Identity Counter

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( 2020年9月24日10時32分42秒 から)

はじめに

 Identity Counter はその名の通り、バイオテクノロジー分野における、アミノ酸配列の Identity を Count する事を目的として作られた Macintosh 専用のアプリケーションです。

 作者は生物学の研究者であり、自分が「こんな機能が欲しい」と思っていた市販のアプリケーションではできない機能を詰め込んだものです。

 反面、作者はプロのプログラマではないので、見栄え・スピード・操作性など問題があるかも知れませんがご了承下さい。

Identity Counter の特徴

1・「基準配列との一致」または「指定数以上一致」するものをカウントする。

「特別」・「設定」メニューから「基準配列と一致するものを数える」を選択すると(右図)、

最上段の配列と一致するものを識別します(上図)。

「特別」・「設定」メニューから「指定数以上一致するものを数える」を選択し、指定数を入力すると(右図)、

指定数以上一致するものを識別します(上図)。


2・ Identity のカウント

指定した範囲の Identity をカウントし、配列名・範囲・ Identity を配列の下に表示します(右図)。
範囲を指定中はその範囲の Identity を表示しています(下図)。


Version 3.3 から BOX にコメントをつけられるようになりました。
コメントの有る BOX 右上隅にある三角形の上にマウスを持っていくとコメント(ここでは "Large subunit" )が表示されます(右図)。

作成した BOX が何を意味しているのか、自分で分からなくなる事があったので、追加した機能です。

コメントの編集方法はここを御覧下さい。

3・「基準配列」の簡単な変更

配列を選択し(xCasp3)、コントロールの上下の矢印をクリックすると(右図)、

配列の順番が入れ替わります(上図)。

4・選択したテキストのみの移動

テキストを選択し、コントロールの左右の矢印をクリックすると(右図)、

移動先のテキストがハイフン "-" かスペース " " の場合には選択範囲のみが移動します(上図)。

5・選択範囲を条件に合わせて移動する

移動させたい範囲を選択後、「特別」・「スライド」メニュー(右図)で条件を設定します。
ハイフン "-" かスペース " " 以外の文字にぶつからなければ、選択範囲を条件にあった位置まで移動します。
同じ条件で繰り返し移動させたい場合は「特別」・「スライド繰り返し」(コマンド+M)で行えます。

6・10配列ごとに色を変えて表示

「特別」・「レイアウト」メニューで「10配列ごとに色を変える」にチェックを入れると、 図のように10配列ごとに色がつきます(下図)。
「174番目のCはどれ?」という時に簡単に分かります。

7・ PICT ファイルでの保存

結果を PICT ファイルで保存できるので、他のアプリケーションで開くことが出来ます。
ただし、CANVAS では多少の問題もあります。
PhotoShop 等でビットマップ画像として扱う場合は、いつくかの注意が必要です。

8・ FASTA 形式ファイルでの保存

結果を FASTA 形式ファイルで保存できるので(右図)、国立遺伝研の CULSTAL-W 等で利用することが出来ます。
下の図は CULSTAL-W で解析した結果を TreeView で表示した物です。


9・様々な検索機能

  1. 検索を行う際に一致率を指定できるので、100%一致しない物も検索できます(右図)。
  2. 二つの検索語を同時に検索する "OR検索" の他に、 "AND検索" が可能です。例えば右図の場合、 "AGGTCA" と60%以上一致するもの=4文字以上一致するものの中で、さらに3文字目が "G" であるものだけを検索します。
  3. ワイルドカードも使用できるので、複雑な検索が可能です。
  4. ハイフンを無視することも出来るので、下図のような検索も可能です(RGTEを検索したもの)。
  5. DNA 複合コード(縮重塩基)も使用できます。
  6. ”該当個所をまとめて表示する”にチェックを入れると下図のような表示をします(ETを検索したもの)。複数の検索結果を重ねて表示することもできますが、画面が書き換えられると最後に検索した結果のみの表示となります。
  7. DNA の相補鎖も検索したい場合は”相補鎖”のチェックボックスにチェックを入れるだけで検索します。
    例えば右上図の場合、 "AGGTCA" と4文字以上一致し、3文字目が "G" の配列の他に、 "TGACCT" と4文字以上一致し、4文字目が "C" の配列も検索します。


