Zaurusのネットワーク
このページではZaurus SL-C3200またはSL-C3100から
ネットワークを利用する手順をまとめています。
研究室での有線LANの設定は、
他の環境でネットワークに接続する前のテストとしてやってみました。
その後、有線LAN、無線LANの種々の場所でのLANの設定、
PHS通信カードの設定、PHS通信カードライセンスの更新も行いました。
2011年12月31日でPHS通信の個人向けKWINSサービスを終了するという通知が、
2010年9月30日に京セラから届きました。
さらに2011年3月30日で私のKWINSのライセンスが切れたため、
2011年4月4日に日本通信のb-mobile(PHS)に乗り換えました。
有線LANの設定(大学研究室)
Zaurusの取扱説明書には設定に関する詳しい説明はありませんが、
附属CD-ROM内の「アプリケーション.pdf」にLANへの接続の設定に関する
詳しい説明があります。
この解説に従っていけば設定できるので、ここでは簡単にまとめるのみ
にしておきます。
LANとの接続にはメルコのCFタイプLANカード LPC-CF-CLT を利用しました。
Zaurusの電源を切った状態でLANカードをCFカードスロットに挿入し、
LANケーブルを接続しました。
Zaurusの電源を入れ、設定 -- ネットワーク設定 に進み、
セットアップ ボタンを押すと、
インターネット接続設定アシストの画面になります。
後は質問に答えていけばLAN接続の設定が完了します。
設定に必要な情報は以下のとおりです。
- ZaurusのIPアドレス
- サブネットマスク
- デフォルトゲートウェイのIPアドレス
- プライマリドメインネームサーバのIPアドレス
- (あれば)セコンダリドメインネームサーバのIPアドレス
メールの設定もする場合は以下の情報も必要になります。
- メールサーバのアドレス
- メールアカウントのIDとパスワード
設定が完了すれば、ウェブブラウザを使って各種ホームページに
アクセスしたり、
sshによるサーバへのアクセスができるようになります。
有線LANの設定(ホテル)
有線LANの設定(大学研究室)よりもはるかに簡単でした。
Zaurusでは接続設定を複数登録できるので、
先に設定した有線LANの設定(大学研究室)はそのままにして、
ホテルでの接続設定を追加しました。
LANとの接続には有線LANの設定(大学研究室)の場合と同じ
CFタイプLANカードを利用しました。
Zaurusの電源を切った状態でLANカードをCFカードスロットに挿入し、
ホテルから提供されたLANケーブルを接続しました。
Zaurusの電源を入れ、設定 -- ネットワーク設定 に進み、
セットアップ ボタンを押すと、
インターネット接続設定アシストの画面になります。
後は質問に答えていけばLAN接続の設定が完了します。
今回利用したホテルでは、
- IPアドレス : 自動取得
- DNSサーバ : 自動取得
と設定すれば、インターネット接続の設定は完了しました。
設定が完了すれば、ウェブブラウザを使って各種ホームページに
アクセスしたり、
sshによるサーバへのアクセスができるようになります。
2008年3月21日追加
米子空港のエアポートラウンジにはLANのケーブルが備わっていて、
上のホテルの設定でインターネット接続ができました。
2008年3月14日追加
ホテルメッツ津田沼では、
上の設定ではインターネットにつながりませんでしたが、
ちょっと設定を変更することでうまきいきました。
- IPアドレス : 自動取得
- DNSサーバ : 自動取得しない
と設定して、普通のサイトにアクセスしようとすると、
まずホテルの利用登録画面に接続されます。
若干の注意事項等が書かれていて、
確認ボタンを押すと外部サイトに接続できました。
一回この操作をすれば、上と同じように、
インターネットにアクセスできるようになりました。
この「ネームサーバーの自動検出」をしない設定を
適当な名前でザウルスに登録しておけば、
次に同様の設定のホテルで利用できます。
無線LANの設定(WN-G54/CF)
Zaurusのホームページに載っている動作確認済の
無線LANカードはだいたい古くてもう売っていない状態です。
最近売られている無線LANカードはZaurusで使えるのかどうか
わからず不安があります。
そんなときにI-O DATAの無線LANカードWN-G54/CFが
Zaurusで使えるようになったという情報を見つけ、
その情報に従ってWN-G54/CFで無線LANの設定をしました。
WN-G54/CFをZaurusに刺してもCFアイコンは表示されず、
そのままでは認識されていないようです。
ファイル入手
http://petit-noise.net/download/gw-cf54g
から次のファイルを入手します。
- cf8385-c1000_090319_arm.ipk (SL-C1000/3x00 用 ipk パッケージ)
- cf8385-c760_090319_arm.ipk (SL-C750/760/860 用 ipk パッケージ)
- wpa-supplicant_0.5.7-090507_arm.ipk (共通 ipk パッケージ)
インストール
cf8385-c1000_090319_arm.ipk と wpa-supplicant_0.5.7-090507_arm.ipk
