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高次局所自己相関特徴と判別分析を用いた顔画像認識

画像集合を直接主成分分析や判別分析して固有顔を構成して、顔画像の認識に 利用する方法を示したが、このような方法では、画像中の顔の位置がちょっと でも変化するとパターンが大きく変化するので、画像の位置や大きさなどを予 め正規化しておく必要がある。大津等[53,34]は、これを改 善するために、画像から対象の位置や大きさの変化に頑健な特徴(高次局所自 己相関特徴)を抽出し、その特徴の基づいて識別する方法を提案している。高 次局所自己相関特徴に基づく方法は、対象の位置の変化に頑健で、しかも、非 常に簡単な計算で特徴を計算できるので、実時間での顔画像認識が必要なヒュー マンインタフェースなどにも利用されている[26]。

栗田等[34]は、高次局所自己相関特徴と判別分析を組み合わせた 方法を顔画像の識別に適用し、50人から撮影した約1000枚の顔画像の識別実験 において 92.2% の認識率を得ている。また、画像ピラミッドの各画像から特 徴を抽出することにより、認識率が向上することを示している。Goudail等 [22]は、画像ピラミッドの各解像度の画像から抽出した高次局所 自己相関特徴で独立に判別分析を行い、さらにそれらを統合して識別するなど の工夫により、116人から撮られた11600枚の顔画像の識別において、99.9%の 認識率を達成している。大きさの変化に対しても頑健にする試みとしては、画 像ピラミッドに基づく方法[32]や抽出された特徴の組み合せ方を 工夫することにより大きさに不変な特徴を構成する方法[1]などが ある。また、栗田等[38]は、能動視覚システムを利用した認識を 目指して、Log-Polar画像から高次局所自己相関特徴を抽出することにより、 大きさの変化に強くすることを試みている。



平成14年7月19日