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PROJECT

企画展「安芸津DNA」展 2006 正念寺(東広島市安芸津町) 2006年9月16日(月)~10月1日(日)

[展覧会コンセプト](本文は2006年の展覧会開催時に配布した資料からの転載)

○展覧会のお知らせ
【東広島現代美術プログラム2006 安芸津DNA】
拝啓
初秋の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。日頃は大変お世話になり、誠にありがとうございます。
 さて、来る9月16日より東広島市教育委員会主催の「東広島現代美術プログラム2006 安芸津DNA」が開催されます。東広島市安芸津町は、万葉集に「風早の浦」と詠われるように、奈良時代からの古い歴史を持つ町です。本展では、現代造形作家の作品をまちに展示することによって、まちの中に脈々と生き続ける遺伝子(DNA)が作品の中に現わされ、現在が過去と未来を繋いでいくものであるということを実感できることと思います。
 お忙しいこととは思いますが、お時間がございましたらご鑑賞いただければ幸いです。

敬具

 
○【作品解説】より引用
『REALITY  OF  LIFE(AND  DEATH)』
 本日は、ご高覧頂き、誠にありがとうございます。
「REALITY  OF  LIFE(AND  DEATH)」は、「生きている実感」を意味する言葉で、これまで私自身が作品を発表する際の大きなテーマにしてきたものです。今回の「安芸津DNA」では、ここ、正念寺の境内を舞台に作品展示させていただくことになりました。この正念寺は、聞くところによると、慶長18年(1613年)に建てられたそうです。つまり約400年も前から、このお寺は安芸津の人々を見守り続け、またたくさんの人がこのお寺をお参りしてきたことでしょう。
私の「REALITY  OF  LIFE (AND  DEATH)」というテーマをもう少し具体的に言えば、「命の大切さ」や「命のつながり」、「家族の大切さ」ということになります。今回の作品で言えば、本堂に向って人物像とプレートと椅子が一直線上に並んでいます。人物像は「母親(Mother)」のイメージを表しており、特定の人物ではありません。「赤いプレート」には、日本人の一般的な「子ども」の名前がローマ字で書かれています。また「赤い椅子」は見てくださる皆さん自身(が座る場所)です。(「赤」は、境内の松との補色関係としての色彩的効果をねらうと同時に、血のつながりを表す意味もあります。)
現在の私たちの存在は、多くの祖先の命のつながりの上に成立しているものです。『いのちのまつり「ヌチヌグスージ」 』(作:草葉 一壽  絵:平安座 資尚、サンマーク出版)という本には、そういった自分の祖先が何百、何千、何万といることがとてもわかりやすく表されています。これまで続いてきた命のつながりは、その人、その土地のDNAとなってこれからも続いていくことでしょう。「今日」という日は、過去と未来をつなぐ一種の橋のようなものです。また命もこれまで連綿と受け継がれてきたものです。今、生きている私たちは、過去の人々に対しても未来の人々に対しても、責任を負っているといえるでしょう。「生きている実感」は、日々の忙しい生活の中では忘れがちなことではありますが、こうやって「命の大切さ」や「命のつながり」、「家族の大切さ」を視覚化することで、何かしら大切なものを思い出すきっかけになれば幸いです。
最後になりましたが、このような作品発表の場を与えてくださった東広島市教育委員会、正念寺、その他関係各位に心より感謝申し上げます。

2006年9月16日 

 

*  「赤い椅子」は、お座りいただいて結構です。
*  「赤いプレート」の上にはのらないで下さい。

 

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