をZaurus SL-C3100にインストール。
この後、WN-G54/CFを刺すとCFカードとして認識されます。
アクセスポイントに応じた設定
アクセスポイントに応じて設定内容が当然異なります。
Zaurusのネットワーク設定と wpa-supplicant_0.5.7-090507_arm.ipk
によるWPA Settingsを使って設定します。
個別の設定は以下のとおり
無線LANの設定(ホテル1)
2010年度幾何学シンポジウムの際に滞在した
三宮ターミナルホテルの客室では、
Zaurusのネットワーク設定に最初からあった
「指定なし」でインターネットに接続できました。
これは基本設定のESS-IDを指定しないにチェックが入っています。
無線LANの設定(ホテル2)
2010年9月にBarcelonaで開かれた
Advanced Course on Integral Geometry and Valuation Theory
に出席中滞在していたホテルLegenteでは、
上記ホテル1での設定とは異なっていました。
ホテルの受付で無線LANを使いたいことを伝えると、
ESSID、Username、Password、Usage Timeを書いた紙を渡してくれます。
UsernameとPasswordは自動生成されているようでした。
指定されたESSIDのみ記入した接続先を作成すると、
それで接続できます。
Webブラウザを起動するとUsername、Passwordを入力する画面が現れ、
指定されたUsername、Passwordを入力すると自由にインターネットに
アクセスできるようになりました。
さらにカウントダウンのページも現れ、Usage Timeで指定された時間が
だんだん減っていきます。
最初の日のものは24時間でしたが、
途中からは48時間のものを渡してくれるようになりました。
ホテルLegenteでは無線LANに関して問題が発生しました。
しばしば電波は弱くなることです。
地上階の上がSALONになっていてその上から1階2階となっているホテルの
608室に滞在していましたので、
日本では8階ということになります。
酒井君が上の階だから電波が弱いのではと言うので
SALONで試してみると電波の状況は良好でした。
というわけで滞在途中からは
SALONにザウルスを持っていってソファーで無線LANを使うようになりました。
無線LANの設定(神戸大学)
2010年度幾何学シンポジウム会場の神戸大学百年記念館と
理学部で無線LANを利用しました。
Zaurusのネットワーク設定を使って
「神戸大学」という接続先を作成し、
基本設定のESS-IDに指定された文字列を入力。
暗号化、PPPoE、Web認証はそのままなにも設定せず、
TCP/IPはIPアドレスを自動的に取得にチェック、
DNSではネームサーバーの自動検出にチェック、
プロキシはなにも設定せず終了。
WPA Settingsを起動し、
「神戸大学」を選んで編集ボタンを押して
暗号化の項目をNone/WEPからWPA/WPA2に変更して終了。
これらの準備をしてからアクセスすると接続しました。
Webブラウザを起動するとWeb認証用のIDとパスワードを
入力する画面が現れ、
指定されたIDとパスワードを入力すると自由に
インターネットにアクセスできるようになりました。
PHS通信カードの設定(b-mobile)
2011年4月4日からは、
PHS通信カードによる接続には日本通信のb-mobileを利用しています。
前に使っていたKWINS同様にライセンスはインターネットアクセスだけで
メールアカウントはありませんが、
数学系のメールサーバにアクセスすればWebmailを利用できるので
これで十分です。
- ダイヤルアップ設定
Zaurusの電源を切った状態で通信カードをCFカードスロットに挿入します。
Zaurusの電源を入れると、タスクバーにCFアイコンと
通信のアイコンが表示され
Zaurusが通信カードを認識していることを確認できます。
設定 -- ネットワーク設定 に進み、「セットアップ」をタップすると、
インターネット接続設定アシストの画面になります。
接続方式を「ダイヤルアップ接続」にして、「追加」をタップします。
「PPPダイヤルアップ接続[一般]」をタップして、「選択」をタップします。
接続先の名前、ユーザー名、パスワード、電話番号を入力して、
「OK」をタップします。
これでダイヤルアップ設定終了です。
- 開通手続き
携帯電話から指定された番号に電話をかけ、
音声ガイダンスに従ってパッケージにあるPSIDを入力すると
開通手続きが終了しました。
これで約5分後にはZaurusとb-mobileでインターネットに
アクセスできるようになりました。
PHS通信カードb-mobileライセンスの更新
PHS通信カードを使い続けるためにはライセンスの更新が必要になります。
以下はそのさいの手順の記録です。
PHS通信カードb-mobileの更新手続きをするためには、
更新する通信カードでアクセスしないといけないようです。
この通信カードはZaurus専用ではないので、
Vine Linuxの起動しているレッツノートに通信カードを刺して、
b-mobileのオンラインショップにアクセスし
更新手続きをします。
利用している通信カードのIDやいつまでどういう条件で利用できるか等の
情報が画面に現れました。
こちらが情報を入力しなくてもオンラインショップがこちらの
