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「REALITY OF LIFE AND DEATH 一鍬田徹彫刻展」 八千代の丘美術館(安芸高田市) 2009年4月1日~2010年3月26日

(以下、会場に掲示した挨拶文からの引用)
  
ごあいさつ

本日はご来場いただき、誠にありがとうございます。

このギャラリー(八千代の丘美術館/B棟 第8期)では、「REALITY OF LIFE AND DEATH一鍬田徹彫刻展」と題して、1年間(2回入替)、彫刻・立体作品の展示をさせていただいています。

『REALITY OF LIFE AND DEATH』とは、「生きている実感」「生と死の現実感」という意味です。これまで、このテーマで作品制作、展覧会の開催をし、その時々で、私なりの「生」「死」「家族」「実感」「現実感」といったものに対する解釈と表現を発表してきました。しかし、「生」や「死」をテーマにした芸術は、古来から美術・音楽・文学・詩など様々な形で表現されてきたものです。人が生きている限り、このテーマは普遍性を持ち、今後も表現され続けることでしょう。その時代、時代に生きた人々がこれらの問題をどう捉え、どう考えていたかを芸術作品から読み取ることは、当時の考え方を知ることになるだけでなく、今、生きている私たちにも多くの示唆を与えてくれます。この点を踏まえれば、現代には現代の「生」や「死」の考え方があり、それらをどう考えるかは現代人に課せられたテーマと言えるでしょう。しかし昨今の痛ましい事件は、命の重みとはまるで逆のベクトルで、頻繁に起こっています。意識しているかどうかは別として、「なぜ生きるのか」「どう生きるのか」といった哲学的な問題は常に私たちのすぐそばにあります。そして現代ほど、この当たり前の問いがゆらいでいる時代もないのではないでしょうか。

私の制作する彫刻作品はそのほとんどが粘土で形を作り、石膏で型をとる工程を経ていますが、どれも自らの身体を使わなければ成立し得ないもので、現代のコンピューター時代に全く逆行する究極のアナログと言ってもよいものです。しかし、自分の身体あるいは五感を使って作品制作するということは、それ自体が私自身にとっては「生きている実感」を感じさせてくれるものであり、その結果として完成した作品も「生命感」あるいは「いのち」を強く感じさせるものでありたいと常々考えています。

どうかゆっくりご鑑賞いただき、忌憚のないご意見、ご感想をいただければ幸いです。

今回の展示をさせていただくにあって、八千代の丘美術館関係各位には大変お世話になっています。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

2009年4月1日
 一鍬田 徹

 

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