上述の特徴は人間の視覚系を模倣したものであるが、文字認識では、4方向面特 徴と呼ばれる特徴の有効性が知られている。4方向面特徴は、各画素のエッジ勾 配を4つの方向面にわり当てて表現したもので、上述のGabor特徴を簡略化したよ うな特徴である。具体的には、Prewittオペレータで求めた各画素のエッジ勾配 を、エッジ方向に基づき、水平、垂直、右斜め、左斜めの4方向に分解した4枚の 画像を作成し、それらの画像をガウシアンフィルタに通して低解像度化した特徴 である。4方向面特徴は解像度を低下させてもエッジ方向情報を保持しており、 低解像度化によりエッジの形状変動に対してロバストになる。また、低解像度化 することで、特徴量の数が削減できる。
本郷等は、4方向面特徴を顔認識に応用し、顔認識でもこの特徴が有効であるこ とを示した[36,37]。