情報を把握していると便利ですね。
これらの情報に間違いがないことを確認して、
更新する条件を選択してクレジットカード情報を入力すると、
更新手続き完了です。
PHS通信カードb-mobileバージョンアップ
2012年1月25日に日本通信から通信カードバージョンアップに関する
メールが届きました。
電波法関連省令の改正に基づいた制御チャネルの周波数の移行にともなって
通信カードのバージョンアップが必要になるという連絡です。
私が利用している機種は2012年4月30日までにバージョンアップしないと
それい以降は利用できなくなるということです。
2012年2月26日に通信カードのバージョンアップ作業をしました。
Webにあるバージョンアップ手順は以下のとおり
- バージョンアップソフトをPCにダウンロード
- PCでバージョンアップソフトを実行
- 通信カードをPCに挿入し「開始」をクリック
さらに詳しく見ていくと、バージョンアップソフトは
Windows、Macintosh、クリエ用しかありませんでした。
ザウスルでバージョンアップ作業はできないので、
ノートPCのWindows Vistaを起動し上記手順で
通信カードのバージョンアップ作業を完了しました。
PHS通信カードの設定(KWINS)
2011年3月30日までは、PHS通信カードによる接続には
京セラのKWINS(KW-S101C)を利用していました。
KWINSのライセンスはインターネットアクセスだけで
メールアカウントはありませんが、
数学系のメールサーバにアクセスすればWebmailを利用できるので、
さらにメールアカウントは必要ないと思いKWINSを選びました。
- ダイヤルアップ設定
Zaurusの電源を切った状態で通信カードをCFカードスロットに挿入しました。
Zaurusの電源を入れ、設定 -- ネットワーク設定 に進み、
セットアップ ボタンを押すと、
インターネット接続設定アシストの画面になります。
セットアップを押し
「挿入されているカードを使ってネットワーク設定を行ないます」
に「はい」で答えました。
データカード型PHSが自動認識され
KWINS [KW-S101C]
が表示されました。
次のプロバイダーの選択にも自動的に
KWINS
が表示されました。
アクセスポイント設定も自動的に電話番号が表示されました。
インターネットへの接続情報はパスします。
DNSサーバ情報は自動的に取得を選びました。
設定名称は自動的に表示された KWINS をそのまま登録しました。
これでダイヤルアップ設定終了です。
- オンラインサイアップ
設定 -- ネットワーク設定 に進み、
接続の種類を「ダイヤルアップ接続」にしました。
すでに設定されている KWINS を修正します。
接続先のユーザ名にライセンス証書のライセンス番号を入力し、
パスワードも入力し OK を押しました。
ここまでの設定で接続できます。
「ネットワークに接続しました」のメッセージを確認してから、
ウェブブラウザ NetFont v3.1 を起動し KWINS のオンラインサインアップの
URLにアクセスします。
ライセンス番号を入力し、アカウント登録ページに進みアカウント名、
パスワードなどを決め、個人情報を入力することで登録が完了しました。
- インターネット接続
設定 -- ネットワーク設定 に進み、
接続の種類を「ダイヤルアップ接続」にしました。
すでに設定されている KWINS を修正します。
オンラインサインアップで登録したユーザ名とパスワードを設定し、
プロキシサーバの設定もしました。
これでインターネット接続のための設定がすべて終了しました。
上記のようにSL-C3200でPHS通信カードの設定後、
SL-C3100の場合
にもPHS通信カードの設定をしました。
PHS通信カードKWINSライセンスの更新
PHS通信カードを使い続けるためにはライセンスの更新が必要になります。
以下はそのさいの手順の記録です。
上に書いた設定の手順は冗長な感じなので、
こちらは箇条書にまとめてみました。
- 電源を切りKWINS通信用カードを挿す
- 設定 - ネットワーク設定
- ダイヤルアップ接続 接続先電話番号を確認
- プロキシの設定を解除
- 接続
- 接続が完了するとネットワーク設定の画面を閉じる
- アプリケーション - NetFront を起動
- KWINSライセンス登録TOPページにアクセス
http://signup.kwins.net
- アカウント名、パスワードを入力
- ライセンス確認・更新を選択
- ライセンス証書のライセンス番号を入力
- 更新ボタンを押す
- KWINSライセンス更新完了ページ
- プロキシの再設定
Picsel Browser
Zaurusに最初から入っているウェブブラウザ NetFont v3.1 は
ちょっと力不足なようなので、
Picsel Technologies Ltd の Picsel Browser を
購入してインストールしました。
Picsel BrowserのSDカードをZaurusが認識すると、
自動的にインストールが始まります。
このSDカードを刺した状態でないと使えないようです。
これはウェブブラウザであるだけではなく、
各種画像ファイル(jpeg, gif, png)、MS Officeの各種ファイル、
PDFファイルなどのビューアにもなります。
LANに接続して Picsel Browser で Yahoo にアクセスし、
