スペイン旅日記(その8) 〜スペインのメルカード(市場)〜



スペインの台所、メルカード(mercado=市場)。今回、滞在期間のもっとも長かったヘレスの市場をのぞいて みた。なんといってもこの地方は魚介類が豊富だ。イカ、エビ、ムール貝、イワシ、メルルーサ、カツオなど など、市場にはとにかく新鮮な魚介類が何種類も並んでいる。肉屋の並びよりも魚屋の並びのほうが買い物客 でにぎわっている。

  

新鮮な魚介類が並ぶ魚屋さん



  

肉屋のショーケースの上にはうさぎのぬいぐるみが(左)

ハム・ソーセージを扱う肉屋には、豚の足一本分の生ハムがぶら下がっている(右)



  

野菜や果物は、日本とほとんど同じ



 

スペインの食卓には欠かせないオリーブの実。種類は豊富で色とりどり



  

メルカード前の広場にあるチューロスのスタンド。
スペインのドーナッツ、チューロスは、専用の道具を使って大鍋に流し込んで揚げる。それを はさみで切って量り売り





メルカードの近くで売られているカタツムリとアスパラガス。カタツムリ、珍味といえば珍味だが、 味は…うーん。





メルカード内ではなく、一軒の店をかまえるハム専門店。すべて生ハム。
生ハムといってもさまざまな種類があり、値段もかなり違う。



ご存知の通り、スペインの食文化は非常に豊かである。地方によっても食材や調理法は実に多様である。 そうした食文化を支えるのがメルカード(市場)。より新鮮で安い店を探しながら、あるいは行きつけの店 で立ち話をしながらの買い物は、単なる食材の購入というだけではなく、情報交換や社交の場ともなっている のではないか。日本では、スーパーマーケットに押され気味の商店街が、スペインのメルカードような役割を 担っていたのだろう。もちろん、スペインにも日本にあるようなスーパーマーケット(supermercado)もあり、 食材の種類はどちらもかわらない。しかし、日本と違ってメルカードが衰退する気配はまったくない。 その違いはどこにあるのだろうか?



つづく


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