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SOLO

「REALITY OF LIFE Ⅳ」展 2004  ガレリア・グラフィカbis(東京・銀座) 2004年6月28日(月)~7月3日(土)

 (以下、会場に掲示した挨拶文からの引用)

[展覧会コンセプト]
 
 自分がここ(この世)に確かにいたという証を残したいという思いは、誰の心にもあるのではないでしょうか。その形は様々だと思いますが、たとえば家族や親しい友人の心の中に記憶として残ることもあるでしょうし、アルバムや日記などといった形あるもの、記録として残すこともあるでしょう。また仕事や趣味で有形、無形の証を残す場合もあります。あるいは自分の遺伝子(DNA)を引き継ぐ子ども存在こそが、確かな証と考えることも出来ます。こういった生や死に関すること、「記憶」や「記録」に関する思いを美術作品として何らかの形にしたい気持ちに駆られ生まれたのが今回の作品です。この展覧会は[もの]としての彫刻と、それらの配置によって生まれる空間、そしてその空間の中に、今、生きているあなたがいることによって、初めて作品として成立するものです。
 
 男女の横たわる像は特定の個人を表現しているわけではないので、顔や手足などはありません。しかし肉体がそこに確かに存在したイメージを残しています。またプレート状のものは、固有名詞としての日本人の一般的な男性名、女性名が記されています。いわば記録のイメージを形にしたものです。いずれも棺を想起させる鉄のフレームの中に納められています。これは「生」と「死」を象徴的に対比させて表現しています。
 
 「REALITY OF LIFE(生きている実感))は、情報化が進む現代社会において、ますます希薄になりつつあるがゆえに、もっとも大切な感覚のように思います。バーチャルな世界とリアルな世界の境界線があいまいになり、そのことが知らず知らずのうちにわれわれの心を蝕んでいるような気がしてなりません。
 
 今、生きているというリアルな感覚は、日々の生活の中で忘れがちではありますが、私たちが生きていくうえで、決して忘れてはならないものだと思います。

2004年6月28日


  
 

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