松見 法男,教授,博士(心理学)
教育学部長,教育学研究科長,人間社会科学研究科副研究科長
MATSUMI NORIO, Professor, Ph.D.
Dean, School of Education, Graduate School of Education
Vice Dean, Graduate School of Humanities and Social Sciences
研究テーマ 第二言語の記憶・処理メカニズム
子どもにおける母語の習得・発達過程
キーワード 第二言語,母語,イメージ・概念表象,語彙表象,認知能力の発達
研究内容 ★認知心理学的アプローチによる観察・調査・実験研究
(1)第二言語としての日本語の語彙処理
(2)第二言語としての日本語の読解・聴解における作動記憶の役割
(3)母語・第二言語としての日本語シャドーイングの有効性とメカニズムの解明
主な著書 ★松見法男・費 暁東・蔡 鳳香 (2012)「中国語を母語とする中級の日本語学習者における日本語漢字単語の処理過程-中日2言語間の形態・音韻類似性を操作した語彙判断・読み上げ課題による検討-」 畑佐一味・畑佐由紀子他 (編著) 『第二言語習得研究と言語教育』 第2章 くろしお出版
★松見法男 (2012) 「第二言語学習者における単語の処理過程」 宮谷真人・中條和光 (編著) 『心理学研究の新世紀1 認知・学習心理学』 第30章 ミネルヴァ書房
★松見法男 (2005) 「第二言語としての手話の学習心理-聴者の手話認知メカニズム-」 長南浩人 (編著) 『手話の心理学入門』 第5章 東峰書房
★松見法男 (2002) 「第二言語の語彙習得」 海保博之・柏崎秀子 (編著) 『日本語教育のための心理学』 第6章 新曜社
★松見法男 (2001) 「第二言語の習得過程-第二言語の認知過程をのぞいてみよう-」 森 敏昭(編著) 『おもしろ言語のラボラトリー 認知心理学を語る②』 第10章 北大路書房
所属学会 留学生教育学会(副会長,学会誌編集委員長)
日本語教育学会(学会誌委員会主査委員)
日本総合学術学会(評議員,学会誌編集委員会委員)
日本心理学会 日本教育心理学会 日本認知心理学会 読書学会 他
コメント ★一般的に知識と呼ばれるものの多くは,いわゆる対連合学習で成立しています。ある情報が,それだけで単独に記憶・処理されることは少なく,何らかの情報と連合して(結びついて)覚えられ,また思い出されることが多いはずです。言語の学習にも,そのような面がよく見られます。日本語単語と英語単語を一緒に覚えること,ある文法事項を例文と一緒に覚えること,などです。日常生活では,人の顔と名前の一致や,地図上の場所と都市名の一致,などです。
★何かと何かを結びつけて覚え,さらにそれらを思い出す過程こそが,母語や第二言語を支える心理過程の本質だと考え,それを複数の側面から調べています。
★記憶の3段階(符号化、貯蔵、検索)の観点から第二言語の学習を解くならば, 語句でも文でも, 符号化の際(覚えるとき)に、いかに検索(思い出す)作業を一緒に入れるかが重要です。つまり, ただ覚えておしまい, ではなく, 覚えたら(材料から一度離れて)すぐにテストする, あるいは, 覚えながらそれを使う場面をイメージして実際に発話する, そのような一連の過程を行ってみることが大切です。
nmatsu(a)hiroshima-u.ac.jp
((a)を@に替えて送信してください。)