IDとパスワードを入力してログインできました。
sshクライアント
以下の記述はサーバにアクセスして種々のコマンドを利用できる状況の
ときのものです。
現在はscpを利用してホームページの更新を行っています。
Zaurusからsshクライアントを使ってサーバにアクセスする手順をまとめています。
以前はtelnetでサーバにアクセスしていましたが、
現在では学外からのアクセスだけではなく数学系内のLANからのアクセスも
telnetによるアクセスは受け付けないようになっています。
ですから、sshクライアントが必要になります。
このホームページを色々な環境からアクセスして更新することも
sshクライアント導入の目的の一つです。
$ は一般ユーザでの作業を示します。
- ファイル入手
http://killefiz.de/zaurus/showdetail.php?app=1035
から次のファイルを入手します。
openssh-3.6.1p1_arm.tar.gz
このファイルを解凍します。
$ tar xvzf openssh-3.6.1p1_arm.tar.gz
解凍して現れるファイルのうち次のファイルを利用します。
openssh-client_3.6.1p1_arm.ipk
openssh-server_3.6.1p1_arm.ipkというファイルもでてくるので、
zaurusをsshサーバにもできるようですね。
-
openssh-client_3.6.1p1_arm.ipkのインストール
ソフトウエアの追加/削除によって
openssh-client_3.6.1p1_arm.ipkをインストールします。
これでインストールは完了です。
-
sshクライアントによる接続
まずネットワークに物理的に接続します。
画面右下の地球アイコンをタップしてネットワークに接続します。
接続設定を複数作成している場合は物理的な接続に合う接続設定を
選択します。
Zaurusでは通常ユーザ名はzaurusになっているのですが、
アクセスするサーバのユーザ名は普通はzaurusではありません。
そこで、sshでサーバにログインするときは、
-l オプションでユーザ名を指定します。
$ ssh -l (ユーザ名) (サーバ)
(サーバ)のところにはたとえば***.math.tsukuba.ac.jpのように入力します。
初めてアクセスすると次のようなメッセージが現れます。
The authenticity of host '(サーバ)' can't be established.
RSA key fingerprint is *****.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
yesと答えるとパスワード入力画面になります。
ユーザ名のパスワードを入力するとログインできます。
このとき
/home/zaurus/.ssh/known_hosts
が生成され、このファイルの中に暗号を解く鍵が保管されているようです。
二回目以降、上と同じ操作をすると、
すぐにパスワード入力画面になり、
パスワード入力でログインできます。
-
rsyncとsshによるファイル転送
sshでサーバにログインしてファイル編集等の作業をするよりも、
Zaurusで作業したものをサーバにアップロードする方が都合がいい場合は、
rsyncとsshを使ってファイルをZaurusuからサーバに転送します。
Zaurusのホームディレクトリにある一つのファイルを
サーバのホームディレクトリに転送するという最も簡単なことを
するには、
次のコマンドを実行します。
$ rsync -e ssh (ファイル名) (ユーザ名)@(サーバ):
rsyncの適切なオプションを付けることで、
ディレクトリを転送したり、タイムスタンプの新しいファイルのみ
転送することもできます。
-
rsyncとsshによるCFカードのファイル転送の実際
上記「rsyncとsshによるファイル転送」では問題を単純化して、
手順を記述しました。
この項では、実際にどのような手順でファイルを転送しているか、
特にこのホームページの更新の手順を書き留めておきます。
このホームページ全体のファイルは一枚のCFカードにすべて保管しています。
LANカードをZaurusに挿してCFカードのこれらのファイルを転送するために、
USB接続
で説明した手順でCFカードをZaurusにUSB接続しておきます。
数学系のウェッブサーバになっているサーバAは学外から ssh でアクセス
できないようになっています。
もう一つのサーバBは学外から ssh でアクセスできます。
そこで、CFカードにあるホームページのファイルを学外から
サーバBにまず転送します。
$ rsync -auv -e ssh /mnt/usbstorage/.../html/* tasaki@(サーバB):html/
バックアップファイルを転送しないようにするために rsync にさらに
--exclude=*~
というオプションを私はつけています。
次にZaurusからサーバBに ssh でログインします。
$ ssh -l tasaki (サーバB)
サーバBからサーバAにファイルを転送し、
ホームページの更新作業が完了します。
$ rsync -auv html/* (サーバA):public_html/
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