注意:

  1. Version 3.1 以降のプログラムで、 Version 3.0 以前のファイルを検索した場合、検索結果の表示色が文字の色と同じになり、何も検索できなかったように見える場合があります。 この様な場合はメニューバーの中の「カラー」・「検索結果」で色を指定して下さい。
  2. 検索語の長さは半角254文字までにして下さい。

10・配列番号の自由な設定

配列番号を好きな数字から始めさせる事ができます。

  1. 変更したい配列の配列番号をクリックします(右図)。
  2. ダイアログが表示されるので、始めさせたい数字を入力します(下図左)。
  3. ”0をカウントしない”にチェックを入れると-1の次が1になります。転写開始点の上流を表現する時のための機能です。
  4. 変更を行うと下図右のようになります。

注意:
Version 3.1以前のファイルを開くと、配列番号がメチャクチャになる事が有ります。
この場合は改めて配列番号を指定し直して下さい。


Identity Counter の使い方

Identity Counter の注意点

  1. Identity Counter は半角文字しか使えません。
  2. 速度の遅いコンピューターで使用した場合、配列の上下左右への移動・設定/レイアウトの変更・文字の削除/挿入など、全体を書き換える必要のある操作をすると画面が動かなくなる場合がありますが、この間コンピューターは見えないところ(メモリー上)で一生懸命、絵を書き直していますので、おおらかな気持ちで暖かく見守ってやって下さい。
    配列の長さと数の積が大きいほど時間がかかります。
    大きなファイルの場合 Power Macintosh 6200/75 で10秒近くかかることもあります。
  3. Identity Counter を使用することによって生ずるあらゆる損害に対して、作者は一切の責任を負いません。

Identity Counter はフリーウェアであり、配布は自由ですが、常に最新バージョンをお使いいただくために、配布の際は必ず URL (http://home.hiroshima-u.ac.jp/kei/) を伝えて下さい。

Identity Counter を作製するにあたり、以下の方々に技術的なアドバイスを頂きました。
この場を借りて御礼申し上げます。

山中 秀一 様 ----------------------------------- Dialog からの TEHandle の取得方法
yohei 様 ---------------------------------------- TextEdit の行揃え
西村@秋田県立脳血管研究センター 様 ---------------- プリンタ・ドライバの不具合について
Hideaki Iimori 様 -------------------------------- プリンタ・ドライバの不具合について

開発環境
Power Macintosh 7100/100, System 7.5.5, CodeWarrior IDE 2.1J, C 言語
Power Macintosh G3/233DT, Mac OS 8.6, CodeWarrior IDE 2.1J, C 言語
eMac/1000, Mac OS 9.2, CodeWarrior IDE 2.1J, C 言語

Identity Counter の履歴

 作者は Power Macintosh 用のアプリケーションを書き出すことの出来る CodeWarrior Pro を持っていないため Identity Counter は 68K 用のコードとして書かれています。
そのために Power Macintosh だとエミュレーションモードとなり、非常に動きが遅くなります。
正確に測定したわけではありませんが Power Macintosh 6200/75 よりも 68K の LC630 の方が倍くらい早いようです。

 作者は前述のようにプロのプログラマではなく「日曜プログラマ」なので、バグの修正・質問への回答などは時間がかかると思いますが、ご了承下さい。
ちなみに Identity Counter は子供が小さいために時間を作るのに苦労し、開発に1年近くかかった気長な作品です。

ご意見・ご質問・ご感想などございましたら kei@hiroshima-u.ac.jp 宛てにメールを下さい。
ご質問・バグ情報の場合は必ずあらかじめ御使用の Identity Counter が最新バージョンである事を御確認願います。

Identity Counter 3.3.2 のダウンロード

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