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PROJECT

企画展「魂の歩み いのちの造形」藤川素子×一鍬田徹展 2012 @はつかいち美術ギャラリー(廿日市市)2012年10月5日(金)~21日(日)


[展覧会コンセプト](本文は2012年の展覧会開催時に配布した資料からの転載)

「魂の歩み、いのちの造形」展を開催いたします。
 本展は、染色家・藤川素子と彫刻家・一鍬田徹の二人展による、”いのちの造形”をテーマにした展覧会です。

 藤川素子(1931- )は、日展(特選1980年、1988年)、日本現代工芸美術展を中心に、ろうけつ染により独自の人生観を表現してきた染色家です。元東京国立近代美術館工芸課長(現 茨城県陶芸美術館館長)・金子賢治氏は、「藤川素子の作品は例えばこれまで「生きる」(1988年)とか「望み」(88年)、「いのち」(89年)というタイトルを用いてきたように、現代に生きる作家自身、そして人間の生命感、生命力といったものがテーマとなっている。(中略)この抽象と具象の境目のない混合、というか一体化、これが抑制された色彩の清浄感もあいまって画面に雄大なスケール感を与えているのである。それが作品そのものの生命力とモチーフとしての生命感に強い力を与えているが、それはまたとりもなおさず現実、日常の中で自己自身を見つめる自己の目の確かさによっている。」(*)と、その作品の質の高さを讃えている。

 また一鍬田徹(1964- )も日展(特選2005年、2007年)、日彫展、白日展といった公募を主な作品発表の場としながら、その他コンクール、グループ展、個展等を積極的に行い、従来の彫刻表現に留まらない独特の展開を試みてきた彫刻家です。特に2007年に、広島市立本川小学校の平和資料館(被爆建物)で行った個展「ヒロシマのピエタ」展について、美学者・金田晉氏は、「本展覧会は、一鍬田が広島市民になって以来ずっとあたためてきた構想と、それよりも古くから自分の制作を貫いてきた表現意志と、本川小学校を守ってきた地霊のような空間の力が作り上げた奇跡のような出会いであった。」(**)と述べています。

 藤川は平面、一鍬田は立体と、その表現形式は異なりますが、どちらも“魂”や“いのち”を主たるテーマとして、創作活動を行ってきたという共通点がある。この度の展覧会では、藤川の染色技法(ろうけつ染)による平面作品と、一鍬田の彫刻(主に石膏)を有機的に関連づけることで、個々の展示ではなし得ない、新たな空間の創出を試みます。

 特に”生きる実感”や”いのち”について声高に叫ばれるようになって久しいですが、二人の作家による”いのちの造形”の作品は、現代における、生や死に関わる問題を改めて浮き彫りにするでしょう。

(*)『ART BOXシリーズ 藤川素子の染世界』2003年、p.2
(**)『美術ひろしま2007-08』(財)広島市文化財団、2009年、p.87)



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