映画初め。 『赤い文化住宅の初子』 を観ました。 地味! 今年1本目としては、我ながら地味! まぁ、去年もそんなに派手な映画は観ていないので、ちょうど良いスタートです (ちなみに去年の映画初めは 『暗いところで待ち合わせ』 でした)。 この映画は去年横川シネマで上映されていた時から気にはなっていたのですが、その時は結局観に行けず、今回サロンシネマ2で1週間限定で上映されているので、すたこらさっさーと観に行ったのです。
なんだかとても切ない映画でした。 決してハッピーエンドの映画ではないのですが、三島くんが最後まで変わらない気持ちでいてくれたのが救いだったかな。 周りの大人は全員けしからん! ラーメン屋の親父も初子を中学生だと思ってバカにして時給をケチるし、担任の先生は全然やる気なくてありえないくらいいい加減で頭にくるし、最初は初子に優しくしてくれていた自転車のおばちゃんも結局は自己中だし、全員けしからん!!! お兄ちゃんと初子の2人で暮らしているんだから、周りの大人がもう少し目を配ってやらないといけないんじゃないのか? と激しい憤りを感じました。 …と言っても、自分がその立場だったら何ができるかわからないのですが (情けない)。 初子のお兄ちゃんも初子に冷たく当たったりするのですが、仕事の帰りに2人分のコロッケを買って帰ってくれたり、夜中に一緒にあやとりをしてくれたり、実は妹思いの良いお兄ちゃんなんですよね。 そもそも初子を放り出したりせず一緒に暮らしているということが、優しさの証なんですよね。 本当に勝手なお兄ちゃんだったら、とっくの昔に初子を放り出して出て行ってしまっているはず。 大阪に行くという話もちゃんと初子に話して、一緒に初子を連れて行くんですもんね。 良いお兄ちゃんだよ、本当に。 お兄ちゃん関連で言えば、初子が郵便受けの中のデリヘルのビラを握りつぶした後、「あ、いけん。 お兄ちゃんがいるかもしれん」 と言ってしわを伸ばして郵便受けに戻すところが何とも言えず可愛かった。 あと、初子が1ヵ月分のお金を封筒 (電気代とか家賃とか)に分けた後、お昼ご飯代600円を前にして、300円ずつにしようか、お兄ちゃん400円、自分200円にしようか散々迷って、結局お兄ちゃんに400円あげるところもいじらしくてたまらなかった。 初子もお兄ちゃん思いなのです。 そして同級生の三島くん。 彼のことは思い出しても切ない…。 三島くんが 「一緒に卒業式に行ってくれ」 と初子を迎えに来て、2人で小指をつないで学校に歩いて行くシーンがすごく切なくて、おばちゃん、泣いちゃったよ。 思い出して、またうるっときてるよ。 その前のシーンで、三島くんが本当に初子のことを見捨ててしまったのかと思っていたので、迎えに来てくれて本当に良かったよ。 最後の駅のシーンで、三島くんがビスケットをひたすら食べているシーンがすごく切なくて、おばちゃん、また泣いちゃったよ。 「口を開いたら泣いちゃいそうなのかな?」 とか想像して泣いちゃったよ。 周囲が微動だにしない中で、ハンカチで目を拭いてました。 初子と三島くん、2人の心の清らかさが胸に響いて涙が出ました。 あぁ、初子には幸せになってほしいなぁ。 三島くんにも初子のことを忘れないでいてほしい。 そして本当に大人になったら結婚してほしい。 切ない…。 「観た後に暗い気持ちになっちゃうかな?」 と思っていたのですが、全然そんなことはありませんでした。 でも、ただただ切ないっす。
帰り道、例のごとく "orbital period" を聴いていたのですが、"涙のふるさと" になった途端、またじわーっと涙が出てきてしまいました。 映画とは全然関係ないんですけどね、なんか 「涙」 というキーワードで泣けてきたのかもしれません。
どうでもいい話ですが、初子ってうちの母の名前と一緒なんですよ。 書きづらいわー。
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