席でまったりとしながら観戦。前半サンフレッチェが2点先制したものの後半は完全にガンバのペースで、2点を返され、さらに激しく攻められる。結果はドロー。まあ僕はとくにサンフレッチェのファンというわけではないので、面白いプレーが見られればそれで良い、その意味では、前半の2点も、後半の2点も、目の前すぐ近くのゴールに入ってくれたので、楽しかった。しかしサンフレッチェのサポーターは大人しいね。少数精鋭のガンバサポの方が目立っていたくらいだ。
それにしても、やっぱりスタジアムでのスポーツ観戦は良い。生でスポーツ観戦するのは久しぶりで、去年の春にベルリンでNFL EUROPAのベルリン・サンダーの試合を観て以来だ。サッカーはちょうど2年前、ミュンヘンでバイエルンの試合を観て以来か。僕は野球はテレビではまったく観ないんだけど、子供の頃はいま話題の宮城球場でロッテの試合、それもダブルヘッダーなんていうのを友達と一緒によく観に行った。狭いと言われている球場も、子供の目から見れば広々としていて、まあ当時から客は少なかったから外野席で好き勝手に遊びながら試合を観ていた。試合の内容なんてもちろん覚えていないが、楽しかったことだけは覚えている。


2004.10.12

買った本。キム・ステルレルニー『ドーキンス vs. グールド』、仲正昌樹『お金に「正しさ」はあるのか』、杉山幸丸『崖っぷち弱小大学物語』、栗本薫『ノスフェラスへの道』


科研費の申請書、とりあえずおおまかな方針を決める。いつもそうだけど、書いているとなにかとても素晴らしい研究計画のように思えて、自分が審査員だったら絶対通すよなあ、と思うのだけど、たぶんみんなそう思って書いているんだよねえ。研究者なんてそんなものだ。そうでも思わないと書いていられないし。


2004.10.11

昨日は予定通り西条酒祭りに行ってきた。酒祭りのメインは全国の地酒900銘柄を利き酒できる「酒ひろば」なのだが、近年は体力的にキツイのでそこはパスして、もっぱら酒蔵通りを冷やかして歩くことにしている。今年は酒蔵での利き酒も極力控えて、食べる方をメインに楽しんだ。屋台でサザエの串焼き、鮎の塩焼き、シシカバブ、クスクス、レッドカレー、などを食べながらふらふらとフリーマーケットなどを覗き、お猪口に2杯ほどの利き酒をして、お祭りを堪能。国際交流広場でエジプトの留学生KさんとGさん夫妻が屋台で働いているのを見つけて、こんにちはをしたら、エジプト料理を同居人と二人分、いただいてしまった。すでにたらふく食べてしまった後だったので、持って帰って晩ご飯にいただく。ごちそうさまでした。
帰りがけに家の近所の賀茂輝酒造に寄ったら、なぜかCDの安売りをしていたので5枚ほど購入した。ムーンライダース『短くも美しく燃え』、宮沢和史『シックスティーン・ムーン』、遊佐美森『エコー』、blur『The Great Escape』、V. A. 『ベンドイット!ジャパン'98』。賀茂輝では「酒祭り限定」という八年もの古酒も購入。限定という言葉に弱い私。これ1本で2500円というのはすごい値段だが、味はとても良い。
新聞によれば今年の酒祭りの人出は22万人だそうで、この小さな街のイベントとしては大したものだと思う。もちろんいろんな問題はあって、なにせ酒祭りだから、飲み過ぎて倒れる人も出るし、はめを外す人もいるだろう。それでも大過なく毎年続け、ここまで大きいお祭りに育ててきた主催者は大したものだと思う。


連休を利用して自宅の模様替えをした。いままで僕が使っていた部屋を同居人の部屋にして、逆に同居人が仕事をしていた部屋に僕が移った。机を動かすのが一苦労だったが、なんとか引っ越しを終えて、とりあえず写真のような状態に落ち着いた。なかなか快適だ。
部屋の整理をしていたら昔Macを買ったときについてきたAppleの6色リンゴシールが出てきた。試しにiBookの背面のリンゴマークに合わせてみたら、微妙に小さいものの、結構うまい具合に貼る事ができた。写真のような感じ。うん、なかなか可愛い。


『Life with UNIX』を読み進める。


2004.10.09

科研費の申請書が悩ましい。とうとう「若手研究」の年齢制限を超えてしまったので今年から「基盤研究」に申請することになって、書類の量がどっと増えた。記入する項目も違うし、今一つ勝手が分からない。書くネタも、大きくわけて3つぐらい、書けるプロジェクトがあるのだが、さてどれで書こうか、それぞれ一長一短あって悩む。とりあえず実験の合間に少しづつ書いてはいるが、あと2週間ほどで締め切りだし、そろそろ本気を出さないと。


台風は今回は広島を避けてくれたようだ。
今年は16号、18号、21号、と1ヶ月の間に3つも大きな台風がやってきた。広島ではたぶん18号が一番凄まじかったと思う。キャンパス内でも何本も木が倒れたし、帰り道の鏡山公園の林にもかなりの被害があった。個人的には21号もなかなか大変だった。21号接近の中、大学からの帰り道、田んぼの中に川、というよりは用水路と言った方がいいくらいの小さな川が流れていて、そこに犬が落ちていた。風で飛ばされたのだろうか、胸の辺りまで水に浸かって、川べりのコンクリートにしがみついている。水の流れは急になってきているし、自力ではとうてい這い上がれそうにない。不安そうに震えて見上げている。目が合ってしまったからには仕方がないので、一緒に帰っていた同居人と一緒に助けるために川に降りた。現場のそばに川に降りるための梯が設置してあったのが幸いした。これが無かったら助けようがなかったかもしれない。首輪をしていなかったので飼い犬ではないかもしれない。噛まれないかと心配したが、噛む元気もなかったようだ。結構大きな犬で岸に抱え上げるのに苦労したが、なんとか助け出すことができた。濡れた体を震わせて、もうこんな川のそばには一刻も居たくないというように、逃げていった。16号では住んでいるマンションの屋根の雨どい(?)が風で飛ばされた。浸水したり家が壊れたりした人に比べれば、笑い話だけど。
今回の22号は東広島における最大のイベント、西条酒祭りを狙ったかのようなタイミングで、開催がどうなるか、関係者も気が気でなかったようだが、無事に開催できるようでなによりだ。明日は僕も酒蔵通りを歩いてみるつもりだ。


2004.10.08

今日も午後は3年生の実習。カエル胚からのRNA抽出。


注文していた Happy Hacking Keyboard Professionalが届く。早速試し打ち。いままではHappy Hacking Keyboard Lite2 日本語版を使っていたのだが、確かにProfessional の方がキータッチは良い。スペースキーが大きいのと、リターンキーが近いのが良い。カーソルキーが無いのはやはりちょっと不便。Deleteキーの位置になかなか慣れない。


2004.10.07

午後は3年生の実習。今年は受講者7名なので去年の半分くらい。


Amazonから『絵本のつくりかた〈1〉』、CD『フィンガー5 ゴールデンベスト』が届く。


少し前の話になるが、「2156年五輪の100m最速は女性? 英科学者予測 」。もとのNatureの記事はこれ。これ自体は突っ込みどころが多すぎる論文で、ネタ? という疑いももっともだと思うが、触発されて、人間が走れる速さの限界について考えた。100m走の記録は現在も更新され続けているが、どこかに限界があることは明らかで、何(十?百?)年後かには、ほとんど記録が更新されないプラトーに達するだろうと予想できる。もちろん、そのプラトーがどのくらいの数値になるかはアプリオリには予測できないが、まあ恐らく、男子が先にプラトーに達し、その後、女子がじりじりと差を詰めていき、遅れてプラトーに達するという展開になるのではないか。で、そのプラトー状態の記録は、果たして男と女で異なるだろうか? 異なる、と予測する合理的な根拠は僕には思いつかないので、何(十?百?)年後かには男女の世界最高記録は並ぶことになるんだろうな、と思う。

僕としては、同じ号に載った「地理学とヒト集団の歴史を表すモデルに基づくシミュレーションを行ったところ、現生するすべてのヒトの系図の祖先にあたる個体が生存していたのはほんの数千年前であることになった。」という話もかなり衝撃的だった。人類は皆親戚、というのはもちろん理屈の上では当然なのだが、全人類が、たった数千年前遡っただけで共通の祖先に行き着くというのは、本当だとしたらすごい話だ。数千年前といえば古代エジプト文明が栄えていた時代で、すでに有史時代と言って良い時代。そんな「最近」に我々みんなのご先祖様がいた、というのは感覚的には違和感があるが、計算上は十分可能性があるということだ。とても面白い。


2004.10.06

去年の11月以来だから、ほぼ1年ぶりにWeb pageを更新する。
かえる研究日誌も再開してみるが、さて、続くかな?


とりあえず最近買った本。
中西準子『環境リスク学』、スティーブン・ピンカー『人間の本性を考える』あたりは当然として、生物学関係では清水信義『ゲノムを極める』、押村光雄、平岡泰『クロマチン・染色体実験プロトコール』、押村光雄『エピジェネティクスがわかる』、コンピュータ関係で多田眞作『Macで始める研究生活』、J. D. Davidson『Running Ma OS X』、古本屋で500円で買ったD. Liebes&S. Ressler『Life with UNIX』など。他に喜田村拓『古本迷宮』、ディヴィッド・アチソン『数学はインドのロープ魔術を解く』とか。こんなものかな? 思い出したらまた書きます。
『エピジェネティクスがわかる』はなかなか分かりやすくて、この分野の全体を見渡すには良い本だった。これを一通り読んでから佐々木裕之編『エピジェネティクス』に進むと吉。


最近、一般書を読む量が減ったのは、一つはサッカーをよく観るようになったからだが(観てるのはおもにブンデスリーガとチャンピオンズリーグだが、今年はEUROもあった)、もう一つは半ば必要に迫られて、半ば好んで、プログラミング関係の本を読むようになったためだ。転機は去年の冬に出た『バイオ研究が10倍はかどるMacOSX活用マニュアル』(中村保一、礒合敦、荻島創一)を読んだ事で、この本、タイトルはチープだが、生物学者マカーにとってはとてもありがたい本で、僕はこの本を読んでMacの使い方が劇的に変わった。以前はデータベース解析はWebサイト上でオンラインで行っていたのだが、この方法では大量のデータ解析を行うには限界がある。ローカルにデータベースを構築し、BLASTやEmbossのツール群と、自作のshellスクリプトやPerlのフィルタを組み合わせて、思いのままにデータ解析ができる、この快適さ(と一種の快楽)を手に入れる事ができたのは、この本のおかげだ。MacOSがUNIXベースになって、強力なUNIXツール群とMacの美しいGUIを思いのままに組み合わせて使えるようになった、その恩恵をもっとも享受している(あるいはできる)分野の一つが生物学・生命科学だろう。さっき、タイトルはチープとか書いてしまったが、「10倍はかどる」は大げさではなく、まさに僕の実感だ。「30倍」でも良いくらいだ。

まあそういうこともあって、PerlのフィルタとかShellスクリプトなんかを自分でがしがし書き始めてみると、プログラミングについては完全に独学・我流で来ている自分というものに否が応でも気づかされてしまう。子供の頃はBasicで遊び、大人になってC, Java, Perlは独学で少しかじってみたが、考えてみれば情報処理とかプログラミングの教育を受けた事は一度もない。また僕は骨の髄までマカーであるから、いままで(cat、cd、lsていどのコマンドは知っていても)UNIX的な考え方など何も知らずに生きてきた。そういうわけで、『達人プログラマー』とか『プログラミング作法』とか『UNIXパワーツール』とか『プログラミングPerl』とか、その筋の定番本を買って読み進めたりつまみ読んだりしている。なかでもいちばん読みやすく、腑に落ちたのがMike Gancarzの『UNIXという考え方』だった。「小さい事ことは美しい」、「一つのプログラムには一つのことをうまくやらせる」、「効率より移植性」、「すべてのプログラムをフィルタにする」など、日々のプログラム仕事にそのまま指針として活かせる考え方が提示されていて、とても参考になった。もう一つ、これは直接役に立つというわけではないのだが面白かったのが、平澤章『オブジェクト指向でなぜつくるのか―知っておきたいプログラミング、UML、設計の基礎知識―』で、妙なたとえ話によってかえって分かりづらくなっている「オブジェクト指向」技術の本質を丁寧に解説してくれている。Perlも良いけど、Rubyも勉強してみようかな? と思った。思って、「プログラミングRuby―達人プログラマーガイド」を買っただけで終わっているけれども。


そうそう、最近買った、というか一昨日Amazonから届いたDVD『ヘルミーナ・ティールロヴァー「二つの毛糸玉」その他の短篇』は、すばらしかった。何ヶ月か前、横川シネマのチェコアニメ特集でタイトル作の「二つの毛糸玉」を観て、あまりの可愛らしさと生き生きとした動きに驚愕して、DVDを予約注文していたのだが、他の作品もとても良かった。同監督の『「結んだハンカチ」その他の短篇』も欲しくなった。


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